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ある日の学園の校門前。
良介とミナと恋がいた。
「えー!
ミ、ミナだけ・・・?
なんで!?
恋は!?
天文部のみんなは!?」
ミナはクエストに行くメンバーを聞いて、天文部のメンバーが入っていないことに驚いていた。
「だから、今回は選ばれた生徒しか行けないんじゃって。
最近クエストに出た者や、働きすぎな生徒が優先で行くんじゃろ。」
「あー、だから俺が一番最初に選ばれたわけか。」
良介は恋の説明を聞いて納得した。
実際、良介はかなりの数のクエストを受けていた。
「それなら、みんなだって一緒に行ったじゃん!
なんでミナだけなの・・・?」
「今回は初田村だろ?
あそこはいい静養地なるだろ。」
「でも、ミナ・・・一人で大丈夫かな・・・恋、いないし・・・」
「大丈夫じゃって。
ほら、良介もついとる。
なぁ、そうじゃろ?」
「ああ、大丈夫だって。」
良介はミナの肩を軽く叩いた。
「サーヴァント・・・ククッ。
いいだろう、我もたまには、つかの間の安息を得るとしよう。
サーヴァントよ、行くぞ!
いざ、未開の桃源郷へ!」
ミナは走って行ってしまった。
「あ、ミナ!
そうは言っても、クエストだから遊んでばかりじゃ・・・!」
恋の声はミナには聞こえていないようだ。
「やれやれ、もういつもの通りになったか。」
良介はミナの背中を見ながらため息をついた。
「すまんな、良介。
ミナをよろしく頼む。」
「わかった。
けど、本当に恋がいなくて大丈夫なのか?」
「なあに、お主がついとるからわっちは心配しとらんよ。
お主も、ゆっくり休んでこい。
学園は任せておけ。」
「・・・わかった。
んじゃ、行ってくるよ。」
良介は恋に軽く手を振ると、ミナの後を歩いて追いかけていった。
良介が行った後、校門前に兎ノ助が遅れてやってきた。
「うぉ~い!
ワリィ、遅くなった!
今回のクエストはだな・・・
あ、あれ?
誰もいない・・・もしや、もう行っちまった?」
兎ノ助のところに恋がやってきた。
「ちょっと遅かったようじゃの。」
「あ~やっちまった。
ちゃんと説明するように言われてたのに。
ま、いっか。
休むのがメインのクエストだし、なんとかなるだろ。」
「そういえば、なんで初田村の警備は休養がメインなんじゃ?」
「人里を離れると、魔物が出やすいだろ?
帰省シーズンで、みんなが田舎にいる間に魔物が発生したら事だからな。
何かあってもすぐに出動できるように、俺らが特別警備にあたるってわけだ。
と、言っても。
過去に一度も魔物が出たことはない。
だから、警備と言いつつ、休んでもらうのが目的だったりする。」
「ふむ・・・それで、休養を兼ねているということか。」
「あそこはいい所だぞ!
自然がいっぱいで、すげー癒される。」
「お主、行ったことあるのか?
学園から出られないと聞いておったが。」
「写真で見ただけです。」
兎ノ助の言葉を聞いて恋はため息をついた。
***
良介たちは初田村に到着した。
「見ろ!
見ろ!
サーヴァント!
山があるぞ!
川があるぞ!」
「おい、ミナ・・・」
ミナはすぐ近くの木に走っていった。
「あ、あれは、魔樹に宿りし双角の精霊・・・またの名をクワガタ!
サーヴァント、そやつをひっとらえろ!
早く!
逃げちゃうだろ!」
「おい、今・・・」
2人のところに聖奈がやってきた。
「おい。
さっきから何をはしゃいでいる。
クエスト中だぞ。」
「なっ。
お、お前は、闇を統べる金庫の番人・・・!」
「番人・・・?
なんのことか分からないが、遊びは後だ。
衣食住は村の人に提供してもらう。
その分はしっかり働け。
働かざる者食うべからずだ。
分かったら手伝いくらいしてこい。」
ミナは聖奈の話を聞くと肩を落とした。
「え・・・ミ、ミナ・・・そんなつもりじゃ・・・なかったのに・・・」
そこに花梨がやってきた。
「まぁまぁ、結城。
それくらいにしとけ。
ミナも、ちょっとくらい浮かれてただけべ。
なぁ?」
「か、花梨?
花梨も来てたの?」
ミナは花梨を見て驚いた。
「んだ?
知らなかったかぁ?」
「あ、あのさ。」
「ん?
なしたっきゃ?」
「こないだの・・・ハンバーグ、ありがと。
お・・・おいしかった。」
「なあんも。
どういたしまして。
夕飯頼まれてるすけ、今夜もハンバーグにすっかぁ?」
「ほんと!?
食べたい!
花梨のハンバーグ!」
「だば、いっぱい働いて、お腹空かしておけよぉ?」
「よし!
サーヴァント、魔境へ行くぞ!
ほら、人助け!」
ミナは走っていった。
「お見事だな。」
聖奈は花梨に話しかけた。
「なんのことだぁ?」
「いや、何でもない。
私も村の人を手伝わなくては。」
「おめさもよ、あんまりムリするなんね。
今日くらい羽伸ばせ。」
「ああ。
そうだったな。
気をつけよう。」
聖奈も人助けに向かった。
***
少し経った頃、ミナは地べたに膝をついていた。
「はぁ・・・はぁ・・・疲れた。
もう走れない・・・
クク・・・しかし、これだけ世の理に関われば、あの金庫番も我を認めて・・・
くれるかな。
またきっと遊んでるって思われるかな・・・
いや、いいのだ!
我にはサーヴァントがいるんだから!
さあ、双角の精霊狩りの途中であったな!
いざ、聖戦へ・・・!」
ミナは走り始めた。
「おい、あまり走ったら・・・」
すると、ミナは盛大に転倒した。
「ぷぎぇっ!」
その近くにはゆえ子がいた。
「はっ。
なにかが今、倒れたような・・・」
ミナはすぐに立ち上がった。
「な、なんだお前!
こんなところで寝るな!」
「ゆえ子、こんなところでなにやってるんだ?」
良介は座り込んでいるゆえ子のところにやってきた。
「すみません。
暑さで気を失っていたようです・・・」
「ん?
その闇に染められたローブ・・・お前、まさか・・・
幻影の魔術師、サーチアイだな!」
「ふぁんと・・・マジシャ・・・?
はぁ。
ゆえにそのようなあだ名が・・・」
「こいつぐらいしか言ってねえよ。」
良介はため息混じりに言った。
「クックックっ・・・噂で聞いていたが、こんなところで会うとは・・・
サーチアイ、我に未来の神託を与えよ!
千里眼!」
「千里眼はありませんが・・・では、占ってみましょう。」
ゆえ子は占いを始めた。
「むむ。
ほほぉ・・・むにゃ・・・むむ・・・
なるほど・・・では、これをどうぞ・・・」
ゆえ子はミナに何かを手渡した。
「星図?
ほほう?
我に献上品とな・・・サーチアイよ。」
「はい。
あなたがこれを持つ姿が視えました・・・」
「ふむ。
では、我の邪眼によって、この星やどりの銀盤を・・・
あ、あれ?
おかしいな・・・盤面が2重に見える。
おい、これおかしいぞ!
去年の星図が重なってて見にくいではないか!」
「おかしいですね。
これは今年のしか記されていませんが・・・」
「ミナ、どうしたんだ。」
「そ、そんなこと・・・!
だって、2重に見え・・・」
「どうかしましたか?」
「う、ううん・・・なんでもない。
もしかして・・・またミナにしか、見えてないの・・・?」
ミナが星図を見ながら首を傾げていると、花梨がやってきた。
「お~い。
夕飯できたぞー。」
すると、ミナは星図を花梨に見せた。
「か、花梨!
これ!
土星、何個に見える?」
「お?
んー、土星は1個じゃねぇかなぁ?」
「花梨まで・・・まさか、この目が・・・?」
「なしたっきゃ?
その星図、買ったのか?」
「えっと・・・サーチアイがくれた。」
「あら、よかったなぁ。
ちゃぁんとお礼を言ったか?」
「ま、まだだった・・・あの・・・ありがと。」
ミナはゆえ子にお礼を言った。
「いえ。
どういたしまして。」
すると、ミナはどこかに歩いて行ってしまった。
「どれ、みんなで夕飯にするべ。
ミナの大好きなハンバーグにしたすけな。
たーんと・・・」
花梨はミナのいた方を見ると、ミナはそこにいなかった。
「あ、あれ?
ミナ?
どこさ行ったべ?」
良介は黙ってミナが歩いて行った方向へと向かった。
***
ミナは村の近くの川に来ていた。
「やっぱ、違う。
この星図、今年のじゃない。
だって、み、見たもん。
天文部で・・・卯衣が・・・
星は毎年違うって、言ってたんだもん・・・だから・・・
ミナは間違ってないのに・・・なんで信じてもらえないんだろう。」
ミナは星図と星空の星の位置を見比べていた。
そこに良介と花梨がやってきた。
「ミナ、こったらとこさいたべ。
心配しちゃうじゃよ?」
「何やってんだよ、こんなところで。」
「か、花梨・・・!
それに、サーヴァント!
な、何でここに!?」
「星図持ってたからな。
見晴らしいいところにいるんじゃないかと思ってな。」
「ミナ、さっきの土星のこと気にしてるっきゃ?」
「あれは・・・我の見間違いだ。
気にするな。」
「おらには見えなかったけんど、ミナは本当に見えたっきゃ?
だったら、おらはそれを信じるすけ。」
「し、信じるだと・・・!?
ミナを!?
な、なんで・・・」
ミナは花梨の言葉を聞いて驚いた。
「良介から、あんたの目のこと聞いたすけ。
苦労してたんだなぁ。
ずっと不安だったんじゃねえか?」
「か、花梨・・・ミナの目のこと、信じてくれるの?」
「んだんだ。
あんたはさ、難しい言葉使うけんど、ちゃぁんと正直すけな。」
「でもミナだけ、みんなと違うこと言うから・・・変なやつって思われてる。」
「そっかぁ?
おらみんな、あんたのこと心配なように見えるけんど。
だすけ、ミナも。
よーくみんなの話、聞いてみてけろ。
あんたが嘘つきなんてよ、だぁれも思ってないすけ。
なぁ?」
「ああ、実際ミナは本当のことしか言ってないしな。
変な言葉を言うことが多いだけで。」
「そんなこと言ったって・・・」
すると、聖奈とゆえ子がやってきた。
「風槍!
ここにいたのか!
夕飯も食わずにこんなところに・・・心配したぞ!」
「や、闇の金庫番・・・!!
わわわ、我を永遠の呪縛に陥れようと・・・!」
「はぁ・・・はぁ・・・よかった・・・ゆえは、もうダメで・・・す・・・」
ゆえ子はその場に倒れてしまった。
「サ、サーチアイ!?」
「西原!
もう休んでいろ。
よくやった。
まったく、山歩きなど不向きなのに・・・頑張ったな。」
「なんで・・・どうして2人がここに・・・?」
「お前は大事な学園生だ。
生徒会として、お前を守るのが私の役目だ。
勝手な行動は慎め。
事件が起きてからでは遅いのだ。
それから・・・
何かあったなら話せ。
突然消えて、心配したぞ。」
「き、金庫番・・・
ミナのこと・・・本当にみんな、心配してくれてたんだ・・・」
ミナは少し黙るとみんなに頭を下げた。
「ご、ごめんなさい。
ミナ、何も分かってなかった。」
「謝らなくていい。
早く宿に戻るぞ。
それと、良介。
西原をおぶってやってくれ。
こういう時は男手が頼りになる。」
「わかった。
それじゃ、戻るか。」
良介はゆえ子をおぶると、宿に戻りに向かった。
***
翌日、校門前。
恋がみんなの帰りを待っていた。
「そろそろ帰ってくるはずじゃが・・・」
すると、ミナの声が聞こえてきた。
「そして奴は組織を抜け、我が眼に主従の刻印を・・・」
「やけに元気な声じゃのう?」
「ククク・・・そして我は双角の精霊の召喚に成功・・・
あ、恋!
我が宿命に、血の盃を交わせし友の生誕を祝うぞ!」
「お、落ち着け。
一体、何があったんじゃ。」
そこに、花梨がやってきた。
「ミナなぁ、西原や結城、みんなとすっかり仲良くなっちまってなぁ。」
「何っ?
ミナがか?」
「これから2人を天文部へ案内する約束となっている。
恋!
今すぐ円卓の騎士達を集めよ!
宴の準備だ!」
ミナは走って行ってしまった。
「ミナがわっちら天文部以外と親しくなるとはな・・・一体、何があったんじゃ?
ふむ・・・良介。
きっとお主のおかげじゃろ。」
「さあ、どうかな。」
「話はミナからゆっくり聞くとしよう。
ありがとう。」
恋もミナの後を追いかけていった。
「それにしてもよ、すっかり元気になったべ。
あいつが見たものは何かは分かんねぇけんど・・・
いつか、みんなで解決してやりてぇなぁ。」
「そうだな、いつか解決することができればな。」
「そうだ。
良介、腹減ってるっきゃ?」
「ん?
まぁ、少しは・・・何でだ?」
「小蓮が、たくさん料理準備してるらしいすけ。
一緒に行くっきゃ?
みんな待ってるすけな。」
「待ってくれてるなら行くしかないな。
それじゃ、向かうとしますか。」
良介と花梨は料理部の部室に向かった。