グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第17話 第7次侵攻発生宣言

良介は姫と共にバラ園の中を進んでいた。

 

「そういや、他の生徒は来てないのか?」

 

良介は姫に質問した。

 

「他の生徒が来ないのは、クエストを私たちが受けているからです。

クエストを受けた生徒以外は、討伐に出向くことを禁じられています。

授業の一環ということもあるのですが、大きくは同士討ちを防ぐためですわ。」

 

「同士討ち?

そんなもん起こるのか?」

 

「このくらいは想像がついてほしいものですね・・・私たちはまだ学生。

未熟な生徒もおります。

魔法の制御が甘かったり、状況判断ができなかったり・・・

ですから、クエストを受けた者たちが責任をもって、一致団結し、遂行する。

それがわざわざ面倒くさい形式を取っている理由でもあります。」

 

「・・・なるほどな。

(魔法の制御か・・・俺もまだ甘いほうだから気を付けないと・・・)」

 

そう良介が思っていると、魔物が現れる。

 

「さ、おしゃべりが過ぎました。

来ますわよ。

今話したことの意味、お分かりですね?」

 

「・・・ああ、わかった。

やるぞ!」

 

良介がそう言うと、姫が敵に向かっていく。

 

「はっ!」

 

鞭で相手を攻撃する。

と、魔物に鞭を簡単に掴まれてしまった。

 

「えっ!?

きゃあっ!?」

 

鞭を引っ張られバランスを崩した上に、そこから足を掴まれ、捕まってしまった。

 

「・・・おいおい、何やってんだよ。」

 

その状況を見て呆れる良介。

姫は助けを求めた。

 

「りょ、良介さん!

た、助けてください!」

 

「はいはい、今助けるよ!」

 

良介が魔物に向かうと、魔物は攻撃を仕掛けてきた。

良介は風の強化魔法で全て避ける。

敵の懐に入ると、スピードを乗せたアッパーを食らわせる。

 

「吹っ飛べ!!」

 

魔物は真上に吹き飛び、姫を手放す。

姫もその衝撃で空中に放り出されたが、落下地点に良介がおり、そのまま姫を受け止める。

 

「大丈夫か?」

 

姫をお姫様抱っこしたまま問いかける。

 

「え、ええ。

大丈夫ですけど、誰も見てないとはいえ、恥ずかしいので早く下ろしてください!」

 

良介は言われた通り、姫を下ろす。

 

「・・・次に行きましょう。」

 

姫は顔を赤くしながら先に進む。

 

「・・・了解。」

 

良介は笑いながら小さくため息をつきながら後に続いた。

 

   ***

 

学園の廊下でさらが外に出ようとしていた。

 

「あっ。

さらちゃん、外にいると危ないよ!」

 

ノエルが気付きさらに注意する。

 

「あう・・・で、でもたつきさんがぁ・・・」

 

さらが今にも泣きそうな目でノエルの方を見る。

 

「朝比奈先輩?

大丈夫だよ朝比奈先輩なら!

あの人、いつもケンカしてるし!

それよりさらちゃんが魔物に会っちゃう方が大変だよ!」

 

「で、でも、でもぉ・・・」

 

「こういうときは風紀委員の人に頼んで探してもらうのがいいと思うよ。」

 

「風紀委員・・・みなづきさんですかぁ?」

 

「そうだね・・・でも風紀委員でも上の人は忙しそうだし・・・

怜ちゃん先輩とかどうかな?」

 

「かんなぎさんですかぁ・・・でも、あぶないことをおねがいするのは・・・」

 

ノエルが笑顔を見せる。

 

「大丈夫だって。

風紀委員ってそのためにいるんだし。

それに怜ちゃん先輩が行ってくれるときは、ノエルちゃんもついて行くから!」

 

「・・・でも・・・あ、あのぅ・・・お、おねがいしますぅ・・・」

 

「おっけおっけ。

さらちゃんにケガなんかさせないよ!

みんなのサポート、ノエルちゃんに任せておいて!」

 

ノエルはそう言うと外に出る。

掲示板前にいた怜に呼びかける。

 

「怜ちゃん先輩ーっ!」

 

「冬樹・・・外は危ない。

屋内にいろ。

今は教師と風紀委員ではぐれ魔物を討伐中だ。」

 

「えーとね、その、ちょっとお願いがあって・・・」

 

「おねがい?」

 

ノエルは事情を怜に話した。

 

「・・・朝比奈か。

しかし、外にいるとは限らんぞ。

校内も広い。

他の校舎にいたら、見つけるのは難しい。」

 

「さらちゃんによると、だいたいいる場所はわかるんだって!

グラウンド外れにいなかったら、多分登校してないから大丈夫って言ってたよ。」

 

「校舎裏・・・しかし魔物の危険がある今、そんなところにいるか?」

 

「朝比奈先輩、ひねくれものじゃん?

危ない今こそ・・・いるかも。」

 

そう言われると怜は少し考え込む。

 

「む・・・まあ、巡回しないわけにもいかん。

行ってみよう。

仲月は頼む。」

 

「あーっ!

ダメダメ、あたしも行くって言ったから!」

 

「それはダメだ。

風紀委員に任せておけ。」

 

「でも、あたしさらちゃんに約束・・・それに怜ちゃん先輩1人じゃ・・・」

 

「その約束は私が引き継ぐ。

冬樹は戻って、討伐完了の報告を待て。

なに。

私は大丈夫だ。

日ごろから戦いの腕を磨いている。

任せておけ。」

 

怜は龍季を探しに向かった。

 

   ***

 

報道部部室では虎千代が連れてこられ演説の台本を読まされていた。

 

「これを読むのか?

・・・わかりづらくないか。

随分事務的だな。」

 

「士気向上ではなく、事実の通達なのでこれで結構です。

それに会長ご自身の言葉で話されると、正しく伝わらない可能性が。」

 

「そうか?

まあ、副会長が言うならそれでいいか・・・」

 

鳴子が虎千代にマイクを渡す。

 

「どうぞ。

マイクのスイッチはここ。

押しながら喋ってくれ。」

 

「ああ・・・よし。

あー、あー。」

 

虎千代が演説を開始する。

 

「生徒会会長、武田 虎千代より学園生へ通達がある。

クエストに行ってない生徒は、各々作業を止め、聞いてくれ。

現在、学園のバラ園に霧の魔物が現れて、多数の生徒が討伐に赴いている。

人数制限のため、もどかしい思いをしている者もいるだろう。

だが事態はそれをはるかに超えつつある。

噂としては聞いたことがあろうが・・・

ここに、第7次侵攻の発生を宣言する。」

 

風子はその放送を聞き、顔をしかめる。

 

「・・・ついに来やがりましたね。

魔物の人里への出現、学園内への出現。

第6次の時と同じ流れ・・・

となれば次はタイコンデロガですかね?

さー、会長。

どーしましょーね。

あの頃より軍事力、戦力は上がっている。

だから大丈夫・・・

それは果たして、正しいんでしょーかね?」

 

同時刻、コロシアムでは・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・死ぬかと・・・思った。」

 

誠が焔以外のパーティを一人で全滅させていた。

というのも、焔とイヴが二人で戦っていたため、その他の生徒はほったらかし状態。

仕方なく、誠が戦っていたが、イヴ側のパーティは誠とイヴを残し早々に全滅。

そのため、誠が一人で焔以外の生徒の相手をするはめになった。

 

「つーか・・・今の放送・・・」

 

誠が放送のことを気にしているとエレンがやってきた。

 

「お前たち、対抗戦はここまでだ。

非常事態宣言が発令された。

少なくとも3日間、全ての学業活動は停止され、クエストに専念する。」

 

「・・・もう少しだったのに。」

 

「こっちのセリフだ!

あと一撃でアタシが・・・!」

 

そう言っていると、ボロボロの上に血だらけの誠が怒鳴りつける。

 

「やかましいぞっ!

クソガキ共がっ!

こっち放置しやがってっ!」

 

イヴと焔が怒鳴り声に怯む。

すると、メアリーがやってきた。

 

「誠だっけ。

落ちつけよ、気持ちはわかるが。

お前らも口で言いあってどーすんだよ。

えーと、フユキっつったっけか。

さっさと警備に行きな。

こっから精鋭部隊とキョードー作戦だ。

対抗戦で疲れました、なんてイイワケしてみやがれ。

大笑いしてやる。」

 

「・・・気遣い無用です。

開始前にも言いましたが、そのことは心得ています。」

 

「あっそ。」

 

イヴはコロシアムから出て行った。

 

「来栖は詰所に行け。

ミーティング後、クエストを最優先で請けろ。」

 

「・・・・・チッ。」

 

焔も出て行った。

 

「・・・俺も・・・戻るか。」

 

誠は傷を押さえながら、パーティメンバーと共に出て行った。

残ったエレンとメアリーは話し始めた。

 

「ずいぶん嫌みが丁寧だな?

お前の狙いがわかってきたぞ。

お前はあの2人にこれからチームワークを延々と押し付けるつもりだろう。

いや、他の生徒にもだな。

自分を敵にすれば、反感を持つ生徒同士が手を組む可能性もある。

メアリー、お前も随分素直に育ったものだな。」

 

「はぁ・・・・?」

 

エレンの言葉に呆れた声を出すメアリー。

 

「バスター大佐がお前を育てたときの真似をするつもりだろう。

図星じゃないか?

日本の女学生にそれが通じるかどうか、考えてみたか?」

 

「オメー、バカじゃねーの。

んなアホなことしてどーすんだよ。

そんなオッサンのことなんか、とうの昔に忘れっちまったぜ。」

 

メアリーは鼻で笑った。

 

   ***

 

その頃、バラ園。

 

「姫、そういえば、野薔薇について俺はそんなに詳しくないんだ。

ちょっとだけ教えてもらえないか?」

 

「あら、野薔薇のことを知りたいとは・・・

珍しいですね。

いえ、野薔薇のことを知らない方が、です。」

 

「・・・世間知らずなもんで。」

 

すると、姫はため息をつく。

 

「お勉強熱心なのはいいですが、今するようなお話ではないでしょう。

ですから、今は【野薔薇は完璧を以て野薔薇とする】とだけ伝えておきます。

野薔薇である以上、完璧であることが求められます。

勉学にも武芸にも、です。」

 

「どんなことにも完璧・・・ね。

窮屈そうだねぇ。」

 

「窮屈?

そんな馬鹿な。

私は誇りに思っていますよ。

野薔薇は歴史上、特別な役割を担ってきました。

これからもそうです。

与えられる役割が重要であるほど、その責任は重いのですから。

名誉ある野薔薇に完璧が求められるのは当然のことですわ。」

 

「・・・あんたも完璧なのか?」

 

「もちろん私も完璧です。

成績優秀、このようにクエストも・・・」

 

姫は話すのをやめた。

 

「・・・やだ、こうして自慢するのは欠点ですね。

直しておきましょう。

ご満足ですか?

では次です。

この不細工な薔薇をとっちめましょう。」

 

「ああ、了解。」

 

2人は目の前にいる薔薇の魔物に向かう。

魔物が攻撃を仕掛けようとする前に、良介が風の魔法で攻撃する。

その隙に、姫が鞭で攻撃する。

だが、魔物はその攻撃に耐える。

 

「くっ!

こちらの攻撃に耐えるとは・・・!」

 

魔物は姫に攻撃しようとした瞬間、横に真っ二つになった。

いつの間にか良介が後ろに回り込み、剣で攻撃していた。

 

「・・・さすがですね。」

 

姫は少し不服そうにする。

 

「まぁ、そう機嫌悪くするなよ。

次は、そっちが倒せるようにフォローするから。」

 

2人は進んでいった。

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