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神凪神社で小蓮は無くした財布を探していた。
「お、おかしいナ・・・落とした覚えはないんだガ・・・」
「無いなら戻ってみたらどうだ?」
「この人ごみの中をカ・・・トホホだナ・・・」
小蓮は人ごみを掻き分けながら戻っていった。
数分後、小蓮が戻ってきた。
「お、戻ってきたか。
どうだ、あったか?」
良介が話しかける。
「うう・・・どこにもなかったヨ・・・わけがわからないネ・・・」
「別の場所で落としたのか?」
と、結希が話しかけてきた。
「・・・さっき、少し気になる話を聞いたわ。」
「気になる話?
なんだ?」
誠が尋ねる。
「財布を無くした人、李さんの他にもいるらしいの。」
「・・・ナヌ?」
「【どこを探しても見つからない。
誰かに盗まれたんじゃないか・・・】。」
「・・・なるほど、こいつは・・・」
良介が面倒くさそうに頭を掻いた。
「スリだヨ!
きっとスリが現れたのヨ!」
「あくまで推測の段階よ。
けど、可能性はあるわね。」
「可能性だけで十分ネ!
なんとしても取り戻してやるネ!」
小蓮はそう言うと、行ってしまった。
「ふぅ、俺も行くか。
スリならまだ近くにいるはずだしな。」
良介も後を追うように行った。
2人が行ってすぐ、入れ替わるように怜がやってきた。
「あけましておめでとう。
綺麗な晴れ着だな、よく似合ってるぞ。」
「お、怜か。
あけましておめでとう。」
「おめでとう。
今は巫女のお仕事かしら。」
「見習いだがな。
儀式の関係は父が担当している。
厄払いしていくか?」
「いえ。
今はいらないわ。」
「俺も大丈夫だ。」
「そうか。
しかし宍戸が初詣に来るのは久しぶりになるな。
何年ぶりだったか・・・」
「すっかり忘れてしまったわ・・・それよりも、李さんの件、聞いた?」
「いや、全く・・・何かあったのか?」
「ああ、実は・・・」
誠が怜に説明した。
「スリの可能性か・・・分かった。
注意しておこう。
ひとまずは、事件でないことを祈るばかりだ。」
「だといいんだがなぁ・・・」
誠がため息をついていると、恋がやってきた。
「神凪、財布を探しとるんじゃが、どこかに落ちてなかったかの?」
「・・・事件の香りがするわね。」
「落し物だったら社務所で預かっている。
それでも無い場合は・・・少し待っていてくれ。
私が取り戻してくるから。」
「取り戻して?
なんじゃ、まさか盗人か?
厄介事ならわっちらも手伝うぞ、遠慮するなよ。」
「ありがとう。
けど、できるだけのことは神社側で済ませるよ。」
「そうか?
・・・では、社務所に行ってくるかのう。」
恋は社務所のところに向かった。
「・・・慌ただしい正月になりそうだ。」
怜はため息をついた。
***
少し経って、誠と結希は神社を歩いていた。
「魔法が広まった今も、お守りや占いに興味を持つ人々は絶えない。
・・・現に、西原 ゆえ子の魔法は未来視。
まるで心霊現象めいている。」
「ま、あんなに的確に当ててたら気味が悪いだろうな。」
「【魔法は自然現象の代替物】。」
「・・・もしかしたら、未来視にも科学的な要素が存在するかもな。」
「・・・タキオン粒子を捉えているのかしら・・・」
「そんな超光速で動いてて、存在もわからない粒子を捉えてたら凄い話だな。」
「・・・今考えることじゃないわね。
お守りを買いましょう。」
「・・・そうだな。」
誠と結希はお守りを買いに売り場に向かった。
「さて、どれだけ買うつもりなんだ?」
「李さん、里中さん、それに、良介君と誠君・・・あとは・・・天の分も。」
「あ、俺と良介の分はこっちで買うよ。」
「そう?
それじゃ・・・」
結希は売り子のところに向かった。
「売り子さん。
どの種類がいいか教えて欲しいのだけど・・・
ええ、学園生の・・・そうね。
なら必勝祈願にしようかしら。
所願成就・・・こちらも悪くないわね。
じゃあこっちも。」
「えーと、まず恋愛成就に・・・良介には縁結びを・・・
俺には・・・厄除けでも買っとくか。
・・・良介に子授けでも買っといてやろうかな・・・いや、殺されるからやめとくか。
よし、こっちは終わったぞ。」
「これでいいわ。
そろそろ会計・・・」
結希が金を払おうとした瞬間、後ろを誰かが通りすぎた。
「・・・今、何か・・・・・」
「今の奴、財布を・・・!」
「ああ・・・財布が・・・そう、そういうこと・・・」
結希は向こうを歩く男に目を向ける。
「・・・見つけたわ。
今ポケットに手を入れた男。」
誠と結希はお守りを置き、男のところに向かう。
男は2人に気付き、走り始めた。
「チッ、逃がすか!」
「逃がさないわ。
待ちなさい。」
誠と結希は追いかけ始めた。
しかし、結希は追いつけない。
「っ・・・速い。
いえ、私の足が遅いのね・・・」
誠は男を捕まえようと差を詰めていたが結希はどんどん引き離されていた。
「クソッ、以外に足速いな・・・」
「駄目・・・ペースの隔たりが大きい・・・このままでは・・・」
と、結希のところに良介がやってきた。
「結希、スリの犯人がいたのか?」
「良介君、誠君が追っているわ。
私の財布を盗んでいる。
他の子のも持ってるかもしれない。」
「誠がもう追ってるんだな。
OK、後は俺たちに任せてくれ。」
「・・・ありがとう。
なんとしても捕まえて。」
良介はスリの後を追った。
その後、良介と誠はスリの犯人を捕え、警察に突き出し、盗られた分の財布を取り返した。
ちなみに、誠はドサクサに紛れて財布を何個か頂戴しようとして良介にボコボコにされたという。
***
誠と結希は怜のところにやってきた。
「・・・やっと参拝が終わったわ。」
「はぁ・・・良介の奴、本気で殴りやがったな・・・」
誠は頬をさする。
「さっきは助かった。
おかげで犯人を捕まえることができたよ。」
「大したことはしてないわ。」
「当たり前のことをしたからな。」
「そうつれなくするな。
礼ぐらい言わせてくれ。」
「・・・どういたしまして。」
「ふふっ、わかっているじゃないか。」
「そろそろ私は帰るわ。
研究があるから。」
「ん?
もう帰るのか?」
「今日は休みじゃなかったのか?」
「休みはもう十分に取れたわ。
そろそろ戻らないと。」
「今日1日ぐらい休めばいいのによ・・・」
誠はため息をついた。
「・・・そうか。
わかった、また会おう。」
結希は帰っていった。
その頃、良介と小蓮は天文部と合流していた。
小蓮が何かに気付く。
「こっちの木の板は何ネ?」
「絵馬だよ。
願い事を裏に書いて吊るすんだよ。」
「クックックッ・・・古の神よ、我が遠大な野望を叶えたまえ・・・」
「ちょ、ちょっとでも卑屈な部分を治して下さいぃ・・・」
「おー、なかなか楽しそうネ。
ワタシもやってみようかナ。」
「ああ、そうするか。」
良介と小蓮も絵馬を書く事にした。
「できたヨ、これネ!」
「【世界一の中華料理】・・・ほほほ、これはまた大きく出たの。」
恋は小蓮の絵馬を見て笑った。
「そういう南條は何にしたのヨ?」
「わっちは【あーとで稼いで隠居生活】。
これで決まりじゃ!」
「アートしたいのか、金稼ぎたいのか、はっきりしろよ・・・」
良介は呆れる。
「隠居じゃよ、隠居。
まったーり、のんびーりできれば・・・」
すると、恋が何かに気付いた。
「・・・おや。
裏返ってる絵馬が・・・む?
これは・・・」
絵馬には【研究の完成と戦いの終わり。
宍戸 結希】と書かれていた。
「2つも書くとは意外と欲張りじゃのう。」
恋は笑みを見せた。
「確かに少しばかり欲張りだな。
・・・ん、これは誠か?」
良介が1つの絵馬を見つけた。
【神を超え、悪魔を滅ぼせる力が得られますように。
新海 誠】と書かれていた。
「・・・あいつ、何も思ってないって言ってたくせにこれか。」
良介はため息をついたが、よく見ると右下に何か書かれていることに気がついた。
「ん?
何か小さく書いてるな。
何なに・・・」
そこには、【彼女ができますように。】と書かれていた。
「・・・こっちが本心だな、あいつ。」
良介は呆れたように笑った。
「んじゃ、俺も本心を書きますかね。」
良介は、【いい出会いがありますように。】と書いて、絵馬を吊るした。