グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第30話 聖夜協奏曲(前編)

12月、夜の学園。

良介と誠は体育館に向かっていた。

 

「・・・12月末、クリスマスか。

早いなぁ・・・」

 

「ああ、俺と良介が入学してしばらく経っているはずなのに早く感じたな。」

 

2人が話しながら歩いていると体育館に到着した。

 

「ここがパーティ会場か。

学園内でこんなことしてるんだな。」

 

「毎年恒例らしいぜ。

そんじゃ、中に入るか。」

 

2人はパーティ会場に入った。

その頃、パーティ会場内。

初音と沙那が料理を食べようとしていた。

 

「・・・なんか今年のディナー、ショボくね?」

 

「お口に合いませんか?」

 

「いや、料理は悪くねーんだけど、なんか減りが早えーなぁって。」

 

「確かにそうですね・・・向こうの食卓は全皿とも無くなっているようですし。」

 

「あー見た見た。

あの三つ編みの・・・なんだっけ?

中国からの留学生。」

 

「留学生の雀さんですね。

今はあちらの食卓にいますよ。

それに今年は留学生を含め、例年以上の転校生が入学されましたから・・・」

 

「えーっ、だったらもっと多く入荷しときゃいいじゃん・・・

これじゃアタシが食う分がねーしー・・・沙那ー、腹減ったー。」

 

「かしこまりました。

では、すぐにお持ちします。」

 

「あ、ちょっと待った・・・せっかくなら、会場全体に追加で持って来ようぜ?

・・・あ、あとお姉様への差し入れにアワビ料理も欲しいなぁ。」

 

「承知しました。」

 

「にししし・・・こりゃ面白いことになるぜ。」

 

「この規模ですと、もう少し人手があった方がよさそうですね・・・」

 

「親衛隊・・・いや、あいつらより適任なのがいたか。」

 

初音は誰か探し始める。

その頃、良介と誠。

 

「・・・おい、料理少なくねぇか?」

 

良介は料理の数を見て疑問に思う。

 

「明鈴っていう中国の子が大量に食べてんだよ。

誰かあの馬鹿止めてくれ。

俺らだけじゃなく全体の分が無くなっちまう。」

 

「うーん、どうしたものか・・・」

 

良介が考え込んでいると、初音がやってきた。

 

「あっ、いたいた!

どこ行ってたんだよ、良介!」

 

「初音?

どうしたんだ、いきなり・・・」

 

初音と沙那が事情を説明した。

 

「・・・なるほど、わかった。

俺でよければ力になるよ。」

 

「ありがとうございます。

それではよろしくお願いしますね。」

 

「ああ、よろしく。」

 

「オッシャ、行って来い!

タップリ用意してガッツリ食わせてくれよ!」

 

「それでは参りましょう。」

 

「了解。」

 

良介と沙那と共に食料を取りに向かった。

 

   ***

 

良介と沙那は食料が置かれている倉庫に来ていた。

 

「結構あるな。」

 

「では、良介さんはこの倉庫から食材をお持ちください。

私は急ぎ業者から受け取って来ますので調理室で合流しましょう。」

 

「わかった。」

 

と、シャルロット・ディオールが2人のところにやってきた。

 

「月宮さん、こちらをどうぞ。」

 

シャルロットはクリスマスカードを沙那に渡してきた。

 

「可愛らしいクリスマスカードですね。

ありがとうございます。」

 

「お急ぎのようでしたが、何かございましたか?」

 

「ええ。

少々、パーティのディナーを追加することになりまして。」

 

「あら?

ディナーでしたら、料理部の皆さんが担当スタッフのはずですが。」

 

「はい。

ただ、このままですとお料理が不足してしまいそうでしたので・・・

お力添えできればと思い、独断で動かせていただいておりました。」

 

「奉公の精神ですね。

素敵です。

わたくしも、手が空いていればお手伝いに回りたいところでしたが・・・」

 

「いえ、お構いなく。

今なさっているお仕事をご優先下さい。」

 

「そうですか・・・わかりました。

ディナーをよろしくお願いいたします。」

 

「はい、お任せ下さい。」

 

「あなたに主の祝福がありますように。

ジョワイユー・ノエル!」

 

シャルロットは行ってしまった。

 

「・・・あれ?

俺のクリスマスカードは?」

 

その頃、パーティ会場。

 

「あー!

それ、ボクのお肉!」

 

「はっはっは、残念だったな!

取ったもん勝ちなんだよ!

諦めな!」

 

「うー・・・じゃ、このお肉ボクがもらうのだ!」

 

「あ!

バカ野郎!

人の皿から取るな!」

 

「取ったもん勝ちって言ったのは誠なのだ!」

 

「この野郎!」

 

誠と明鈴が料理の取り合いをしていた。

 

   ***

 

良介と沙那は調理室に来ていた。

調理室には花梨と小蓮がいた。

 

「悪りぃなぁ、スタッフでもねぇのに手伝わせてよ。」

 

「いえ、お気になさらず。

初音様のご希望ですから。」

 

「俺も初音から頼まれただけだから。」

 

「あぁ、神宮寺なぁ。

ひょっとして面白半分で月宮と良介に頼んだっきゃ?」

 

「かもしれませんが、私はメイドです。

不要な詮索はいたしません。」

 

「・・・なんのことネ。

話がよく見えないヨ。」

 

「手ぇ空いたら説明するすけな。

今それどころじゃねぇっきゃ。」

 

「そうですね。

料理の準備をしましょう。」

 

「んだんだ。

だば、下ごしらえしてるの、そっちだすけな。」

 

「俺も手伝おう。

普段から料理してるから。」

 

良介と沙那は料理の手伝いを始めた。

 

「オーブンに入れましたので、次の料理に取り掛かりましょうか。」

 

「いい手際ネ。

普段から料理してるのカ?」

 

「料理をこなせなければ、メイドとして勤まりません。」

 

「月宮は神宮寺のメイドだすけ、炊事洗濯なんでもできるべよ。」

 

「なんかでかい家に仕えてるのネ、月宮は。

ぜんぜん想像つかないヨ。

やっぱり専属のコックとかいるのカ?」

 

「本家にはいますよ。

さすがに魔法学園に常駐することは許されませんでしたが。」

 

「アナタより料理うまいカ?

ぜひ一度、お目にかかってみたいもんだヨ。」

 

「機会がありましたら、そのときに。」

 

「待てないヨ!

知り合いの知り合い~、みたいなツテですぐ頼めないカ?」

 

「魔法学園へ来るのもJGJへ行くのも、それなりの理由が必要ですので・・・」

 

「ウムムム・・・!

ならばセキュリティの穴を突いてでも・・・!」

 

「・・・そんなに会いたいのかよ・・・」

 

「小蓮?

そったらムチャ言ってはなんねぇど。

月宮が困ってるっきゃ?」

 

「むぅ、残念ネ・・・」

 

4人は料理を次々に作っていった。

 

「ふぅ、なんとか完成したど。」

 

「この調子なら十分に食べる時間も残りそうネ。」

 

「今日はほんにありがとねぇ月宮、良介。

みんな喜ぶじゃ。」

 

「いえ、初音様のご希望に従ったまでですから。」

 

「俺は・・・まぁ、役に立てたならいいや。」

 

「遊びのノリでもよ、今回はあんたらを寄越した神宮寺に感謝だなぁ。

けんど、せっかくだすけ次は神宮寺もスタッフさなって欲しいべ。

月宮、あんたから伝えといてくれっか?」

 

「わかりました、お伝えしておきます。」

 

「よし、会場に戻るか。」

 

良介と沙那はパーティ会場に戻った。

 

   ***

 

沙那は初音のところにやってきた。

 

「お待たせしてしまい申し訳ありません、ただいま戻りました。」

 

「お、待ってた待ってた。

いやー、作戦成功だぜ!」

 

料理が運ばれてきた。

 

「ホレ見ろ!

みんな出てきた料理に目ぇ回してるぜ!」

 

「作った甲斐があったというものです。」

 

「フヒヒ、こうやってビックリさせんの気持ちいーなー。

なあなあ、そういやさ、お姉さま用のアワビどうなってる?」

 

「肝醤油と合わせてお持ちしております。

お渡しください。」

 

「おっし!

後でお姉さまのとこ行くからな!」

 

「かしこまりました。

それと里中さんから伝言がございまして。」

 

と、いきなりノエルが会場の皆に話しかけてきた。

 

「ディナー中ちょっとごめんねー!

今から出し物やるよー!」

 

「おっ?

なんだなんだ?」

 

その頃、良介。

 

「・・・誠、なんでそんなに疲れてんだ。」

 

誠がテーブルの上でグッタリしていた。

 

「・・・明鈴と・・・取り合いしてた。」

 

「何やってんだまったく・・・ほら、しっかりしろ。

料理が運ばれてきたからよ。」

 

「おう・・・」

 

誠が体を起こすと、ノエルの声が聞こえてきた。

 

「ん?

なんか出し物やるみたいだぞ。」

 

「なんだ・・・?」

 

2人は運ばれてきた料理を食べながらそっちを見た。

 

「みなさん、ジョワイユー・ノエル!

パーティ、お楽しみいただいてますか?

これから少しの間、皆さんとクリスマスソングを歌いましょう!

日本でも有名なものですが、わからなくてもカードに歌詞が書かれてますねで・・・

では、まず【Vive Le Vent】、ジングルベルから始めましょう!」

 

「・・・俺、クリスマスカードもらってないんだが・・・」

 

「安心しろ、良介。

ほら。」

 

誠がクリスマスカードを渡してきた。

 

「なんでお前が持ってんだ。」

 

「シャルロットさんに言って、お前の分もらっておいたんだよ。」

 

「そうだったのか、ありがとな、誠。」

 

「おう。

それじゃ、出し物を楽しむとしますか。」

 

シャルロットは歌い終えるとノエルがやってきた。

 

「お疲れ様!

はい、お水!」

 

「ありがとうございます。

さすがに、続けて歌うと汗をかきますね・・・」

 

「あたしもなんか汗かいちゃった。

踊ってたからかな?」

 

「うふふふ♪

気に入っていただけましたか?」

 

「うん、すっごく!

でも赤鼻のトナカイがなかったのは残念だったなぁ。」

 

「ああ、トナカイさんですものね。

では来年に歌いましょうか。」

 

「やりぃ~っ!

じゃあ来年もトナカイ着なきゃね!」

 

「わたくしも楽しみにしていますよ。」

 

と、智花がやってきた。

 

「シャルロットさん、アンコールです!」

 

「まあ・・・・・!」

 

「あわわわ、伴奏準備しなきゃ・・・シャルロットさんも大丈夫?」

 

「はい!

わたくしもいつでも始められますよ。」

 

「オッケー!

じゃあ選曲、選曲っと・・・」

 

「主よ、今日という日に感謝いたします・・・!」

 

シャルロットは再び歌い始めた。




人物紹介

シャルロット・ディオール 19歳
ヴィアンネ教司会】から派遣された魔物退治のエキスパート、らしい。
正確には生徒ではないが、みんなと一緒に授業を受けて魔物討伐にでかける。
狂信者っぽい一面を垣間見せることもあるが、異教に対しておおらかな面もある。
気分で変わるのか、それとも・・・
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