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第49話 花に囲まれて
3月上旬。
学園生は課外授業で汐浜ファンタジーランドに来ていた。
その中、紗妃は他の生徒の格好に困惑していた。
「・・・・・・?????」
「どしたの?」
純が紗妃のところにやってきた。
「ど、どうしてみなさん私服なのですか?」
「え・・・どいしてって、氷川さんこそなんで制服なのさ・・・」
「な、なぜって、今日は学園の課外授業なのですよ!?
確かに遊びにきたのは違いありませんが、先生も言ってたでしょう!」
「やだなー、あんなの口だけ口だけ。
誰も守るなんて思ってないよ。
そもそも先生たち来てないんだし、自由に遊んで来いってことでしょ。」
「な、なんですって・・・!
そ、そんな態度ではグリモアの・・・」
「制服着てないんだからグリモアの生徒かどうかもわからないじゃん。
氷川さんも着替えてくれば?
あたし一度汐浜ファンガールやったことあるし・・・
服、みてあげるよ?」
「あ・・・け、結構です!
他の生徒がどうであれ!
風紀委員の私は規律正しく行動しなければ!」
「遊びに来たときくらい気にしなくてもいいのに・・・
そんじゃ、気が変わったらもあっとしてね。
氷川さんカワイイから、服、絶対選ばせてよ。」
「で、ですから!」
「まーまー。
そんじゃ後でね。
ばーい。」
純は行ってしまった。
「な、なんということでしょう!」
その頃、焔は一人で行動していた。
「クソッ!
なにが課外訓練だ、エレンのヤロウ!」
焔は一人で愚痴を言っていた。
「なんか変だと思ったんだ・・・
あいつめ、なんだかんだ理由つけてサボりやがって・・・!」
焔は少し黙って考え始めた。
「チッ。
帰るか。」
焔は帰ろうとしたが、姫が話しかけてきた。
「来栖さん。
あなたは魔法使い失格ですよ。」
「あぁ?」
「強い魔法使いを目指すなら・・・
訓練のときは訓練に集中!
そうでないときは訓練のことは考えない!
そうやってオンとオフをハッキリと区別せねばならないのです。
いいですか、私は幼いころから野薔薇としてふさわしくなるよう教育を・・・」
焔は黙ってその場から去っていった。
姫は気づかず話し続けていた。
「ですから野薔薇は魔法使いの家系ではありませんが、方針はあなたにも・・・
聞けばあなたはいつも1人でいらっしゃる様子、これを機にぜひとも・・・あら?」
ようやく焔がいなくなっていることに気がついた。
良介は誠と共にいた。
「汐ファンか。
俺は来るのは初めてだな。」
良介は周りを見渡した。
2人とも私服で来ていた。
「俺は小学生の時に一度来たな。
10年近く前だったかな。」
「一度来たことあるならオススメのアトラクション教えてくれよ。
一緒に回っていこうぜ。」
「ああ、いいぜ。
それじゃ、まずジェットコースターに乗るか!」
「よし、行こうぜ!」
良介と誠はジェットコースター乗り場に向かった。
***
焔は出入り口の近くに来ていた。
「はぁ・・・タイミング逃しちまった。
さっさと出入り口から離れろよな。」
出入り口には大量の客が並んでいた。
「だから嫌いなんだよ、団体行動なんて・・・」
焔が一人で愚痴を言っていると、汐浜のマスコットのハートがやってきた。
「あ?
なんだよ、なんか用か。」
「邪魔。」
ハートは焔を押しのけた。
「うぉっ!?」
ハートは黙って向こうを見つめていた。
「て、てめぇ、瑠璃川・・・」
焔は誰が入っているのか気付いた。
「そ、そこまでして妹見張るのかよ・・・一緒にいりゃいいじゃねぇか・・・」
「今日、あたしは来てないから。」
「ワケわかんねぇよ・・・」
その頃、良介と誠はコーヒーカップの近くにいた。
2人して屈んでいた。
「うおおぉぉ・・・気持ち悪いぃ・・・・」
誠は胸を抑えながらそのまま倒れた。
「ううぅぅ・・・このバカ野郎・・・やめろって言ってんのに回しまくりやがって・・・
あぁ・・・クラクラする・・・」
良介はなんとか近くのベンチに座った。
さっきまで2人でコーヒーカップに乗っていたのだが、誠が調子にのってハンドルを回しまくった結果、カップはコマのように回転し、そして現在に至る。
「と、とりあえずここで少し休憩にしよう・・・」
誠も這いずりながらベンチに向かう。
「ああ・・・ふぅ、少しマシになったな。
ジュース買ってくる。
なんでもいいよな?」
「・・・任せた。」
良介はジュースを買いに行き、誠はベンチに寄りかかるように座った。
少し経って、焔は一人で歩いていた。
「なんだよ、どいつもこいつも間抜けなツラしやがって。
いつ魔物が襲ってくるかわからねーのに、なんでこんな緩みきってんだ・・・」
焔は黙って周りを見渡した。
「つまんねーな・・・」
焔は黙って歩き始めた。
「ん?」
すると、姫たちが走ってやってきた。
「あっ!
そこにいるのは来栖さん!」
「ゲッ!
ま、まだなにかあんのかよ!」
「御免あそばせ!
今は野薔薇最大の戦いの最中なのです!
残念ですがお茶はまたのお機会としましょう!」
姫は走り去っていった。
刀子もそれに続いて行った。
「御免!」
少し遅れていた自由は焔と当たりそうになった。
「ひぇっ!」
自由はギリギリで避けた。
なぜか自由は戦闘服姿になっていた。
「び、びっくりしたー・・・なんでこんなところに来栖さんが・・・」
すると、焔が自由に話しかけてきた。
「おい。」
「ぎくぅ!
く、来栖さんじゃないっすかぁ!
ごごご機嫌麗しゅう!」
「さっきのはなんだ?」
「え?」
「野薔薇最大の戦いってなんだって聞いてんだよ。」
「え?
え?
あ、別にあれはそーゆー意味ではなくて・・・」
「退屈してんだ。
あの野薔薇がやけにテンション高いじゃねーか。
軍事の野薔薇が戦いって言ったらそーゆー意味だろ。
おい、連れてけ。」
「ええ・・・あ、あの、戦いなんかじゃないっすよ?
ホントに・・・」
焔は自由を睨みつけた。
と、姫が自由を呼び始めた。
「自由ーっ!
なにをしているのですか!
今日こそあのにっくき仇敵に・・・」
「あ、お、お嬢!
そんな言い方しちゃったら誤解が・・・」
「おい。」
「ひっ・・・も、もーどーなっても知らねっすよ!」
焔は姫たちについて行った。
***
少し経って、良介たちは迷路の前に来ていた。
「誠、次はここに入るのか?」
「おう、この迷路は小学生の時は入ってないから道順とか俺は知らないからな。」
「まぁ、こういうのは勘で進んだ方が割と行けたりするもんだ。
行こうぜ。」
2人は迷路の中に入っていった。
その頃、出口に姫と刀子がいた。
「自由が遅いので先に入ってしまいましたが・・・
出てきませんね。」
「入る直前、誰かに捕まっていたように見えました。」
2人は自由を待っていた。
「ふむ・・・せっかくこれまでで最高のタイムを出したというのに・・・
自由が中で迷ってしまったら、予定が狂ってしまいますね。」
「まだ時間はございますゆえ。
待ちましょう。」
同時刻、自由と焔は迷路の中にいた。
「マジでこの迷路のことなのか?」
「だーかーら、最初から違うってゆってたじゃないっすかぁ。
汐ファンは自分らにとっては思い入れのあるとこでして。
特にこの迷路に全アトラクション制覇の妨害されたんで。」
「バカらしい。」
「だーかーら最初からゆってたでしょ。
もう、せっかちさんなんすね。」
「うるせえ、黙ってろ。」
「なんすかなんすか。
こっちは強引についてこられてるんすよ?
文句ぐらい言っていいじゃないすか。」
「・・・クソッ。」
少し経って、良介と誠。
「お、また2つに分かれてるぞ。」
良介は分かれ道を見つけた。
「うーん・・・多分右だろ。」
誠が進もうとしたが、良介は進まず誠に話しかけた。
「・・・なぁ、ずっと言おうと思ってたんだが・・・」
「ん、どうした?」
「同じところ回ってないか?」
「・・・気のせいだろ。」
誠は進み始め、良介はそれについていった。
すると、また分かれ道が出てきた。
「これは右・・・」
「よし、左行こう。」
良介は誠を無視して左に向かった。
「おい、勝手に進むなよ。」
「はっきり言ってやる。
ずっと同じところ回ってるんだよ。
しかも、お前はずっと右ばっかり選んでる。
いい加減気づけよ。」
「まぁまぁ、気のせいだって。
ここは俺に任せて・・・」
「コーヒーカップもそうだが、お前に任せているとロクな目に合わねえ。
迷路ぐらいは俺に任せてくれないか。
このままだと終わりまでここを彷徨うことになりだからな。」
「・・・わかった。
ただし、少しでも同じところ回ってると思ったら諦めてくれよ?」
「ああ、わかった。
それじゃ、俺についてこい。」
良介は左を選択し進み始めた。
その頃、姫と刀子はまだ待っていた。
「遅いですね。
迷っているのでしょうか。」
「あやつめ、昨晩あれだけ豪語しておいて・・・」
「少し賭けになりますが、もう1度入って自由を探しましょう。」
「し、しかしすぐに出てくるやもしれませんぞ。」
「あなたはここで待っていなさい。
中は私のほうが詳しいので。」
「で、ですが拙者は姫殿から離れるわけには・・・!」
「遊園地の迷路に危険などありません。
デバイスで連絡を取りましょう。」
「しかし!」
「しかしもなにもないでしょう。
たまには私を信じてくださいな。」
姫は迷路へと向かった。
その頃、自由と焔は開けた場所にやってきた。
「おや、ここは・・・」
「学園のバラ園じゃねーか・・・」
「迷路の中の休憩場所っす。
ここからリタイアすることもできます。
バラの安息所、でしたっけ?」
すると、姫が別の道からやってきた。
「そうです。
私の好きな場所です。
バラ園はここを参考にしました。」
「おおっ!?
お、お嬢、なんでここに・・・」
「遅かったので探しに来たのです。
まあ、来栖さん。」
焔は黙って姫のほうを見た。
「ごきげんよう。
どうして自由と?」
「あ、それがっすね。
ちょっとした勘違いで。」
「バラだから好きなのか?」
焔は自由を無視して姫に聞いた。
「いいえ。
それだけではありません。
私と自由と刀子。
その思い出の地だからです。」
焔は黙って聞いていた。
「えーと、自分ら、野薔薇の本家と分家の関係でですね。
最初は結構ぎくしゃくしてたんですよ。
4歳くらいでしたっけ。
で、始めてここにきて迷路に入って・・・1時間ぐらい迷っちゃいまして。
3人して泣いちゃったんですよね。
一生出られないんだって。
ま、それからっすな。
今みたいになったのは。
いい思い出です。」
「誰も昔話なんか聞いてねぇや。」
「そうすか。
サーセンした。」
「では出ましょうか。
来栖さんもどうぞ。」
「いらねえ。
ここでひと休みしていくよ。」
「そうですか?
それではいざというときのために道順をお伝えしておきますわ。
もあっとのフレンド登録しておきますね。」
「勝手にしろよ。」
姫はデバイスを取り出し、もあっとのフレンド登録をした。
「ではごきげんよう。
よろしければ、また。」
「うーす。」
姫と自由は迷路の出口へ向かった。
「思い出の場所、か・・・ん?」
すると、良介と誠がやってきた。
「ほら見ろ、違うところに出たじゃねえか。
だから言っただろ。
お前に任せたらロクな目に合わないって。」
「俺が途中でこっちじゃねえかって言ったおかげだろ。」
「全部はずれてたじゃねえか。
少しでもお前を信じた俺がバカだったよ。」
良介と誠は言い合いをしていた。
「・・・なにやってんだよ。」
焔は2人を見て呆れた。