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学園の廊下。
夏海が歩いているとみちるがやってきた。
「夏海ちゃん夏海ちゃん。」
「ん?
どうしたの?
嬉しそうね。」
「良介くんって来てる?」
「えっ!?」
夏海はみちるの発言に驚いた。
「ヒマだったらクエストに誘おうかなって。」
「い、いやーどーかなー。
見てないし、またクエスト出ちゃってるんじゃない?」
「ホント?
うーん、いつも間が悪いなぁ~・・・
それじゃ智ちゃん誘って訓練所に行こうかな。」
「ええっ!?」
夏海が再び驚いた。
「ん?
ど、どーしたの?」
「なんでもないなんでもない!」
「それならいいけど・・・智ちゃんいるかな~。」
みちるはそう言うと行ってしまった。
「みちる、悪気はないんだろうな~・・・
いろんなことには気が利くのに、良介のことになるとガバガバなのよね・・・
智花のこと、気づいてないのかな?」
今度は怜がやってきた。
「夏海。」
「ん?
あんたも良介?」
「私も、とはどういうことだ?」
「うーん・・・
(尻尾ださないなぁ。
あたしの見立てでは怜もアタリなんだけどなぁ・・・)」
すると、夏海は話を逸らした。
「あ、それともミナ?
部長から聞いたわよ。
あんた、変なこと聞いたんだってね。」
「ん・・・ああ、風槍はすこしずつ元気になっている。
正直なところ、彼女が言っていたことの真偽はさっぱりなんだが・・・
遊佐や宍戸が、難しい話をしているみたいでな。
私などでは到底及ばないことじゃないか、と思いはじめた。」
「でもあんた、やめないんでしょ?」
「その通りだ。」
「じゃあ協力するわよ。
せっかくだから智花も・・・あっ。」
「どうした?」
「い、今はやめた方がいいかな?
なんかこっちに関わってるヒマ、ないかも。」
「そうなのか?
まあ、用事があるなら無理に誘ってもな。」
「そうそう!
とりあえず部長がどこまで知ってるか聞いてみるから!
それからでも遅くないでしょ?」
「ああ、たのむ。」
場所は変わって訓練所。
みちると智花がいた。
智花はぼーっとみちるを見ていた。
「智ちゃ~ん、今日、調子悪い?」
「えっ!?
あ、う、ううん!?」
「なんか、心ここにあらずって感じなんだけど。」
「そ、そうかなぁ!
そんなことないと思うよ!」
「ふうん・・・?
まあ、大丈夫ならそれでいいけどね。」
「(み、みちるちゃん・・・良介さんのこと、どう思ってるのかぁ・・・)」
智花はみちるを見ていた。
***
生徒会室前。
誠が歩いていると薫子が話しかけてきた。
「誠さん、こんにちは。」
「む・・・薫子さんか。」
誠は薫子の方を向いた。
「クエストは順調にやっていますか?
まあ、心配はしていませんが。」
「ええ、まあ、それなりにやってますよ。」
「入学時に比べればだいぶ落ち着きましたね。
当時のあなたは心の中で苦しんでいて、攻撃的になっていた。」
「あの時は、頼れるやつがいなかったので・・・」
「ですが、私に虎千代がいるように今のあなたには良介さんがいる。」
「確かに、良介が入学して以降の自分とそれ以前の自分は変わった気がしますね。」
少し沈黙が続いた後、薫子は口を開いた。
「あなたにお願いがあります。」
「なんでしょうか?」
「良介さんが、この先どんな道を歩むかどうか・・・
見届けていただけませんか。
私にはやらねばならないことが多いので・・・
可能であれば。」
「そんなことですか。
俺に任せといてくださいよ。
あいつが間違った道を進みそうになったら、それを正すのは俺の仕事ですから。」
「くれぐれもあなたも無理はしないでくださいね。
第7次侵攻のようなことは特に。」
「・・・善処します。」
誠は少し顔を下に向けながら答えた。
***
商店街。
さらと良介は話しながら歩いていた。
「亡くなった先輩、とってもたくさん遊んでくれました。
ですから、わたし、お約束したんです。
先輩みたいな、りっぱな魔法使いになって・・・
先輩のぶんも、たくさんの人を守ってあげるんですぅ!
なので、たくさんたくさん練習して、魔法もがんばって・・・
こうやって、クエストにも出させてもらえるようになりました!」
「そうか、さらは偉いな。」
「あんまりいっぱいは出られないのですけど・・・
もっともっとがんばって、体もおっきくなって、強くなって・・・
そうしたら、先輩みたいに活躍するんです!
シローも協力してくれますし、きっとなれますぅ。」
「ああ、さらならすぐになれるさ。」
「シローってとってもすごいんですよぉ。
こうやってさっきみたいに・・・
魔物さんが近づいたらほえて・・・あれ?
またほえてますねぇ。」
「さら、魔物がすぐそこまで来ている。
戦うぞ。」
「はい!
わかりましたぁ!」
良介とさらが構えると魔物がやってきた。
良介は隙を作るつもりで剣で攻撃した。
が、その攻撃だけで魔物を倒してしまった。
「あ・・・倒しちゃったか。」
「良介さん、お強いですねぇ!」
さらは目をキラキラさせながら見ていた。
「ははは・・・次、行こうか。」
「はい!」
さらは元気よく返事をすると次の魔物の元へと歩いて行った。
***
研究室。
鳴子と結希がいた。
鳴子は誰かとデバイスで通話していた。
「盗聴されている可能性が高いんだろ?
場所は直前に教えてくれ。
ああ、前に頼んでおいたものも受け取る。
後は・・・君を見れば、みんな理解するだろうさ。
それじゃ、たのんだよ。
宍戸君も楽しみにしている・・・フフ・・・」
鳴子は通話を切った。
「あなたの協力者・・・12年前に霧の嵐にのまれたあなたを助けた人物・・・
世界は狭いわね。」
「まあ、ありがたい偶然だったね。
だからこそ僕がここにいるわけだけど。」
「あなたが裏世界や他の生徒たちについて詳しい理由はわかったわ・・・
政府関係者や軍事関係者への脅迫が妙に的確なのもわかった。
でも、あなたの本当の目的はわからない。
あなたはそれらの情報を集めて、なにをしようというの?」
「僕の目的は前からたった1つだ・・・世界の謎を解き明かすこと。
残念なことに、裏世界といくら情報をやりくりしたところで・・・
【なぜ霧が突然現れたのか、なぜ裏と表という2つの世界があるのか】・・・
それはわからないままだ。
だから僕は、ある1点に絞って調査している。」
結希は黙って聞いていた。
「【表と裏の相違点】だ。
2つの世界でなにが違うのか、なぜ違うのか。
例えばデクはこちらの方が進歩している。
50年前にブレイクスルーがあった。
これに関しては、本人の言葉を信じるなら、朱鷺坂君がやったんだろう・・・
年齢が合わないのが気になるけどね。
サン=ジェルマン伯爵のようだな。
彼女も裏世界に来るんだろう?」
「そう聞いてるわ。」
「なら・・・観察する機会は十分にあるわけだ。」
「学園地下のゲートが繋がっているのは【12年後】・・・
あなたの協力者は、第8次侵攻から12年間、生き続けてきた。
情報は期待していいのね?
とにかく量が膨大だから、どれかは役に立つだろう。
さて、僕は準備に戻るよ・・・彼女を助ける準備をしよう。」
「盗聴されている可能性を疑っていたわね。
彼女は追われているの?」
「ああ。
12年後の裏世界にも、まだ人類の組織はある。
彼女が独自に集めた情報は・・・絶滅が確定した状態でも、貴重だ。」
「では、彼女が追われているのは政府?
それとも霧の護り手?」
「いいや、そのどちらももう存在しない。
彼女を狙っているのは、JGJだよ。」
鳴子は怪しい笑みを見せた。
***
商店街。
良介とさらは次の魔物のところに向かっていた。
「わたし、魔物さんとたたかうの、あまり好きではないんです。」
「どうしてそう思うんだい?」
「魔物さんだって、きっと死んじゃったら悲しい人がいるんです。
魔物さんのパパやママみたいな・・・でも、倒さなきゃいけないんです。」
「ああ、その通りだ。」
「たくさんの先輩たちが、たたかいでケガするのをみてきました。
魔物さんは、まだわたしたちと仲良くできてないんですよね・・・
それに、わたしは先輩と約束しましたから!
魔物さんが悪いことをするなら、それからみんなを守るんですぅ。
でも、いつか、みんないっしょに仲良くくらせたらいいですよねぇ。
魔物さんもみんなも、たたかわなくてよくなったら・・・
先輩みたいな人や、兵隊さんみたいなひとも・・・
みんな、ケガしたり亡くなったり、しなくなりますからねぇ。」
「・・・そんな時がくればいいがな。」
良介は呟くように言うと、魔物の方へと向いた。
良介は魔物に向かって突撃すると、足払いをかけてバランス崩させた。
「さら、今だ!」
良介の指示と同時にさらが魔法を撃つと魔物は消滅した。
***
最後の魔物を倒したあと良介とさらは他に魔物がいないか確認していた。
「シローはわたしよりちっちゃいですけど、わたしよりすごいんですよぉ。
わたしが生まれて、泣いてたときにあやしてくれたそうです。
魔法使いになって、危ないからって学園にあずけられて・・・
そのときもずっと、パパたちのかわりにいっしょにいてくれたんです。」
「へぇ、シローは偉いなぁ。」
「シローはわたしをずっと守ってきてくれました。
とってもとっても大好きですぅ。
ときどきちょっとわがままですけど・・・
たとえば、さっきみたいに魔物さんがきたときはですね。
ちゃんとリュックにもどらないとダメなんですよぉ。
シローが死んじゃったら、わたし、とっても悲しいのです。
だから、これからもいっしょにがんばりましょうね。
シロー。」
さらはシローの頭を撫でた。
「あ、もちろん良介さんもごいっしょですよぉ!」
「はは、俺も頑張らせてもらうよ、さら。」
良介はさらの頭を優しく撫でた。
***
少しして喫茶店。
さらは良介の奢りでパフェを食べていた。
「こ、こんなにおいしいものをごちそうになるなんて・・・!
なんだかいけない感じがしますぅ・・・!」
「別にそんなに気にしなくてもいいよ。」
「ごちそうさまです、良介さん!
こんどお返ししますね!」
良介とさらは店から出た。
「はぅ~・・・しあわせですぅ・・・
きょうはお手伝い、ありがとうございましたぁ。
良介さんのおかげで、安心してたたかうことができましたよぉ。
シローもいっしょにお礼を言わなくてはいけませんねぇ。」
すると、突然さらはじーっと良介の方を見た。
「どうした?」
「そういえば良介さん、ミナちゃんはどうでしょうか?
ミナちゃん、みんなのおかげで少しずつ元気になってきてるんですけど・・・
やっぱり、良介さんがいないといけませんよぉ。」
「ん・・・そうかな・・・」
「天文部のみんなと一緒にいるときもですけど・・・
良介さんがいっしょだったら、もっと元気になるんですよぉ。
だからわたし、お願いなんです。
ミナちゃんに言ってあげてください。
だいじょうぶだって。」
「そうだな・・・今度会った時に言っとくよ。」
「えへへ・・・なんだかきょうのわたし、おとなっぽいですねぇ。」
さらは再び良介の方を見た。
「わたし、いろんな人におせわになってきました。
だから、がんばってみんなに恩返ししたいんです。
良介さんも、よろしくお願いしますね。
恩返しさせてくださいね。」
「・・・ああ。」
良介とさらは学園に向かって歩き始めた。
***
生徒会室。
聖奈が虎千代と話していた。
「仲月 さらと早田 良介の2人は夕食の後に戻るそうです。」
「そうか・・・科研が、急にあの犬に興味を持ち始めたな。
どうにかならないか。
そんなことに関わっている暇はないんだ。」
「執行部から圧力をかけるよう依頼するしかありませんね。」
「ふむ・・・ま、そうだろうな。
だが、確かにアタシが見てきた間・・・
あの犬は一切成長していないように見える。」
「異常なことではあります・・・が、飼い主を見る限り・・・
なにをどうするわけでもないと思いますが。」
「まあ、その点は安心だな。
だが科研が・・・
あの犬に注目しているという事実は無視できん。
まったく・・・そのうえ、良介の情報が外部に漏れただと?
これが学園長がいなくなった影響か・・・予想以上だな・・・」
「それですが、次の学園長が決定したそうです。」
「なんだって?」
「犬川学園長の遺言によって指名されていたそうです。」
「誰だ?
あの学園長が指名したんだ。
抜け目のないものだといいが。」
「それが・・・・・」
「どうした?」
「犬川学園長の、孫娘です。」
「孫娘?
ふむ、若いな。
だが学園長は御年100近かった。
孫も、若くて30代か?」
「10歳です。」
虎千代はその言葉を聞くと少し沈黙した。
「30歳?」
「10歳です。」
虎千代はまた沈黙した。
「な・・・なんだと・・・・・」
そして、驚愕した。