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それでもOKという方は、よろしくお願いします。
智花はジュースを持って、女装した良介のところにやってきた。
「お疲れ様!
ジュース持ってきたよ!
はい。
疲れてるでしょ?
遠慮しないで飲んでね。」
良介は智花からジュースを受け取った。
「ああ、ありがとう智花。」
智花は不安そうな顔で良介を見た。
「ちゃ、ちゃんとできてますか?」
「ん?
できてるけど、なんでタメ口なの?」
「え?
あ、そのですね。
せっかくカムフラージュしてるからってことで・・・そ、その、敬語使うと目立っちゃうじゃないですか。」
「でも、他の人には使ってるよね?」
「あ、た、確かに・・・他の人にも敬語は使いますけど・・・いいんです!
頑張ってみせます!
あ、頑張る!」
「そ、そう、あまり無理しないでね・・・」
すると、そこに春乃がやってきた。
「る、瑠璃川さん!
よ、よろしくお願いします!」
「ああ・・・」
すると、春乃は女装した良介の方を向いた。
「良介。
秋穂がお節をご馳走したいって言ってた。
アタシは誘わない。
伝えるだけだ。
いいな。」
「あ、ああ、わかった・・・
(誰かから俺のこと教えてもらったのか。)」
春乃が立ち去ると入れ替わりで風子がやってきた。
「あの瑠璃川が、ずいぶんと変わったもんです。」
「あ、妹さんの時の・・・り、良介さん、瑠璃川さんと仲がいいんですか!?」
「あの態度見ればわかるでしょ。
なかなか気を許さない女なんですよ。
特に妹が絡んだ時はね。
その瑠璃川が・・・まさかお節に呼ぶなんて・・・」
「あ、あわわ・・・」
「どうした、そんなに慌てて。」
良介は智花の様子を見て尋ねた。
「え?
あ・・・なんで、こんなに慌ててるんでしょう・・・?」
「しっかりしてくだせー。
良介さんの人脈は知ってますでしょ。
誰と仲がよくてもおかしくないんですから。」
「そ、そうです!
わたしも人脈っていうか、みんなとお友達になりたくて・・・負けてられません!」
「はぁ・・・ま、やる気が出るならいーことですが。
里中もそろそろ目立ってくるでしょーし、よろしくおねげーしますね。」
そういうと風子は、去っていった。
「なんで、慌てたんだろ・・・?」
智花は何故自分が慌てたのかわからず、首を傾げた。
***
良介は智花に碧万千洞であったことを話した。
「とまあ、こういうことがあったんだ。」
「へぇ・・・そんなことがあったんだ。
秋穂ちゃんが危なかったのは聞いたけど・・・他にも来栖さんも変わったって月詠ちゃんが驚いてたし・・・なんだか、すごいね。」
「何が?」
良介は首を傾げた。
「だってだって、転校してきた時に案内したの、わたしなんだよ?
その時からたった1年で、いろんな人を助けてるって・・・すごいに決まってるよ!」
すると、そこに夏海がやってきた。
「ハロー。
智花、良介見なかった?」
「え?
えっと・・・見てないよ!」
智花は女装した良介の方を一瞬見て、嘘をついた。
良介は真顔で夏海の方を見ていた。
夏海は智花を黙って見た。
「そう?
じゃどっかでサボってんのかしら。
探してみよっと。
また後でねー。」
夏海は去っていった。
「ふぅ・・・よかったぁ。
瑠璃川さんが気づかなかったから安心してたけど・・・夏海ちゃんに気づかれたら、一気に広まっちゃうからね。」
「確かに、夏海にだけは・・・」
「あ、そうそう。」
いつの間にか夏海が戻ってきていた。
「ひゃぁっ!」
「ほぁっ!?」
2人は変な声が出てしまった。
「なによ、変な声出して。」
「いや、その、あの、なななんでもないよ!」
「なんか隠し事してる?」
「まさか!
ねぇ、何も隠してなんかないよね!」
「え、ええ、そうね!
(そこで俺に振るなっつーの!)」
「ん・・・そういえば、誰?
見ない顔だけど。
新しい転校生?」
「う、うん、そんな感じ。」
「へぇー、後で取材させてもらうわね。
あ、そうじゃなくて・・・部長になんとしても良介を見つけろって言われてるの。
もし見かけたら、教えてね。」
夏海は再び去っていった。
「ゆ、遊佐さんが・・・?
隠し通せるかなぁ・・・」
「(鳴子さん・・・絶対俺が女装してること知ってるな・・・)」
2人は不安そうな顔をした。
***
良介と智花が2人で歩いていると周りの人が多くなってきた。
「な、なんか人が多くなってきたかも・・・?
大丈夫かな。」
「あんまりごちゃごちゃすると、警備に支障が出るな・・・智花は大丈夫?」
「あ、わたしは大丈夫だよ。
でもほら、あんまり触られるとバレるかも・・・」
すると、2人の距離が自然と近くなった。
そこに風子と真理佳がやってきた。
「おーっと、おふたりさん。
そこまでです。」
「え?」
智花は啞然とした顔で風子たちの方を向いた。
「わっ!
セ、センパイたち・・・まさか・・・」
「えっと・・・あ、ひゃあっ!」
智花はようやく良介との距離が近くなっているのに気づいた。
「いくら女子同士とはいえ、近づきすぎはいけませんねー。
クエスト中に何をやってるのかと、くじょーが入りますよ。」
「あ、あの、そうじゃなくて、人が多くてですね・・・!」
「空いてる所に移動すればいーじゃありませんか。」
「えっと・・・だ、大丈夫です!」
「何が大丈夫なんですかね。
ま、ここぞという気持ちはわかりますが・・・風紀を乱すようなことはお控えくださいねー。
懲罰房ですから。」
風子は良介の方を向くと、ニコッと笑みを見せると去っていった。
「こ、ここぞなんて思ってないです!
他の人に触られないようにって、わたしがガードしてたんです!」
智花は風子の後ろ姿を見ながら言った。
「触られても平気ですよ?」
「え?」
真理佳の言葉に智花は首を傾げた。
「ボクも触らせてもらいましたけど、センパイ、ちゃんと女の子です!」
「智花、知らなかったの?
ほら。」
良介は腕を出すと、真理佳はその腕を触った。
「ほら、見てください。」
「こ、これって見た目だけじゃなかったんだ・・・」
智花も良介の腕を触った。
「ホントだ!
柔らかい!
しかもお肌に張りが・・・」
智花は良介の胸を凝視した。
「どうした?」
良介は智花に尋ねた。
「ゎ、わたしより大き・・・なんでもないです!
もう!」
智花は去っていった。
「どうしたんでしょう?」
「さぁ・・・?」
良介と真理佳は首を傾げた。
***
少し時間が経って、良介は風子にいじられていた。
花梨が少し離れたところから見ていた。
「水無月ったら、ここぞとばかりにいじってるべ。
おーい、あんまり遊んではなんねぇよ、水無月!」
すると、夏海がやってきた。
「やほー。」
「あらら、あんたまで来ちゃったんだべか。」
「な、なによー。
まだ何もしてないじゃない。
入り口でもの凄い勢いで注意くらって凹んでんだからさ。」
「注意?」
「絶対写真撮るなって。」
「んだんだ。
あれんどは、みんな知ってる人ばっかりだすけ。」
「取材じゃなくて記念撮影ならいいわよね?」
「勝手に判断しねぇで、いいかどうかちゃんと聞いとけよ。」
花梨はため息をついた。
「おっけおっけ。
ところで智花と良介知らない?」
「ん・・・知らねぇなぁ。
どこかにいるんじゃねぇか?」
「さっきから全然探してるのに見ないのよー。
見たら教えてね。」
夏海は去っていった。
入れ替わる形で、風子が頭をさすりながらやってきた。
「いやー、良介さんのあの顔、面白かったですよ。」
いじりすぎて頭を叩かれたらしい。
「水無月。
あんた良介のこと知られねぇように女にしたんだっきゃ?
学園生だからってどんどんバラしてっと、漏れちまうじゃねぇか?」
「とは言っても、今ここはテロリスト垂涎の会場ですからね。
なにかあったときのため、良介さんを知っている人は確保しませんと。」
「まぁ・・・ただの女子だすけなぁ、アレだと。
魔法使いだっつって狙われたらひとたまりもねぇか。
けんど、それだばなんで連れてきたんだ?
わざわざ女子に見せかけて。」
「同じ理屈ですよ。
テロが起きたら、良介さんの力が必要になるからです。
円野なら真っ先に駆けつけるでしょうし、バラしておいた方がと思いまして。」
「女子じゃなくて、違う男子に変化させればよかったんじゃねえか?」
「男子はどちらにしろ目立ちますから。
同じ水準の顔なら、魔法使いは女子の方が目立たねーでしょ。」
「そこまでするんだば、男子の参加者増やした方がよかったんじゃねぇか・・・」
「ま、男子だと知らない生徒は女子同士の感覚で絡んでいってますし。
円野みたいに、むしろ教えた方が距離が近くなるのもいるんで・・・良介さんにしてみればそれなりに役得なんじゃねーです?
女子同士ですから、校則違反でもありませんし。」
「なんか、わけわかんなくなってきたべ。
もしかして水無月、あんたが良介いじってたのは・・・」
「やですね、別にいじってなんかいやしませんよ。
やるべきことをやってるだけです。
女の子だと、周りに信じてもらうために。」
風子は再び良介のところに向かった。
***
良介と智花は樹のところにやってきた。
「おっと、智花ちゃんにマキ・・・ちゃんでよかったかな。」
「どうも、樹さん。
もう少しで終わりですか?」
「ああ。
みんな忙しいからね。
夜まで、というわけにはいかない。」
すると、樹の後ろにいつの間にか春乃が立っていた。
「神宮寺 樹。」
「おや、君は春乃ちゃん・・・」
「妹に近づいたな?」
「え?
おおおおっ!?」
樹は春乃に胸倉を掴まれるとそのまま連れ去られてしまった。
「樹さん、何やらかしたんだ?」
「あらら、間に合わなかったか。」
誠がケーキを食べながらやってきた。
「なぁ、樹さん何やったんだ。」
「瑠璃川の妹をナンパしたんだよ。
本人はただの挨拶のつもりだったのかもしれないけど。」
「ああ、それは仕方ないか。
とりあえず、血の雨が降る前に春乃を止めるか。」
良介と誠は樹と春乃の所に向かった。
「ご、誤解だ!
僕には妻がいる!」
「ほう?」
「たとえ子供とはいえ、手を出したら社会的にも物理的にも死んでしまう・・・君の妹へは挨拶しただけだ!」
「ただの挨拶で肩に手を回す必要があるのか?」
「あ、あれは昔のクセがちょっと・・・二度としない!
だから命ばかりは!」
「警告は一度だけだ。
いいな。」
「あ、ああ・・・わかった。」
良介たちが来る前に話が終わってしまっていた。
「ありゃ?
てっきり血祭りにあってると思ったんだがな。」
「さすがに春乃もそこまで考えなしじゃないだろ。」
誠は状況を見て、つまらなさそうにしていた。
***
JGJの新年会も終わろうとしていた。
良介と誠と樹は3人で話をしていた。
「さて・・・宴もたけなわだが、そろそろ終了だ。
命の危険もあるからね・・・フフ、あそこまで情熱的に迫られたのは初めてだよ。
今日はありがとう。
君たちのおかげでいろいろと助かった。
お客さん方も安心して宴会が楽しめたと思うよ。」
「なぁ、誠。
樹さん、反省してなくないか?」
「そうだな、こうなったらさっき盗撮した瑠璃川の妹にナンパしてる写真を鳴子さんに手渡して、わざとインターネットに流してもらうか。
題名は『神宮寺 樹、女子中学生に手を出していた!』で。」
誠は懐からカメラを取り出した。
「冗談でもやめてくれ!
本当に俺の人生が終わる!
いつ撮ったんだその写真は!
没収だ!」
樹は誠からカメラを取り上げた。
「あぁ、せっかくネタにできそうだったのに・・・」
「ネタってどうするつもりだったんだ?」
「初音あたりに渡そうかと・・・」
「初音に渡したら・・・碌なことにならなさそうだな。」
それを聞いて良介は苦笑した。
樹は軽く咳払いした。
「とりあえず、警備に当たってくれた魔法使い諸君に、神宮寺からお礼を言わせてもらう。
普段、初音が迷惑をかけている分もね。」
「別に、そんなことありませんよ。」
「ならいいがね・・・マキちゃん。
君に伝えたいことがある。」
「へ?」
「む、告白か?」
「誠くん、少し黙っててくれ。」
樹は誠を軽く睨んだ。
「へいへい。」
「初音を、よろしく頼む。
アイツが沙那ちゃん以外の話をするのってな・・・本当に珍しいことなんだ。
だから、気に入ってると思うんだ。
俺はあまり構ってやれない。
もちろん、誰でもいいってわけじゃないぞ。
沙那ちゃんも太鼓判を押す君だから言うんだ。
将来のことはまだわからないが、初音が相手として君を連れてきても・・・俺は反対しない。
初対面でこんなことを言うのは変かな?」
「ええ、かなり変だと思います。」
「ま、これが神宮寺だと思ってくれ。
ああ、それと・・・さっき話した武器の件、よければ進めておこう。」
「え・・・本当ですか?」
「もちろん、使うかどうかは君次第だ。
考えておいてくれ。
じゃあな。
今度会えたら、1杯おごろう。」
樹は去っていった。
「樹さん、やけに良介のこと気にかけてるな。
やっぱ、外見が女だから・・・」
誠が独り言をしていると、いつの間にか春乃が目の前に立っていた。
「あ、春乃。
秋穂は?」
「避難させたわ・・・なんで女子にしたの?」
「男子だと目立つからだと。
みんな訊いてくるな。
つーか、誠含めて数人男子いるんだから別にいいと思うんだがな。」
「ふうん。
まぁ、どっちでもいいけど・・・じゃあ、あたしはもう行くから。
アンタが本当に女だったら、いろいろ違ったかもね。」
春乃は去っていった。
「それじゃ、俺・・・私たちも帰るか。」
「思ったんだけど、いつまで女の格好でいるつもりだ?」
「たぶん・・・学園まで?」
「大変だなぁ・・・あ、良・・・マキ、お前は先に行っててくれ。
トイレ行ってくるから。」
「ええ、わかったわ。」
良介が部屋から出ていくと、樹がやってきた。
「誠くん、このカメラに写ってるんだな?」
樹はさっき誠から取り上げたカメラを取り出した。
「ああ、学園生を妙に避けていたやつ。
ちゃんと撮影しといたぜ。」
樹は真剣な顔でカメラを確認し始めた。
「俺はこれで。
樹さん、後は任せたぜ。」
誠は部屋から出ていった。
「ああ、感謝するよ・・・なるほど。
社内の裏切り者は・・・こいつか。」
樹はカメラに写っていた人物を睨みつけた。