名探偵チノ〜私、高校生探偵になります〜   作:芳香サクト

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第八羽 『ご注文は捜査ですか?』

 ~講義室~

 

一真「とは言ったが、まずはどこから探そうか?」

 

チノ「ここは穏便に被害者の場所に行くか第一発見者に話を聞きに行くのどちらかでしょね。」

 

板東「分かった。なら話を聞きに行くのは俺に任せてくれないか。警察の人が話すと第一発見者の人も気が楽になるだろう。」

 

一真「分かりました、そちらはお願いします。後、何かあった時の為に通信用のボイスレコーダーをお配りします。何かあったときはここからお願いします。」

 

板東「了解だ。それじゃ行ってくる。」

 

 刑事と別れたあとチノと一真はそれぞれ配られたボイスレコーダーを装着した。

 

 ~事件現場~

 

チノ「それにしても、よくボイスレコーダーなんて作っていましたね。もしかして、こうなることを予想でもしていたのですか?」

 

一真「うーん、本来なら違うことに使うはずだったんだけどね。」

 

チノ「それは、どういうことに使いたかったのですか?」

 

一真「え?そ、それは、言えないなぁ…もっと重要なことだよ。」

 

一真(まさか、覗きに使うはずのボイスレコーダーがこんなところで役に立つなんて考えてなかった。)

 

 そう、本来なら女子風呂に装着しカメラモードにした状態で作動すれば自動的に覗きとなっている。ましてや、バッテリーがある限り録画ができる。昨夜、一真と一真のルームメイトが作っていたものはこれだったのだ。当然、バレたら停学じゃ済まされないだろう。

 

 幸い、チノにはバレていないようだ。一真はほっと一息ついた。

 

チノ「そんなことをしている間に現場に着いたようですね。」

 

一真「ああ、そうだね。しかし、いつみても警察の人の努力はすごいな。跡形もなくなっているじゃないか。」

 

 実際に見てみると確かについ2時間前に死体が転がっているなんて今の光景を見たら誰も予想がつかないだろう。

 

一真「うーん、この状態になってしまうと何かを探すのは難しいかもなぁ…」

 

 一真がうなだれたように地面を眺めていた。すると、見覚えのないようなカードが消火器の間に挟まっているのが見えた。

 

チノ「これは、何でしょうか?」

 

一真「うーん、何だろうか…とにかく確認してみないとわからないね。」

 

チノ「あ、一真さん。あんな所に血の付いたナイフがありますよ。」

 

一真「本当だ。たぶんだけど事件に関係あるのかもしれないね。」

 

 一真は血のついたナイフを丁寧にはぎ取った。

 

一真「よし、とりあえずはこんなもんかな。よし、帰ろうぜ。チノ」

 

 一真がチノの方向を向いたときにチノは少し涙を流していた。

 

一真「ど、どうしたの?何か嫌なことでもあったの?」

 

チノ「い、いえそういう訳ではなく…ただ、一真さんの隣にいて捜査をしていいのかなどと考えてしまって…」

 

一真「なるほどな…」

 

 そういうと一真は自分の手をチノの頭に当てた。

 

チノ「ふぇっ!?」

 

一真「大丈夫だ。零の時も同じだったよ。『私、一真の隣にいてもいいのかな?』って言った時があったよ。今のチノと同じさ、あの時の零も同じように涙を流していたよ。でもねその時僕は言ったんだ。『何を言っているんだ?お前を一人にしたら何をするのか分からないだから隣にいてもいいんだ』ってね。今のチノにかけてあげる言葉はその反対の言葉かもね。」

 

 一真は言いながらチノの頭を撫で続けた。

 

チノ「そう…だったんですか。ありがとうございます。おかげで少し気分が楽になりました。」

 

 一真の言葉が良かったのかそれとも頭を撫でられた事が良かったのかチノは元気になった。それを見た一真は安心したのか

 

一真「うん、良かった。なら戻ろうか。」

 

チノ「はい。」

 

 ~講義室~

 

 講義室に戻った2人は板東刑事の帰りを待っていた。ふと、零について疑問に思ったチノは一真に聞いた。

 

チノ「あ、あの一真さん。零さんってどんな人だったんですか?」

 

一真「え?、零についてか…そうだね。無鉄砲でいつも僕たちに迷惑をかけているだけど…そこがいいところでもあるんだ。実際にあの時零がかばっていなかったら僕はここにはいなかったかもしれない。それほど大事にしている人なんだ。」

 

チノ「一真さんは零さんのことが好きなんですね。」

 

一真「えっ!?そ、そういうのじゃないよ。僕はあいつを幼馴染として見ているだけで決して恋愛感情なんてないと思うよ。それに僕がたとえ零の事を好きだとしても零が僕の事を好きだなんてことはないだろうし…」

 

チノ「なるほど。では、この事件の犯人の死霊の犯罪者Xをさっさと捕まえて零さんを目覚めさせないといけませんね。」

 

一真「ああ、そうだな。所で遅いな板東刑事、何かあったのかな?」

 

 一真がそんなことを言っていると板東刑事が走りながら講義室のドアを開けた。

 

 ……To be continued




ども、咲くみょんです。『名探偵チノ第八羽』をご覧いただきありがとうございます。
さて、名探偵の基本で『さて…』と始まって名探偵は推理を始めるというのを本で読んだことがあります。次回はいよいよ『さて…』のセリフが出てくるのかもしれません。
それでは、次回もゆっくりお待ちください。
感想評価待ってます。
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