グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第18話 カウントダウン

精鋭部隊詰所に焔と結希がいた。

結希は調査について説明していた。

 

「・・・私は顧問ではないのに・・・まあ、いいわ。

私から説明した方がいいわね。」

 

「・・・・・?」

 

「来栖 焔。

あなたには街まで調査に出てもらうわ。」

 

「・・・調査?」

 

「放送にあったとおり、これまでの出来事は第6次侵攻と同じ・・・

次に発生するのは【タイコンデロガ】。

それが発生する場所は・・・

【霧が払われた場所】。

つまり、ここ最近、魔物・・・ミスティックね。

ミスティックが討伐された場所のどこかに出てくるはずなの。」

 

「・・・で、アタシはネズミとスライムが現れた街か。」

 

「そう。

部隊の他の人たちにも地区を割り当ててる。

タイコンデロガの出現は、大きな霧の塊が予兆。

予習はしてるわね?」

 

「ああ、わかってる。

そいつが出たら、ぶっ倒せばいいんだろ。」

 

「それができないことは、あなた自身がよくわかっているでしょう?

あなたに倒せる程度の強さなら、あなたの家族は死なずに・・・」

 

「黙れ!」

 

結希の発言に声を荒げる焔。

 

「・・・・・次、そのことを喋ったら燃やし尽くしてやるからな。」

 

「・・・とにかく、痕跡を見つけたら会長に連絡して。

生徒会が出るから。」

 

「・・・・・ちっ。

わかったよ。」

 

焔は調査に向かった。

結希は説明を終えたので廊下に出た。

すると、背後から初音が呼んできた。

 

「おおーい、結希ー!

結希ー!

待てよーっ!」

 

「・・・神宮寺さん。

今からタイコンデロガの出現地域を予測しないといけないから。

できれば後にしてもらえる?」

 

「ふふーん。

これなんだ。」

 

初音はデバイスを見せる。

 

「・・・あなたのデバイスね。

学園支給のものじゃなく、JGJブランドの。」

 

「学園のはロゴが違うだけで、ウチが作ってるのは一緒だろー?

ま、大事なのはこの中身中身。

ウチが検討したデータがあるぜ。」

 

「検討?」

 

「タイコンデロガの出現予測地域!

アタシが見たところ・・・

西部の大垣峰の方だな!

結構信頼できるぜぇ?」

 

「・・・大垣峰の方は対象外よ。

あそこは特別だから。

それ、あなたが個人的に技術者に依頼したでしょう?」

 

「えっ。

なんでわかんの?」

 

「上の人間なら、大垣峰が【特別】なのは知っているわ。

あそこにはタイコンデロガが当たり前のうように出て・・・

軍以外は立ち入り禁止になってるって。」

 

「・・・大垣峰が立ち入り禁止?

いつからよ。

聞いたこともないぞ?」

 

「ずっと前から。

大垣峰は政府によって【まだ人がいる】と工作されてる。」

 

「・・・なんで?

タイコンデロガがいるなら、特別危険区域じゃん。

間違って遊びに行っちゃったりしたらどうすんのさ。」

 

「ありえないから、安心して。」

 

そう言うと、結希は去っていった。

 

「なんだよー・・・・・

・・・・・いいこと聞いちゃった。

おーい、沙那ー!

沙那ーっ!」

 

初音はニヤリと笑うと走り去り、沙那を呼んだ。

 

   ***

 

教室にはエミリアとあやせがいた。

 

「魔物の討伐が終わるまで休講・・・もどかしいですね。

バラ園のクエストは人数制限があるとはいえ・・・見ているしかできないなんて・・・」

 

「学園生全員が入ったらパンクしちゃうでしょうねぇ~。」

 

「・・・第7次侵攻。

魔物がたくさん出現するんですね。」

 

「20倍?

だったかしら。

多いのは間違いないわねぇ。

北海道の時もそうだったし。」

 

「・・・魔物が出るというこはそれだけ人々が苦しみます。」

 

「そうねぇ・・・一般の人たちは、戦う力を持たないし・・・」

 

「それだけじゃありません!

魔物になった人々も、苦しんでいるんです!」

 

「・・・あらぁ・・・ああ、エミリアちゃん、イギリスの人だものねぇ。」

 

「日本の方々と考え方が違うことは承知の上です。

ですが私は・・・

魔物になってしまった人たちの苦しみを、終わらせてあげたい・・・!」

 

「まあ、この学園はそういう思想の違いには比較的オープンだから・・・

でも、相手には注意してね?」

 

その頃、バラ園では良介と姫は魔物たちの親玉を探していた。

 

「なかなか根元が見つかりませんわね。

これほど巨大になるまで、この学園の誰も気づかなかったなんて・・・

いえ、違いますね。

私と刀子は毎日バラ園を見ていますから。

自由は・・・まあ・・・たまに・・・見ていたのかしら。」

 

「・・・自由って生徒はそんなに不真面目なのかよ。

ま、問題は魔物は隠れていたのか、成長が速かったのか。

どっちなのかって話だがな。」

 

「どちらというと成長が異常に速かったのでしょうね。

およそ一日。

初めてだらけのことですが、結果はいつも通りです。

私が完全に、魔物を消し去る。

これに変わりはありませんわ。」

 

「(これまでの2体はどっちも倒したの俺なんだがなぁ・・・)」

 

そう良介が考えていると、姫が礼を言ってきた。

 

「良介さん。

正直、あなたには助かっています。

その尽きることのない魔力、七属性の魔法、非常に頼もしいですわね。

その調子で私をサポートしてください。

存分に力を発揮できるよう。」

 

「ああ、わかった。

任せてくれ。」

 

すると、魔物が目の前に現れた。

 

「これが最後の花であることを信じ、今度こそ息の根を止めますよ。」

 

姫は魔物に向かっていった。

良介は風の魔法で魔物の攻撃を潰していく。

姫が魔力を込めた鞭で攻撃する。

が、魔物はその攻撃に耐える。

 

「くっ、なら、もう一撃!」

 

もう一度、攻撃しようとすると魔物がその前に攻撃してきた。

すると、姫の前に良介が立ちふさがり、攻撃を受け止める。

土の強化魔法をかけていた。

 

「姫、今だ!」

 

姫は、良介の肩を踏み台にし、魔物にもう一撃を与える。

魔物はそのまま消滅した。

 

   ***

 

報道部部室に鳴子と夏海がいた。

 

「お疲れ様。

サポート助かったよ。」

 

「それはいいですけど・・・なんか部長らしくない気が。」

 

「強引に情報を暴いていくだけがジャーナリストじゃない。

搦め手も必要だよ?

とりあえず数日前から、僕は野薔薇に探りを入れてる。」

 

「野薔薇?

あの縦ロールの姫様?

なんでまた関係なさそうなところを・・・」

 

「野薔薇君じゃない。

本家の方だ。

軍部の最上部に君臨する・・・

戦の野薔薇だよ。」

 

すると、夏海が驚く。

 

「はぁ!?

戦の野薔薇って・・・姫の実家ですか!?」

 

「そうだよ。

今の日本がなにを警戒してるかはね・・・

この学園のご令嬢が通っている野薔薇、冷泉、神宮寺を調べれば・・・

だいたいわかるようになっている。

虎千代会長が第7次侵攻を宣言したということはだね、夏海。

すでに執行部や政府は動き出しているってことだ。

そして先の御三家は政府や学園と密接なつながりがある。

野薔薇は軍事、冷泉は政治、神宮寺は軍需産業の代表としてね。」

 

「・・・じゃあ、第7次侵攻でどこが襲われるかが・・・」

 

「ある程度目星をつけているだろう。

僕はそれを探ろうと思う。」

 

「で、でもタイコンデロガもニュースですよね!?」

 

「そっちは君に任せる・・・といいたいところだが、あまりにも危険すぎる。

さすがに会長に任せるんだ。

遠くから写真を撮ってあげたまえ。」

 

場所は変わってバラ園。

良介と姫は全ての魔物を倒し終えていた。

 

「お疲れ様でした。

多少てこずりましたが、とどめはさせたようです。」

 

「ああ、無事倒せてよかったよ。」

 

「そんなに喜ぶことではありません。

私が出たのだから当然です。

むしろもっと早く倒す方法があったのではないか、と考えると・・・

まだ完璧だと胸を張って言えるわけではありませんわ。

勝って兜の緒を締めよと申しますし、気を緩める時間はありません。

それが野薔薇 姫のありかたです。」

 

「ま、確かに姫の言う通りだな。」

 

「では戻りましょうか。

学園の皆さんに、安全だと伝えねばなりませんからね。

またバラ園に魔物など出ることがあったら・・・いや・・・

この学園に出ることがあれば、私が戦います。

その時はあてにしてくださいな。」

 

「・・・ま、考えておくよ。」

 

2人は報告に戻った。

その頃、天文部部室。

 

「止めるなーっ!

攻め込まれる前に【組織】の本拠地を攻撃するぞ!

聖戦の始まりだ!

大垣峰に行くぞっ!」

 

「たわけ!

ここから大垣峰までどれだけ時間がかかると思っとるんじゃ!

なんの根拠があるか知らんが、許可なしで行けるわけなかろう!」

 

部室では風槍 ミナ(かぜやり みな)が騒ぎ、恋が怒っていた。

 

「・・・大垣峰ッスか・・・あてずっぽうかな・・・それとも・・・?」

 

「は・・・服部さん、何かご存知なんですか?」

 

「え?

あ、いや、なんでもなくてですね!

おまんじゅうおいしかったなんて・・・」

 

「・・・ああ!

また勝手な思い込みで失礼なことを!」

 

「だーっ!

大丈夫ッス!

大丈夫ッスから!

ね?

アメあげるッスからね?」

 

「・・・あ、ありがとうございます・・・こんなゴミみたいなわたしに・・・

なんとお詫びすればいいか・・・!」

 

「そこはどっちかっていうとお礼だと思うッスけど・・・ん?」

 

「あら?」

 

話していた梓と双美 心(ふたみ こころ)のデバイスに呼び出しがかかった。

 

「・・・・・あ、す、すいません、ちょっと呼び出されました。」

 

「こっちもッスわ。

まー、ぶちょーはふくぶちょーが止めてくれるかな・・・」

 

2人は部室から出た。

心は研究室に来た。

中には結希がいた。

 

「・・・どっちかしら。」

 

「・・・・・?

え、ええと、どちら、とは・・・」

 

「そう。

わかったわ。

とりあえずそこに座って。」

 

心は言われた通りに椅子に座る。

すると、結希は心に近づく。

 

「出てきなさい。」

 

「ひっ・・・・・」

 

結希が呼びかけると心の表情が変わった。

 

「・・・・・

もういいですよ。

宍戸博士。」

 

「もう少し・・・自由に出入りできるようにした方がいいわね。」

 

「そうですね。

いらないときに、【出てこなくていい】ように・・・

今は彼女が集中しているとき、勝手に出てしまうことがありますからね。

あの子にも負担を与えますから、邪魔にならないようにしたいです。」

 

「タイコンデロガの出現場所を特定するために、力を貸して。」

 

「・・・博士にはお世話になっていますから。

断ったりはしません。

けれど、あまり【心ちゃん】を脅かさないでください。

あの子は私の・・・大事な主ですから。」

 

「・・・わかったわ・・・さっそく、とりかかるわよ。」

 

2人はタイコンデロガの出現場所特定にとりかかった。

 

   ***

 

バラ園ではクエストの報告に戻った姫と良介、自由と刀子がいた。

 

「お嬢ーっ。

むっちゃダルいっすよー、明日にしましょうよー。」

 

「今回ばかりは自由と同意見にござる。

魔物退治の後にすぐ修復など・・・

本日はお部屋に戻り、静養なさってくだされ。

我らがやっておきます。」

 

「はぁ!?

我らって、もしかして自分も入ってるっすか!?」

 

刀子が説得しようとしたが、姫は聞こうとしなかった。

 

「ダメです!

ダメです!

このバラ園は我らが園芸部の・・・

なによりこの野薔薇 姫の、最初の責任ある場所なのです!

しかもバラがこんなにも無残に散って・・・見過ごすわけにはゆきません!」

 

「し、しかしまだ魔物が残っているやもしれませぬゆえ・・・!」

 

「刀子に任せます!

見事、私の命を守ってくださいな!」

 

「ぎょ、御意にっ!」

 

「・・・マジで今からするのか?」

 

その状況を見て、呆然とする良介に姫が話しかけてきた。

 

「良介さん!

あなたの実力、とくと見せてもらいました!

その上で正式に申し上げましょう。

あなたを私の伴侶候補とします!」

 

「・・・・・はぁ!?」

 

「げっ!」

 

「げっ!

ひ、姫殿、なんというお戯れを!

あれはほんの・・・」

 

「これまでは遊びだったかもしれませんが、私は決めたのです!

野薔薇 姫にふさわしいのは完璧な伴侶!

良介さんには可能性がある!

もちろんまだ未熟ですから・・・これから本腰を入れ、鍛えて差し上げます!

まずはともにバラ園の再建から!

野薔薇の家紋はバラですから!」

 

「え、えぇ・・・俺もするの?

つーか伴侶候補って、まだ早いんじゃ・・・」

 

姫は良介の言葉を無視し、スコップを渡してくる。

 

「さあ、良介さん!

一緒にやりますよ!

スコップを持ってください!」

 

「・・・・マジか。」

 

その状況をアイラは屋上から見ていた。

 

「・・・あいつらナニやっとんじゃ。

のんきすぎて逆におもろいのう。

戦闘中で校内放送をきいとらんかったかの?

ま、どっちでもええわ。

良介・・・本人は気づいとらんが、やっぱなんかあるのう・・・

フフフ、まぁ妾の時間は余っとるけんの。

じっくり調べさせてもらうぞ。」

 

その後、バラ園が完全に戻るまでやらされた良介は寮に戻ろうとしていた。

もう夕方である。

 

「つ・・・疲れた。

早く帰ろう・・・」

 

噴水前まで来て、帰ろうとしたが体がうまく動かなかった。

 

「あ、あれ?

おかしいな・・・なんでこんなに体が重いんだ・・・」

 

不思議に思いながら、帰ろうとしたがちょっとした段差に引っかかってしまった。

 

「あっ・・・」

 

倒れそうになったが誰かが受け止めた。

 

「・・・こんなことだろーと思ってました。」

 

受け止めたのは風子だった。

 

「・・・風子?」

 

「良介さん、ちょっと無理しすぎなんじゃねーですか?

クエスト受けて、訓練して、またクエスト・・・

いつか体壊しちゃいますよ?

少しでもいいので休憩したらどーですか?」

 

「・・・そう言われてもな・・・」

 

「・・・なにを急いでるんですか?」

 

「え?」

 

「なんでそこまでして早く魔法を上達しようとしてるんですか?

なにか理由でも?」

 

「・・・・・・」

 

理由は簡単、自分が封印した能力だ。

魔法のことをなにも知らない状態で使った封印魔法。

不完全なものかもしれない、いつか解けるかもしれない。

そういった不安から早く上達しようと良介は必死になっていった。

そしてそのことをまだ誰にも言っていなかった。

 

「・・・ま、詳しくは聞かねーですけど、息抜きも必要ですよ?

今回はウチが寮まで送りますけど、無理はしねーでくださいよ?

あんたさんが倒れたら悲しむ人が多いんですから。

そこらへん、意識してくだせー。」

 

「・・・ごめん、できるだけ気をつけるよ。」

 

良介は風子に体を支えてもらいながら寮に戻った。




人物紹介

風槍 ミナ(かぜやり みな)13歳
魔法学園の風槍ミナとは仮の姿。
本当は疾風の魔法使いミナ・シルビィアンド・ウィンドスピア。
円卓の騎士をアヴァロンに集め、世界を暗躍する【組織】と戦いを繰り広げているのだ・・・
という設定を頑張って作り上げた中二病患者。そういうのがカッコいい年頃。

双美 心(ふたみ こころ)16歳
様々なガジェットを携帯する電子少女。
加害者意識が尋常でなく、なにかあれば土下座で他生徒をヒかせている。
どんなことにも謝る理由を見いだすのはもはや才能といえるだろう。
PCに熱中しているときは別人のように落ち着いているという。
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