グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第67話 晴れ乞い

ある日の学園の校門前。

雨の中、兎ノ助がいた。

 

「んぐっ・・・こ、今回こそは・・・!

ダメだ。

カラダが・・・オモイ。」

 

体を動かそうとする兎ノ助のところに恋がやってきた。

 

「よし。

では行ってくるでの。」

 

「おぉ・・・もう準備できたのか?」

 

「うむ。

善は急げと言うじゃろ。

それに、他でもない神凪のぴんちじゃ。

早く行ってやりたくてな。」

 

「頼んだぜ。

この時期の神凪神社はまじで忙しーからな。」

 

「分かっておる。

わっちもあの紫陽花が好きでのう。

あれを目当てに遥々参拝に来るのも、もっともじゃろ。」

 

「ああ。

それにしても、怜のじーさん大丈夫かな。

あまりの忙しさで、倒れたとか・・・なんとか。」

 

「うむ、そっちも心配じゃな。

つい先日まで元気だったというのに・・・」

 

「くっそ~!!

俺も体が動けばな・・・はぁ。」

 

兎ノ助はため息をついた。

 

「お主、さっきから苦しそうじゃがどうした?」

 

「なんかこう・・・雨がつづくと体が、ギシギシする・・・気がする。」

 

「機械の体も難儀じゃのう。」

 

「不甲斐ないぜ・・・結希に診てもらおうかな。」

 

「気にするな、わっちらに任せい。

では、行ってくる。」

 

「き、気ぃつけてな!

いつになったら俺も行けるんだ。」

 

兎ノ助はため息をついた。

そのすぐ近くを良介と誠が通り過ぎた。

 

「はぁ~・・・雨の中行かなきゃいけないとか・・・」

 

誠はため息をついた。

 

「そんなに行きたくないなら帰れよ。」

 

「いや、行くよ。

帰っても何もすることがないからな。

ただ、雨なのがなぁ・・・」

 

「梅雨なんだから仕方ないだろ。

つべこべ言わず行くぞ。」

 

「お前なんでそんなに元気なんだよ・・・」

 

誠は良介を見て、再びため息をついた。

 

   ***

 

神凪神社。

怜は神社の様子を見てため息をついた。

 

「困ったな。

もうこんなに奉納されているとは・・・」

 

すると、そこに良介、誠、恋、ましろがやってきた。

 

「怜、待たせたな。」

 

良介は怜に話しかけた。

 

「思ったより時間がかかりました・・・梅雨は、足元が【つゆ】っとしますね。」

 

「ぶぇっきしっ!」

 

ましろのギャグの後に誠がくしゃみをした。

 

「良介、誠、南条、雪白・・・雨の中すまない。

世話になる。」

 

「気にするなよ。

それより、そのてるてる坊主は・・・?」

 

良介は神社に吊るされているてるてる坊主を見た。

 

「ああ。

うちの神社に伝わるジンクスのようなものでな。

てるてる坊主を奉納すると、天気に恵まれるというものだ。

最近、雨が続いているせいか、奉納が多くてな・・・」

 

「すごい数ですね・・・【てるてる坊主】に【困ってる坊主】。

フフフ。」

 

「いっきし!

・・・ギャグのせいで余計に寒く感じるな。」

 

「ましろよ・・・とにかく、わっちらはこれを運べばよいのじゃな。」

 

「助かる。

あっちに奉納室があるから案内しよう。」

 

「そういえば怜。

お前の爺さんは大丈夫か?」

 

良介は怜に尋ねた。

 

「それが・・・ただの関節痛だったんだ。」

 

「関節痛?」

 

誠がキョトンとした。

 

「気圧が低くなると、ギシギシと痛むらしい。

心配かけてすまなかった。」

 

「いやいや、無事ならそれでいいのじゃよ。」

 

「じとじとする日は、じーっとしていませんとね。

フフフ。

さきほども、小さなおじい様が辛そうでしたし。」

 

「小さなおじい様?

もしかしたら、私の祖父かもしれん。

まったく。

休んでいろと言ったのに・・・今、どこに?」

 

「ソフィアさん達が、休憩場までお連れしましたよ。」

 

「あやせさんがいるから大丈夫だろ。

俺たちはこのてるてる坊主を片付けるか。」

 

良介たちはてるてる坊主を持とうとした。

 

「では、それっ・・・むっ。

おわっ・・・す、すべっ・・・!」

 

「っと・・・大丈夫か恋。」

 

倒れそうになった恋を良介が支えた。

 

「おお・・・すまん。

良介、助かったぞ。

いかんな、足元が不安定で。

やはりこういう時は、お主は頼りになる。

では、一緒に持っていこう。

なに、わっちも少しは持てるぞい。」

 

「そうかい。

それじゃ、持っていこうか。」

 

良介と恋はてるてる坊主を2人で持っていった。

 

   ***

 

学園の女子寮。

望が自分の部屋にいた。

デバイスが鳴っていた。

 

「さっきからうるさいなぁ。

行かないって言ってるのに・・・

写真・・・?

すご。

こんなに咲いてるんだ。

ま、関係ないけど。

どーせ出れないし・・・

はぁー。

家の中なのにだるい・・・ほんとに梅雨とかやめてくれ・・・

あたまいたー・・・だる・・・あー・・・

ゲームするか。

雨の日は、部屋でゲームに限る。

良介でも誘ってやるかな。

良介ならボクの相手務まるだろうし。

い、ま、か、ら、こ、い・・・と。

はい、送信ー。」

 

望は良介にもあっとを送った。

と、すぐに返信がきた。

 

「はや・・・即レス?

もしや、ボクからの連絡待ちだったとか・・・

警備中?

なんだよ、みんな一緒かよー。

あーだめだ。

何にもする気おきない・・・みんなばっかずるい・・・

やっぱ、ゲームしよ。」

 

望はゲームをし始めた。

 

   ***

 

神凪神社。

良介たちはてるてる坊主を運んでいた。

 

「よいしょ!

よし、これで全部か?」

 

良介はてるてる坊主を下ろした。

 

「助かった。

しばらくはこれで大丈夫そうだ。

雨が止むまでは奉納されるだろうから・・・まだ安心はできんが。」

 

「そろそろお日様が恋しいですね・・・雪女は、溶けちゃいますけど。

太陽は、どこに行っ【たいよう】・・・なんて。

フフフ。」

 

「これじゃあしばらく晴れそうにないな。」

 

誠は引き気味に笑った。

と、突然デバイスが鳴り出した。

 

「なんだ?

緊急警報?」

 

良介はデバイスを見た。

 

「大雨の影響で停電・・・まずい。

この辺りも警告が出てるぞ。」

 

「さすがにそれは困るの・・・たとえ天のさだめとはいえ・・・

どれ。

一筆、祈願絵でも書こうかのう。

神凪、そこで絵を書いてもよいか?」

 

「絵?

かまわないが、何を書くんだ?」

 

「まぁ、見ておれ。

気休め程度じゃが、良いものが書ける気がするんじゃよ。」

 

そう言うと、恋は絵を書き始めた。

 

「南条さんの絵、初めて見ました。

すごい気迫ですね。」

 

「私もあれほど気合い入っている南条は初めて見るな。」

 

「【きあい】の入った南条さんも、【きらい】じゃない・・・フフフ。」

 

「大丈夫かねぇ・・・」

 

誠はましろの方を見ながら言った。

 

「よし、完成じゃ。」

 

「これ・・・【八咫烏】か?」

 

良介は恋の絵を見ながら尋ねた。

 

「そうじゃ。

太陽の化身と言われておってな、晴れ乞いには持ってこいじゃ。

最後に、この目を入れて・・・むんっ!

晴天祈願!!」

 

恋は最後の目を書いた。

その頃、学園の女子寮。

望がゲームをしていた。

 

「んぁー、なんだよ今のラグ。

絶対いけたのに。

なんで?

急所取って・・・わ、また食らった。

なんなんだよもー。

さっきからヘンだぞ・・・ん?

【雨で停電。

通信障害も発生】?

はー。

もーやってらんないなー。

ゲームくらい、やらせろってのに・・・

だいたい雨くらいで遅延すんなよ。

う、頭いた・・・

あ・・・ダメだ。

クラクラしてきた。

また気圧が・・・

ホントだったらこんな雨、ボクの魔法で一瞬で消してやれるのに・・・!

いや。あの魔法はしんどすぎる。

魔力も無くなっちゃうし・・・無理。

宍戸にも絶対バレるし・・・危険すぎ。

やっぱ、やめやめ・・・」

 

すると、突然電気が消えた。

 

「ひぃぃっ!

て、停電・・・?

あ、ピザ落ちた・・・

ボクのピザ・・・最後の・・・ピザが・・・ああっ、ああ!!

んだー!

知るか知るか知るか!

雨なんか嫌いだ!

校則違反がなんだ・・・!

ボクを・・・ボクを怒らせたな!!」

 

望は大きく叫んだ。

 

「雨め・・・消えされぇぇっ!!」

 

   ***

 

学園の女子寮。

望は息が上がっていた。

 

「ぜぇ、ぜぇ。

どうだ見たか・・・ボクの・・・まっ、まぶし!」

 

部屋の停電は直っていた。

 

「あ、ダメだ。

やっぱ魔力足りな・・・クラクラす・・・る・・・」

 

望はその場で倒れた。

その頃、神凪神社。

 

「おい、見ろ!

雨が・・・上がっている。」

 

「もしや・・・本当にこの絵で晴れ乞いを?」

 

「まさか信じられんが、急に陽が出るとは・・・」

 

ソフィアとあやせの2人がやってきた。

 

「みなさーんっ!

お日様がかむばっくしましたよーっ!」

 

「あらあら、ソフィアちゃん。

走ったら危ないですよ。

不思議ですねぇ。

さっきまであんなに降っていたのに。

奇跡みたいです。」

 

「ふふ。

お天道様が見に来てくださったようじゃ。

よかったよかった。」

 

「おおーっ!

ぐーれいと!

これは見事な絵ですねぇ・・・【カラス】?」

 

「おかげですっかり【カラッス】した陽気になりました。

フフ。」

 

「おかげで??

からっす??」

 

「ふふふ。

ましろさん、今日は絶好調ですね~。」

 

すると、良介のデバイスが鳴った。

 

「結希からか・・・望が?

悪いみんな。

今から学園に戻る。

望が魔力切れで倒れたらしい。

供給に行ってくる。」

 

「あら?

望ちゃん、クエストにでも行ってたのかしら?」

 

「いや、私用で魔法を使ったらしい。

始末書も頼まれてる。」

 

「あらあら。

どうしたのかしら・・・」

 

怜はみんなに礼を言った。

 

「皆、手伝ってくれてありがとう。

またゆっくり遊びに来てくれ。」

 

「なに、普段のお礼じゃよ。

力になれてよかった。」

 

「のーぷろぶれむでぇす!

びゅーてぇふるなアジサイも見れました!」

 

「あら?

見てください。

虹がでていますよ~。」

 

「むむ?

どこですか?

んー、【にじんで】て見えないです。」

 

「にじがにじんで・・・あら。

一本取られました。」

 

「なっ!

誤解です!

ダジャレを言ったわけじゃありません!」

 

「【ダジャレ】を言ったわけ【だじゃれ】・・・フフフ。」

 

「あうあう・・・誠さん、へるぷみー!」

 

「俺はまだ心の中が雨模様だよ・・・」

 

誠はため息をついた。

 

「一件落着か。

学園に戻るとするか。」

 

良介はそう言うと、学園へと歩き始めた。

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