グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第5話 狙われた街

魔法学園に入学して2週間が経過した。

大方魔法学園の仕組みも理解し、普通の学園生活を送っていた良介。

そんなある日、夏海に報道部に来るように言われた。

あのインタビューの件だろう。

 

「そういや、約束してたな。」

 

良介は完全に忘れていた。

休み時間に来るように言われたので、休み時間に報道部の部室に向かった。

報道部の部室に着き、ドアを静かに開ける。

 

「失礼しまーす・・・」

 

「やあ、良介くん。

君が来てくれるなんて嬉しいね。」

 

部室には鳴子がいた。

 

「実は夏海に用がありまして・・・」

 

「今日は夏海に呼ばれてきたって聞いたけど、夏海も勧誘熱心だね。

なんにしろ、ちょっと待っててくれ。

先に、桃世君。」

 

そういうと、鳴子は椅子に座っていたもものところに向かう。

 

「いつものネタ提供、感謝するよ。」

 

「いえいえ、こっちも商品の宣伝になるんで・・・

あ!先輩!

購買部の桃世です!

またお会いしましたね!」

 

ももが良介に気づく。

 

「よう、もも。」

 

「先輩?

在学年数は君の方が長いだろう?」

 

鳴子はももの呼び方に疑問を抱く。

 

「ええ、そうなんですけど、なんとなく、先輩っぽい感じで。」

 

そうやって雑談していると、デバイスが鳴った。

 

「お、もしかして・・・」

 

良介はとっさにデバイスを取り出す。

 

「あ、クエストが発令されましたね。」

 

ももがそういうと、誰かが走りながら部室に入ってきた。

 

「スクープスクープ!

大スクープよ!

ま、街に魔物が出たって・・・!」

 

「えっ!?」

 

「何だと!?」

 

良介は大急ぎで発令場所を確認する。

確かに近くの風飛市が発令場所になっていた。

 

「夏海、スクープを大声で叫ぶのは報道部員だけのときにしてくれ。

桃世君と良介君だったからいいけど、すっぱ抜かれるぞ。」

 

「あ、す、すみません・・・」

 

こんなときでも、報道のことを気にしているとはさすが報道部部長といったところか。

 

「それに魔物発生は15分前で、確認がとれたのは3分前。

みんなのデバイスにクエスト発令が届いたのが今だ。

遅いよ。」

 

「(き、厳しいな・・・)」

 

というかなぜそんな詳しいことを知っているのかが良介は気になった。

 

「ぶ、部長、知ってたんですか!?

じゃあ、早く取材・・・受注しなきゃ・・・!」

 

「今回は君だけで行ってくるんだ。

魔物の取材は任せた。

そろそろ僕も卒業だ。

実力を見せてもらおう。」

 

「ぶ、部長・・・わかりましたっ!

行ってきます!」

 

夏海は足早に部室から出て行った。

 

「・・・良介君には気づかなかったみたいだ。」

 

鳴子は呆れたように笑った。

 

「まぁ、別に構いませんが・・・

あ、そうだ俺もクエスト受けるかな。」

 

「許してやってくれ。

慌てん坊でね・・・そうだ、ちょっと届け物をしてくれないかな?」

 

そう言って、鳴子は色々と取り出し始めた。

 

「届け物?

別にいいですけど・・・一体何を?」

 

「確かカメラのデータがいっぱいだったはずだ。

メモリーカードと、バッテリー。」

 

予備として常備しとかなければいけない物を忘れていた。

 

「で、よければ、ついでに手伝ってやってくれないか。

頼むよ、マイクはつけてないからさ。」

 

「・・・わかりました。

俺もクエストに行くつもりだったんで、ついでに届けてきますよ。」

 

良介は届け物を持って部室を出た。

 

   ***

 

「大変!

バイト先が・・・あ、あたしもクエストを請けなくちゃ!」

 

クエストを請けようと慌てるもも。

 

「魔物の発生場所はビジネス街だから、ファミレスは無事だよ。

君のバイト先は全部心配ない。

行きたいというなら止めないけど、オススメはしないな。」

 

「ど、どうしてですか?」

 

鳴子にももは質問した。

 

「ヌルヌル気持ち悪いからだよ。

魔物はゲル化してるからね。

スライム。」

 

「す、スライムですか?

なんで夏海先輩をそこに・・・」

 

「夏海はネタのためならどんな危険地域でも出かけると言っている。

だから魔物に慣れる必要があるんだ。

いつもは僕が一緒に行ってたけど、そろそろ独り立ちしなきゃね。

その点、今回の魔物はうってつけだ。

気持ち悪いだけで、脅威度は低い。

もちろん一般人はひとたまりもないけどね。」

 

「は、はぁ・・・」

 

不敵な笑みを浮かべながら説明する鳴子に、少し引きながら返事をするもも。

 

「そういうわけで、夏海の訓練にはちょうどいい相手なのさ。」

 

「その魔物って、発生したばかりですよね?

ゲル化した魔物も初めて・・・

なんでそんなに詳しいんですか?

危険があまりないとか・・・」

 

あまりにも詳しく知りすぎている鳴子に疑問を抱くもも。

 

「そりゃ、僕がジャーナリストだからだよ。

だから、安心して待っているといい。

さて、僕も行くか。」

 

鳴子は部室から出ようとした。

 

「えっ?

い、行くんですか?」

 

「夏海の実力を見るって言っただろう?

行かなきゃ見られないじゃないか。」

 

鳴子はそう言うと部室から出て行った。

 

   ***

 

クエストを請け、街についた良介は夏海を探す。

 

「やっほー良介!

けっこー元気そうじゃない。

学園生活は順調?」

 

向こうの方から来てくれたようだ。

 

「よう、夏海。

まあまあかな。」

 

「そのうち報道部で取材させてくれない?

噂の転校生特集やりたいんだー。」

 

「ああ、わかってるよ。

ちゃんと受けるから。

その前にクエストの方。」

 

良介の言葉に夏海は思い出したかのように街の方を見る。

 

「ああ、そうね。

先にクエスト片付けてからね。」

 

夏海はすぐに表情を変える。

 

「被害状況、ニュースで流れてるから知ってるかもだけど、街中に現れちゃったんだよね。

ホント珍しいことに!」

 

良介は街を見渡しながらあることに気づく。

 

「軍はどうしてるんだ?

普通ならもう来てもおかしくないとは思うんだけど・・・」

 

「軍は遠いから来るのに時間がかかるんだ。

だから、あたしたち。」

 

「ははぁ、なるほどねぇ・・・」

 

その言葉に納得する良介。

夏海は文句のようなことをグチグチと言い始めた。

 

「いやこれ絶対、学園があるから遠いところに施設作ったと思うのよ。

あたしたちに押し付けてさあ。

ま、スクープに事欠かないからいいけど。」

 

最後の言葉以外はたしかに一理あるかもしれない。

 

「あ、ごめんごめん、話それちゃった。

オフレコね、これ。

それで!

住民の避難は完了してるからやることは一つ!」

 

「ま、ちゃっちゃとやるとしますかね。」

 

変身して戦闘準備を整える良介。

 

「魔物をぶってぶってぶちのめすだけ!

はりきっていくよ!

しゅっぱーつ!」

 

二人は魔物がいるところへ向かった。

 

   ***

 

「お、良介じゃねえか。

おーい。」

 

遠くから声がしたので振り向いた。

 

「ん?

誠じゃねえか。

お前もクエスト請けてたのか。」

 

「ああ、今回の魔物、結構広範囲で出現してるらしいらな。」

 

まるで狩人のような格好をした誠がこっちにやってきた。

折りたたみ式の弓を背負っていた。

 

「お前、まるでハンターみたいな格好だな。」

 

「そういうお前こそ、どこぞのファンタジーの主人公みたいな格好じゃねえか。

まぁ、どっちもどっちだろうが。」

 

そういって軽く笑う誠。

 

「うーん・・・けっこう大きく支配地域を増やしてるわね。

ちょっとまずいかも。」

 

良介は大きく唸る夏海の方に顔を向けた。

 

「なんだ?

まずいことなのか?」

 

「まぁ、いろいろ例外はあるんだけど、支配地の広さイコール強さかな。

魔物って時間がたつほど強くなるから、それにつれて支配域も広がるの。」

 

「たしかに、ちょっとばかし、見つかってから少し時間が経ってるな。」

 

納得する良介。

さっき誠も同じことを言っていたことを思い出す。

 

「普通はさ、街中で実体化した魔物ってすぐ見つかるから、対応も早いのよ。

だからこんな風に、スライムが街にあふれるってことないんだけど・・・

多分、下水とかでゆーっくり力を蓄えていったのね。」

 

「そりゃ、面倒だな。

俺もあまりうかうかしてられないな。」

 

誠が弓を構え、魔力で矢を作る。

 

「女の子対スライムなんて嫌な予感しかしないけど・・・

あたしは女の子である前に真実の探求者だから!」

 

「何言ってんだ、あいつ・・・」

 

弓を構えながら呆れる誠。

 

「まぁ、いつも通りだ。

いつもあんな感じだから。」

 

剣を抜きながら、苦笑する良介。

 

「なにもかも激写しつくしてやるわ!

ふふふ、覚悟してなさい。

あたしに見つかった時、あんたの姿は哀れ全世界に大公開よ。

オモシロおかしく恥ずかしく、隅から隅まで記事にしてあげるからね!」

 

変な笑いを浮かべながら変なこと言い始める夏海。

 

「あいつ・・・誰に向かって言ってんだ?」

 

呆れて肩を落とす良介。

 

「さぁ、魔物か、はたまたはお前にじゃね?」

 

苦笑しながら魔物を探す誠。

 

「俺撮ってもしゃあないだろ。」

 

ため息をつきながら、同じように魔物を探す良介。

 

「そういや、誠。

お前、一人で来たのか?」

 

「ん?

ああ、俺?

どうせ他にも請けてる奴いるだろうと思ってね。

ここまでは一人で来たよ。」

 

「俺はこのまま夏海のフォローに入るけど、お前はどうするんだ?」

 

魔物を探しながら質問する良介。

 

「俺は適当にうろつきながら魔物を倒すよ。

もしかしたら、他の奴に会えるかもしれないし。」

 

笑いながら魔物を探し続ける誠。

良介と同じ境遇にあった人間とは思えない考えである。

 

「お前・・・魔物が憎くないのか?」

 

「憎いさ。

けど、突っ走っちまったら終わりだろ?

それに俺の仇の魔物は覚醒した時に倒しちまったからな。

今、俺にできるのは自分たちと同じ境遇の人間を出さない事。

違うか?」

 

笑いながら、良介の方を向く誠。

 

「・・・へ、違いない。」

 

良介も笑みを見せる。

 

「あ、噂をすれば影だよ。

あそこ、ちょっと山みたいなデカさのスライム。」

 

確かにかなりのデカさのスライムの影が見える。

 

「悪いが俺は反対側にスライムの影を見つけたから、そっち行ってくるわ。

健闘を祈るぜ。」

 

そういって、夏海が見つけた方向とは逆の方向にあるスライムの影に向かって走って行く誠。

 

「行くわよ良介!

突撃取材開始!」

 

スライムの影に向かって走って行く夏海。

 

「戦いも全て取材なのか、あいつにとっては・・・たくっ・・・」

 

呆れながら、良介も続いた。

 

   ***

 

その先にはかなりの大きさのスライムがいた。

しかも一体だけじゃない。

軽く3体ぐらいいた。

 

「よーし、行っくわよー!」

 

スライムに突撃する夏海。

すぐさまに、蹴りをかます。

スライムは吹っ飛んだあと空中で破裂した。

 

「なるほど、肉弾戦か・・・よしっ!」

 

良介は足に肉体強化の魔法を使う。

少し前に授業で習ったものだ。

 

「おらっ!!」

 

スライムを思いっきり蹴っ飛ばす。

夏海が蹴った時よりもさらに空高く舞い、破裂した。

 

「やるじゃない、良介!」

 

夏海が良介の活躍を見ていると、一体こっちに突っ込んできた。

 

「そうだ・・・肉体強化に属性は付けれるかな?」

 

そういって、良介は自分の手に肉体強化をかける。

 

「え、ちょっと良介、何する気なの!?」

 

突っ込んできたスライムの攻撃をかわしながら、良介の方を見る夏海。

 

「肉体強化・・・火属性!」

 

すると、良介の手に火がついた。

 

「えっ!?」

 

いきなりの光景に驚く夏海。

ぶっつけ本番だったがうまくいったようだ。

 

「でりゃあっ!!」

 

スライムに強力なアッパーかます。

スライムは体が火に包まれながら吹っ飛び、爆散する。

 

「ふっー、うまくいったか。」

 

大きく息を吐く良介。

と、向こうの方で、大きな爆発音がした。

2、3体ぐらいのスライムが空中で吹っ飛んで破裂した。

どうやら、誠がやったようだ。

 

「あいつ・・やるなぁ・・・」

 

良介は感心する。

 

「うっわ、べとべと。

なにかやるたびに破裂するのやめてほしいわ・・・

カメラは・・・だいじょぶだいじょぶ。

死守してるから濡れてないよ!」

 

とんだジャーリスト魂というか、逆に呆れてしまった。

 

「そこはさあ、もっと安心した顔を見せるところじゃないの?

スライムと戦いながら写真撮るの大変なんだからね。」

 

「(戦いながら撮る必要ないだろ・・・)」

 

「・・・今、写真撮らなかったらもっと楽にとか考えてるでしょ。」

 

ほぼ合っているが、良介はとぼける。

 

「さぁ、どうだろうな?」

 

「報道に携わる者としてそこは譲れないの!

写真を撮る、敵も倒す!

両立してこそパパラッチよ!」

 

「(あ、認めた。)」

 

とうとう自分のことをパパラッチと言い始めた。

 

「スクープのためならたとえ火の中スライムの中・・・」

 

「入るのか?

スライムの中に?」

 

変な笑みを見せる良介。

 

「いやさすがにスライムの中は・・・は、入るわよ。

入ってやろうじゃないの!

報道部ゴシップネタ班副班長の実力、見せてやるわ!」

 

「いや、入らなくていいよ。

助けるのが面倒臭い。」

 

「な、そこは男として助けるのが普通でしょうが!」

 

「そうは言われても・・・ん?」

 

良介があることに気づく。

後ろのすぐ近くまでスライムが来ていた。

 

「っ!!

危ない!!」

 

「えっ!?

ちょっと!?」

 

とっさに夏海を抱え、攻撃をよける良介。

抱え方はお姫様抱っこである。

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫だけど・・・その、恥ずかしいから早く下ろして!」

 

すぐに夏海を下ろす。

 

「・・・ありがと。」

 

「どういたしまして。

それじゃ、倒すか。」

 

スライムに今度は足に肉体強化の火属性をかけ、蹴りをかます。

吹っ飛んで、スライムは空中で爆散する。

 

「よし、他の場所に行くか。」

 

「・・・そうね。」

 

ため息を吐く夏海。

 

「どうした?」

 

「なんでもないわよ。

行きましょ。」

 

先に行き始める夏海。

すると、少し離れたところで爆発音と共にスライムが3体ぐらい舞い上がり、

空中で爆散する。

と、その瞬間、

 

「どえええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」

 

と、どこかで聞いたような声が聞こえた。

 

「今の・・・誠か・・・」

 

苦笑する良介。

 

「ご愁傷様ね・・・」

 

苦笑いする夏海。

恐らく今の誠は夏海よりも酷いことになっているであろう。

 

   ***

 

スライムを倒しながら街を回る二人。

 

「改めて見ると、ひどい状況ね、これ。」

 

夏海が街の見ながらぼやくように言う。

 

「普段文明に恩恵にあずかっている現代人としてはショックよね。

魔法使いも軍隊も人類の一部に過ぎないってことがよくわかるわ。」

 

「確かにな・・・」

 

良介は街の状況を見て、顔をしかめる。

 

「それ以外の力を持たない人たちは、魔物に手も足もでない。」

 

夏海の言う通りである。

歯痒くて仕方がない話だ。

 

「・・・政府批判するつもりはないんだけどさぁ。

もうちょっとマジメに対処してくれてもいいんじゃない?」

 

「まぁ、確かにその通りだな。」

 

良介は納得する。

 

「なんちゃって。

でもあたしの最終目標はそれなんだよ。

揚げ足をとったり、ただ不平不満を言うだけの報道じゃ、世界は変わらない。

真実を追求して、解決策を提案する。

あたしは、そんな記者になりたいの。」

 

「へぇ、けっこうマジメに考えてるんだな。」

 

良介は感心した。

 

「今は身近な事件を追いかけて力を磨いてるって感じ。

・・・どう、立派だと思う。」

 

「ああ、立派だよ。

大きな夢を持って追いかけることは大事だからな。」

 

そういうと夏海は笑みを見せる。

 

「そーだよね!

だから良介も協力してくれるよねー!」

 

「・・・はい?」

 

今の言葉に呆気にとられる良介。

 

「これが終わったら独占密着取材、よろしく!」

 

良介は呆れてしまった。

 

「結局そうなんのかよ・・・」

 

「そうと決まればちゃっちゃと終わらせちゃおう!」

 

そういうと夏海は残りのスライムを倒しに向かう。

 

「これじゃ、断るに断れねぇな・・・」

 

良介は呆れながら夏海の後を追いかけた。

 

   ***

 

その後、良介や夏海、誠の活躍もあって、早々に片付いた。

ただし、誠のみその代償が大きかったが。

 

「おつかれー。

ほい、ウーロン茶でいいでしょ?」

 

「ん?

ああって、お前、それどこから取ってきたんだよ。」

 

ウーロン茶を受け取りながら、良介は聞いた。

 

「そこの壊れた自販機から取ってきたの。

このくらいいいでしょ。」

 

「・・・まぁ、それぐらいなら・・・」

 

そういって、二人でウーロン茶を飲む。

 

「まあ、さ。

なんだかんだ愚痴っちゃったけど・・・倒した後はすっきりするよね。

あたしも人の役にたってるんだって。」

 

「そうだな。」

 

「それに、スライムも間近で撮れたし。

スゴくおいしい写真。

今回は街の人にも死者とか出なかったし、万々歳だね。」

 

写真のことはともかく、死者が出なかったのはとても大きいことだ。

良介も魔法使いとして少し成長した自分を感じれてよく思っていた。

 

「それじゃ一休みしたら帰ろうか。

急いで急いで。」

 

「へ?

なんで急ぐ必要があるんだ?」

 

良介の質問に、夏海は当然のように答えた

 

「決まってるじゃない。

独占密着取材。

今夜は帰らせてあげないからね。」

 

「マジかよ・・・」

 

良介は顔を手で覆って、呆れた。

 

「・・・・俺のことは、無視か・・・」

 

すぐ近くでびしょ濡れになっていた誠がそうぼやいていた。

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