グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第45話 魔法使いの基本

ゲレンデのクエストから数日後、クエストが発令されたので良介は校門に向かっていた。

すると、校門にゆかりがいた。

 

「良介君、急いで!

阿川奈と同じ位の被害が出てるわ!

茨城の山奥なんだけど、突然現れた魔物と訓練中の国軍が鉢合わせたの。」

 

「新兵ばっかりで現場が混乱したせいで、対応が遅れているみたいですね。」

 

「急がないと、重篤な人もいるんだって。」

 

「それじゃ、行きましょう。」

 

良介は向かおうとすると、ゆかりが良介に聞いてきた。

 

「良介君、なんか気になってること、ある?

なんか地下のこととか、いろいろあったりしてみんな騒いでるけど・・・」

 

「え?

いや、特にないですね。

あるとしたら今回のクエストの魔物に関してのことぐらいですね。」

 

「今回は援軍が到着するまでの一時しのぎなんだけどね。」

 

「あ、時間稼ぎですか・・・」

 

良介は呆れたように笑った。

 

「それじゃ、行きましょ。

じゃんじゃん回復魔法使うから、覚悟しといてね♪」

 

「わかりました。

行きましょうか。」

 

良介とゆかりはクエストに向かった。

その頃、魔法使いの村。

 

「・・・うむ、よし。

準備は万端・・・とはいえんが・・・

例えゲートから霧がなだれ込んできても、お主らがおればなんとかなろう。」

 

アイラが魔導書を開く準備をしながら、誠とつかさの方を向いた。

 

「貴様らがなんの話をしているのかわからんが・・・

この本から魔物が現れるのか。」

 

つかさが魔導書を見つめた。

 

「妾の推測・・・いや、予感・・・そんな気がする、というくらいじゃ。」

 

「フン。

与太だった場合は貴様に相手をしてもらうぞ。」

 

つかさは笑みを浮かべながらアイラの方を見る。

 

「ククク・・・・・やだ。

誠か良介にしてもらえ。」

 

「なんで良介はともかくとして俺の名前が出てくんの!?

嫌だぞ俺!」

 

誠は慌てながらアイラに話した。

 

「とにかく話は本を開いてからじゃ。

朱鷺坂、やってしまえ!」

 

アイラはチトセに指示を出した。

 

「生天目 つかさがこの時期にも学園にいるなんて・・・

フフフ、ずいぶん変わっちゃったわね・・・」

 

「なにしてんのよ。

さっさとしなさい。」

 

一人で笑みを浮かべていたチトセに天が話しかけた。

 

「あなたは避難しておかなくていいの?

宍戸さんの側が安全よ?」

 

「アンタが使う魔法を記録しておくの。

この魔導書の研究するために・・・

いちいちアンタの手を借りるなんて面倒だからね。

すぐに魔法を解析して、結希でも使えるものにするんだから。」

 

「いつでも力になるわよ?

・・・ああ、生徒会と執行部の関係のせいね。

この学園も面倒くさいわね・・・じゃあ、解除するわ・・・

術式を説明する?」

 

「その方が捗るわ。

そっちが構わないなら全部言って。」

 

「研究のためならプライドも捨てる・・・一途なのね。」

 

「科学者のプライドは未知の真理を発見することよ。

勘違いしないで。

アンタが開発した術式をまたイチから解くなんて無意味だわ。」

 

「一本取られたわ。

じゃあ解説してあげる。

役立ててね。」

 

「必要な情報は骨までしゃぶりつくしてやるわ!」

 

チトセは解説しながら解除し始めた。

 

   ***

 

少し経って山中の川の近く。

良介とゆかりが国軍の治療を終えて、一息ついていた。

 

「ふう。

ちょっと休憩してもいいかな。」

 

「大丈夫ですか?

結構疲れてるように見えますが・・・」

 

「さすがに魔法を使い続けると、魔力が減らなくても疲れるよ。

・・・こんなにたくさんの怪我人を見るのが初めてだからかもね。」

 

ゆかりは国軍の兵たちの方を見た。

 

「それにしても、こんな状況になるまで対応が遅れるなんて・・・

この近くだけで十数人。

命に関わる重傷の人もいるし・・・」

 

「・・・大丈夫ですか?」

 

「ごめんね。

良介君がいて助かったよ。

私一人だと魔力がもたなかったはずだから。

ありがと。」

 

「いえ、お礼を言われるほどのことじゃありませんよ。」

 

良介は笑みを見せた。

 

「じゃ、休憩がてら見回りに行こうかな。

ざこ退治。

来るでしょ?」

 

「え?

一時しのぎじゃ・・・」

 

「気分転換だよ。

体動かしたら気がまぎれるしね。」

 

良介とゆかりは見回りに向かった。

 

   ***

 

同じ頃、教室。

 

「えっ?

アイラ達が消えた?」

 

月詠が律の話を聞いていた。

 

「地下で見つかった魔導書?

を調べてたらいきなり消えちゃったってさ。」

 

「だからアンタ、どこでそんなの聞いてくるのよ・・・」

 

千佳が呆れた。

 

「そ、それホント?

じゃあ魔導書ってホントに・・・」

 

「アレだろ、昔のアニメに絵本の中に入る靴とか出てきたよな。」

 

「そうそれ・・・じゃないわよ!

そんなお気楽なのじゃなくて!

ほ、ホントにもう一つの世界に・・・?

こうしちゃいられないわ!

エレンたちがなにか知ってるか聞かないと!」

 

月詠は急いで教室から出て行った。

 

「・・・なんであんなに慌ててんだ?」

 

「えっ。

行方不明ってけっこー深刻じゃん。

フツー慌てるっしょ?」

 

「だって東雲だぜ?

生天目先輩もいるんだぜ?

おまけに誠までいるんだぜ?」

 

「確かに・・・そんなもんかって思えてきたわ。」

 

「だろ?」

 

同時刻、研究室。

聖奈が入ってきた。

 

「宍戸!

宍戸はいるか!」

 

「後にしてもらえる?

まだ報告できるようなことはないわ。」

 

「なっ・・・5名が行方不明になったのに報告しないなどと・・・!」

 

「行方不明じゃないわ。

生徒会には説明したはずよ。

ゲートを開くと。」

 

「ゲートを開く・・・ま、まさか最初から・・・!」

 

「ゲートは裏世界に繋がった。

東雲 アイラ、朱鷺坂 チトセ、如月 天・・・

そして生天目 つかさと新海 誠の5名は、裏の世界にいる。」

 

「な、なにを勝手なことを・・・!」

 

「4人がいればよほどのことがない限り危険はない。

天がいればよほどのことがない限り暴走はしない。

あの子は【魔法使いじゃない】から、魔法の限界をよく知っている。」

 

「・・・今からでも報告に来い!

許可を得なかったことについては追って・・・」

 

「だから後にして・・・今も情報が送られてきている。」

 

結希は聖奈の話を遮った。

 

「・・・情報?

どこからだ。」

 

「天からよ。」

 

その頃、噴水前。

鳴子がいた。

 

「良介君はクエストか・・・タイミングがよかったな。

彼が朱鷺坂君と裏に行かなくてよかった。

・・・しかし、思ったより早くゲートが開いたな。

僕が知っている話じゃ、少なくとも1ヶ月は先だったはずなのに・・・

やっぱり朱鷺坂君が来てから齟齬が大きくなっている。」

 

すると、鳴子はデバイスを取り出すと誰かに電話をかけ始めた。

 

「もしもし。

君かい?

【そっち】に生徒が5人、到着したか調べてもらってもいいかな。

1人は例の悪魔っ子だよ。

無理に接触しないよう気をつけてくれ・・・」

 

電話を切った瞬間、夏海がやってきた。

 

「うわっ・・・あれ?

部長もクエスト請けたんですか?」

 

「いや・・・もう僕はクエストを請けるつもりはないよ。

単位は足りてるし、他にやることが多いからね。」

 

「そうなんですかぁ・・・ちょっと寂しいなぁ・・・」

 

「そんなことを言ってられるのも今のうちだけだ。

部長になったらすぐ忙しくなるぞ。

今のうちに腕を磨いておくんだ。」

 

「わかってますよう・・・あ、待って待って!」

 

夏海はクエストに向かおうとする智花たちのところに走って行った。

鳴子はその後ろ姿を黙って見ていた。

 

「夏海、今度こそ僕は間に合ってみせるぞ。

運命は変わりつつあるんだ。

絶対に死なせやしない。

君のお父さんと約束したからね。」

 

鳴子はそう呟いた。

 

   ***

 

川の近く。

良介とゆかりが見回りをしていた。

 

「狼、数が多いね。

それになんだか統率された動き・・・

普通、このくらいの大きさの魔物は知能も低いはずだけど・・・」

 

「確かにそうですね。

まるで本当に群れで動く獣みたい・・・痛っ。」

 

良介は手の甲の部分を抑えていた。

殴った際に牙が当たり切れたようだ。

 

「あ、けがしたら見せて、なおすから。」

 

「え?

あ、いや、これぐらい大丈夫ですよ。」

 

「いいのいいの!

あなたが倒れちゃったら私もみんなを治療できなくなるもん。」

 

「あ、すいません。」

 

「回復魔法ってコスパ悪いのよ。

ケガの重さに比例するし。

使える人少ないから、一人の負担が大きいしね。

正直、あなたがこれから重宝されるのってそういう場面だと思うんだ。

偉い人たちがどう判断するかはわからないけど、特に現場ではね。

だから、私も頼りにしてるよ・・・」

 

ゆかりは話している最中に向こうを見て固まった。

 

「ん?

どうしました?」

 

「ちょ、ちょっと、あれ、なに?」

 

ゆかりが見ている方向を見ると、巨大な狼のような魔物がいた。

 

「・・・!

こっちに来る・・・!」

 

良介は身構えた。

魔物は突進してきた。

 

「ゆかりさん、失礼します!」

 

「へ?

きゃっ!?」

 

良介はゆかりの腰に手を回して抱き抱えると、横に飛んで突進を避けた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「う、うん・・・大丈夫・・・」

 

良介はゆかりに手で少し離れるよう指示を出す。

ゆかりが少し離れると再び魔物が向かって来た。

良介は剣を抜くと、刀身に火の魔法をかけた。

この頃、良介はいわゆる魔法名や技名などを考えるようになった。

というのも、他の生徒たちは皆必殺技や得意な魔法に名前をつけていた。

つけていないのは良介と誠ぐらいだった。

なので2人して名前を考えるようになり、技名や魔法名を付け始めた。

というか、その方が魔法や技を出す際、イメージしやすかった。

良介は考えた技を一つ使ってみることにした。

 

「・・・来い!」

 

向かってきた魔物が噛み付こうとしてきた。

それと同時に良介が魔物に斬りかかった。

 

「烈火刃!」

 

一瞬で良介は魔物の背後に移動すると、魔物の体に無数の火のついた傷口ができ、魔物は炎に包まれて消えた。

 

「ふぅ・・・やっぱ名前つけた方が魔法の出が早いな。」

 

良介は剣を鞘に収めるとゆかりの方を向いた。

 

「良介君、大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫ですよ。

見回り続けますか?」

 

「うん、もう少し続けようか。」

 

「わかりました。

それじゃ、行きましょう。」

 

良介とゆかりは再び見回りに向かった。

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