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茶道部部室。
夏海が茶道部の3人と話していた。
「ってことで、天文部の特集組むつもりなんだ。
とりあえず、部長のミナについて知ってることとか、聞かせてくれない?」
「わたくしの知らないことをたくさんご存知ですね!
ええと・・・神話というものですか?
あんなに詳しいのは凄いと思います!」
「おー!
詳しいと言えば、いんぐりっしゅにも詳しいですねー!
まいんど・・・なんとかとか、ふぉーりん・・・なんとか!」
葵とソフィアは楽しそうに話した。
「アレはあだなみたいなもんだからね・・・」
「絶賛中二病中なんやろ?
ホントカワイイわ~っ♪」
「ちゅうにびょう・・・風槍さんは御病気なのですか!?」
葵は香ノ葉の言葉を聞いて驚いた。
「あ、それは後で説明するから。
それで最近なんだけどさ。
ちょっと調子悪かったみたいじゃん?
なんか変わったこと言ってなかった?」
「あの子いっつも変わったこと言っとるやん?
あー、でもなんか騒いでたのは見たなぁ。」
「お、どんなこと?」
「生徒会長に向かって【卒業したんじゃないの】みたいなこと言ってたんよ。
すごい変なことやったから、よう覚えてるんよ。
5月やったかなぁ?」
「ふむふむ・・・やっぱり卒業したはず、か。」
夏海はメモを取った。
「でもまぁ、いつも通りやから。
そんな重要なことやないと思うえ。」
「いつも通りで、体調崩すほどふさぎ込むかなぁ?
ま、いいや。
ミナのその言葉、ソフィアや葵は聞いてない?」
「いえ、わたくしはその場におりませんでしたから。」
「ワタシも聞いてませんねー!
いんぽーたんとなことでしょーか?」
「あ、ううん。
そんなでも・・・ありがとね!」
夏海は茶道部部室から出た。
「ふーむ・・・やっぱりこれ以上のことはわからないわねぇ・・・
それもそうか。
みんなにループしてるかもって意識がなければ・・・
ミナが嘘ついてるってだけだもんねぇ。
あたしもどっちが正しいやら・・・
ま、怜の責任感を満足させるためのことだからね!
こっちをはやく片付けて・・・怜には良介に集中してもらわないと!
一触即発!
良介をめぐる恋の行方は!?
まさかの風紀委員参戦!
だと思うんだけどなぁ。
怜ったら自覚なさそうなんだから、どうしよ。」
夏海は悩みながら廊下を歩いていった。
***
山奥。
良介とミナは歩きながらデバイスを見ていた。
「やっぱり飛んだ!!
飛んだって!
ほら見ろ!」
ミナはデバイスを良介の顔をに突きつけた。
「わかったわかった。
デバイスの画面を近づけるな。」
「さっきの場所がここだろ、で、今はここだって!
おかしいだろ!?
我は見たぞ!
魔物が【異界の言霊】を口にした途端、我らの体が飛んだ。」
「なに言ってるんだお前・・・」
「なんで気づかないんだ!
あんなにはっきり時空がねじれただろ~!」
ミナは良介のマントをグイグイと引っ張った。
「首締まるから引っ張るな!
まったく・・・」
マントをミナから離させた。
「あ、あの・・・ホントに気付かなかったの?」
「ああ、まったくなんのことかわからんな。」
「ホントに?
だ、だってあれ、あんなに暗い闇が我ら2人を覆って・・・」
「俺はそんなの見てないぞ。」
「ミナ、変なことなんて言ってない。
ホントに見たのに・・・」
良介はあることに気づき、ミナになんとなくで聞いてみた。
「ミナ、それはいつ見たんだ?」
「見たときのこと?
あ、ああ、確か眼帯が取れかけて・・・」
「両目で見たのか?」
「両目?
う、うん、そうだったな。
両目で見たら、ヤツの放った闇が・・・」
すると、ミナは何かに反応した。
「わっ!
ま、また来るぞ!
あっちだあっち!」
ミナが指差した方向には魔物がいた。
すると、良介は咄嗟に反応し、地面に右手をつけると、魔法陣が現れた。
魔物は風の拘束魔法で身動きができなくなった。
「ミナ。
拘束魔法ごとやれ。」
「わ、わかった。」
ミナは魔力を溜め、強烈な一撃を放った。
「はぁっ!」
魔物はミナの魔法が直撃すると、拘束魔法ごと消え去った。
***
魔物を倒し終えた良介とミナは周りを見渡していた。
「な・・・なんか知らんが、魔物の力で強制転移させられてたみたいだ・・・
しかも我以外、それに気づかないとは・・・やはり【組織】の手先か!
まあ!
こうやって屠ってしまえば、なんの問題もない!
そうだろ?」
「ミナ、目は大丈夫なのか?」
良介はミナの目のことを心配していた。
「あ、目?
う、うん、今はもなんとも・・・向こう側とか見えない・・・
魔法も使ってないのに目が変になったなんて・・・気味が悪いだろ・・・」
「そんなに気味悪く感じるなら変な言い回しとか呼び名とかもやめたらどうだ?」
「か、疾風の魔法使いはいいんだよ!
カッコいい!
サーヴァントもいいんだ!
本に書いてあったから!
【組織】も、【円卓の騎士】もいいんだ!
ホントだったらカッコいいだろ!?
で、でも目が変なんて、ホントだったら、怖いじゃないか!
普通、目は物をすかしたりできないんだから!」
「とりあえず、眼帯しておいたらどうだ?」
ミナは外れた眼帯を付け始めた。
「うん、眼帯、しておく・・・これでごまかせると思う・・・」
ミナは眼帯を付けると、2人は他のメンバーを探しに行った。
***
良介とミナは学園へと戻ってきた。
「だ、大丈夫だよな?
我のこと、黙っていてくれるな?」
「ああ、もちろんだ。」
「うむ、よし!
サーヴァントたるお前は知っていても問題ないだろう!
我とお前は秘密を共にする関係になったのだ!
ありがたく思え!」
「まーたいつもの調子に戻ったか・・・」
良介はミナを見て呆れた。
「あまり調子に乗ってはいかんぞ、ミナ。」
ミナの背後から恋がやってきた。
「わっ!
な、なんだ恋か。」
「どうじゃ、良介に知られてしまったんじゃ。
天文部の他のメンバーも信用してはどうかな。」
「う・・・で、でも、サーヴァントみたいに信じてくれるかわからない・・・
変な奴だって嫌われるかも・・・」
「信じてやれ、とは気軽に言えんがのう。
ヤツらもお主のことが好きなんじゃぞ。
わっちに負けないくらいのう。」
「ほ、ほんとに・・・?」
「ほんとじゃとも。
じゃないとこれまでついてきておらんわ。」
ミナは良介の方を向いた。
「サ、サーヴァント・・・どうしよう。
我は言った方がいいのか?」
「どうしてそんなこと聞くんだ?」
「だって・・・こんな苦しみなんて、知っても面倒くさいだけだろう・・・」
すると、恋がミナに話しかけた。
「例えば、心が急に体調が悪くなったとする。
なにか心配事があってそうなったように見えるが、理由は話さん。
どんどん悪くなっていくが、やっぱりなにも話さん。
お主、どうする?」
「そ、それは・・・なにがあったのか知りたい。」
「知ってどうする?
たいてい、お主じゃ解決できんことじゃぞ。」
「そ、そんなのわかってるよ!
でも、一緒に何か考えることはできるだろ!
それができなくても、心は我の・・・と、友達だから・・・」
恋は黙って話を聞いていた。
「のう?」
「うん・・・わかった。」
良介はミナの様子を見て、笑みを浮かべた。
「サーヴァント、恋、一緒に来い!
我の目について、みんなに話す。
話してこれまでのことを謝る!」
ミナは先に行ってしまった。
「他の生徒には話せんことじゃわ。
じゃが天文部は・・・
一心同体でおりたい者たちの集まりじゃからのう。
わっちはこれで絆が深まると確信しておるよ。」
「俺もそう思うよ。」
「さあ、良介。
お主も来い。
みんなで一緒に報告に行こう。
クエスト中、ミナを守ってくれてありがとう。
感謝するぞ。」
恋はミナの後を追いかけていった。
「秘密・・・か。」
良介は自分の胸を見ると、胸に手をやった。
「俺もいつか話さなきゃいけない時がくるのかね。
誠以外のやつに封印のことを・・・」
良介はそう呟くと、ミナと恋の後を追いかけていった。