グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第52話 おやすみなさい

洋館の中、律は人形に追いかけられていた。

 

「ぎゃあああああ!!

いやだああああああ来ないでええええぇぇ!!

うわああああぁぁああああぁぁああああ!!」

 

律が悲鳴をあげると、人形が次々と破壊された。

 

「うおっ!?

すごい声だな。

これが律の魔法か。」

 

誠は両耳をふさいだ。

 

「これは使用を禁止されていても仕方がありませんわね。」

 

「ぎゃああああやだやだやだこわいいいいいぃぃいいいい!!」

 

シャルロットが律に話しかけに行った。

 

「音無さん、音無さん!

お気を確かに!」

 

「だ、だってこわいんだもっ・・・口が、口がパカっって・・・うえぇ・・・」

 

「ただの人形じゃねえか。

ほら、木で出来た・・・」

 

誠が人形の頭を持って、律に近づいた。

 

「ひゃあぁっ!

やだやだ見せんな!!

近づけんなぁあ!!」

 

律は咄嗟に離れた。

 

「うぅ、気軽にクエスト代わるんじゃなかった・・・千佳のバカぁ・・・!

もうやだ・・・こっから出たいよぉ・・・たすけて・・・」

 

「恐れることはありません。

神が御加護をくださいますわ。

ね?」

 

「神でも仏でもなんでもいいから・・・ひっ!?」

 

律がシャルロットの後ろを見て、固まった。

 

「う、うし・・・」

 

「うし?」

 

「うしろ!

うしろーっ!」

 

シャルロットが後ろを見ると人形がいた。

 

「あら。

気配を消していたのですね、やはり悪魔の子は姑息ですわ。

神の名の元、退けましょう。

我らの領域を侵す悪しき霊に裁きを!」

 

シャルロットが魔法を放つと人形はバラバラになった。

 

「まぁ・・・中身までよくできていること。

そうして人を惑わせるのですね。」

 

「うえぇ・・・ぐ、ぐろいぃ・・・!!」

 

「結構残酷なやり方に見えるなぁ。

・・・ん?」

 

誠は自分の横を見るといつに間にか人形がいた。

 

「いつの間にいたんだよ。

まったく・・・」

 

誠は拳銃を取り出すと、人形の額を撃ち貫いた。

 

「あら?

誠さんの武器は弓だと聞いていましたが?」

 

シャルロットが誠の武器を見て、聞いてきた。

 

「第7次侵攻以降になってから、一気にガタが来ちまってな。

だから新しい武器に変えてみたんだ。

今は二丁拳銃さ。

魔力を弾に変えて撃つ魔導銃のな。」

 

「なるほど、そうだったんですか。

・・・おや?」

 

シャルロットが前を向くと、さらに人形がやってきていた。

 

「いかに人の形を真似ようと、神の許しは得られません。

己の浅はかさを悔いながら、哀れな木偶と共に滅しなさい!!」

 

シャルロットは次々と人形を破壊していった。

だが、それでも人形は出てきていた。

 

「さてと、俺も少し暴れるかな。」

 

誠は二丁拳銃を構えると、人形に話しかけた。

 

「さて、どこから撃ち抜かれたい?

今ならリクエストに答えてやるぞ?」

 

人形は誠に襲いかかったが、その前に誠は額に銃口を押し付けた。

 

「・・・時間切れだ。」

 

誠は人形を撃ち抜き、その後方にいた人形たちも次々と撃ち抜いていった。

 

「ひっ・・・ひぃぃ・・・!!」

 

シャルロットと誠はその場にいた全ての人形を破壊して律のところに戻ってきた。

 

「音無さん、もう大丈夫ですよ。」

 

「ひゃああぁ!」

 

律は近づいてきたシャルロットから離れようとする。

 

「ふふふ・・・悪魔は滅しました・・・当然の報いです・・・」

 

「律、怪我はないか?」

 

誠が銃を直しながら律に近づく。

 

「あわわわ・・・だ、だだだいじょうぶ、で、ございます、です・・・!」

 

律は2人を見て怯えていた。

 

「どうしました、音無さん。

わたくしの顔になにか?」

 

「(まぁ、今の状況を見て怯えない方がおかしいか。)」

 

誠は呆れたように笑った。

 

   ***

 

良介たちは洋館を進んでいた。

 

「楠木。

魔力は足りているか?

辛くなったらすぐに良介に言え。」

 

怜がありすに話しかけた。

 

「ぃ・・・じょぶ、ぇす。」

 

「うん?」

 

怜がありすの返事に首を傾げた。

 

「大丈夫だとさ。

声が小せえからな、ありすは。」

 

代わりにクレプリが答えてくれた。

 

「め、なさ・・・」

 

「気にするな。

私も話すのは得意ではない。」

 

「でもよかったなぁありす、病弱な頃はこんなに動けなかったのに。」

 

「体が弱かったのか?」

 

「そうさね・・・昔はずっと部屋に引きこもりがちだったなぁ。

だからありすはあんまり人と話すのが得意じゃないんさ。

友達も・・・」

 

「もだち・・・た・・・から・・・」

 

「そうさね。

オレっちや他の人形やぬいぐるみが友達だった。」

 

「なるほど、楠木には大切な友達が沢山いるのだな。」

 

「・・・・・!」

 

ありすは怜になにか言い始めた。

 

「んな、ぎ・・・さ・・・の、っ・・・ぁた、し・・・」

 

「なんだ、ゆっくりでいいぞ。」

 

「たす、け・・・たい、です。

おに・・・ぎょ・・・ん、みん、な・・・」

 

「ああ。

私にできることは最善を尽くそう。」

 

「はぃ・・・!」

 

良介は2人の会話を聞いて、笑みを浮かべた。

 

「(俺もできる限り最善を尽くすか。)」

 

   ***

 

良介たちは洋館を進んでいると、ゆかりと聖奈と合流した。

 

「椎名、結城!」

 

「わあぁやっと会えた~!

よかった・・・!」

 

ゆかりは胸を撫で下ろした。

 

「音無さんとシャルロットさんと誠君には会ってないみたいね。」

 

「部屋を片っ端から調べたがいなかった。

結構な数、調べたんだがなぁ・・・まだ続いてんのか?」

 

良介が廊下の奥の方を見た。

 

「それなんだけどね。

私たちもおかしいなって思って実験してみたのよ。

柱に印をつけておいて先に進んだら、またその印があったの!」

 

「ということは・・・」

 

良介は聖奈の方を見た。

 

「なんらかの魔法でこの館の空間が歪められている、もしくは・・・」

 

「霧か。」

 

怜が答えた。

 

「そう。

建物ごと霧が憑りついて魔物になっているケースだ。」

 

「珍しいけどそういうこともあるみたいね。

授業で習ったでしょ?

で、その場合は大規模な魔法で一斉に霧を払わないといけないんだけど・・・」

 

ゆかりは怜の方を見た。

 

「む・・・私は魔法より剣が得意だからな・・・」

 

「わたしも回復魔法は得意なんだけど・・・あ、結城さんて背中に羽があるよね。

卯衣ちゃんみたいに羽から魔力出して、どばーって払えないの?」

 

「私の得意魔法は光の槍だ。

あの羽は自由に出すことはできない。」

 

「え、そうなんだ。

じゃあありすちゃんは・・・」

 

「ありすはオレっちみたいのが得意だぜ!」

 

クレプリが代わりに答えた。

 

「おぉ・・・り、良介君は・・・」

 

「結構な数の魔法は使えるけど・・・大規模魔法が使えるかはやってみないと・・・」

 

「あ、あはは・・・どーしよっか?」

 

ゆかりは呆れ笑いをした。

 

   ***

 

少しして、誠たちもやってきた。

 

「良介様!

みなさまもご無事で!」

 

「ぐぅぅ、ぐずっ・・・もーやだ・・・がえるぅ・・・」

 

「わ、音無さん声ガラガラじゃない。

大丈夫?」

 

「叫びすぎだ・・・づらい・・・」

 

「ずっと叫んでたからな・・・」

 

誠は呆れ笑いをした。

 

「音無、まさか自分の声で戦ったのか?

あの魔法は範囲を限定するのが難しいから禁止されていたはずだろう。」

 

「だっでぇ!

じょーがないじゃんか、死ぬかと思っだんだから!」

 

「まさかあそこまで周囲に影響する魔法だとは思いませんでしたわ。

あれだけ無差別ですと禁止されても仕方がありませんね。

おかげでわたくしも耳が・・・うふふふ。」

 

「ひぐぅ・・・ごべんだざい・・・」

 

すると、ありすが何か思いついた。

 

「お、どうしたありす?」

 

クレプリがありすの方を向いた。

 

「そうか音を使う魔法だったら・・・おい良介!

出番さね!」

 

「え、俺の出番?」

 

良介はクレプリの話を聞いた。

少しして、良介は律に魔力を渡した。

 

「うっひょおぉー!

すっげぇ魔力!

良介お前すげーな!?」

 

「もう戻ったのか。

早いな。」

 

誠が律の声が戻ったのに驚いていた。

 

「良介、限界まで注ぎ込め。

館全体の霧を払わねばならんからな。」

 

「わかった、ギリギリまで注ぐぞ。」

 

良介は聖奈に言われた通りに魔力を注ぎ続ける。

 

「音無、魔物相手に遠慮はいらん、思いっきり叫べ。

椎名、誠、準備は?」

 

「う、これでいいのかな・・・防壁とか普段張らないから自信ないよ・・・」

 

「俺の防壁も張ってるから大丈夫ですよ。」

 

良介は自分で防壁を張っていた。

 

「んじゃいっくぞー!

すーっ・・・」

 

「おっと、全員耳ふさげ!」

 

クレプリが言うと、全員耳をふさいだ。

律の大声が洋館に響き渡った。

 

   ***

 

霧が晴れた洋館に良介とありすがいた。

 

「よかったな。

キレーに霧が晴れた。

大したもんだ、律ちゃんは。

音響兵器っていうのか?

建物も人形もヒビが入ったくらいで済んだし。」

 

クレプリは感心していた。

ありすは悲しそうに人形たちを見つめていた。

 

「ありす、そろそろ出よう。

みんな外に出たからな。」

 

良介がありすに話しかけた。

 

「も、ちょっと・・・だけ・・・」

 

「1体くらい連れてきゃいいのに。

オレっちは嫉妬なんかしないぜ。」

 

「だめ・・・」

 

「まあなぁ。

どうせご主人様の館にいたいんだっつーんだろー?

しょーがないさね。

オレっちだってありすの側がいいもんよ。」

 

良介は目を瞑りながらありすに話しかけた。

 

「行こう、ありす。

あまり長くいても、お別れが辛くなるだけだ。」

 

「ん。」

 

良介に促されてありすは出口へと向かった。

出口の前で、ありすは再び人形の方を向いた。

 

「みんな・・・おやすみなさい・・・」

 

ありすは笑顔でそういうと良介と共に館から出た

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