どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い

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二話連続投稿します。
この章はほのぼの回です。


孫家の脅威

さて、建業の城に戻って来たのは良いが、俺は少し大変な目にあっている。

 

「お主が廖 元倹か。 儂はこの孫家の将をしておる、姓を(こう)、名を(がい)、字を公覆(こうふく)と申す者じゃ。 色々と冥琳や策殿が世話になっとるようじゃの? これからも宜しく頼む。」

 

「私はぁ、(りく)家の(そん)と言いますぅ。 字は伯言(はくげん)ですぅ。 あの書物の件は本当にすみませんでしたぁ。 冥琳様にも沢山叱られましたしぃ、本当に反省してますぅ。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。 私の名は知ってる様ですので省きますが、廖 元倹と申します。 伯符様や公瑾様には私の方が大変世話になっております。 伯言様も、どうぞ過ぎた事はあまり気にしないで下さい。 これからも良いお付き合いが出来る様にこちらこそ、宜しくお願い致します。」

 

そう大変な事とは、黄蓋と陸遜の事だ。

……何が大変かって?

 

おっぱいである。

もの凄いおっぱいである。

大事な事なので二回言いました。

 

いやでも、本当にめっちゃデカイ。

これは目のやり場が大変だ!

本当にありがとうございます!

 

最近は雪蓮と冥琳もとんでもない大きさになってるし、黄蓋も相当デカイ。

……そして陸遜、こいつ俺とそんなに年齢が変わらないだろうに、それでも姉さんよりも豊かである。

姉さんは割と普通だったからなぁ。

そんな訳で、実に色んな意味で将来有望な人材と言える。

 

現在、この空間に俺とその四人が居る訳だが、その四人全員がデカイとはどういう訳だ?

前後左右全てがおっぱいで囲まれている俺に死角は無いのか?

男のロマン溢れ過ぎでしょ?

 

えぇい! 孫家のおっぱいは化け物か!

 

……呉に所属しても良い理由が増えたな。

 

いやまぁ冗談はさて置き、陸遜はともかく何で黄蓋みたいな将軍がわざわざ俺に挨拶に来たんだ?

接点も何も無いよね?

 

「? 策殿が懇意にしてる割には、随分と堅い奴じゃのぉ? どちらかと言うと権殿との相性の方が良さそうじゃが?」

 

俺を見極めに来たのか?

 

「あぁ、祭殿。 それは蒼夜の礼儀用の顔ですよ。 普段はもっと雪蓮の様に大雑把な奴です。」

 

ちょっと冥琳?

比べる相手おかしくない?

あんなにフリーダムじゃないよ俺?

 

「そうなんですかぁ? 私的にはぁ、あのような書物を書ける方なので、割と納得したんですけどぉ。」

 

「と、思うじゃない? これでも私とも立ち合えるくらいには武力もあるし、私が飽きないくらいに変な行動力もあるのよ?」

 

……ほぅ。

お前が俺の事をどう思ってたのか良くわかったよ雪蓮。

てめぇ覚えてろ?

その変な行動力で痛い目をみせてやる。

 

「ほーぅ。 策殿とも立ち合える程か。 それに書物を書ける程の知識に、礼儀を欠かさぬ人物か。……ふむ、成る程。」

 

怖い、怖い怖い!

俺をロックオンすんの止めろ!

 

俺は本来何処にも所属したくはないんだぞ!

……まぁ将来は知らんけど。

 

「今から三人で飲もうと思っていた所です。 どうです? 祭殿もたまには私達と一緒に。 穏もどうだ?」

 

え? 誘うの?

俺が気を使うじゃん。

 

「はっ! まさか、冥琳が儂を誘うとはのぉ。 余程機嫌が良いと見える。 よし、乗った。」

 

「あぅ、すみません。 私も是非参加したいのですが、まだ仕事があるんですよぉ。 残念ですが、次の機会にしておきますぅ。」

 

えー?

黄蓋参加かよー。

ちょっとやりづれぇなぁ。

 

「そうですか。 伯言様と飲めないのは残念です。 公覆様、宜しくお願い致します。」

 

陸遜は参加しないらしくて良かったわ。

酔ったら絶対あの時の文句出ちゃうもの。

 

「機会があれば今度はもっとお話しさせて下さいね。 それでは失礼しますぅ。」

 

陸遜はそう言って去って行った。

……さよならおっぱい、また会う日まで。

それでも、まだ沢山あるけどね。

 

「しかし堅いのぉー。 冥琳達に接する様にもっと楽にしてくれて構わんぞ?」

 

「いえ、しかし……。」

 

「蒼夜、いつも通りで良い。 祭殿は堅いのを好かない人物なんだ。」

 

一体何で庶民の俺が将軍相手にタメ語で話さなくちゃならないんだ。

おかしいでしょ。

……雪蓮と冥琳は既に使ってなかったや。

 

「……あー、うん。 わかったよ。……よろしく公覆殿。」

 

「うむ。 と言いたいが、ちとしっくりせん。 儂の事は(さい)で良い。」

 

おーい!

 

「あの、それ、真名っすよね? 良いんすか?」

 

大切な名前とは一体何なのか?

 

「構わん。 お主になら預けても良いと判断しただけじゃ。」

 

……出たよ、俺に対する謎の高評価。

一体俺の何がそこまで評価されるのだろうか?

出会って間もない相手に真名を預ける程か?

 

しかしまぁ、真名を預かるなら俺も預けなきゃな。

 

「じゃあ祭さん、俺も蒼夜で大丈夫なんでよろしくっす。」

 

「うむ、よろしく頼む蒼夜。」

 

「じゃあ早速で悪いけど、祭はつまみを何か作ってくれる? 冥琳がお酒の準備はするから。」

 

……雪蓮、お前……。

 

「お前も手伝え雪蓮。」

 

本当それな。

 

「私は蒼夜の相手をしとくもーん。 ほら、蒼夜を一人待たせておく訳にもいかないでしょ?」

 

あー、確かに。

知らない所で一人待たされるのは苦痛だなぁ。

 

「……はぁ、わかった。 なら部屋で大人しく待ってろ。……では祭殿、申し訳無いが、頼めるだろうか?」

 

「あぁ、了解した。」

 

「酒のつまみ用の濃い味付けで美味しいのを頼むっすよ?」

 

いつぞや誰かさんが言ってたからね。

 

「お、おい! 蒼夜!」

 

「? まぁ基本的に儂の料理はそんなもんじゃが、……何を慌てておるのじゃ、冥琳?」

 

「な、何でもありません。 では私はお酒を取って参ります。」

 

ぷぷ、焦ってやんの。

 

「ちょっとぉー。 うちの冥琳を苛めないでくれるー? って言うか、随分古い話を覚えてるわね?」

 

「いや俺もさっき、思い出してな? 祭さん、冥琳がいないから内緒で教えますけど、冥琳は祭さんの料理結構好きらしいっすよ?」

 

「ほぅ? それは初耳じゃな。 ふっ、ならばちと腕によりをかけて料理を作ってくるとしようかの。」

 

そう言って祭さんは機嫌良く厨房に行った。

旨いのを期待してるぜ?

 

「後で冥琳に怒られても知らないわよ?」

 

「知ってるか? 旨い飯を食ってる時って、人は基本的に怒りが湧かないんだぜ?」

 

だから相当不愉快な事があって、旨い飯が不味くなったら、その怒りは半端じゃない。

 

「ふーん。 ま、確かに美味しい物を食べてる時って、ちょっとの事なら赦せるわね。」

 

そういうこった。

 

 

_____

 

 

そんな訳で飲み会が始まったのだが、……。

 

「どうじゃ冥琳? 旨いか?」

 

「……やはり、少し味が濃いのではないかと思いますが。」

 

「ん? 何じゃ、嫌いか?」

 

「い、いえ、嫌いな訳ではありません。」

 

やべぇ、祭さんがめっちゃニヤニヤしながら冥琳に絡んでる。

これ俺のせいだよね?

……すまん、冥琳。

 

「私は好きよー? お酒飲む様になってから祭の料理とっても美味しいもの。」

 

俺も助け船出さなきゃ。

 

「確かに旨いっすね、これ。 特にこの青椒肉絲、どうやって作るんすか?」

 

「ん? あぁ、これはの……」

 

と、祭さんの料理講座が始まったのは良いが、何か冥琳の方が食い付きが良い様な気がするなぁ。

口は挟まないが熱心に聞き入っている。

……もしかして、これが一番好きなのだろうか?

 

「そういや、雪蓮達から聞きましたけど、祭さんが孫家の飯を作ってるって本当っすか?」

 

「昔はの。 今は各自それぞれってところじゃ。」

 

「昔って、祭さんそんなに歳とってないくらい綺麗じゃないすか。 いつ頃から作ってたんすか?」

 

……あ、やべ。

女性に年齢系はタブーだったや。

姉さんで学んだ筈なのに、……酔っちゃったかなぁ?

 

「ほぅ? 祭殿には随分と女心を考慮した発言をするのだな?」

 

「へぇ? ちょっと癪ねぇ。 蒼夜ってば、年増が好みなの?」

 

棘が凄いよ君達?

それに年増って、祭さんは姉さんとそんなに変わんないだろ?

……そういや姉さんはもう年増って言われてもおかしくない歳か。

いや、個人的には二十四はまだ若いと思うよ?

……それでも、まじで華佗と上手く行きますように。

 

「これこれ、その程度で妬くでないわ全く。 しかしそうじゃの、……儂が堅殿に仕えたのが十三・四の頃じゃから、今から十年近く前の事かの。 ふっ、懐かしいわ。」

 

あ、やべ、しんみりしちゃった。

振る話題間違えたなぁ。

 

暫く無言のまま、静かに飲み会か続いた。

 


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