グリモワール魔法学園【七属性の魔法使い】   作:ゆっけめがね

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※この作品の主人公は原作アプリの転校生ではありません。
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第98話 来栖 焔と精鋭部隊

県道707号、良介と焔の2人が歩いていた。

すると、突然焔が立ち止まった。

 

「よし、あんたはここにいろ。あとはアタシ1人でやってくるから。」

 

「悪いが・・・ついていかせてもらうぞ。」

 

「はぁ?

ついてきてなにすんだよ!

あんたが来たってどうしようも・・・!」

 

焔は良介の顔を見て急に黙った。

 

「わ、悪かったよ。

クソ。

別に意地になってるワケじゃねぇ。

今日はあんたとアタシだけで、敵はどのくらい強いかもわからねぇんだ。

いくらアンタが強いとはいえ・・・」

 

「別にいいでしょ。

ツクたちも行くんだし。」

 

突然、2人の前に月詠と浅梨が現れた。

 

「お前ら・・・」

 

良介は少し驚いていた。

 

「最初は後ろからこっそり行こうって言ってたんですけど・・・」

 

「メンドクサイの、そーゆーの!

ツクの頭脳は魔物との戦いのために取っておくんだから!」

 

「お前らがいるということは・・・エレンたちも来てるってことか。」

 

「そりゃいるわよ。

ついでで誠もいるわよ。

傷の魔物は精鋭部隊が倒すんだもん。」

 

「アタシはもう精鋭部隊じゃねぇ。」

 

「エレンから聞いてるわ。

だから、精鋭部隊が倒すの。」

 

「なんだと?」

 

焔は月詠を睨んだ。

 

「アンタが負けて、それで魔物が満足してくれればいいけどね。

討ち漏らしたらもっと被害が出る。

だから、絶対にここで倒さなきゃいけないのよ。」

 

「っ!

好きにしろよ!」

 

焔は先に行ってしまった。

 

「どうだった?」

 

「私、来栖先輩にあんなこと、怖くて言えません!」

 

「こっちだってあんなこと言いたくないわよ。

でも、まぁ・・・精鋭部隊が倒すのには、変わりないでしょ?」

 

「やれやれ、早く行くとするか。

このままだと置いていかれちまうしな。」

 

「良介。」

 

「ん?」

 

良介は月詠の方を向いた。

 

「任せたからね。」

 

「危険が迫った時は、すぐそばにいるので連絡してくださいね!」

 

「お前のデバイス・・・壊れてなかったか?」

 

「大声でも大丈夫です!

駆けつけますから!」

 

良介はため息をつきながら頭を掻いた。

 

「ま、そーゆーこと。

アンタの強さを考えたら大丈夫かもしれないけど、絶対助けるから。」

 

「まぁ、必要になったら頼らせてもらうよ。」

 

良介は焔の後を追いかけた。

 

   ***

 

良介と焔は富士山の方へ歩いていた。

 

「この道を通れば富士山に着くんだな。

青木ヶ原樹海を通るんじゃないかと思ったが、そんなことはなかったな。」

 

良介は安堵した。

 

「森が深いのに変わりねーから、迷っても知らねぇぞ。」

 

「知ってるよ。

そうならないよう気を付けるさ。」

 

すると、焔はため息をついた。

 

「なんでついてきたんだよ。

冗談じゃなく死ぬかもしれねぇんだぞ。」

 

「死ぬかもしれないねぇ・・・過去に何回も死にかけてるけど、今回はどれほどになるのやら。」

 

良介は鼻で笑った。

 

「これだけ言ってるのに、てんで堪えてなさそうなんだからよ・・・なんであんたってそうなんだ。

ホントに・・・他人なんてどうでもいいじゃねぇか。」

 

「ただ単に、こっちが好きでやってるだけだ。

それがなんだ?」

 

「なんか、わかんねぇんだよ・・・」

 

その頃、少し離れたところにメアリーたちがいた。

 

「聞こえてるぜー、来栖。

ククク・・・この盗聴器、こっちからも声、送れるんだっけか?

いざとゆーときゃ使わせてもらうぜ・・・だが盗聴器に気づかねぇってのは・・・よっぽど緊張してるのか、興奮してるのか・・・ちっとヤベェな・・・」

 

「だ、だって2人とも、あんな突き放しかたするんだから!」

 

メアリーは月詠の方を見た。

 

「あぁ?

テメー、あのときいたのかよ。」

 

「隣で着替えてたのよ!

焔がメアリーの書類読んでて出られなかったの!」

 

「む・・・そうか、読んでいたか。」

 

「シュレッダーにはかけたか?」

 

「それだが、歩きながら破れた書類読んでるの見たぞ。」

 

誠が話に入ってきた。

 

「ふむ。

なるほど。

破りはしたがシュレッダーにはかけなかったか。

ならば来栖は、まだ書類上も精鋭部隊だな。」

 

「え?

破ってるのに?」

 

誠は不思議そうにエレンを見た。

 

「最後の仕事をやってねぇからなぁ。」

 

メアリーは笑みを見せた。

 

「精鋭部隊から単独行動での死人を出すわけにはいかん。

本人の意志を尊重し・・・単独でのクエスト続行が不可能と判断されるまで・・・私たちは距離を取って進むぞ。」

 

「やれやれ、素直じゃねぇな。」

 

誠は呆れていた。

 

「あの~・・・誠先輩、守谷先輩。」

 

浅利が誠と月詠に話しかけてきた。

 

「ん?」

 

「何よ。」

 

「このロープ、ずっとつけてないといけませんか?

さっき、国軍の人たちに笑われちゃいました・・・」

 

浅利は腰に巻きついたロープを持ちながら聞いてきた。

ロープの先は誠の背中の双剣の鞘に巻きついていた。

 

「クエスト中に行方不明になるぐらいなら、笑われた方がいいだろ。

そのままつけてろ。」

 

「そんなぁ・・・」

 

浅利は肩を落とした。

 

   ***

 

良介たちや誠たちより少し先の方にイヴがいた。

イヴはデバイスを取り出した。

 

「正常にリアルタイム送信されているみたいね。

もう、今回の目的は果たしたと言っていいけれど・・・傷の魔物・・・スカーフェイス・・・念のため、最後まで続けてみましょう。」

 

イヴはデバイスを直すと、隠れるように脇道に入った。

そこに誠たちがやってきた。

 

「静まりかえっているな。」

 

エレンが周りを見渡した。

 

「街中じゃなくてよかったな。

しかし、なんで山の中なんだ?

意外と臆病だったりするのか?」

 

誠は思っていたことを口にした。

 

「もし意図的に隠れているなら、知性の証明になる。

今回はろくに画像も取られていないし、マーキングもできていない。

手ごわいだろうな。」

 

「手ごわいねぇ・・・良介の奴も同じこと考えてるかもしれないが、何が来ても倒す。

ただそれだけだ。」

 

「フッ、頼もしいな。」

 

エレンは誠の言葉を聞いて笑みを浮かべた。

 

   ***

 

いつの間にか誠たちのところにイヴがいた。

 

「お前が精鋭部隊と同じクエスト請けるなんて珍しいな。」

 

誠はイヴに話しかけた。

 

「違うわ。

私の目的はスカーフェイスの討伐じゃない。」

 

「なら、なんでこっちに来てるんだ?」

 

「話すようなことじゃないわ。」

 

「やれやれ、相変わらず頑固なところはノエルにそっくりだな。」

 

「なっ・・・」

 

イヴは少し動揺した。

誠は黙ってイヴを見ていた。

 

「なんでもないわ。

精鋭部隊と同じなだけだから。」

 

「どういうことだ?」

 

「魔法使いの村のこと、ずっと隠していたでしょう。」

 

「確かに隠していたな。」

 

「今のはただの恨み言だけど、実際に情報規制がかかってる。

あまり詮索はしないで。

必要になったら共有されると思うから。」

 

「わかった。

ところで・・・お前何かあったのか?」

 

「なにも。」

 

イヴは先に歩いて行ってしまった。

誠はイヴの後ろ姿を黙って見ていた。

 

「冬樹先輩、なにかあったんですか?」

 

浅利が誠に話しかけてきた

 

「いや、以前より話すようになったからな。」

 

「前はどのくらい喋らなかったんですか?」

 

「頑固なところはノエルにそっくりだな。

て、言ったら・・・そう、よかったな。

て、感じだったんだ。」

 

「へぇ~。

そんなでしたっけ。

冬樹さんって。」

 

「お前・・・イヴと話したことあるか?」

 

「ありましたっけ?」

 

「おいおい・・・」

 

「誰かととっても似てるなって思ってたら、イエヴレフさんでした。」

 

「それ、始祖十家・・・」

 

誠はため息をついた。

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