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海の警備から1週間後・・・
良介と誠は鳴子に呼ばれ、報道部部室に来ていた。
「あのー、俺たちに何の用ですか?」
良介が鳴子に尋ねる。
「ああ、君たちにちょっとお手伝いを頼みたくてね。」
「手伝いですか・・・俺らにどんな手伝いを?」
恐る恐る質問する誠。
「実は今日の夜、肝試しをするんだ。
と言っても、本当の肝試しじゃなくてお化け屋敷みたいなものだけどね。」
「・・・それってつまり?」
良介がなんとなく予想がついていたが、聞いてみた。
「うん、お化け役が足りないから君たちに協力してもらおうと思ってね。」
そして夜・・・
学園の廊下に白い着物を着た鳴子と肝試しに来た生徒たちがいた。
「さて、第一陣が出発したね・・・順番がまだの生徒は怪談をつづけようか?」
「も、もういい・・・もうやめろ・・・これ以上すると我は、かっ、覚醒しゅてまう・・・」
ミナは明らかに怖がって涙目になっている。
「この学園には使われていない教室があるんだが・・・そこに・・・」
「ひ、ひいいぃいい!
やだやだ、やめろー!」
ミナが思いっきり後ずさりする。
と・・・
「あいたぁ!」
後ろにいた心にぶつかってしまった。
その頃、すぐ近くで初音と良介がいた。
「・・・もうそろそろ、か。」
ため息をつく良介。
その後ろで初音が愚痴を言っている。
「くっそ・・・涼しい顔しやがって・・・なにが怪談だよ、ばーか!
遊佐め・・・よくもアタシの肝試し特化型デクを乗っ取りやがって。
ま、まぁけしかけたのはアタシだけど・・・開始前の軽いお茶目だっつーのに・・・
風紀委員にチクってやったけど、なんとか一泡ふかせてやりたいぜ。」
「(今風紀委員にチクったって言わなかったか?
なんか嫌な予感が・・・)」
良介が初音の発言を気にしていると、初音が話しかけてきた。
「おい、アンタ誰かと行くの?
ちょっと来いよ。
面白れーことしようぜ。」
「え?
いや、俺これからすることが・・・」
すると、初音の後ろから鳴子がやってきた。
「おやおや、神宮寺君。
相変わらずイタズラの相談かい?」
「ギクッ!
遊佐、鳴子・・・」
「ふふ、僕も仕掛け側だし、人のことをとやかく言えないがね。
良介君、そろそろお願いできるかな?」
「了解・・・はぁ、どうしてこんなことに・・・」
良介がため息をつきながら持ち場につこうとする。
「は?
こいつはアタシと一緒に来るんだよ。
な?」
「・・・いや、俺何も言ってないんだけど。」
「・・・まあ、彼が決めることだ。
どっちに行っても構わないよ。」
「(どっちに行っても嫌な予感しかしねえ・・・)」
そう思いながら、結局鳴子の方に行く良介だった。
***
廊下に千佳と天冠をつけた梓がいた。
「みんなダサイわよねー。
こんな子供だましじゃん。
何が怖いんだろ。」
「おー?
まみやん先輩、余裕ッスね。」
「でしょ?
ウチはこの機会にちょっと実験をねー?
ふふん。」
「あれです?
いつものモテる方法ッスか?」
「ち、ちがうって!
なに言ってんの?
やめてよね!」
「ホホォン・・・ま、そういうことにしとくッス。」
梓は怪しい笑みを見せる。
「つーかハットリ、あんたお化け役じゃん!
持ち場に帰んなよ。」
「いいじゃないスか。
ずーっと隠れてんのヒマなんすよー。」
「お化け役がそんなでどうすんの?
本気で怖がらせてくんないと・・・」
「くんないと?」
「・・・た、楽しくないでしょ。
いろいろと。
怖ければ怖いほどいいんだからね。
マジで脅かしてよ。」
「だいじょーぶッスか?
まみやん先輩、心臓止まっちゃわないですか?」
梓はまた怪しい笑みを見せる。
「んなわけないでしょ!
ウチはこういうの平気だもん。
要するに組む相手がドキドキすればいいのよ。」
「ははあ・・・あれッス?
吊り橋効果ッスか?」
「なっ、ばっ・・・ちげーし!
んなモン試すわけないでしょ!」
「まみやん先輩って意外と古典的なんスよね~。
カワイイ~。」
「いいから早くいけっ!
ばかっ!
忍者っ!」
「まぁ忍者ッスけど。
んじゃ、行ってきまーす。」
梓は持ち場に向かった。
「・・・マジビビった・・・鋭すぎでしょ・・・やっぱ忍者だからカンがいいのかな・・・?
さて、あいつどこ行ったんだろ。
つかまえないと。」
千佳は笑みを見せながら去っていった。
***
暗い廊下を天文部のメンバーが歩いていた。
「わ、我の右目が、うじゅくのだぁ・・・ひぐっ・・・ここにいてはならん・・・」
「お主が来たいと言ったんじゃろうが。
ほれほれ、さっさと歩け。」
進もうとしないミナの背中を押す恋。
「心、すまんのう。
ミナがこれじゃ、先に行ってくれるか?」
「えええぇ!
わ、わわ、わたし先頭ですか!?」
「あ・・・前方に人の反応があるわ。」
立華 卯衣(たちばな うい)が何かに反応した。
「ひ、人の反応って・・・先に行った人の反応ですよね?
そうですよね・・・?
「先発のグループは複数人で行ってるはず。
反応は1人。」
「ひ、ひいいいぃ・・・!」
「大丈夫じゃ、どうせおどかし役の・・・」
と、突然どこかともなく梓がいきなり現れた。
「わあああああああああああっ!」
「ふぎゃああああああああああ!」
「・・・なんだ梓か。」
ミナは驚いたが恋は驚かなかった。
「あっはっは、いやー、どうッスか?
みんな楽しんでます?」
「あ、あわわ・・・ミナちゃんが・・・」
腰を抜かし座り込むミナ。
「・・・・・」
「ミナ、梓じゃぞ。
怖くないぞー。
しっかり立たんか。」
「梓じゃない・・・梓じゃないぅ・・・」
「あ?」
「もう1人いたんだ・・・あ、あそこ・・・」
ミナが梓の後ろを指差す。
「え・・・誰もいないですけど・・・」
「い、いたの!
我は確かに見たの!
あそこにもう1人いたのっ!」
「はて・・・梓、お主以外に誰かいたかの?」
「いや?
1人でしたけど。」
「うそだ!
絶対にいた!
ああああんなのは、風紀委員かなんかだろ!?
そ、そう風紀・・・【組織】のやつらだ!
そうに決まっている!
そうだな梓!?」
パニックになっているミナ。
「まったまた~。
風紀委員にはナイショのイベントっすよ~?
そんなわけ・・・
・・・・・まさか・・・ねぇ。」
その頃、良介は・・・
「・・・はぁ、なんとかここまで来たグループは脅かすことに成功してるが・・・
気が重いなぁ毎回。」
天冠をつけ、教室のドアの下で座ってスタンバイしていた。
「しかし、初音の発言・・・もしやだが風紀委員が動いてるわけ・・・ん?」
突然、良介のデバイスのバイブが鳴った。
誠からのもあっとが来ていた。
「なんだなんだ、本物のお化けを見たとか言い出すんじゃないだろうな。」
そう軽く笑いながらデバイスを見た良介から笑みが消えた。
「・・・は?
【風紀委員長がいた】?
・・・おい、なんの冗談だ。」
すると、誠から電話がきた。
「もしもし。
おい、なに冗談言ってんだ誠。
あと、電話かけてくんなよ。」
「マジなんだよ!
今さっき、すぐ近くを水無月が通っていくの見たんだよ!」
小声だったが興奮しているのがわかる。
「・・・本当か?
もしそうだとしたら、俺たちやばくないか?」
「やべえよ!
このままだったら俺ら懲罰房かもしれねえぞ!」
「うーん・・・何かしら手を打たないとな・・・」
「とりあえず、また何かあったら電話するから!
それじゃ!」
誠は電話を切った。
良介はデバイスをポケットに入れると、ドアの窓から廊下の様子を見る。
「・・・鳴子さんと梓に伝えるかな。」
***
「ん~・・・やっぱぶちょーが見たのって、水無月いいんちょですよね?
見間違いじゃなかったか・・・どっから漏れたんだろ、今日のこと。
・・・どうしますかねー。
風紀委員と鉢合わせは避けたいけど・・・」
梓が1人で悩んでいると、鳴子がやってきた。
「やあ、服部くん。
順調かい?」
「どーも、遊佐先輩。
もう全員出発したんスか?」
「ああ、あとは帰ってくるのを待つだけさ。
ところで・・・
服部君。
この肝試しはいわゆる反体制側のものだけど・・・
君の立場上、なかなか面倒じゃないのかい?」
「・・・遊佐先輩、相変わらずグイグイ来ますねー。
今その話はやめましょーよ。
楽しいイベントごとなんですから。
ぶちょーは自分がちゃんと見張ってますし、そこは目をつぶってもらって。」
梓は笑みを見せる。
「まあ、こちらとしても手伝ってくれるのは助かるんだけどね。
さすがの君以外の風紀委員にウロつかれると、楽しいイベントも台無しだ。」
「・・・あ?
知ってたんスか。」
「どこから漏れたんだろうね?」
鳴子は不敵な笑みを見せる。
「・・・自分は知らないッスよ。
遊佐先輩のほうが詳しいんじゃないスか?」
「そんなことはないよ。
疑っている人物はいるけれどね。」
「・・・えーと・・・もしかして疑われてます?
自分。」
「・・・みんな楽しんでいるし、鉢合わせなければいいんだが。
そろそろ僕は戻るよ。
折り返した生徒達を待ってなくちゃね。」
鳴子は持ち場に戻っていった。
「・・・・・お前がなんとかしろっつーことっすね。」
その頃、廊下を風子が1人で歩いていた。
「・・・はー、毎年恒例ってのは知っちゃいましたが遠慮のねーこと・・・
いくらイベントだからってはめをはずいしたらいけませんよ。
ま、今年は運が悪かったと思ってあきらめていただきましょーかね。」
すぐ近くの教室に入った。
「・・・え?」
そこに悪魔の格好に天冠をつけた誠がスタンバイしていた。
「おやおや、誠さん。
こんなこところでなにしてんですかねー。」
「あ・・・えっと・・・」
「居残り許可、とってるんですかー?」
満面の笑みを見せながら近づく風子。
「・・・・誰か助けてくれええええぇぇぇぇ!!」
誠の声は残念ながら誰にも届かなかった。
その頃、良介は梓と机でバリケードを作っていた。
「よし、これでいいな。」
「いやー、先輩に手伝ってもらわなかったらどうなってたことか。
これでこっちからは来ないはずです。
じゃ、天文部のみんなが来たら、下の階に誘導してください。
頼んだッスよ。」
「おう、任せろ。」
そういって梓は持ち場に戻り、良介はスタンバイする。
「誠のデバイスがずっと音信不通なのが気になるが・・・ま、いいか。
この梓からもらった火の玉でビビらすかな。」
と、後ろから風子がやってきた。
「・・・・・おやまぁ。
ごたいそーな火の玉が飛んでると思ったら、アンタさんでしたか。」
「・・・いっ!?」
「よくやりますねぇ。
ま、鉢合わせたのが運の尽きだと思って下さい。
許可なく深夜で校舎で遊ぶのは校則違反。
誠さんと同じく懲罰房行きです。」
「(誠・・・お前、捕まったのか・・・)」
と、天文部がやってくる声がしてきた。
「げっ!?
やばい、このままじゃ・・・ええい、風子、悪い!」
「へ?
何を・・・きゃっ!?」
風子の手を引っ張り教室に引き込む。
「なに考えて・・・むぐっ!?」
「(静かに!
他のやつに見つかったらやばいから!)」
風子を抱え込み、手で口を閉ざした。
そして、デバイスで梓にもあっとを送る。
「(すまん、風紀に捕まった。
後は任せた、と。)」
そして、天文部が行った後、風子から手を離す。
「ぷはっ・・・まったく何するんですか。
襲われるんじゃないかと思ったじゃねーですか。」
「悪い、見つかるわけにはいかなかったからな。」
「ま、いーです。
それよりも、覚悟できてますか?」
「・・・ああ、懲罰房でも何にでもするがいいさ。」
「それでは懲罰房・・・にしようかと思ってたんですが・・・
いーこと思いついちゃいました。」
風子は怪しい笑みを見せる。
「・・・なんだよ、いいことって。」
「アンタさんにウチの頼みごとを聞いてもらおうかと思いまして。」
「頼みごと?
なんだよ。」
「ええ、それはですね・・・」
***
その頃、梓は・・・
「さてと、いいんちょはこっちに来てるはず・・・」
良介がいる方向とは反対の廊下に来ていた。
と、いきなり卯衣が話しかけてきた。
「・・・服部さん。」
「うひゃああああぁっ!
・・・あ、あれ!?
立華せんぱ・・・え?
なんで?」
「順路はこっちでしょう?
もしかして間違えたかしら。」
「・・・ってことは・・・げ、良介先輩の方にいいんちょが・・・」
「間違っているなら教えてほしいのだけど、どっちに進んだらいいかしら。」
「え!?
そ、そうッスね・・・とりあえずこっちに・・・」
と、梓のデバイスのバイブが鳴った。
「へ?
なになに・・・【すまん、風紀に捕まった。
後は任せた。】
・・・立華先輩、やっぱあっちです、あっち!」
「わかったわ。
風槍さん、あっちよ。」
「やだぁぁ・・・あっち理科室こわいいぃ・・・」
「まったく・・・じゃあ迂回するかの?
もうそっちの方が早いじゃろ。」
「わかったわ。」
天文部は良介と風子がいる方向へ行こうとする。
「だぁーっ!
ダメ!
みんなこっち来ないで下さいッスー!」
その頃、良介と風子は・・・
「・・・そーゆーわけで、お願いできますかね?」
「・・・まぁ、それぐらいなら別に。」
「それじゃ、おねげーします。
・・・そろそろ全員ゴールしやがる頃ですかね?」
風子が近くの時計で時間を確認する。
時間は9時半を回ったところだ。
「そうだな、もうゴールしてるはずだろ。」
「あとは解散するだけですし、ここまでにしておきやしょーか。
すぐ帰らねー生徒は注意する必要がありますが・・・ん?」
風子のデバイスが鳴り始める。
「はいはい。
あ、氷川。
どーしました。
今?
校舎にいますよ。
ああ、学園のほーでね、ちょっと生徒が夜遊びしてたんで。
あーあー、来なくてへーきです。
ウチが指導してます。
悲鳴?
・・・そんなに響いてました?
ま、大した事じゃねーですから。
いやね、オバケのふりしておどかしてやったんですよ。
ふっふっふ・・・
効果てきめんです。
天文部の部長が腰抜かしてビビってましたからね。
あれだけおどかされりゃ、当分夜の学園に来よーなんて思わねーでしょ。
見回りがない日ぐらいゆっくりしなさい。
はい、はいはい。
それじゃ。」
デバイスの電話を切ると風子はため息をつく。
「・・・ふー、氷川が来たらまた大騒ぎになりますよ。」
「氷川か・・・学園にいる全員が懲罰房にされそうだな・・・」
「加減は大事ですが、たまーのガス抜きは必要です。
ま、委員長の邪魔した服部には、やんわり釘さしておきやしょーかね。」
風子は良介の方を向く。
「それじゃ、良介さん。
ウチの頼みごと、おねげーしますよ?」
「はいはい、わかったよ。
明日あたりだな?」
「そです。
そんじゃ、明日たのんますよー。」
***
鳴子たちが生徒全員が戻ってきたのを確認する。
「いやぁ、一安心です。
みんな楽しかったみたいッスね。」
「服部君、お疲れ様。
大活躍だったじゃないか。」
「・・・おかげでグッタリですよ。
もー肝試しはこりごりッスね・・・」
すると、初音がやってきた。
「おい遊佐っ!」
「ん?
神宮寺君じゃないか・・・その様子じゃ、ずいぶん楽しんだみたいだね。」
「うるっせえ!
お前はなんで来なかったんだよ!」
「なんでって言われても・・・僕は仕掛け側だからね。
ほぼ受付にいたよ。
・・・もしかして、ずっと僕のことを待っててくれたのかい?」
「くっそ・・・んなワケねーだろ!
このキツネめ、いつか泣かしてやるからね!」
と、突然春乃が現れた。
「遊佐。
カメラ返す。」
「ひっ・・・!」
春乃に驚き、後ずさりする初音。
「あぁ、赤外線のヤツか。
いい写真は撮れたかい?」
「被写体がいいからね。
でもやっぱりお日さまの下の秋穂が一番可愛いわ。」
すると、秋穂がやってきた。
「・・・あれ?
遊佐先輩ってあっちのほうにいませんでした?」
「・・・僕はずっとここにいたけど。」
「え?
だってたしかに・・・あっちの教室に・・・」
「えっ?」
「えっ・・・?」
なんやかんやあったが肝試しは無事終了した。
そして、誠は翌日の朝、紗妃に見つけてもらうまで懲罰房に放置され、
良介は放課後、風子にりんごを使った高級パフェを奢るハメになるのであった。
人物紹介
立華 卯衣(たちばな うい)0歳
無口で無表情。
会話も動きも最小限で省エネに日々を過ごす物憂げな少女。
その実態は魔力で動く人造生命体であり、現在の科学力では実現できないオーパーツである。
自力で魔力を生み出せないため、一日一回の補給と定期的なメンテナンスが必須。