グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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 それでもOKという方は、よろしくお願いします。


第91話 第3回裏世界探索

校門前、虎千代と兎ノ助が話していた。

 

「まずは第8次侵攻が来なくてよかった・・・けど、すぐさま出る必要あんのか?」

 

「軍備は1日経つごとに金を食う。

もともと、第8次侵攻が起きない場合は・・・すぐに、用意していた国軍、JGJ傭兵部隊と共に裏世界へ行く計画だ。」

 

「なるほどなぁ。

国軍もJGJも、裏世界には興味を持ってる。

決定的証拠がないまま軍事増強してくれたのもそれが理由か。」

 

「ああ。

少し騒がしくなるが、頼んだ。

薫子たちと服部を置いていく。

念のため、警戒は続けてくれ。

9月27日を過ぎた以上、問題はないはずだ・・・が、ゼロじゃないからな。」

 

「え?

お前も行くの?

会長が?」

 

「今回はワケありでな。

つかさも、朱鷺坂も、東雲も連れていく。

精鋭部隊と、あとは良介と誠もだ。」

 

「ま、マジか。

なんだっけ、結希を探しに行くんだっけか?」

 

「そうだ。

2月に裏世界に行った際、ドローンを打ち上げた。」

 

「結希と天が地形を把握するために使ったヤツのことか?」

 

「ああ。

そいつがしばらく、向こうの捜索をしてくれてな。

東の方に、見慣れないビルが建っていた。」

 

「それは・・・こっちにはない建物ってことか?」

 

「そうだ。

破壊されつくした裏世界で、植物に埋もれながらも形を残した・・・住居たりうる建物だ。

裏世界の遊佐の情報が決め手になった。

その建物はゲネシスタワーという。」

 

「ゲネシスタワー・・・仰々しい名前だな。」

 

「国軍の建てた、人類の最終防衛拠点だ。」

 

「えっ?」

 

兎ノ助は虎千代の言葉を聞いて驚いた。

 

「第8次侵攻後、再起をはかった国軍は、戦力をそのタワー周辺に集めた。

おそらくは・・・宍戸 結希も。」

 

「それが、鳴子の情報に?」

 

「全て書かれていた。

宍戸がいるか確証はないが・・・もはやそこ以外に、安全に暮らせるところはないということだ。」

 

「だから、アイラやチトセ、良介や誠を連れていくのか。」

 

「そうだ。

ゲネシスタワーには宍戸以外にも生存者がいる可能性がある。

可能ならば・・・そこの人間全員を、表世界に連れてくるぞ。」

 

虎千代はゲートがあるところへと向かった。

 

   ***

 

裏世界、グリモアの生徒たちはゲネシスタワーの近くまで来ていた。

良介たちはゲネシスタワーへと繋がる道を歩いていた。

 

「しかし朱鷺坂の奴め。

妾を強引に連れてきおって・・・前から思うとったが、ヤツはなにがやりたいんじゃ?」

 

つかさはアイラを見つめた。

 

「まさか貴様、気づいていなかったのか。」

 

「なにをじゃ。

お主、ヤツの目的を知っとるのか。」

 

「いいや。

私の知っていることはもっと別だが・・・ククク、貴様も意外と抜けているんだな。」

 

「はぁ?

お、お主、急になにを・・・」

 

「生天目、そのことを誰かから聞いたのか?」

 

虎千代はつかさに尋ねた。

 

「なぜだ。

戦ってみればすぐにわかるではないか。」

 

「お前、いつ朱鷺坂と・・・ああ・・・最初にここを訪れたときか。

気づいていたならもっと早く言え。」

 

「まるで同じなのに、貴様も気付かなかったのか?

フン、呆れたものだ・・・」

 

「ええい、生天目までバカにしおって!

早う言わんか!」

 

「せっかくの機会だ。

自分で考えてみろ。」

 

つかさは先に行ってしまった。

 

「お、おのれ!

ヤツにバカにされるのがこんなにも歯がゆいとは・・・!」

 

「東雲。

朱鷺坂がお前に頼んだんだな。

この捜索に参加するようにと。」

 

「ああん?

そうじゃよ。

なんじゃ、お主もなんか知っとるんか。」

 

虎千代は少し黙った。

 

「そうか、なら・・・全て話すつもりか。」

 

「おい、お主、ヤツから聞いておるのか。」

 

「全て、聞いた。

アタシに話したのは、心に区切りを付けるためか・・・?」

 

「じゃからなぜ言わん!

そこまで引っ張ったんじゃ、言えっつの!」

 

「おそらくアタシから言っていいことじゃない。

朱鷺坂が自分で伝えなければならないことだろう。」

 

「なぜじゃ。

妾とあやつに関係しとる・・・アイザックのことか?」

 

「それもあるかもしれん。

とにかく、タワーを目指そう。

アタシたちの目的は宍戸だ。

それを忘れるな。」

 

「けーっ。

どいつもこいつも。

妾をのけ者にしおって。」

 

「東雲センパイ!

僕も皆さんがなにを言ってるかわかりません!」

 

真理佳が話に混ざってきた。

 

「よーしよし、お主は妾の味方じゃな!

さすが下僕2号!」

 

「下僕・・・2号?」

 

「1号は良介。

じゃから2号じゃ。」

 

「いつ俺がアイラの下僕になったんだよ・・・」

 

「それで、良介、お主はなにか知っとるか?」

 

「・・・さあな。」

 

「その様子・・・知っとるようじゃな。

妾の下僕のくせに生意気な。」

 

「良介、知ってるのか?」

 

誠が良介に尋ねた。

 

「話とかしてたら雰囲気的になんとなく、な。」

 

「なら、3号、お主はどうじゃ。」

 

アイラは誠を指差した。

 

「え、俺、3号なの?」

 

誠は呆れた顔でアイラを見た。

 

「それで、どうなんじゃ?」

 

「悪いけど、俺も・・・」

 

「なんで、お主まで・・・!」

 

「誠、どうやって知ったんだ?」

 

「俺も話とかする機会が多くてさ。

そのときにもしかして・・・って思ってさ。」

 

「その感じだと本人には聞いてないみたいだな。」

 

「いや、聞いちゃまずいかなって・・・」

 

話をする2人を睨んでいたアイラに虎千代が話しかけた。

 

「東雲。

悪いが円野を借りるぞ。

円野。

お前はこのパーティでは機動力に優れている。

ひとっ走り、タワーまで行ってくれ。

まずあそこに人の気配がするか、確かめて欲しい。」

 

「は、はい!

僕1人でですか?」

 

「むこうのチームからも1人出る。

この途上になにか無いか・・・終点のタワーになにか無いか、チェックしてくれ。」

 

「了解しました!

すぐに行きます!」

 

真理佳は虎千代の指差した方向へと走っていった。

 

「へぇ、あいつしばらく見ないうちに動き変わったな。」

 

良介は真理佳の動きを見て感心した。

 

「アレで実戦を積めば、まだまだ伸びるぞ。」

 

アイラは笑みを浮かべた。

 

「ああ、だが・・・裏世界はなにが起きるかわからん。

まずは様子見からだな。

成長は表のほうでしてもらおう。」

 

虎千代は真理佳の後姿を見ていた。

 

   ***

 

鳴子はデバイスで良介たちの会話を聞いていた。

 

「生天目君と良介君と誠君が気づいていたとはね・・・しかし、そうなると・・・風槍君はなぜなにも言わなかった?

そういう機会がなかったのかな。」

 

「会長パーティの話、なんのことなんだ?

みんな、なんか深刻そうに話してるけど。」

 

望が鳴子に話しかけてきた。

 

「どうやら会長は状況を把握しているらしい。

答え合わせも近いと言ったところか。

僕の推測が正しければいいけど。」

 

「えっと、それって、わたしたちも聞いていい物なんでしょうか?」

 

智花が鳴子に聞いてきた。

 

「もちろんだ。

僕たちはパーティの状況を把握しておかなくちゃいけない。

デバイスからもたらされた情報・・・決して聞き逃さないように。」

 

「は、はい・・・」

 

「ちょっと推理してみるか。

これでもボク、人狼ゲームは得意なんだ。

さっきの会話から、朱鷺坂が話すことは、結構重要なことらしい。

わざわざ東雲を連れてきたと言うことは、ヤツに関係がある。」

 

「2人の共通点はなんだい?」

 

「どっちも偽名を使っていることと、魔法が強いってことかな。」

 

「東雲君が偽名?」

 

「だってアイツ、本当に300年生きてるんだろ?

江戸時代にそんなハイカラな名前のヤツがいるかよ。」

 

「そっちが嘘だとは?」

 

「思えないね。

ボクは定期的に宍戸の検査を受けてるんだけど・・・宍戸が、東雲のことを300年生きているって前提で扱ってるから。」

 

鳴子は黙って話を聞いていた。

 

「後は、さっき言ってたアイザック・・・アシモフ?

ニュートン?」

 

「ニュートンだよ。」

 

「ニュートンはなんだったっけ。

魔法の・・・研究で、なんとかかんとか。

そうだ・・・アルテフィウスの秘本だったかな。」

 

「妙に詳しいね。

正直、驚いてるよ。」

 

「文明を育てるゲームのこと、知ってる?

下手な授業より歴史わかるよ。

アルテフィウスの秘本は、ニュートンが残した魔導書だ。

ボクは中身まで知らないけれど、当時としては先進的なことが書かれていたはず。

後は、生天目の言ってた戦ってみれば一目瞭然・・・戦闘スタイルのことかな?

コンパチキャラ?」

 

望はデバイスを取り出した。

 

「これが朱鷺坂の戦闘データで・・・」

 

「(驚いたな・・・発想が恐ろしく柔軟だ)」

 

「あーっ!

ま、マジか!」

 

智花は少し離れたところで2人の会話を聞いていた。

 

「なんか、難しい話してるなぁ・・・」

 

智花は周りを見渡した。

 

「なんだろう・・・前に来たときも思ったけど・・・ここ・・・とっても・・・」

 

「とっても、なに?」

 

智花の後ろにいつの間にか鳴子が立っていた。

 

「ひゃっ!

あ、あの・・・なな、なんでもありません!」

 

「南君。

悪夢についてだが・・・夏海に悪意はないと言っておく。

誤解しないでくれ。

君を心配してのことだ。」

 

「あ、はい。

それは大丈夫です。

夏海ちゃん、悪い子じゃないですから。

ちょっと・・・やんちゃですけどね。」

 

「うん。

ところでさっきのとってもって、なんだい?」

 

「特別な理由があるわけじゃないんです。

なんとなく・・・なんとなく、この裏世界・・・見覚えがあるような・・・」

 

「そりゃ、表世界と基本的には同じ場所だ。」

 

「いえ、そうじゃなくて・・・そうじゃないんです。」

 

鳴子は少しの間、黙って智花を見つめた。

 

「裏世界はどこでも代わり映えしない廃墟だ。

2月に来たときの光景が目に焼き付いてるだけだろう。」

 

「そうかも・・・しれないんですけど・・・」

 

鳴子は深刻そうな顔をしている智花を黙って見ていた。

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