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県道707号、良介と焔の2人が歩いていた。
すると、突然焔が立ち止まった。
「よし、あんたはここにいろ。あとはアタシ1人でやってくるから。」
「悪いが・・・ついていかせてもらうぞ。」
「はぁ?
ついてきてなにすんだよ!
あんたが来たってどうしようも・・・!」
焔は良介の顔を見て急に黙った。
「わ、悪かったよ。
クソ。
別に意地になってるワケじゃねぇ。
今日はあんたとアタシだけで、敵はどのくらい強いかもわからねぇんだ。
いくらアンタが強いとはいえ・・・」
「別にいいでしょ。
ツクたちも行くんだし。」
突然、2人の前に月詠と浅梨が現れた。
「お前ら・・・」
良介は少し驚いていた。
「最初は後ろからこっそり行こうって言ってたんですけど・・・」
「メンドクサイの、そーゆーの!
ツクの頭脳は魔物との戦いのために取っておくんだから!」
「お前らがいるということは・・・エレンたちも来てるってことか。」
「そりゃいるわよ。
ついでで誠もいるわよ。
傷の魔物は精鋭部隊が倒すんだもん。」
「アタシはもう精鋭部隊じゃねぇ。」
「エレンから聞いてるわ。
だから、精鋭部隊が倒すの。」
「なんだと?」
焔は月詠を睨んだ。
「アンタが負けて、それで魔物が満足してくれればいいけどね。
討ち漏らしたらもっと被害が出る。
だから、絶対にここで倒さなきゃいけないのよ。」
「っ!
好きにしろよ!」
焔は先に行ってしまった。
「どうだった?」
「私、来栖先輩にあんなこと、怖くて言えません!」
「こっちだってあんなこと言いたくないわよ。
でも、まぁ・・・精鋭部隊が倒すのには、変わりないでしょ?」
「やれやれ、早く行くとするか。
このままだと置いていかれちまうしな。」
「良介。」
「ん?」
良介は月詠の方を向いた。
「任せたからね。」
「危険が迫った時は、すぐそばにいるので連絡してくださいね!」
「お前のデバイス・・・壊れてなかったか?」
「大声でも大丈夫です!
駆けつけますから!」
良介はため息をつきながら頭を掻いた。
「ま、そーゆーこと。
アンタの強さを考えたら大丈夫かもしれないけど、絶対助けるから。」
「まぁ、必要になったら頼らせてもらうよ。」
良介は焔の後を追いかけた。
***
良介と焔は富士山の方へ歩いていた。
「この道を通れば富士山に着くんだな。
青木ヶ原樹海を通るんじゃないかと思ったが、そんなことはなかったな。」
良介は安堵した。
「森が深いのに変わりねーから、迷っても知らねぇぞ。」
「知ってるよ。
そうならないよう気を付けるさ。」
すると、焔はため息をついた。
「なんでついてきたんだよ。
冗談じゃなく死ぬかもしれねぇんだぞ。」
「死ぬかもしれないねぇ・・・過去に何回も死にかけてるけど、今回はどれほどになるのやら。」
良介は鼻で笑った。
「これだけ言ってるのに、てんで堪えてなさそうなんだからよ・・・なんであんたってそうなんだ。
ホントに・・・他人なんてどうでもいいじゃねぇか。」
「ただ単に、こっちが好きでやってるだけだ。
それがなんだ?」
「なんか、わかんねぇんだよ・・・」
その頃、少し離れたところにメアリーたちがいた。
「聞こえてるぜー、来栖。
ククク・・・この盗聴器、こっちからも声、送れるんだっけか?
いざとゆーときゃ使わせてもらうぜ・・・だが盗聴器に気づかねぇってのは・・・よっぽど緊張してるのか、興奮してるのか・・・ちっとヤベェな・・・」
「だ、だって2人とも、あんな突き放しかたするんだから!」
メアリーは月詠の方を見た。
「あぁ?
テメー、あのときいたのかよ。」
「隣で着替えてたのよ!
焔がメアリーの書類読んでて出られなかったの!」
「む・・・そうか、読んでいたか。」
「シュレッダーにはかけたか?」
「それだが、歩きながら破れた書類読んでるの見たぞ。」
誠が話に入ってきた。
「ふむ。
なるほど。
破りはしたがシュレッダーにはかけなかったか。
ならば来栖は、まだ書類上も精鋭部隊だな。」
「え?
破ってるのに?」
誠は不思議そうにエレンを見た。
「最後の仕事をやってねぇからなぁ。」
メアリーは笑みを見せた。
「精鋭部隊から単独行動での死人を出すわけにはいかん。
本人の意志を尊重し・・・単独でのクエスト続行が不可能と判断されるまで・・・私たちは距離を取って進むぞ。」
「やれやれ、素直じゃねぇな。」
誠は呆れていた。
「あの~・・・誠先輩、守谷先輩。」
浅利が誠と月詠に話しかけてきた。
「ん?」
「何よ。」
「このロープ、ずっとつけてないといけませんか?
さっき、国軍の人たちに笑われちゃいました・・・」
浅利は腰に巻きついたロープを持ちながら聞いてきた。
ロープの先は誠の背中の双剣の鞘に巻きついていた。
「クエスト中に行方不明になるぐらいなら、笑われた方がいいだろ。
そのままつけてろ。」
「そんなぁ・・・」
浅利は肩を落とした。
***
良介たちや誠たちより少し先の方にイヴがいた。
イヴはデバイスを取り出した。
「正常にリアルタイム送信されているみたいね。
もう、今回の目的は果たしたと言っていいけれど・・・傷の魔物・・・スカーフェイス・・・念のため、最後まで続けてみましょう。」
イヴはデバイスを直すと、隠れるように脇道に入った。
そこに誠たちがやってきた。
「静まりかえっているな。」
エレンが周りを見渡した。
「街中じゃなくてよかったな。
しかし、なんで山の中なんだ?
意外と臆病だったりするのか?」
誠は思っていたことを口にした。
「もし意図的に隠れているなら、知性の証明になる。
今回はろくに画像も取られていないし、マーキングもできていない。
手ごわいだろうな。」
「手ごわいねぇ・・・良介の奴も同じこと考えてるかもしれないが、何が来ても倒す。
ただそれだけだ。」
「フッ、頼もしいな。」
エレンは誠の言葉を聞いて笑みを浮かべた。
***
いつの間にか誠たちのところにイヴがいた。
「お前が精鋭部隊と同じクエスト請けるなんて珍しいな。」
誠はイヴに話しかけた。
「違うわ。
私の目的はスカーフェイスの討伐じゃない。」
「なら、なんでこっちに来てるんだ?」
「話すようなことじゃないわ。」
「やれやれ、相変わらず頑固なところはノエルにそっくりだな。」
「なっ・・・」
イヴは少し動揺した。
誠は黙ってイヴを見ていた。
「なんでもないわ。
精鋭部隊と同じなだけだから。」
「どういうことだ?」
「魔法使いの村のこと、ずっと隠していたでしょう。」
「確かに隠していたな。」
「今のはただの恨み言だけど、実際に情報規制がかかってる。
あまり詮索はしないで。
必要になったら共有されると思うから。」
「わかった。
ところで・・・お前何かあったのか?」
「なにも。」
イヴは先に歩いて行ってしまった。
誠はイヴの後ろ姿を黙って見ていた。
「冬樹先輩、なにかあったんですか?」
浅利が誠に話しかけてきた
「いや、以前より話すようになったからな。」
「前はどのくらい喋らなかったんですか?」
「頑固なところはノエルにそっくりだな。
て、言ったら・・・そう、よかったな。
て、感じだったんだ。」
「へぇ~。
そんなでしたっけ。
冬樹さんって。」
「お前・・・イヴと話したことあるか?」
「ありましたっけ?」
「おいおい・・・」
「誰かととっても似てるなって思ってたら、イエヴレフさんでした。」
「それ、始祖十家・・・」
誠はため息をついた。