グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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第13話 調査

クエストを終えた良介とももは月詠と合流したあと、学園に戻った。

報告を終えたあと、月詠とももと別れた良介は噴水前に来ていた。

 

「さて、魔法の訓練は朝にやったし、今日はどうするかな。」

 

デバイスで誠に連絡をとったところ、誠は今日は寮で休むと言っていた。

良介はベンチに腰掛け、考えていると一人の女生徒が話しかけてきた。

 

「あっ!

ダーリン!

あ、とと・・・こんにちはやよ、良介はん。」

 

「え、ああ、こんにちは・・・」

 

良介はいきなりダーリンと呼ばれたことに困惑していた。

 

「なぁなぁ、良介はん、ようクエストにでとるやろ?

みんなに誘われたとはいえ、こんなに短期間でもう3回?

4回?

それってもの凄いことなんよ。

やからとっても疲れとるやろ?」

 

「いや、別にこれといって疲れてないけど。」

 

即答で返す良介。

 

「えっ?

そ、そうなん。

そりゃよかった・・・そうやぁ、魔力がもの凄いの忘れとったわぁ・・・」

 

女生徒は良介の返答にどことなくがっかりしたようなそぶりを見せる。

 

「で、でもあれやよ!

疲れってのは知らんうちにたまるものやからね!

少しでも取り除いておくにこしたことはないんよ!」

 

「はぁ・・・まぁ、そう・・・だな・・・」

 

歯切れの悪い返答をする良介。

 

「とゆーわけでぇ、一緒にお茶せえへん?

この前も来てもらったけど、茶道部に来たらいつでもおいしいお茶が飲めるえ。」

 

「は・・・はぁ・・・

(そういや、この前学校案内の時に顔合わせだったけど会ったな。

たしか白藤 香ノ葉(しらふじ このは)だったっけ。)」

 

「な? な?

なんなら初心者やから正座せんでもええし、2人で静かにお茶楽しまん?

な? な?」

 

「ええと・・・ごめん、ちょっと用事があるから・・・」

 

良介は何か身の危険のようなものを感じたので断ることにした。

 

   ***

 

「なぁなぁ、ちょっとでいいんよ、ちょっとで。

五分くらいやから。」

 

「いや・・・あの、だから用事があるから速く戻りたいんだが・・・」

 

良介は断ろうとしていたが、香ノ葉はしつこかった。

お茶の誘いをかれこれ10分間もしてきている。

 

「(困ったな・・・こういう時、誠がいればなぁ・・・)」

 

良介は押しが強い女性は苦手だった。

どうしようか迷っていると、一人の女の子がこっちにやってきた。

 

「・・・香ノ葉・・・お主、客引きみたいなことしよるの・・・」

 

その女の子は香ノ葉に話しかける。

 

「きゃ、きゃくひ・・・あ、アイラちゃんやないの!」

 

「あっ、しまった・・・こんにちは、おにいちゃん♪

初めまして、東雲 アイラ(しののめ あいら)だよ♪」

 

「・・・えっ、アイラ?

(ということは、この子がノエルたちが言ってたアイラって子なのか?)」

 

「・・・なんでもないわい。

思わず香ノ葉にツッコんでしまった。

一生の不覚・・・」

 

「ちょっとアイラちゃん!

良介はんに粉かけるのはやめてーな!」

 

香ノ葉はアイラに文句を言い始めた。

 

「え?

なんじゃなんじゃ、急に。」

 

「この人は・・・ダーリンはウチの運命の人なんやよ!」

 

「・・・・・は?」

 

いきなりの発言に呆然とする良介。

 

「・・・ダーリン・・・ウチ・・・ま、いいけど。」

 

「どしたん?」

 

「好きにせい。

妾はコイツの体質に興味があるだけじゃ。

いわば体さえあればいいのじゃ。」

 

「体・・・アイラちゃん、不潔やよっ!」

 

「ククク、この真祖、東雲 アイラがそんなことを気にすると思うか?」

 

「ダーリンはウチのやよっ!」

 

「ククク・・・300年生きる吸血鬼に敵うと思うてか!

見よっ!」

 

すると、突然アイラが良介にデバイスの画面を見せる。

メールアドレスの画面だ。

 

「少年。

これが妾のメルアドじゃ。」

 

「え?

あ、ああ、そうか・・・」

 

良介はデバイスを取り出し登録する。

 

「ああっ!

ひ、卑怯やでアイラちゃん!」

 

「これぞ真祖の力・・・ククク、ではまた逢魔ヶ時に会おうではないか!

じゃまたね~!

おにいちゃん!」

 

アイラはそう言って、去っていった。

 

「(・・・どっちが本当の性格なのやら。)」

 

「・・・・・あ、あの・・・これ、ウチのアドレス・・・」

 

「え?

あ、あぁ・・・わかった・・・」

 

なんやかんやで香ノ葉ともアドレスを交換してしまった。

 

   ***

 

翌日、良介はまた課題が出されたので訓練所に来ていた。

 

「フ○ック!

エレンのヤロウ、自分の仕事を押しつけて行きやがった!」

 

訓練所に来ると、メアリーが文句を言っていた。

隣には焔がいた。

 

「(口悪いなぁ・・・)」

 

「・・・さっさと始めたいんだけど。」

 

「ケッ。

可愛げのねぇヤロウだ・・・ま、いいさ。」

 

メアリーが話を始める。

 

「街、神社、そんで街。

こりゃタダゴトじゃねぇのはわかるな?

まだ一部の人間しか知らねぇが、学園は臨戦態勢だ。

いつ大量のクエストが発生してもおかしくねぇ。」

 

「(確かに、そうだな・・・)」

 

良介は無言で頷く。

 

「・・・・・」

 

「そーいうわけでテメーらには、足を引っ張らねぇくらいの力をつけてもらう。」

 

「(また、指示役の練習かなぁ・・・)」

 

「来栖、良介。

課題は【3勝】だ。

対抗戦でそれだけ勝ってこい。」

 

「・・・エレンのときと同じじゃんか。

また同じことやってどうすんだよ。」

 

「多く勝ちゃあいいってもんじゃねぇ。

どう勝ったかが大事なんだ。

3勝。

だが確実に勝て。

相手を蹂躙してこそ【勝ち】だ。

その為に空っぽのアタマをフル回転させな。

どうすりゃ楽に、確実に勝てるか。

それが3勝でわかりゃ上出来なんだよ。」

 

「(なるほど・・・そうきたか・・・)」

 

少し笑みを見せる良介。

 

「・・・あっそ。」

 

「オラ、良介!

ボーっとしてんなよ!

テメーは精鋭部隊じゃねぇが、その力はアタイが上手に使ってやる。

同じ戦場に立てるくらいにゃなりな!」

 

「・・・了解。」

 

良介は笑みを見せながら対抗戦に向かった。

良介と焔はあっという間に3勝して帰ってきた。

 

「・・・・・ま、いいだろ。

合格で。」

 

メアリーはどことなく不満そうな顔をする。

 

「・・・なんだそれ。

何が不満なんだよ。

きっちり3勝してきただろ。」

 

「相手を蹂躙しろって言ったはずだぜ、アタイは。

いうなれば【無傷で】勝てってこった。

それができてねぇから、Aプラスはやれねぇな。」

 

「・・・無傷だって・・・?」

 

「焔。

テメーはパーティの連中をもっと使え。

ゴリ押ししてんじゃねぇぞ。

テメーのゴリ押しで勝てるんなら、もう魔物はこの世にいねぇ。」

 

「なんだと!」

 

「良介。

テメーはちっとはマシだ。

指揮はちょびっとだけ才能あるな。

だが強敵が来たら今のテメーは【勝てない】。

今のままじゃな。」

 

「(指揮は苦手なんだがなぁ・・・)」

 

「テメーは一人で戦える力を持ってる。

が、仲間にも頼れ。

もっと生徒を口説き落としな。

上手に駒を使ってこそだぜ?

戦いってのはよ。」

 

「・・・そう、か。」

 

良介は課題を終えたので、訓練所を後にした。

 

   ***

 

良介はなんとなくで学園の廊下を歩いていた。

すると、薫子がやってきた。

 

「良介さん。

ごきげんよう。

本日はお願いがありまして出向いてきました。

生徒会からあなたにクエストの依頼をします。」

 

「クエスト?

生徒会からか?」

 

良介が首を傾げる。

 

「以前、街にゲル状の魔物・・・スライムが出たことは覚えていますね?

今回、ネズミ型の魔物討伐が行われましたが・・・

スライムの残党がいないか確認してほしいのです。」

 

「スライムの残党?」

 

「魔物は討伐対象を倒せば【霧を払った】状態になりますが・・・

ごくまれに、掃除し損ねた残党が出る場合があります。

普段は国軍がローラー作戦で確認するのですが、今は人手がたりません。

そのため、学園からも人員を出すことにしました。」

 

「なるほど、それで俺にもそれに協力しろと。」

 

「もちろん、達成したときの報酬は用意しております。

よろしくお願いします。」

 

「ちょうどやることがなくて暇だったんだ。

行ってくるよ。」

 

良介は魔物の残党がいないか確認するために街に向かった。

街に着くと、他にも生徒が何人か来ていた。

すると、その中に誠がいた。

 

「誠、お前も来てたのか?」

 

「おう良介。

実はな、あの副会長、薫子さんが俺にお願いしてきてよ。

依頼を受けることにしたんだ。」

 

誠はどことなく嬉しそうだ。

恐らく、薫子のことが好きなんだろう。

 

「・・・お前、もしかして副会長みたいな人がタイプか?」

 

「え、あ、まぁ・・・大人の女性って感じの人が・・・タイプ・・・かな?」

 

照れくさそうに話す誠。

これは相当ゾッコンなんだろう。

 

「そういう良介は、どういう女がタイプなんだ?

噂によるとかなりの人数の生徒を口説いてるって聞いたが?」

 

ニヤニヤしながら聞いてくる誠。

 

「・・・考えてねぇ。

自分自身でもどういう女性がタイプとかわからん。」

 

「・・・なんでぇ、つまんねぇ返答だな。」

 

誠は良介に背を向け、両手を後頭部にやり、歩き始めた。

 

「でも、たぶん俺のことを全て受け入れてくれるような女性がタイプ・・・かもな。」

 

「お前を全て受け入れる女性ねぇ・・・かなりいるような気がするが。

お前が口説いたり、行動で惚れさせた女とかな。」

 

「誰がいつ口説いたんだよ。

それに、俺はそういう行動したことはないぞ。」

 

「(こいつは口で言ってもわからなさそうだな・・・)」

 

良介の返答に呆れる誠。

そう話をしながら見回りをしていると、多少ながら残党と思われる魔物がいた。

その場にいた魔物を倒し、見回りに戻ったが、それ以上現れなかった。

 

「・・・いないな。

どうやらあれだけらしいな。」

 

良介は変身を解く。

 

「あれだけならいいことじゃないか。

それじゃ早く報告しに行こうぜ。」

 

誠はそう言うと、足早に学園に向かう。

薫子に早く会いたいからか、誠がやけに早かった気がした。

 

   ***

 

「お疲れ様でした・・・確かに、結構な数が残っていたようですね。」

 

生徒会室にいた薫子と聖奈に報告した。

誠は先に報告し終えたようで、生徒会室にはいなかった。

良介と誠以外に見回りに来ていた生徒が倒した数を合わせるとまぁまぁな数になった。

 

「それにしても、この量は・・・そんなすぐ増えるものでもないでしょうに。」

 

「メカニズムはともかく、狩り損ねた残党が増えたことに間違いなさそうです。

国軍にも、注意を促した方がいいかもしれませんね。」

 

「・・・では、私が。」

 

「お願いします。」

 

聖奈は生徒会室を後にした。

 

「ありがとうございます。

仕事をきっちりこなす人は嫌いじゃありませんよ。

それにあなたは類まれな力を持っている・・・生徒会はいつでも歓迎します。

もしかしたら、これからあなたを勧誘するものが増えるかもしれません。」

 

「当たり前のことしてるだけなんだが・・・それで勧誘が増える・・・か。」

 

「しかし、そう言った生徒にはなにか思惑がある。

あなたの力はそれほど貴重。

どうぞ、学園の正義たる生徒会に来て下さるよう。

お待ちしていますよ。

・・・もしくは力づくで。」

 

「ま、まぁ、考えておきますよ。」

 

薫子の最後の一言に動揺しながらも、良介は生徒会室を後にした。




人物紹介

白藤 香ノ葉(しらふじ このは)16歳
一見おしとやかな京美人…のはずが、京都には行ったことすらないという話。
かわいいものなら人だろうが魔物だろうが愛でまくる。
イベント好きの着せ替え好きで、
おまけに一目ぼれした相手のプライベートは知り尽くしていないと気が済まない猪突猛進
な女の子。

東雲 アイラ(しののめ あいら)312歳(自称)
ほぼ誰も信じていないが、自称312歳の吸血鬼。
見た目の割に深い知識を持ち、桁違いな威力の魔法を使いこなせるのは事実で、
しかも恥ずかしげもなく死語を連発するあたり見た目通りの12歳とも考えづらい・・・
授業を免除されていることも含め謎だらけの少女。
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