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休憩を終えた良介は再び見回りに向かっていた。
すると、聖奈と合流した。
「見回りはどうだ?
問題ないか?」
「ああ、大丈夫だ。
そういえば、ありすは社務所で休憩するらしい。
人ごみで疲れたんだろう。
怜に任せておけばいいだろう。」
「そうか。
それでは、私はもう少し巡回してくる。」
「聖奈。」
「ん?
なんだ。」
「少しは休憩したらどうだ?」
「私はいい。
生徒達が無事に祭りを楽しめるほうが大事だ。
今のうちにめいっぱい息抜きしてもらおう。
来年は祭りが出来るかどうかわからんからな。」
「そうか・・・そういえば、さっき卯衣と会ったんだ。
1人でいいって言われて、逃げられてさ。
軽々と人を避けていってたけど、そういう機能でもあるのか?
多分、夜店を見ているはずだから、このあたりに・・・」
すると、聖奈が何かに気づいた。
「あれは!」
良介は聖奈が向いている方を見ると、卯衣が1人で歩いていた。
「いた!
あそこか!」
2人は急いで追いかけようとしたがすぐに見失ってしまった。
「見失ったか・・・どこだ?」
「多分、まだそう遠くに行ってないはずだが・・・もう一度話せば、立華も素直に同行してくれるだろう。
見つけたらすぐ合流してくれ。
頼んだぞ。」
「ああ、わかった。」
良介は卯衣を探しに人ごみの中に入っていった。
***
少し時間が経った頃、聖奈は1人で人ごみの中を歩いていた。
「どこへ行ったんだ・・・」
すると、そこへ良介がやってきた。
「よう、聖奈。」
「ああ、良介。
立華とは会えたか?」
「実は・・・さっき一度合流したんだが、一瞬目を離したらいなくなってな・・・」
「またはぐれたのか?
ううむ、この人の多さではな・・・魔力切れも心配だが、実は・・・立華と少し話がしたいのだ。」
「話?
何かあったのか?」
「いや、気になることがあってな・・・なあ、良介。
私は朱鷺坂や遊佐の話をどこか他人事のように聞いていた。
当事者意識が薄かったのだと・・・今になって思う。
お前は裏世界に行って、驚いたか?
動揺したか?
自分があちらに存在しないと知って、どう思った?」
「そりゃあ、驚きもしたし、動揺もしたさ。」
「そうだろうな。
私も・・・いや、聞き流してくれ。
なにかあったかと言われると、わざわざ話して不安を煽るものでもない。
あくまで推測だと、如月は言った。
けれど・・・なんの気なしの雑談が、謎の引き金になるとはな・・・すまない。
私が少し考えすぎなのかもしれん。」
「とりあえず卯衣を探そう。
会えたら、俺も一緒に聞こう。」
「ありがとう。
それでは、行こうか。」
2人は卯衣を探しに再び歩き始めた。
***
良介は1人で屋台の近くを歩いていた。
すると、話をしている天と龍季に会った。
「あら?
良介じゃない。
アンタもあちこち大変よねぇ。
もうすぐ花火だから、目ン玉かっぽじってよく見ときなさいよ?」
「良介。
オメー、立華と結城はどうしたんだよ。
放ってきたのか?」
「へー、あの羽コンビも来てるの?
こういうトコで遊んだりすんのね。」
「羽コンビ?」
「2人とも戦闘時に羽を出すでしょ。
知らないの?」
「ケンカ相手でもなきゃ、他人がどう戦うかなんてあんま興味ねーよ。」
「出た、分析をしないヤツ。
なんでも真正面から殴れば済むと思ってんでしょ。」
「あァ?
テメー、殴られてぇのか?」
「ほーらね。
好奇心のないヤツは、進歩しないんだから。
その分じゃアンタ、羽のことなんにも知らないんじゃない?
任へなはい。
はふっ・・・ふぁ、わかりやふ~く教えてはぇるわ!」
「おい、食いながら喋るな。」
食べながら喋る天を良介は注意した。
だが、天はそのまま食べながら説明し始めた。
「だぁら、忙しいっつってんだろ。
そういう話は良介に・・・」
龍季に話されても天は構わず説明を続けた。
「耳の穴詰まってんのか?」
「さて、必要以上に巻き込まれない内に行くか。」
良介は2人にバレないように静かにその場から立ち去った。
***
良介はその後、聖奈と再び合流し、卯衣を探していた。
すると、1人で歩いている卯衣を見つけた。
「結城さんに、良介くん?」
「やっと会えた・・・立華、お前と話がしたかったんだ。」
「構わないわ。
なんの話かしら・・・」
「2人とも、もう少し静かなところに行こう。」
3人は人があまりいない神社の近くにやってきた。
そこで、聖奈は卯衣と話をした。
「如月さんがそう言っていたのね。
私の羽について、あなたと関連する記録はない。
ドクター・・・宍戸 結希からそういった共有もない。
つまり私に心当たりはないわ。
羽の類似性については、ごくまれに見受けられる事象ではある。
しかし、その確率は低い。
まず、ないことという認識。
私から言えることは、このくらい。」
「そうか。
ただの空似だから考えすぎ、と言われたら・・・それまでだ。
確証はないし、勘だと言ったら笑われてしまうかもしれない。
だが、お前と私の羽が似ているのは、偶然ではないと思う。」
2人の話を聞いていた良介が話に混ざってきた。
「そう考えるのは自然だろうな。」
「でも・・・ごめんなさい。
私にも、これ以上はわからないの。」
「いい。
確か発見された当時、お前は記憶がなかったのだったな。」
「破損データになんらかの情報は含まれていたかもしれない・・・」
「なあ、卯衣。
お前はどう思ってるんだ?」
「私・・・私は・・・羽の類似性と私達の共通点について、極めて重要だと考える。
それを紐解くことで、私の存在について・・・大きな情報が得られる可能性がある。」
卯衣は一度少し黙ってから口を再び開いた。
「マスターの願いは、私の願い。
もしかして破損ではなく、最初から記録がない。
もしくは・・・」
「故意に消去された・・・か。」
「それを知るのは、マスターの意志に反する行為かもしれない。
けれど、あなたと私の類似点が示すことを・・・私も、知りたい。」
それを聞いて、聖奈は軽くため息をついた。
「どうしたの?」
「立華がそう言ってくれたら、なんだか力が抜けた。」
「なぜ?」
「ほっとしたんだ。
1人で抱えるには、その・・・」
「重い案件だったってことだな。」
「はは・・・なんだか情けないな。」
「そんなことはないわ。
悩みは分かち合うものだと、天文部で教わった。
ましてや、これはあなた1人の問題ではない。
私にも共有してほしい。
話してあなたの気持ちが軽くなるのなら、なおさら。
私にとっても、それは大切なことだと思うから。」
「立華・・・ありがとう。」
良介は2人の会話を見て、笑みを浮かべながら1人で見回りに向かった。