グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
 閲覧者様のイメージを壊す可能性があります。
 それでもOKという方は、よろしくお願いします。



第63話 救出部隊

良介は目を開けた。

だが、目の前は真っ暗だった。

 

「(な、なんだ・・・?

一体何が・・・)」

 

良介は起き上がろうとしたが、重い物がのしかかっているのか起き上がれなかった。

 

「(くそっ・・・なら・・・!)」

 

良介は土の肉体強化をかけた。

その頃、碧万千洞に聖奈とヤヨイ・ロカの2人が歩いていた。

 

「本当にこの先からするのか?」

 

「うん、人の気配がするよ。」

 

2人は少し歩くと巨大な岩が道を塞いでいた。

 

「む・・・これでは先に進めんな。

別のルートを・・・」

 

聖奈は別に道を探そうとしたが、ヤヨイは動かなかった。

 

「何をしているんだ?

早く別の道を探すぞ。」

 

「あの岩の下から感じる。

人がいるよ。」

 

その言葉を聞いて聖奈は驚愕した。

 

「あの岩の下からだと?

どうみてもあの下に人は・・・」

 

聖奈が話している最中だった。

突然岩が上に動き始めた。

 

「な、なんだ!?」

 

聖奈が驚いていると、ヤヨイが気づいた。

 

「あ、あそこ!」

 

ヤヨイが指差した先に岩を持ち上げている良介がいた。

 

「ぐ・・・ぐおおおぉぉ・・・!」

 

「り、良介!?」

 

聖奈は驚いていた。

良介はちょうどよい横穴を見つけるとそこ目掛けて岩を放り投げた。

 

「おらあっ!」

 

岩を投げたあと、良介は膝をついた。

そこに聖奈とヤヨイが駆けつけた。

 

「ん・・・お前ら・・・」

 

「どうも!

救出部隊だよん!」

 

ヤヨイは元気よく話しかけてきた。

 

「よ、よく見つけたな。

信号が消えた地点と大幅にずれていたのに・・・

というか、お前もよくあの状態で生きてたな・・・」

 

「意識はしっかりしてるね?

事故が起きた時のこと、覚えてる?」

 

「事故・・・?」

 

良介は一体何があったのか思い出そうとした。

 

「あれからまだ2時間。

だけどこの洞窟、予想以上に広いよ。

しばらく前から霧が高濃度になってたみたいだね。」

 

良介はその話を聞いて、思い出した。

 

「内部構造の変化・・・人形館の時と同じってことか。」

 

良介は自分の体が無事であることを確認すると、立ち上がった。

 

「こういう洞窟は危険なんだ。

意志を持っている迷路だから。

ま、見つかってよかったよかった。

この分だと他の人もすぐだね。

兄さん、体調はどう?

怠かったり、鈍痛が続いてたりしない?」

 

良介は再び自分の体を確認した。

特に動きに異常をきたすほどの傷は無いようだ。

 

「大丈夫だ。

問題はない。」

 

「ならおっけ!

道順がわかれば帰れる・・・と言いたいところだけど・・・」

 

「ああ、来た道が消えた。

まるで図ったかのようにな。」

 

良介は2人が来たはずの道を見てみると、道は消えていた。

 

「魔物はそんな賢いわけじゃないけどね。

中に入ったら飲みこむんだ。

そういうわけだから兄さん、こんな時に悪いけど、ちょっと協力してね。

まだ兄さんが最初なんだ。

ええと・・・」

 

「瑠璃川か?

あいつらがどうかしたのか?」

 

「兄さんとパーティを組んでた2人が見つかってない。」

 

「何・・・?」

 

聖奈はデバイスを取り出した。

 

「おそらく崩落だと思うが・・・瑠璃川のデバイス反応が無い。

壊れたのかものしれん。

お前の情報が必要だ。

すまんが同行してくれ。」

 

聖奈は先に進んでいった。

良介はその後ろ姿を見たあと、ヤヨイの方を見た。

 

「そういえば、君は?」

 

「あ、アタシ、転校してきたばっかりなんだ。

ヤヨイ・ロカ。

冒険家の娘やってます!

覚醒したのはついこないだだけど・・・

こういう洞窟とか得意だから、困ったら頼ってね。

噂は聞いてるよ。

ヨロシクね、お兄さん。」

 

「ああ、よろしくな。」

 

良介とヤヨイは聖奈の後を追った。

 

   ***

 

少し時間は遡り、4時間前、碧万千洞。

良介と春乃の2人がいた。

春乃は霧の濃さに驚いていた。

 

「なにここ。

霧の濃度が高すぎる・・・クエストのレベルじゃない。

どうしてこんなに調査が雑なのよ。」

 

すると、2人のところに秋穂がやってきた。

 

「おねえちゃん。

どうしたの?

立ち止まちゃって。」

 

「なんでもないよぉ!

秋穂は心配しなくていいからね!

良介とお話があるから、ちょっとだけ見張りしておいてもらえない?」

 

「あ、うん。

わかった。」

 

秋穂が見張りに向かうと春乃は良介に話しかけた。

 

「良介。

すぐにここを出る。

いったん退却するわ。

こんな場所に秋穂を長い間いさせるわけにはいかないわ。」

 

「秋穂じゃなくてもだ。

だが、すぐに出れるか?」

 

「まだ突入して30分。

すぐに出られる。

入り口に戻るまで、秋穂が傷つかないように守るんだ。

いいな?」

 

「ああ、わかった。

すぐに戻ろう。」

 

その頃、秋穂は1人で見張りをしていた。

 

「綺麗な場所だなぁ・・・これが霧のせいだなんて、不思議。」

 

すると、秋穂は何かを見つけた。

 

「あれ?

あれ、なんだろう?」

 

秋穂は見つけた何かのところに向かい始めた。

 

「ん?

秋穂?」

 

春乃は秋穂の方を向いた。

 

「っ!

秋穂!

あたしから離れたら・・・」

 

「まったく、面倒なことになる前に・・・!」

 

良介と春乃は秋穂のところに向かおうとした瞬間、爆発音がした。

 

「っ!?

い、今のは・・・

秋穂っ!!」

 

春乃は秋穂のところに走っていった。

 

「な、なに?

今の・・・?」

 

秋穂が周りを見渡していると、再び爆発音がした。

 

「ひっ!」

 

そこに春乃がやってきた。

 

「秋穂!

こっちに!」

 

「おねえちゃん・・・!」

 

「秋穂っ!!」

 

「っ!

あれは!」

 

良介は2人の真上に巨大な岩が落ちてきていることに気づいた。

 

「2人とも、避けろっ!」

 

良介はそう叫ぶと2人を押し出した。

その瞬間、良介は岩に押し潰されてしまった。

そして、現在。

 

「・・・という感じだな。」

 

良介は事故が起きた時のことを説明していた。

 

「ふんふん・・・爆発音ね。」

 

ヤヨイはそれを聞いてうなづいていた。

 

「それが4時間前・・・だが崩落の跡などない。

すでに変化しているな。」

 

「ずっとギシギシ言ってるから、壁をぶち抜くのはやめた方がいいね。

ここの真下に位置する場所まで続く道を探そう。」

 

「道も変わっているんだぞ?

【真下】をどうやって見極めるんだ。」

 

「ま、ここはパパから叩きこまれたロカのフィールドスキルを信じてよ。

兄さんも見つかったでしょ?」

 

「む・・・確かに探索や探し物については、ずば抜けていると聞いているが・・・

命がかかっているんだ。

忘れないようにしてくれ。」

 

「ガッテン。

南は安全なときの方が珍しかったよ。

任せといて。」

 

3人は秋穂と春乃を探しに向かった。

 

   ***

 

その頃、誠と千佳と律の3人が碧万千洞にいた。

 

「ちょ、ちょっとぉ・・・ホントに道が変わってんじゃん・・・」

 

「そ、そりゃ変わるって説明うけたんだから変わるだろ。」

 

「だからって霧ってやなのよーっ!

もっとフツーにやってよフツーに!」

 

「何バカなこと言ってんだ・・・」

 

誠は呆れていた。

 

「この前の人形館はあたしの魔法で全部ふっ飛ばしたけど・・・

ここって広いからなー。

どうすんだろ。」

 

「そんなことよりも、事故にあった奴らを見つけることが先決だ。」

 

「良介と瑠璃川の姉妹なー・・・散歩部からも頼まれたし・・・

早く見つけないとな。」

 

「ん・・・?」

 

誠はデバイスを取り出した。

 

「お、良介は見つかったみたいだな。」

 

「マジで!?

あと2人は!?」

 

「まだみたいだ・・・少し急いだ方がいいな。」

 

誠はデバイスを直した。

 

「ま、まだ奥に行くわけ!?

勘弁してよ・・・行くけど、行くけどさ!」

 

律は千佳の様子を見ていた。

 

「てゆーかアンタも怖がりのくせに、なんでそんなに落ち着いてんの!」

 

「いやー、いっしょにいる人がパニクってると落ち着くことってあるよな?」

 

「はぁ!?

ま、マジでそんな理由なの?」

 

「うん、まぁ。」

 

「おい、早く行くぞ。」

 

3人は奥へと進んでいった。

同時刻、春乃が1人で倒れていた。

 

「あ、秋穂・・・早く見つけないと・・・」

 

春乃は起き上がった。

 

「岩盤が緩い・・・爆発のせいか・・・

ヘタに壊したら、また大規模な崩落が・・・クソッ!

秋穂・・・待ってて・・・絶対に見つけてみせるから・・・」

 

春乃は秋穂を探しに向かった。

 

   ***

 

場所は変わって学園。

噴水前を鳴子が歩いていた。

 

「さて、宍戸君と彼女の連絡はついたし・・・次回は遠出だ。

裏世界で長時間の活動ができるように、根回ししておかないとな。

・・・・・ん?」

 

鳴子は近くにさらとノエルがいることに気づいた。

 

「あきほちゃん、大丈夫かな・・・」

 

「大丈夫だって!

ホラ、なにがあっても離れないお姉さんがいるでしょ?

ちょっと事故があっても、なにがなんでも秋穂ちゃんのとこにいくからさ。」

 

「はい・・・でも、でもぉ・・・」

 

「瑠璃川君になにかったのか?」

 

「あっ!

ゆささん!」

 

さらが鳴子に気づいた。

 

「やぁ。

2人ともどうしたんだい?」

 

「あのですねぇ、実はあきほちゃんがじこにあって・・・」

 

「事故?」

 

鳴子は不思議そうな顔をした。

 

「遊佐先輩に知らないことがあるんだ・・・」

 

ノエルは驚いていた。

 

「クエストで、はるのさんと離れ離れになっちゃって・・・」

 

「待ってくれ。

久しぶりに睡眠時間が確保できたところでね。

まだ頭がぼやっとしてる・・・」

 

鳴子はデバイスを取り出し、クエストを確認した。

 

「6時間前?

2人はまだ合流していない?」

 

「はいぃ・・・助けにいこうとしたんですが、あぶないからって・・・」

 

「あたしたち、クエストの許可が下りなかったんです。」

 

「しまった・・・6時間前も離ればなれだって・・・?」

 

鳴子はデバイスを直した。

 

「ごめん、2人とも。

ちょっと用を思い出したよ。

確かに春乃君がいれば安心だ。

良介君もいればね。

実力はよく知ってるだろ?

お菓子でも食べながら待っていなよ。

じゃ。」

 

鳴子は早足で去っていった。

 

「そうだね。

歓談部に行ってよっか?」

 

ノエルは行こうとしたが、さらは動かず、鳴子の後ろ姿を見ていた。

 

「ゆささん、ようすがおかしかったです・・・」

 

「え?」

 

鳴子は報道部部室に来ていた。

 

「6時間!?

最後に魔法をかけたのはいつだ!?

2人のデバイスは死んでる。

だけど春乃君には・・・みつけた!」

 

鳴子は何か取り出した。

 

「前に貸したペンサイズのカメラ・・・ふ、フフ・・・探知できるようにしてよかった・・・

良介君は別の場所、ロカ君といっしょ・・・

もう一方は・・・近いのは誠君・・・

どうして、どうして僕に発信しなかった!

何のためにカメラを貸したんだ!

君たちのことを知ってるのは僕だけなんだぞ!

本当に1人でどうにかするつもりなのか・・・!

待ってろ、春乃君!」

 

鳴子は何か準備をし始めた。




人物紹介

ヤヨイ・ロカ 15歳
世界を股にかける冒険者アンドリュー・ロカの一人娘。
南半球で生まれ、魔物の脅威に囲まれて育ったため、危機回避と度胸は人一倍。
父親仕込みのサバイバル能力で他の生徒をサポートする。
ビックリするほどの楽観主義で、慣れない人は不安に思うことも。
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