グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第12話 再び狙われた街

課題を終えてから1週間、良介は再び魔法の訓練をしていた。

 

「パーティのこと考える前に、自分が強くなきゃ話にならねぇからな。」

 

今日も朝から訓練所で訓練をした良介は、何か買うために購買部に来ていた。

 

「いらっしゃいませ、先輩!

あたしのこと、覚えてくれてます?

一度報道部室で会った桃世 ももです!」

 

「ああ、ちゃんと覚えてるよ。」

 

購買に着くと、ももが元気よく挨拶してくれた。

 

「先輩のお噂、聞いてますよ。

転校早々、クエスト3回もこなしたって。

最初はみんな、魔物と戦うのを怖がるんですよね・・・大けがの危険があるので。

だから先輩、とっても勇気があると思うんです!」

 

「・・・そうかなぁ?

別に俺はそうは思わないけど・・・てか、先輩って・・・」

 

「・・・あ、【先輩】って、この学園ではよくある呼び方なんですよ。

転校してくる年齢がみんなバラバラなんで、先輩後輩の区別が難しいんです。

だから年上だってわかってる人のことを先輩って呼ぶんですよね。」

 

「へ~、そうなのか。」

 

「だから先輩も、先輩なんです。

・・・あ、すみません、なにかお探しですか?」

 

良介がももと話しながら買うものを決めていると、もものデバイスが鳴った。

 

「あ、バイト先からですね。

すいません、ちょっと失礼します。」

 

「ああ、構わないよ。」

 

ももが少し離れたところで電話に出る。

 

「もしもし・・・えっ?

て、店長?

店長!?」

 

ももが突然、大声をあげる。

 

「ん?

もも、どうかしたのか?」

 

良介がももに声をかける。

 

「・・・・・嘘。

・・・魔物が・・・また、街に・・・」

 

「おい、どうした、もも!

何があった!」

 

良介が声をかけると、ももは今にも泣きそうな顔で良介の方を見る。

 

「せ、先輩、どうしましょう・・・あ、あたしのバイト先が・・・すいません!

あたし、行かないと!」

 

そう言うと、ももは購買部から飛び出した。

 

「あ、おい、もも!」

 

良介がももの後を追おうとすると、ももが戻ってきた。

 

「・・・あの・・・こんなことお願いできる立場ではないんですけど・・・」

 

「なんだ?

言ってみろ。」

 

「も、もしよかったら、先輩のお力をお借りしたいんですが・・・!」

 

   ***

 

「もも、もも!

アンタのバイト先に魔物が・・・!

あれ?

いない・・・」

 

誰もいない購買部に月詠が走って入ってきた。

 

「・・・まさか、もうクエストに行っちゃったの?

そ、そんな!

ツクを誘ってくれたっていいじゃない!

独りで行かせたりしないんだからね!」

 

月詠は購買部から走って出て行った

その頃、ももと良介は準備をすませ、教室で落ち合うことになった。

 

「おはようございます!

行きましょう!」

 

良介はももと噴水前まで移動した。

 

「しかし、もも、準備終えるの、えらく早かったな。

俺もできるだけ急いだのに。」

 

「・・・え?

あっ!

す、すいません!

いてもたってもいられなくて・・・先日に引き続き、また街中ですから!

こんな短期間で出るのは初めてのことですが・・・それよりも!

あたしのバイト先の近くなんですよう!」

 

「・・・そいつはまずいな。」

 

「もし壊されたりしたらあたしの働くところがなくなっちゃいます!

店長さんやみんなが怪我しちゃってたらどうしよう。

ああ・・・や、やっぱり急いで行きましょう!

一刻も早く討伐しないと!」

 

「街に現れた時点で、急ぐことに変わりはない。

もものバイト先の人たちも含めて、みんなを助けないとな。

さぁ、急ごうか!」

 

「はい!」

 

良介とももは急いで街に向かった。

 

   ***

 

二人は街に着き、魔物の情報を見ながら、魔物をさがしていた。

 

「うう・・・ネズミかぁ。

あたし苦手なんですよね、ネズミ。

あたしがっていうより、飲食で働いてる人はみんな苦手だと思います・・・」

 

「むしろ、ネズミが好きだっていう人は中々いないだろ。

普通に考えて。」

 

「でもすごく大きいから、急に死角から出てくるということはないので・・・

そういう意味での心配はありませんね・・・心臓に悪いんですよ。」

 

「巨体のネズミが死角なんか現れたりしたら気味が悪すぎるだろ。

そういや、ももって飲食って言ってたけど、飲食店で働いてるのか?」

 

「あ、はい。

勤務先はファミレスです。

ちょっと大通りから外れたところの。

チェーン店なので知ってると思いますよ。

意外とオイシイあのお店、です。」

 

「ああ、あのファミレスか。

何度か行ったことがあるな。」

 

そう話していると、ももがまた暗い顔になる。

 

「店長さんたち、どうでしょうか。

避難できたでしょうか。

ネズミって動きが速いんで、今回は犠牲者も出てると聞きました。」

 

そういえば、今回も誠もこのクエストに来ているらしく、デバイスで動き速くて、

狙いづらいと、愚痴を言っていた。

 

「確かに、動きが速いのは面倒・・・ん?

もも!」

 

「大丈夫かな・・・ひゃっ?」

 

良介が何かに気づき、咄嗟にももの手を引っ張る。

 

「あ、な、なんでいきなり手を・・・ああっ!

お、大ネズミですね!」

 

「大丈夫か?

やれるか?」

 

「すいません、気づきませんでした。

行きます!」

 

ももが魔法で大ネズミに攻撃する。

すると、大ネズミはその巨体でできるとは思えないような動きで攻撃を回避する。

 

「え!?

は、速い!?」

 

大ネズミが近づこうとした瞬間、大ネズミの前に突然、良介が現れる。

風の肉体強化をかけ、一気に接近したのだ。

剣に火の魔法をかけ、斬りかかる。

 

「でやあああぁぁぁ!!」

 

大ネズミは一刀両断にされ、消えた。

 

「先輩、あ、ありがとうございます!」

 

「別に構わない。

しかし、思っていた以上に結構素早いな。

誠のやつも苦戦するわけだ。」

 

良介はため息をついた。

 

「えっと・・・先輩、早く・・・」

 

「え、ああ、すまない。

早くもものバイト先に行かないとな。

みんなが無事か確認しないといけないしな。」

 

「はい、早くいきましょう!」

 

二人は、先を急いだ。

 

   ***

 

二人は話をしながら進んでいた。

 

「そういや、学園に通ってから金に困ったことってないよな?

なのに、なんでももはバイトをしてるんだ?」

 

良介は学園に通ってから気づいたことをももに話す。

 

「確かに、学園に通っている限り、お金には困りません。

授業料も寮費も免除。

クエストをこなせば報酬も出ますからね。

バイトが禁止されているわけではないんですけど、する人は少ないです。

あたしがアルバイトをするのはお金のためじゃないんです。」

 

「お金のためじゃない?」

 

「理解できないって、よく言われますけどね。

でも誰にだって、他人にわからない好みやこだわりってあるじゃないですか。

あたしの場合はそれがバイトってだけだと思ってるんです。

言いかたは変ですけど、あたしの欲を満たすためにバイトをしてるんですよね。

お金ではなく、いろんな人と接して笑顔が見たいっていう理由は変でしょうか?」

 

「笑顔が見たいから・・・か。

いいことだと思うよ。

他の奴からしたら、変な理由に思えるかもしれないけどね。」

 

「あは、ですよね。

でも楽しいからいいんです!

そんなあたしの生活を、邪魔なんてさせませんからね!

大ネズミ。

見えました!」

 

大ネズミが見えるとももは咄嗟に魔法で攻撃する。

大ネズミは攻撃を避けると接近してくる。

良介は再び風の肉体強化をかけ、大ネズミに一気に近づき、攻撃する。

 

「でぇぇぇいやっ!!」

 

だが、大ネズミはその良介の攻撃を避け、良介に突進する。

 

「ぐあっ!?

避けた・・・だと!?」

 

電信柱に当たり、膝をついたところで、大ネズミが良介に噛み付きにかかる。

良介は剣を楯にすると、大ネズミは剣にかじりつく。

そのまま良介に噛み付きに行こうとする大ネズミ。

力で押し返そうとする良介。

 

「ぐぅぅぅぅっ・・・!!」

 

良介が少し押し返し始めたところで、大ネズミの後ろから魔法が飛んできた。

魔法は全弾大ネズミに直撃し、大ネズミは消滅した。

魔法を撃ったのはももだった。

 

「先輩!

大丈夫ですか?」

 

ももが良介に駆け寄る。

 

「ああ、大丈夫だ。

助かったよ、もも。

あともうすぐで噛まれるところだった。」

 

「い、いえ。

そんな・・・」

 

良介に礼を言われ、照れるもも。

 

「さあ、もものバイト先に急ごうか。」

 

「はい!」

 

二人は先を急いだ。

 

   ***

 

「もう、バイト先のすぐ近くです。

ここの角を曲がったら見えます。」

 

良介とももは目的地のすぐ近くまで来ていた。

 

「大ネズミも確認されているのはあと一匹。

今までと同じ強さなら大丈夫です。

みんなちゃんと避難できているみたいだし。」

 

「そうか。

なら何も気にせず戦えるな。」

 

「ちょっと建物に被害は出ちゃってますけど、ものは直せますからね。

あたしはこの街の人たちが好きです。

だから、あたしの力が役に立つなら惜しまないです。

みんなの笑顔が見れれば、それで幸せですから。」

 

「そうか。

俺も同じ気持ちだよ。

ほら、魔力。」

 

「魔力をいただいてすいません。

でも、ありがとうございます。

絶対に・・・大ネズミを倒して見せます!」

 

二人は店に近づく。

 

「見えました!

うちのお店のすぐ近く。

まだなにも壊れてない・・・!

今のうちに倒しちゃいましょう!

よろしくお願いします!

行きます!」

 

ももが大ネズミに向かっていく。

良介は後方から魔法を撃ちながら、大ネズミに接近を試みる。

案の定、大ネズミは全ての魔法をかわす。

そのままももに噛み付きにかかった・・・が、その前に良介がももの前に立ち、

剣を楯にして大ネズミの攻撃を受け止める。

 

「うっらぁぁぁぁっ!!」

 

良介は大ネズミを蹴り飛ばす。

大ネズミはバランスを崩すと、ももはすかさず魔法を撃った。

魔法は大ネズミに直撃した。

 

「やりました!」

 

ももは勝利を確信した瞬間、大ネズミは消滅しかけた状態で良介に襲いかかった。

 

「なっ!?」

 

だが、大ネズミは良介の目前で消滅した。

ももがとどめの一撃を入れたからだった。

 

   ***

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

ももが良介の元に駆け寄る。

 

「ああ、大丈夫だ。

しかし、驚いたな。」

 

「ああ、よかった。

大ネズミが先輩に向かったから・・・とどめが間に合ったみたいでよかったです。

でも少しでも傷ついてたら、椎名さんに見てもらった方がいいですよ。

まだ魔物は生態は完全に明かされていません。

もしかしたら毒があるかも。」

 

「傷はないから大丈夫だよ。

それにしてもさっきの魔物の行動・・・」

 

「・・・おかしいですね。

魔物が目の前の敵より遠くを狙うなんてなかったのに・・・

知能があるのはわかってたんですが、そこまで賢くはなかったんです。

まさか、学習してるなんてことは・・・いえ、そんな。」

 

「魔物が学習・・・か。」

 

良介は眉間に皺をよせる。

 

「と、とにかく報告しましょう!

バイト先には傷一つついてませんし!

よかったです!

ありがとうございました!」

 

「・・・そうだな、そうするか。」

 

二人は報告するために学園に帰ることにした。

 

   ***

 

「街の魔物は、順調に殲滅できているようです。

街の魔物は、まだ郊外の魔物よりも弱いようですね。」

 

生徒会室で虎千代と薫子と聖奈が話をしていた。

 

「ふむ・・・まだ魔物出現の法則は健在か。」

 

「【魔物は郊外に出現する】。」

 

「【街に出現する魔物は弱い】。

どちらも、人里は【霧】が薄いという理由からきた法則ですね。」

 

「これが崩れたとき、つまり【街中に強大な魔物が現れる】とき・・・

第7次侵攻が起きる。」

 

虎千代は手に力を込める。

 

「引き続き警戒しておきます。」

 

「・・・聖奈、アタシが執行部に出向こう。」

 

「いたしかたがないかと。」

 

「また暴れてくるさ。

執行部の連中から金をもぎ取ってきてやる。

これからアタシたちは【第7次侵攻】が確実なものとして行動する。」

 

「かしこまりました。」

 

「承知しました。」

 

その頃、街中。

良介とももは学園に向かっていた。

 

「今日は、あたしのワガママに付き合ってもらってすいませんでした。

ちょっと疲れちゃいましたから、休んでいきましょうか。」

 

「休むのは別にいいけど、休憩できる場所、あるのか?」

 

「大丈夫です!

街が襲われた時は、

魔物と戦う人たちのために施設を休憩所として利用させてくれるところがあるんです。

ステッカーが貼られている、そこのカフェもその1つなんですよ。」

 

「へ~、そうなのか。」

 

二人はカフェの中に入る。

 

「あ、変身も解いちゃいましょうか。」

 

二人は変身を解き、座席に座る。

 

「・・・あの・・・先輩ってすごいですね。

クエスト出る前も思ってましたけど、ホントにすごいなって・・・

あたし、結構クエストに出るんです。

街が襲われないように。

だから魔物との戦いは慣れてるんですけど・・・やっぱり、ちょっと怖いんです。

でも先輩が後ろから指示してくれたり、魔力を回復してくれたり、

攻撃の隙を作ってくれたり・・・すごく安心できるんです。

先輩、魔力供給と魔法だけじゃなくて、みんなを元気させる力があるんです!」

 

「元気・・・ねぇ。」

 

「あ・・・少なくとも、私を元気にする力が!

だから・・・その、だから・・・なな、なんでもないです!」

 

「・・・そうか。」

 

話をしていると、外から声が聞こえてきた。

 

「ももーっ! ももーっ!

どこにいるのよーっ!」

 

「ん?

あの声・・・」

 

「あ、つ、ツクちゃん・・・来てくれたんだ!

さ、さぁ!

そろそろ戻りましょうか!」

 

「・・・ああ、そうだな。」

 

二人は席を立ち、外に出た。

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