グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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第73話 風飛の丘に花は散り

良介と誠は校門前でメアリーと沙那と話していた。

 

「2年前に、それも国外で亡くなっているとは・・・」

 

沙那も良介と誠同様にエレンのことを聞いて驚いていた。

 

「アメディック少将の謀反は有名だがな。

娘のこととなると・・・

特にアタイと同じ部隊にいたってのを言い当てられるのは気味が悪ぃ。」

 

「アメディック少将の娘・・・ですか。

授業で習いましたね。」

 

「ああ、やるだろうよ。

なにせ国連軍の将官がテロリストと内通してたんだ。

だが娘がその後、どうなったかってのはなかなか知られてねぇ。

ピンポイトでアタイの友人だって言えるヤツは、ほとんどいねぇ。」

 

「【もう1つのグリモア】では、あなたと共に魔法使いになっていると。」

 

「そこがわからねーんだ。

テメーら、マジで言ってんのか?

裏切り者の娘が機甲師団の指揮官にまでなって・・・

その上、魔法使いになった時に学園を選択できる余地がある・・・

そっちじゃアメディック少将はどうなってんだよ。」

 

「こっちの少将はテロリストと内通している事実はないからな。」

 

良介の言葉を聞いてメアリーはため息をついた。

 

「こりゃあ月宮の言うとおり、風紀委員にゃ渡せねぇな。」

 

「なんとか身の安全は確保できそうだな。」

 

誠は胸をなでおろした。

 

「ああ、これで帰れる手段が見つかればいいんだが・・・」

 

良介がそう言った瞬間、誰かが走ってきた。

 

「メアリーさーん!」

 

「ゲッ!」

 

良介と誠も声がした方を向くと、ノエルがやってきていた。

 

「メアリーさん!

こんなところにいたんだ!

今からわたしとメアリーさんで歩哨だよ!

ほら、行かなきゃ!

あれ?」

 

ノエルは沙那を見ると、表情を変えた。

 

「ど、どうして神宮寺の人と一緒にいるの?

それにこの男の人たち・・・」

 

ノエルは良介と誠の方を見た。

メアリーと沙那は小声で話した。

 

「(いかがいたしますか?)」

 

「(アタイに合わせろ。

いいな。)」

 

すると、メアリーと沙那は言い合いを始めた。

 

「ファ○ク!

さっさと消えやがれ、2度とそのツラ見せんな!

こいつらの身柄を裏切り者に渡すわけにゃいかねぇんだ!」

 

「私も、あなたと話す時間などありませんから。

それでは。」

 

そう言うと沙那は自然に良介に近づいた。

 

「(メアリー・ウィリアムズは精鋭部隊長。

JGJとは明確に敵の状態です。

良介さん。

あなたも話題は出さぬよう。

余計な誤解を招きます。)」

 

「(わかった。

誠にも言っておく。)」

 

沙那は去っていった。

ノエルは沙那の後ろ姿を見ていた。

 

「どうして、あの人がここに・・・?」

 

「2人迷い込んできたからデバガメしてたんだよ。

ノエル。

今は事情はすっ飛ばすが、コイツらを保護する。」

 

「え?

う、うん。

わかった。」

 

「こうなったらテメーも道連れだ。

任務中にじっくり説明してやる。

コイツらが風紀委員や生徒会に見つからねーように隠すぞ。」

 

「どういうこと・・・?」

 

ノエルは困惑していた。

 

   ***

 

ノエルは状況をメアリーに説明してもらっていた。

 

「この人たちが・・・ももも、もう1つのグリモアから!?」

 

「コ、コラッ!

声がでけーんだよ!

シーッ!

シーッ!」

 

メアリーは周りを見渡した。

 

「聞かれてねえな?」

 

「誰もいねえぜ。」

 

誠も周りを見渡していた。

 

「だ、大丈夫みたい・・・

なんか変な気分・・・もう1つのって、海外の魔法学園って意味じゃ・・・」

 

「ちげーよ。

話を聞く限り【もう1つ世界がある】んだとさ。」

 

「ウソ・・・じゃあ、わたしやイヴがもう1人ずつ・・・?」

 

「そーゆーことだな。

良介、冬樹も表にはいるのか?」

 

「ああ、いるぜ。

どうも、仲が良くないみたいだがな。」

 

ノエルは良介の話を聞くと苦笑いした。

 

「ありがとう。

そうなんだ・・・でも表でもやっぱり・・・

ううん。

わたしたちみたいになってないなら、まだなんとかなるよね。」

 

「ノエル。」

 

メアリーは心配そうな顔をしていた。

 

「でも、そのほかにもわたしとイヴのこと、ちょっと違うみたい。

後で時間があったら、そのこと話したいな。」

 

すると、誠は良介に耳打ちした。

 

「(良介、俺はいいからお前が聞け。)」

 

「(いいのか?)」

 

「(ああ、俺はあまり冬樹姉妹には触れたくないんでな。)」

 

「(イヴのことか・・・)」

 

良介はため息をついた。

ノエルはメアリーと話していた。

 

「ねえねえ、メアリーさん。

あとでこの人と2人でお話したいんだけど・・・」

 

「エラい簡単に信じるじゃねぇか?」

 

「信じる・・・っていうのかな。

ちょっと違うかな?

もし違うわたしたちがいるのなら・・・もし可能性があるなら・・・

そっちのわたしたちには、頑張ってほしいもん。

それだけ。」

 

「わかったよ。

どっかでスキを見て、2人にしてやる。」

 

「誠。」

 

「言われなくてもわかってる。

その時は俺も席を外すよ。」

 

「メアリーさんは気にならない?

お友達のこと。」

 

「もう聞いたぜ。

アメディック少将のことも含めて、確認した。」

 

「違うよ!

向こうでエレンっていう人とメアリーさんが・・・

どんな感じで一緒にいるかだよ。」

 

メアリーの表情が変わった。

 

「仲がいいんでしょ?

エレンさんがどんな人になってるか・・・

どんな風にメアリーさんと協力してるのか・・・」

 

「そっちの話が本当だったと仮定してだ。

こっちで死んでんのが変わるわけじゃねぇ。

変わらねぇ、からな・・・」

 

メアリーは辛そうな表情になっていた。

 

「やっぱり、メアリーさんも聞くべきだよ。」

 

「はぁ?」

 

「そうした方がいいよ!

絶対!

ね?

後で2人にしてあげるから!」

 

「お、おい、アタイはいい・・・」

 

「そういうわけだから、お兄さんもそのつもりでね。」

 

「ああ、わかった。

(こっちでもその呼ばれ方するんだな。)」

 

「クソッ・・・わかったよ。」

 

メアリーはため息をついた。

 

   ***

 

ノエルはやる気を出していた。

 

「よーし、それじゃ歩哨任務をがんばって、良介さんに話を聞くぞーっ!」

 

「だから大きな声を出すなっつの・・・それに話を聞いたところで意味はねえんだぞ。

お前とイヴがもう1つの世界でどうだろうと、こっちとは違うんだ。」

 

「わかってるよ。

でも、もしかしたらイヴの気持ちがわかるかもしれない・・・」

 

「チッ。

そんなのアテにしてたら、またイヴと大ゲンカするだけだぞ。」

 

「もう、何回ケンカしてもいっしょだよ。

これ以上悪くならないとこまで来ちゃってるし。

それなら、なにしてもデメリットはないでしょ?

それとも、また魔法が暴発してケガしちゃったら、戦力が落ちちゃうから?」

 

「バカヤロー。

そんなのはどうとでもなるんだよ。

何回ケンカしてもいっしょだって考えはやめろ。

テメーら、どっちも仲良くしてーんだろ?

それなのに、なにをどう間違えたらこんな風になるんだよ。」

 

「あはは・・・冬樹家はプライド高いからね・・・」

 

「いったん、話変えるからな。」

 

そう言うと、メアリーは話を黙って聞いていた良介と誠の方を向いた。

 

「おい、良介、誠。

霧の護り手の間ヶ岾 昭三ってヤツ、知ってるか?

アメディック少将と繋がってたヤツだ。

霧の護り手の幹部でな。

そいつのせいで、エレンは裏切り者の娘になった。

なにか知らねぇか。」

 

「間ヶ岾か・・・俺たちの世界の間ヶ岾はたしか死んだな。」

 

「ああ、遺体は俺も見たぞ。

阿川奈にオニが出たときにな。」

 

メアリーは2人の話を聞いて驚いていた。

 

「死んだ?

間ヶ岾が死んだのか?

おい、そんな話は聞いてねぇよな。」

 

「うん。

あの人、今はJGJのスポークスマンだから・・・

霧の護り手出身ってことは公表してないけどね。」

 

「こっちじゃ間ヶ岾はピンピンしてるぜ。

阿川奈にオニとやらも出てねぇ。

去年の12月くらいに表に出てきた。

侵攻後の混乱を狙ってたんだな。

いつの間にかJGJの顔役におさまってて、同時にJGJは共生派に傾いた。

今じゃ霧の護り手のフロント企業さ。」

 

「もしかして【そっち】でJGJがまだ裏切ってないのって・・・」

 

「ああ、間ヶ岾が死んだからだろうな。

第7次侵攻で被害がほとんど出ず、旧魔導科学研究所の調査で・・・

霧の護り手への警戒心が強まった。

間ヶ岾も自由に動けなかったはずだ。

そうこうしている内に、阿川奈のオニでおっ死んじまったってわけか・・・

そっちじゃ、まだ神宮寺一族は健在なんだよな?」

 

「ああ、全員生きてるぞ。」

 

良介がメアリーの質問に答えた。

 

「こっちだと、あの兄妹で生き残ってるのって2人だっけ・・・」

 

「神宮寺 初音をいれて3人だ・・・間ヶ岾が入社してからバタバタ死んだ。

誰も止められなかったよ。

アイツが手を下してたわけじゃねえからな。」

 

メアリーは悔しそうな顔をした。

 

   ***

 

メアリーはノエルの方を見た。

 

「ところで、まーだ一言も話してねぇのか。」

 

「なんのことだ?」

 

良介がメアリーに聞いた。

 

「侵攻のときに珍しく口きいたかと思いきや・・・

大勢の前でケンカしやがって。」

 

「あ、あのときは・・・うん、やっちゃった。」

 

「なにかあったのか?」

 

誠もメアリーに聞いた。

 

「第7次侵攻で2人ともケガしてな。

互いに余計な心配してんだよ。

あんなもん、魔法ですぐ治るのによ。」

 

「だ、だって回復魔法ってとっても魔力がいるじゃない?

わたしは平気だから、イヴのケガを先にって・・・」

 

「互いにそれでなんでケンカになるんだよ。

どっちかが謝れば、それで解決すんじゃねーか。」

 

「わかってる・・・んだけどねぇ。

どうしてだろ、イヴを目の前にすると、そういうの全部吹っ飛んじゃうんだ。

なんで意地になっちゃうんだろう・・・」

 

「わかんねーよ。

だがあの時は2人とも異常だったぜ。

なにせ怒りすぎて魔法が暴発したんだからな。

朝比奈ぐらい特定の属性と相性がよくなけりゃ、フツーはありえねえんだぜ?」

 

「あのときのこと、あんまり覚えてないんだよね・・・」

 

「な?

記憶が飛ぶくらい激昂してたってわけだ。

はたから見てても、修復不可能だって思うぜ。

だが諦めんなよ。

相手が死んだりしねぇかぎり・・・

話すことはできるんだからな。」

 

「うん・・・!」

 

すると、メアリーは何かに感づき後ろを向いた。

良介と誠も同時に振り向いた。

 

「誰だ!」

 

振り向くと沙那が立っていた。

 

「テメーか。」

 

「様子はどうですか?」

 

「見つかってねーよ。

今はどこでも手が足りねーからな。

ちょっと注意すりゃ、1ヶ月は隠せるぜ、きっと。

逆に言や、そのくらいセキュリティがガタガタだってことだ。」

 

「そのようですね。

それで・・・こちらの方たちは・・・どういたしますか?」

 

「同意見だ。

無傷で元の世界にもどってもらわねーとな。

コイツらの話が真実かどうか、確かめることはできねぇ。

だったら信じるくらいしか、好意的に受け取る方法はねーだろ。」

 

「それってどういうこと?」

 

ノエルがメアリーに聞いた。

 

「向こうでエレンが元気にやってんなら、そりゃ夢があるってことだよ。

そんでコイツらの力があったところで、こっちはどうしようもねぇ。

ならまだ夢がある向こうで、力は使ってもらった方がいいって考えただけだ。」

 

そう言うとメアリーは笑みを見せた。

 

   ***

 

少しして、花梨が合流して話を聞いていた。

 

「ん。

わかったすけ。

なんも大丈夫だあ。

良介、誠。

いつ帰れるかわかんねえすけな。

それまでおらの部屋さいろじゃ。」

 

「えっ!?

で、でも・・・さすがにそれだと・・・」

 

「それは・・・さすがに気まずいような・・・」

 

誠は少し引いていた。

 

「どうせおらはずっと学園にいるすけな。」

 

「ま、いいだろ。

学園の教室は原則、誰でも出入りできるからな。

危険だ。」

 

「メアリー、すまねぇな。

協力してもらえて嬉しいべ。」

 

「う、うっせぇ。

コイツらが風紀委員に見つかってゴタゴタが増えると面倒だろ。

それに、少なくとも魔力譲渡の力が【今日まで存在しなかった】のは確かだ。

精鋭部隊にいて知らなかったんだからな。

そんなのが知れ渡ったら、また寝る暇もなくなっちまうぜ。

メンドクセー。」

 

「私はこれ以上関わらない方がよいでしょう。」

 

「そうだな。

悪ぃが、コイツらの前には出てこねぇほうがいい。

この件じゃ協力してるが、JGJが裏切りものには変わりねーからな。

アタイの権限で歩哨はクビだ。

神宮寺と2人で引きこもってな。」

 

「メアリーさん・・・」

 

「お心遣い、痛み入ります。」

 

「ケッ。

裏切りものから礼言われるなんて、世も末だ。」

 

メアリーたちが話していると、良介と誠は汗を拭っていた。

 

「ん?

お兄さんたち、また様子がおかしいよ?」

 

「いや、妙に暑くてな・・・」

 

「そりゃそうだよ。

だって今、9月だもん。」

 

「9月?

俺たちのところまだ7月だったよな。」

 

「ああ、そうだ。」

 

誠の言葉に良介は頷いた。

 

「なんだ、そっちはまだ7月なのか。」

 

「では、1つだけ謎が解けましたね。」

 

「あ?」

 

沙那の言葉にメアリーは首を傾げた。

 

「汐浜の件です。

汐浜ファンタジーランドが襲われたのは7月末ですから。」

 

「ああ・・・なるほど、そっちじゃまだ起きてねぇのか。

2か月・・・2か月、こっちが未来なんだな・・・

なんか意味があるのか?」

 

すると、いきなり鐘が鳴り始めた。

 

「っ!?」

 

「えっ!?」

 

「な・・・・・」

 

「この鐘は・・・」

 

「なんかの合図か?」

 

メアリーは全員に呼びかけた。

 

「総員戦闘配置につけっ!

ノエルっ!

学園生全員集めろ!

出動するぞっ!!」

 

その場にいる全員が大急ぎで動き始めた。

 

   ***

 

花梨がメアリーに聞いた。

 

「お、おい!

良介と誠は部屋さ連れてくでいいのか!?」

 

「チックショウ!

運が悪りーな!

学園生が全員集まるじゃねーか・・・

里中、しばらくここにいろ!

出動したら学園から人がいなくなる!

そしたら寮に連れてって、こっちに合流しろ。」

 

「あ、ああ、わかったすけ。」

 

「お兄さん!

あっちのわたしたちに、よろしくね!

がんばってって・・・伝えておいて!

じゃあね!

バイバイ!」

 

「ノエル・・・!」

 

ノエルは走り去っていった。

 

「では、私も。

初音様とご兄妹に、くれぐれも霧の護り手に注意されるようにと・・・

そして私には、後悔のないように、と。」

 

沙那も行ってしまった。

 

「沙那・・・」

 

良介は後ろ姿を見ていた。

 

「チッ。

遺言みてーな言い方だな。

だが、テメーらとはもう会えねー気がするのも確かだ。

きっと戦ってる間に帰っちまうんだな。

ああ、それがいい。

向こうのアタイに伝えておけ。

調子に乗るんじゃねぇってな。

テメーらは強ぇ。

けど、調子に乗ると、絶対に大事なものを失う。

仲間がいるんなら、それを失わねぇように、気張っときな。」

 

メアリーも行ってしまった。

 

「メアリー・・・」

 

「縁起でもねぇことを・・・!」

 

「まあ、遺言みたいなものだべな。

あの鐘・・・第7次侵攻の後につけられたすけ、知らねぇかもな。

ありゃあ、大規模侵攻が始まったって知らせだ。」

 

「何だと・・・!」

 

「まさか、1年経たずに来るなんて思わなかったすけな。

こうなっちまったら、寮にいてもダメかもしれねぇけど・・・」

 

すると、地面が揺れ始めた。

 

「っ!?

な、なんだ!?

魔物がもう来たべか!?」

 

「お、おい、まさか・・・!」

 

「このタイミングで・・・」

 

誠は良介の方を向いた。

良介は悔しそうな顔をしていた。

 

「あ、わ・・・悪ぃな・・・なしたっきゃ?」

 

「帰る時が・・・来たみたいなんだ。」

 

「おっ・・・こ、これであんたら、帰れるのか?」

 

「ああ・・・」

 

「あぁ・・・そりゃよかった・・・よかったなぁ・・・

じゃあ、やっぱおらの分も伝えてくれじゃ。」

 

「俺が聞こう。」

 

誠が花梨の話を聞くことにした。

 

「そっちはたくさん友達がいて羨ましいすけな。

おらの分も、料理作ってやってくれってな・・・」

 

「お前は来れないのか?」

 

「いや、そっちには行けねぇべ。

こっちにも守らねばなんねぇもんあるすけな。

あんたらに会えて、よかった。

じゃ、な。」

 

「か、花梨・・・!」

 

誠が去ろうとする花梨に手を伸ばそうとした瞬間、良介と誠は光に包まれた。

 

   ***

 

良介は目を開けた。

すると、声が聞こえてきた。

 

「おい!

オラ、起きろ!

アサヒナ!

電気ショックだ!」

 

「やんねーよ。

ホラ、もう起きるぜ。」

 

「痛てて・・・ここ、山か?」

 

良介は起き上がった。

いつの間にか戦闘服から制服に戻っていた。

戻ってくる際に変身が解けたらしい。

目の前にはメアリーと龍季が立っていた。

 

「チッ。

なにこんなとこで寝てんだ。

つーか半日も行方不明ってどういうことだよオラ!

テメーらが途中で消えたからな・・・

アタイがなんかやったんじゃねぇかって疑われてんだよ!」

 

「わかったわかった。

何があったかは今から説明する。

だから聞いてくれ。」

 

「オーケー、今から一歩でも道をそれたら蜂の巣にしてやる。

黙ってついて来い。

事情は全部そこで話せ。

誠はもう連れてったからな。」

 

「わかったよ・・・」

 

良介はため息をついた。

すると、龍季が話しかけてきた。

 

「テメェ、なんて顔してんだ・・・誠もそうだったけど、嫌な夢でも見たのかよ。」

 

「ああ・・・まぁ・・・嫌な夢、かもな。」

 

「行方不明・・・まさか、霧の嵐・・・か?

テメェら、裏でなんか見てきたってえのか?」

 

「わかるか・・・まぁ、色々とな・・・」

 

「クク、ちょうどいい。

それも話してもらおーじゃねーか。

来い。

ドクター・宍戸の研究室だ。

今度こそ行くぜ。」

 

「ああ、わかったよ。」

 

メアリーは良介の顔を見た。

 

「なんだよその顔。

ケンカ売ってんのかよ?」

 

「いや、別に。」

 

「調子狂うぜ・・・」

 

メアリーはため息をついた。

良介はメアリーの後を黙ってついていった。

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