グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第54話 期間終了

噴水前、智花がいた。

 

「もー、どこ行っちゃったんだろ・・・

みちるちゃん、わたしを誘ったままどっか行っちゃうんだから・・・」

 

すると、そこに良介と誠がやってきた。

 

「智花、どうかしたのか?」

 

良介が智花に話しかけた。

 

「あっ、良介さん、みちるちゃん見ませんでした?

ずっと探してるんですけど、見当たらなくて・・・」

 

「・・・すまん、みちるって誰だ?」

 

良介が智花に聞いた。

 

「あ、みちるちゃんって良介さんと面識ありませんでしたっけ?」

 

「ああ、悪いが会ったことはないな。」

 

「それじゃあ、今度紹介しますね。

ええと・・・もしかして体育館かな?

ちょっと行ってみようかな。」

 

智花が体育館に向かおうとしたところ、千佳と律が話をしながらやってきた。

 

「マジむかつく・・・もー、ホントやめてよね・・・あんな昔のこと・・・」

 

「千佳、どんな秘密ばらすって言われたんだ?」

 

「アンタは?」

 

2人はしばらく見つめ合った。

 

「な、なんでもいいよな!」

 

「だよねー!」

 

「律ちゃんに千佳ちゃん・・・」

 

智花が声をかけると千佳が智花に気付いた。

 

「あれー、智花っち、なんでこんなとこに・・・あ、アンタも?」

 

「わ、わたしも?

なにが?」

 

智花は不思議そうな顔をした。

 

「なんだよ、智花知らないのか。

なんか学園生のデバイスにさ。」

 

「脅迫文が送られてきてんのよね。」

 

「きょ、脅迫文!?」

 

「バラされたくなかったら誰にも言わず、報道部に入れって。」

 

「ムカツクから文句言いに行くの。」

 

「誰にも言わず・・・?

言ってるけど大丈夫?」

 

「だってさー、これバラされたくないからなに言っても入んなきゃだし・・・」

 

「入部してずっと文句言い続けてやる。」

 

「報道部がみんなに脅迫を?

まさか・・・」

 

良介はその話を聞いて、顎に手をやり考え始めた。

 

「ふむ、どう思う、誠。」

 

「まぁ、俺も良介と同じ考えだろうな。

犯人が誰なのか。」

 

「まぁ、そうだろうな。

・・・ん?」

 

すると、良介のデバイスが鳴った。

 

「お、とうとう良介にも脅迫が来たか?」

 

誠は笑みを浮かべた。

良介は黙ってデバイスを見た。

と、良介の目つきが変わり始めた。

 

「お、おい良介?

一体どうし・・・お?」

 

今度は誠のデバイスが鳴った。

誠はデバイスを見た。

と、誠の表情が変わった。

 

「・・・良介。」

 

「ああ、行くぞ。」

 

良介と誠は報道部に向かった。

 

   ***

 

少し経って、体育館。

刀子と怜が剣道をしていた。

 

「参った。

拙者の負けでござる。」

 

「なに、薙刀をやっているだけあって、剣も筋がいい。

間合いを覚えさえすれば、すぐに超えられてしまうかもしれない。」

 

「拙者のごとき若輩者に、そのような称賛はもったいのうございます。」

 

「そ、そこまで畏まらなくとも・・・」

 

すると、2人のところに姫がやってきた。

 

「ふむ。

刀子。

剣道部へ入りますか?」

 

「いえ、やはり拙者には薙刀の方が合います。

それに部活をかけ持ちすれば、姫殿を御守りすることができなくなります。」

 

刀子は怜の方を向いた。

 

「お時間を割いていただいたうえで申し訳ないが・・・」

 

「だ、だからそんなに畏まらなくていい。

仮入部なんだ。

それに私も楽しかった。

暇があるときでいいから、またやろう。

薙刀を相手にするのも新鮮で楽しそうだ。」

 

「は・・・では、日を改めて。」

 

と、突然夏海が駆け込んできた。

 

「はぁ、はぁ・・・あっ!

いた!」

 

夏海が怜のところまで走ってきた。

 

「れ、怜!

匿って!」

 

「夏海!

どうした、そんなに慌てて。」

 

「いいから!

あっ、ヤバ・・・」

 

夏海は咄嗟に近くの物陰に隠れた。

そこに良介と誠がやってきた。

 

「すばしっこいな・・・どこ行きやがった。」

 

明らかに殺気立っている良介が周りを見渡す。

 

「その辺探そうぜ。

そんなに隠れるところねぇだろ。」

 

誠が指をバキバキ鳴らしながらすぐ近くを探そうとした。

そんな2人に怜が話しかけてきた。

 

「なにか探し物か?」

 

「夏海の奴を探してんだよ。」

 

「夏海?

夏海がなにかしたのか。」

 

「怜のデバイスには届いてないのか?

脅迫文。」

 

「脅迫文?

私は・・・デバイスはそこに置いている。」

 

怜はデバイスを置いている場所を指差した。

 

「夏海のヤツ、いろんなヤツに脅迫文送ってやがるんだ。

秘密をバラされたくなかったら報道部に入れってよ。」

 

「な、なんだと!?

それは確かに夏海なのか?」

 

「ああ、他の報道部員に聞いた。」

 

「やってやるってはりきってたみたいだ。」

 

「そ、そうなのか・・・」

 

「で、夏海はどこだ?」

 

「ちょいとばかしシメないとな。」

 

「わかった。

ここにいるぞ。」

 

怜は夏海がいるところを指差した。

 

「あっ!

ちょ、なんでバラすのよ!」

 

「そこかぁ・・・!」

 

「生きて帰れると思うなよ・・・!」

 

良介と誠は不気味な笑みを浮かべながら夏海に近づいた。

 

   ***

 

少し経って、体育館。

良介と誠を含めた多数の生徒がいた。

 

「というわけで、風紀委員からよく言い聞かせておく。

その秘密も全て忘れさせるから、私に免じて許してやってくれ。」

 

怜が生徒たちの前に立っていた。

 

「忘れさせる・・・?」

 

誠は怜の発言に首を傾げた。

 

「怜がそう言うならいいか。

紗妃に説教させといてくれ。」

 

「ああ。

さあ、みんな、今日のところはこれで終わろう。

ちょうど仮入部期間も終わる。

明日からいつもの学園生活だ。」

 

「なっ・・・!?

け、結局どの部活にも仮入部せずに終わるとは・・・」

 

誠は膝から崩れ落ちた。

 

「それじゃ、後はよろしく。

行くぞ、誠。」

 

「くそう・・・来年は・・・来年こそは・・・!」

 

誠は良介に引きずられていった。

入れ替わりで智花がやってきた。

 

「あっ!

な、夏海ちゃん!

大丈夫?」

 

智花は怜の後ろにいた夏海に話しかけた。

 

「うぅ・・・ほ、ホントにお説教?」

 

「ああ。

やっていいことと悪いことがある。

お前も子供じゃないんだ。

充分に反省しろ。

学園生の生活を壊すところだったぞ。」

 

「で、でもやるつもりなかったんだよ。

なんでか知んないけど、年度末に仕込んでたものがバラまかれたみたいで・・・」

 

「お前がやったのには変わりない・・・だが、なぜこんなリスキーなことをした?」

 

「それは、えーと・・・なんでだろ。

なんか、あたしが頑張らなきゃって思ってた気がするんだよね・・・」

 

「どういうこと?」

 

夏海の発言に智花は不思議そうな顔をした。

 

「部長がいなくなっちゃうから、あたしがって・・・でもよく考えたら変なんだ。

部長の卒業、今年だし、そもそもあたしにこんなことする権限ないし・・・」

 

「遊佐がいなくなる・・・?

夏海、少し話を聞かせてくれ。」

 

怜は険しい顔で夏海から話を聞き始めた。

その頃、良介と誠は男子寮に向かっていた。

 

「あ~あ、どこにも入らず終いか。

もう、今のうちに来年入る部活決めとくか。

な、良介。」

 

誠は良介の方を向くと、良介はなにか考えている様子だった。

 

「良介?

聞いてるか?」

 

「ん?

ああ、悪い、考え事をしてた。

どうした。」

 

「いや、別にいいよ。

どうでもいいこと言っただけだからな。」

 

「・・・そうか。」

 

そう言うと、再び良介は考え始めた。

 

「・・・時間が繰り返されていることを考えてるのか?」

 

誠の発言に良介は驚愕した。

 

「なっ・・・!?

誠・・・お前、気づいてたのか?」

 

「ああ、どうしてこうなったのかまではわかってないが、一応わかったことがある。」

 

「わかったこと?

それは?」

 

「ああ、それは・・・巻き戻っているのは年月日だけで出来事などは戻ってないこと。」

 

「どうしてそれを?」

 

「よく考えてみろ。

全てが巻き戻っているなら、俺たちも魔法使いに覚醒する前に戻っているはずだ。」

 

「確かに・・・そうだな。」

 

誠の発言に良介は納得した。

 

「だから、第7次侵攻が起きることはない。

まぁ、近いものが来ないとも限らんがな。」

 

「確かにそうだな。

けど、少し気が楽になったよ。」

 

「どうしてだ?」

 

誠は不思議そうな顔をした。

 

「一番信頼できる【親友】が自分と同じだったからな。」

 

「へっ・・・そうかよ。」

 

誠は照れくさそうに笑った。

 

「少しずつでいいから、なぜこうなったのか。

俺たちで調べていこう。」

 

「ああ、必ずな。」

 

良介と誠はお互いを見て、頷いた。


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