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噴水前、智花がいた。
「もー、どこ行っちゃったんだろ・・・
みちるちゃん、わたしを誘ったままどっか行っちゃうんだから・・・」
すると、そこに良介と誠がやってきた。
「智花、どうかしたのか?」
良介が智花に話しかけた。
「あっ、良介さん、みちるちゃん見ませんでした?
ずっと探してるんですけど、見当たらなくて・・・」
「・・・すまん、みちるって誰だ?」
良介が智花に聞いた。
「あ、みちるちゃんって良介さんと面識ありませんでしたっけ?」
「ああ、悪いが会ったことはないな。」
「それじゃあ、今度紹介しますね。
ええと・・・もしかして体育館かな?
ちょっと行ってみようかな。」
智花が体育館に向かおうとしたところ、千佳と律が話をしながらやってきた。
「マジむかつく・・・もー、ホントやめてよね・・・あんな昔のこと・・・」
「千佳、どんな秘密ばらすって言われたんだ?」
「アンタは?」
2人はしばらく見つめ合った。
「な、なんでもいいよな!」
「だよねー!」
「律ちゃんに千佳ちゃん・・・」
智花が声をかけると千佳が智花に気付いた。
「あれー、智花っち、なんでこんなとこに・・・あ、アンタも?」
「わ、わたしも?
なにが?」
智花は不思議そうな顔をした。
「なんだよ、智花知らないのか。
なんか学園生のデバイスにさ。」
「脅迫文が送られてきてんのよね。」
「きょ、脅迫文!?」
「バラされたくなかったら誰にも言わず、報道部に入れって。」
「ムカツクから文句言いに行くの。」
「誰にも言わず・・・?
言ってるけど大丈夫?」
「だってさー、これバラされたくないからなに言っても入んなきゃだし・・・」
「入部してずっと文句言い続けてやる。」
「報道部がみんなに脅迫を?
まさか・・・」
良介はその話を聞いて、顎に手をやり考え始めた。
「ふむ、どう思う、誠。」
「まぁ、俺も良介と同じ考えだろうな。
犯人が誰なのか。」
「まぁ、そうだろうな。
・・・ん?」
すると、良介のデバイスが鳴った。
「お、とうとう良介にも脅迫が来たか?」
誠は笑みを浮かべた。
良介は黙ってデバイスを見た。
と、良介の目つきが変わり始めた。
「お、おい良介?
一体どうし・・・お?」
今度は誠のデバイスが鳴った。
誠はデバイスを見た。
と、誠の表情が変わった。
「・・・良介。」
「ああ、行くぞ。」
良介と誠は報道部に向かった。
***
少し経って、体育館。
刀子と怜が剣道をしていた。
「参った。
拙者の負けでござる。」
「なに、薙刀をやっているだけあって、剣も筋がいい。
間合いを覚えさえすれば、すぐに超えられてしまうかもしれない。」
「拙者のごとき若輩者に、そのような称賛はもったいのうございます。」
「そ、そこまで畏まらなくとも・・・」
すると、2人のところに姫がやってきた。
「ふむ。
刀子。
剣道部へ入りますか?」
「いえ、やはり拙者には薙刀の方が合います。
それに部活をかけ持ちすれば、姫殿を御守りすることができなくなります。」
刀子は怜の方を向いた。
「お時間を割いていただいたうえで申し訳ないが・・・」
「だ、だからそんなに畏まらなくていい。
仮入部なんだ。
それに私も楽しかった。
暇があるときでいいから、またやろう。
薙刀を相手にするのも新鮮で楽しそうだ。」
「は・・・では、日を改めて。」
と、突然夏海が駆け込んできた。
「はぁ、はぁ・・・あっ!
いた!」
夏海が怜のところまで走ってきた。
「れ、怜!
匿って!」
「夏海!
どうした、そんなに慌てて。」
「いいから!
あっ、ヤバ・・・」
夏海は咄嗟に近くの物陰に隠れた。
そこに良介と誠がやってきた。
「すばしっこいな・・・どこ行きやがった。」
明らかに殺気立っている良介が周りを見渡す。
「その辺探そうぜ。
そんなに隠れるところねぇだろ。」
誠が指をバキバキ鳴らしながらすぐ近くを探そうとした。
そんな2人に怜が話しかけてきた。
「なにか探し物か?」
「夏海の奴を探してんだよ。」
「夏海?
夏海がなにかしたのか。」
「怜のデバイスには届いてないのか?
脅迫文。」
「脅迫文?
私は・・・デバイスはそこに置いている。」
怜はデバイスを置いている場所を指差した。
「夏海のヤツ、いろんなヤツに脅迫文送ってやがるんだ。
秘密をバラされたくなかったら報道部に入れってよ。」
「な、なんだと!?
それは確かに夏海なのか?」
「ああ、他の報道部員に聞いた。」
「やってやるってはりきってたみたいだ。」
「そ、そうなのか・・・」
「で、夏海はどこだ?」
「ちょいとばかしシメないとな。」
「わかった。
ここにいるぞ。」
怜は夏海がいるところを指差した。
「あっ!
ちょ、なんでバラすのよ!」
「そこかぁ・・・!」
「生きて帰れると思うなよ・・・!」
良介と誠は不気味な笑みを浮かべながら夏海に近づいた。
***
少し経って、体育館。
良介と誠を含めた多数の生徒がいた。
「というわけで、風紀委員からよく言い聞かせておく。
その秘密も全て忘れさせるから、私に免じて許してやってくれ。」
怜が生徒たちの前に立っていた。
「忘れさせる・・・?」
誠は怜の発言に首を傾げた。
「怜がそう言うならいいか。
紗妃に説教させといてくれ。」
「ああ。
さあ、みんな、今日のところはこれで終わろう。
ちょうど仮入部期間も終わる。
明日からいつもの学園生活だ。」
「なっ・・・!?
け、結局どの部活にも仮入部せずに終わるとは・・・」
誠は膝から崩れ落ちた。
「それじゃ、後はよろしく。
行くぞ、誠。」
「くそう・・・来年は・・・来年こそは・・・!」
誠は良介に引きずられていった。
入れ替わりで智花がやってきた。
「あっ!
な、夏海ちゃん!
大丈夫?」
智花は怜の後ろにいた夏海に話しかけた。
「うぅ・・・ほ、ホントにお説教?」
「ああ。
やっていいことと悪いことがある。
お前も子供じゃないんだ。
充分に反省しろ。
学園生の生活を壊すところだったぞ。」
「で、でもやるつもりなかったんだよ。
なんでか知んないけど、年度末に仕込んでたものがバラまかれたみたいで・・・」
「お前がやったのには変わりない・・・だが、なぜこんなリスキーなことをした?」
「それは、えーと・・・なんでだろ。
なんか、あたしが頑張らなきゃって思ってた気がするんだよね・・・」
「どういうこと?」
夏海の発言に智花は不思議そうな顔をした。
「部長がいなくなっちゃうから、あたしがって・・・でもよく考えたら変なんだ。
部長の卒業、今年だし、そもそもあたしにこんなことする権限ないし・・・」
「遊佐がいなくなる・・・?
夏海、少し話を聞かせてくれ。」
怜は険しい顔で夏海から話を聞き始めた。
その頃、良介と誠は男子寮に向かっていた。
「あ~あ、どこにも入らず終いか。
もう、今のうちに来年入る部活決めとくか。
な、良介。」
誠は良介の方を向くと、良介はなにか考えている様子だった。
「良介?
聞いてるか?」
「ん?
ああ、悪い、考え事をしてた。
どうした。」
「いや、別にいいよ。
どうでもいいこと言っただけだからな。」
「・・・そうか。」
そう言うと、再び良介は考え始めた。
「・・・時間が繰り返されていることを考えてるのか?」
誠の発言に良介は驚愕した。
「なっ・・・!?
誠・・・お前、気づいてたのか?」
「ああ、どうしてこうなったのかまではわかってないが、一応わかったことがある。」
「わかったこと?
それは?」
「ああ、それは・・・巻き戻っているのは年月日だけで出来事などは戻ってないこと。」
「どうしてそれを?」
「よく考えてみろ。
全てが巻き戻っているなら、俺たちも魔法使いに覚醒する前に戻っているはずだ。」
「確かに・・・そうだな。」
誠の発言に良介は納得した。
「だから、第7次侵攻が起きることはない。
まぁ、近いものが来ないとも限らんがな。」
「確かにそうだな。
けど、少し気が楽になったよ。」
「どうしてだ?」
誠は不思議そうな顔をした。
「一番信頼できる【親友】が自分と同じだったからな。」
「へっ・・・そうかよ。」
誠は照れくさそうに笑った。
「少しずつでいいから、なぜこうなったのか。
俺たちで調べていこう。」
「ああ、必ずな。」
良介と誠はお互いを見て、頷いた。