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ある日の学園の校門前。
雨の中、兎ノ助がいた。
「んぐっ・・・こ、今回こそは・・・!
ダメだ。
カラダが・・・オモイ。」
体を動かそうとする兎ノ助のところに恋がやってきた。
「よし。
では行ってくるでの。」
「おぉ・・・もう準備できたのか?」
「うむ。
善は急げと言うじゃろ。
それに、他でもない神凪のぴんちじゃ。
早く行ってやりたくてな。」
「頼んだぜ。
この時期の神凪神社はまじで忙しーからな。」
「分かっておる。
わっちもあの紫陽花が好きでのう。
あれを目当てに遥々参拝に来るのも、もっともじゃろ。」
「ああ。
それにしても、怜のじーさん大丈夫かな。
あまりの忙しさで、倒れたとか・・・なんとか。」
「うむ、そっちも心配じゃな。
つい先日まで元気だったというのに・・・」
「くっそ~!!
俺も体が動けばな・・・はぁ。」
兎ノ助はため息をついた。
「お主、さっきから苦しそうじゃがどうした?」
「なんかこう・・・雨がつづくと体が、ギシギシする・・・気がする。」
「機械の体も難儀じゃのう。」
「不甲斐ないぜ・・・結希に診てもらおうかな。」
「気にするな、わっちらに任せい。
では、行ってくる。」
「き、気ぃつけてな!
いつになったら俺も行けるんだ。」
兎ノ助はため息をついた。
そのすぐ近くを良介と誠が通り過ぎた。
「はぁ~・・・雨の中行かなきゃいけないとか・・・」
誠はため息をついた。
「そんなに行きたくないなら帰れよ。」
「いや、行くよ。
帰っても何もすることがないからな。
ただ、雨なのがなぁ・・・」
「梅雨なんだから仕方ないだろ。
つべこべ言わず行くぞ。」
「お前なんでそんなに元気なんだよ・・・」
誠は良介を見て、再びため息をついた。
***
神凪神社。
怜は神社の様子を見てため息をついた。
「困ったな。
もうこんなに奉納されているとは・・・」
すると、そこに良介、誠、恋、ましろがやってきた。
「怜、待たせたな。」
良介は怜に話しかけた。
「思ったより時間がかかりました・・・梅雨は、足元が【つゆ】っとしますね。」
「ぶぇっきしっ!」
ましろのギャグの後に誠がくしゃみをした。
「良介、誠、南条、雪白・・・雨の中すまない。
世話になる。」
「気にするなよ。
それより、そのてるてる坊主は・・・?」
良介は神社に吊るされているてるてる坊主を見た。
「ああ。
うちの神社に伝わるジンクスのようなものでな。
てるてる坊主を奉納すると、天気に恵まれるというものだ。
最近、雨が続いているせいか、奉納が多くてな・・・」
「すごい数ですね・・・【てるてる坊主】に【困ってる坊主】。
フフフ。」
「いっきし!
・・・ギャグのせいで余計に寒く感じるな。」
「ましろよ・・・とにかく、わっちらはこれを運べばよいのじゃな。」
「助かる。
あっちに奉納室があるから案内しよう。」
「そういえば怜。
お前の爺さんは大丈夫か?」
良介は怜に尋ねた。
「それが・・・ただの関節痛だったんだ。」
「関節痛?」
誠がキョトンとした。
「気圧が低くなると、ギシギシと痛むらしい。
心配かけてすまなかった。」
「いやいや、無事ならそれでいいのじゃよ。」
「じとじとする日は、じーっとしていませんとね。
フフフ。
さきほども、小さなおじい様が辛そうでしたし。」
「小さなおじい様?
もしかしたら、私の祖父かもしれん。
まったく。
休んでいろと言ったのに・・・今、どこに?」
「ソフィアさん達が、休憩場までお連れしましたよ。」
「あやせさんがいるから大丈夫だろ。
俺たちはこのてるてる坊主を片付けるか。」
良介たちはてるてる坊主を持とうとした。
「では、それっ・・・むっ。
おわっ・・・す、すべっ・・・!」
「っと・・・大丈夫か恋。」
倒れそうになった恋を良介が支えた。
「おお・・・すまん。
良介、助かったぞ。
いかんな、足元が不安定で。
やはりこういう時は、お主は頼りになる。
では、一緒に持っていこう。
なに、わっちも少しは持てるぞい。」
「そうかい。
それじゃ、持っていこうか。」
良介と恋はてるてる坊主を2人で持っていった。
***
学園の女子寮。
望が自分の部屋にいた。
デバイスが鳴っていた。
「さっきからうるさいなぁ。
行かないって言ってるのに・・・
写真・・・?
すご。
こんなに咲いてるんだ。
ま、関係ないけど。
どーせ出れないし・・・
はぁー。
家の中なのにだるい・・・ほんとに梅雨とかやめてくれ・・・
あたまいたー・・・だる・・・あー・・・
ゲームするか。
雨の日は、部屋でゲームに限る。
良介でも誘ってやるかな。
良介ならボクの相手務まるだろうし。
い、ま、か、ら、こ、い・・・と。
はい、送信ー。」
望は良介にもあっとを送った。
と、すぐに返信がきた。
「はや・・・即レス?
もしや、ボクからの連絡待ちだったとか・・・
警備中?
なんだよ、みんな一緒かよー。
あーだめだ。
何にもする気おきない・・・みんなばっかずるい・・・
やっぱ、ゲームしよ。」
望はゲームをし始めた。
***
神凪神社。
良介たちはてるてる坊主を運んでいた。
「よいしょ!
よし、これで全部か?」
良介はてるてる坊主を下ろした。
「助かった。
しばらくはこれで大丈夫そうだ。
雨が止むまでは奉納されるだろうから・・・まだ安心はできんが。」
「そろそろお日様が恋しいですね・・・雪女は、溶けちゃいますけど。
太陽は、どこに行っ【たいよう】・・・なんて。
フフフ。」
「これじゃあしばらく晴れそうにないな。」
誠は引き気味に笑った。
と、突然デバイスが鳴り出した。
「なんだ?
緊急警報?」
良介はデバイスを見た。
「大雨の影響で停電・・・まずい。
この辺りも警告が出てるぞ。」
「さすがにそれは困るの・・・たとえ天のさだめとはいえ・・・
どれ。
一筆、祈願絵でも書こうかのう。
神凪、そこで絵を書いてもよいか?」
「絵?
かまわないが、何を書くんだ?」
「まぁ、見ておれ。
気休め程度じゃが、良いものが書ける気がするんじゃよ。」
そう言うと、恋は絵を書き始めた。
「南条さんの絵、初めて見ました。
すごい気迫ですね。」
「私もあれほど気合い入っている南条は初めて見るな。」
「【きあい】の入った南条さんも、【きらい】じゃない・・・フフフ。」
「大丈夫かねぇ・・・」
誠はましろの方を見ながら言った。
「よし、完成じゃ。」
「これ・・・【八咫烏】か?」
良介は恋の絵を見ながら尋ねた。
「そうじゃ。
太陽の化身と言われておってな、晴れ乞いには持ってこいじゃ。
最後に、この目を入れて・・・むんっ!
晴天祈願!!」
恋は最後の目を書いた。
その頃、学園の女子寮。
望がゲームをしていた。
「んぁー、なんだよ今のラグ。
絶対いけたのに。
なんで?
急所取って・・・わ、また食らった。
なんなんだよもー。
さっきからヘンだぞ・・・ん?
【雨で停電。
通信障害も発生】?
はー。
もーやってらんないなー。
ゲームくらい、やらせろってのに・・・
だいたい雨くらいで遅延すんなよ。
う、頭いた・・・
あ・・・ダメだ。
クラクラしてきた。
また気圧が・・・
ホントだったらこんな雨、ボクの魔法で一瞬で消してやれるのに・・・!
いや。あの魔法はしんどすぎる。
魔力も無くなっちゃうし・・・無理。
宍戸にも絶対バレるし・・・危険すぎ。
やっぱ、やめやめ・・・」
すると、突然電気が消えた。
「ひぃぃっ!
て、停電・・・?
あ、ピザ落ちた・・・
ボクのピザ・・・最後の・・・ピザが・・・ああっ、ああ!!
んだー!
知るか知るか知るか!
雨なんか嫌いだ!
校則違反がなんだ・・・!
ボクを・・・ボクを怒らせたな!!」
望は大きく叫んだ。
「雨め・・・消えされぇぇっ!!」
***
学園の女子寮。
望は息が上がっていた。
「ぜぇ、ぜぇ。
どうだ見たか・・・ボクの・・・まっ、まぶし!」
部屋の停電は直っていた。
「あ、ダメだ。
やっぱ魔力足りな・・・クラクラす・・・る・・・」
望はその場で倒れた。
その頃、神凪神社。
「おい、見ろ!
雨が・・・上がっている。」
「もしや・・・本当にこの絵で晴れ乞いを?」
「まさか信じられんが、急に陽が出るとは・・・」
ソフィアとあやせの2人がやってきた。
「みなさーんっ!
お日様がかむばっくしましたよーっ!」
「あらあら、ソフィアちゃん。
走ったら危ないですよ。
不思議ですねぇ。
さっきまであんなに降っていたのに。
奇跡みたいです。」
「ふふ。
お天道様が見に来てくださったようじゃ。
よかったよかった。」
「おおーっ!
ぐーれいと!
これは見事な絵ですねぇ・・・【カラス】?」
「おかげですっかり【カラッス】した陽気になりました。
フフ。」
「おかげで??
からっす??」
「ふふふ。
ましろさん、今日は絶好調ですね~。」
すると、良介のデバイスが鳴った。
「結希からか・・・望が?
悪いみんな。
今から学園に戻る。
望が魔力切れで倒れたらしい。
供給に行ってくる。」
「あら?
望ちゃん、クエストにでも行ってたのかしら?」
「いや、私用で魔法を使ったらしい。
始末書も頼まれてる。」
「あらあら。
どうしたのかしら・・・」
怜はみんなに礼を言った。
「皆、手伝ってくれてありがとう。
またゆっくり遊びに来てくれ。」
「なに、普段のお礼じゃよ。
力になれてよかった。」
「のーぷろぶれむでぇす!
びゅーてぇふるなアジサイも見れました!」
「あら?
見てください。
虹がでていますよ~。」
「むむ?
どこですか?
んー、【にじんで】て見えないです。」
「にじがにじんで・・・あら。
一本取られました。」
「なっ!
誤解です!
ダジャレを言ったわけじゃありません!」
「【ダジャレ】を言ったわけ【だじゃれ】・・・フフフ。」
「あうあう・・・誠さん、へるぷみー!」
「俺はまだ心の中が雨模様だよ・・・」
誠はため息をついた。
「一件落着か。
学園に戻るとするか。」
良介はそう言うと、学園へと歩き始めた。