どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い
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遥かなる天運

孟徳新書への書き足しは、その場で行われ、およそ一刻もしない内に作業は完了した。

 

ちなみに俺は、その一刻の間に即行で写本をさせて貰った。

無論、許可は貰っている。

 

「……まさか本当に一刻で写本を済ませるとは、……この曹 孟徳、廖 元倹をみくびっていたわ。」

 

「……何と言う速さだ。 何故そこまで速いのだ……。」

 

いや、何故と言われも、……鬼の修行があったからなぁ。

 

「訓練の賜物です。」

 

「……人は訓練で、そこまで速く物が書ける様になるのか……。」

 

「何を驚いている秋蘭? そこまで凄い事なのか?」

 

「……そうだな、少なくとも私には不可能だ。」

 

「いえ、元倹以外誰にも出来ないでしょう。」

 

曹操と妙才さんが相当驚いているけど、そりゃ速くなるよ?

 

小さい頃から毎日、毎日、やらされていたらな。

今でも仕事の一貫でまだ写本はするしね?

 

しまいにゃ、孫家で地獄の書類整理もこなしたからね?

 

『神速の物書き』廖 元倹とは私の事です。

 

……まぁ誰もそんな事言わないけど。

 

「ま、まぁ何にせよ、これで孟徳新書の販売の目処が立ったわ。 元倹、貴方のお店にも置いてくれるかしら?」

 

へ?

 

「良いんすか?」

 

「えぇ、勿論よ。 だから貴方にも写本の許可を出したのよ?」

 

「これは個人的に所有するだけのつもりだったんですけど……。 一応、機密情報並に重要な物だと思うのですが?」

 

これって、つまり、自分の戦略を自信満々に宣伝しているのと変わらないんだけど?

 

普通こう言う物の販売は、最低でも自分のお膝元だけでするもんでしょ?

 

「だから、っよ。」

 

……ふむ、それでもなお、自信があるのか?

それとも、宣伝する事で何らかの効果を期待しているのか?

 

「了解っす。 喜んで、置かせて貰います。」

 

「えぇ、よろしく頼むわ。」

 

あ、だったら、

 

「冥琳にも、渡して良いですか?」

 

「ふむ、そうね、……貴方の判断に任せるわ。」

 

えぇー?

そう言うの一番困る。

 

……まぁ良いや、渡しちゃお。

 

「了解です。」

 

さて、これで用件は済んだな?

ここで帰って頂ければ、俺も曹操も気分良く、win-winで終了するのだが?

 

「さて、それでは先程から気になっていた、麻雀と言う物を教えて貰おうかしら?」

 

……うん、知ってた。

ここでこの人が帰る訳が無い。

 

 

_____

 

 

「っと、まぁ、決まり事は多少複雑ですが、……簡単に言えば、計算と心理と運の勝負です。」

 

俺は曹操達三人を雀卓に座らせ、麻雀のルールを説明した。

 

「ふむ、……四つの面子と、一つの対子ね。……やって見ましょうか。」

 

「まぁ一応、役の一覧とか決まり事は、あっちの壁紙にも大きく書かれているので、解らなくなったら、俺に聞くなり、壁紙を確認するなりして下さい。」

 

「ふむ、これは難しそうだな。」

 

まぁ、曹操と妙才さんはやってる内に慣れるでしょ。

問題は……、

 

「三つずつ、三つずつ?」

 

……不安だ。

 

そうして、曹操との麻雀が始まった。

 

 

_____

 

 

「ツモ。 立直、一発、平和、断ヤオ、面前清自摸。……裏は……残念、無しね。 満貫、二千・四千よ。」

 

こいつ、本当に初めてか?

凄い綺麗な麻雀打つなぁ。

 

俺は点棒を渡しながら、そんな事を考えていた。

 

「流石です、華琳様。」

 

「秋蘭の言う通り! 流石です、華琳様!」

 

あんたら、どっこいし過ぎじゃね?

 

「……春蘭、点棒が多いわ。」

 

「す、すみません。」

 

……他の客か、店員を入れれば良かったかもしれん。

 

いや、だが、夏候惇の運量は半端じゃ無いしなぁ。

もしかしたら、どっかで爆発もあるかもしれん。

 

無論、妙才さんや曹操もかなり太い運をしているが、……事、運に関しては夏候惇が凄い。

 

まぁそれでも、俺が敗北した奴には敵わないが。

 

……この位なら勝てるな。

 

「御無礼、ツモりました。 メンタンピン、三色、赤一、六千全です。」

 

「くっ!」

 

「流石。」

 

「ぐぬぬ!」

 

まぁ、ざっとこんなもんだ。

俺は少し悦に入りながら、点棒を受け取った。

 

その瞬間、グンっと、夏候惇の運量が上昇するのを感じた。

 

あ、これ、あかん奴だ。

 

「ん、……ん? これは……。」

 

おい、誰かさっと流せ。

なんなら差し込みするから。

 

「一つずつ、一つずつ。」

 

おい、止めろ。

俺の流れが止まるだろうが。

 

「あっ! ツモりました、華琳様!」

 

……くそう。

止まらなかったか。

一つずつっつったらあの役しかねぇな。

 

「おめでとう、春蘭。 手を開いて見せてくれるかしら?」

 

「はいっ!」

 

そう言って夏候惇が開いたら役は、お察しの通り、『国士無双』だった。

 

「凄いじゃないか、姉者。 役満だぞ?」

 

「ふふっ、やるわね春蘭?」

 

「はいっ! ありがとうございます、華琳様! 秋蘭も、私を見習えよ!」

 

ちくしょう。

楽しそうだな、お前ら?

 

俺は親っ被りで、楽しくねぇよ。

 

くそぅ、絶対負けないからな!

 

 

_____

 

 

……俺は勝った。

まぁ、うん、勝ったんだけど……。

 

当然あの後、夏候惇よりも大きい和了等ある訳なく、地道に削って俺が勝った。

 

初心者相手に勝つのは当然であって、何も嬉しくない。

 

最大の魅せ場を創った夏候惇こそが、真の勝利者だろう。

 

……くそぅ、敗北感が凄い。

 

「……ふぅ、勝てなかったけど、中々面白い遊戯ね?」

 

「えぇ、元倹殿が言った様に、効率的に手牌を組む計算、相手の捨て牌から狙いを読み取る心理、そして自摸にかける運。 非常に奥が深い。」

 

あっ、これ嵌まったな。

 

「ふふっ、大分気に入った様ね秋蘭?」

 

「お恥ずかしながら……。」

 

「私も気に入ったぞ! 麻雀!」

 

うそん?

あの国士から一回も和了して無いのに?

寧ろ国士以外和了して無いでしょ?

 

って言うか、曹操に誉められたからか、あの後もずっと国士狙ってたよね?

 

「あら春蘭、貴女の場合、麻雀が気に入ったのでは無くて、国士無双が気に入ったのでしょ?」

 

「はいっ! 国士無双、良い響きです。」

 

あぁ、成る程。

馬鹿は国士好きだからな。

 

「ちなみに、元倹殿。 貴殿は相当麻雀が強い様だが、貴殿より強い方は今までにおられたのだろうか?」

 

純粋な好奇心なんだろう。

妙才さんが俺にそう聞いて来た。

 

「居ませんね。……と、本当は言いたいのですが、一人居ましたね。」

 

「へぇ? 何処の誰かしら? まぁ、冥琳か雪蓮あたりでしょうけど。」

 

残念、まだあいつらとは麻雀してねぇんだよなぁ。

蓮華様あたりを加えて打ってみたいなぁ。

 

「たまたま、この店に来店された方ですので、名前は知りませんね。」

 

……くそぅ、あの金髪ドリルめ。

 

そういや、曹操も金髪ドリルだったな?

もしかして親族?

 

……いや、そりゃねぇな。

容姿が似てないもの。

特に胸の辺り。

 

「……今、何故か不愉快になったのだけど。」

 

おっと、いかんいかん。

 

「ふむ、たまたま来店して貴殿の上を行くのか。……興味があるな。」

 

「まぁ、言い訳がましく聞こえるかもしれませんけど、……上を行かれたと、言うより、何も出来なかったんですよ。」

 

あれはどうあがいても無理。

 

「? どう言う事だ?」

 

「その来店された方、どこぞのお嬢様の様な人でしてね? 妙才さん達みたいに三人組で来店したんですよ。 一人は紺色っぽい色のおかっぱの髪の少女で、一人は黄緑の髪の元気の良い女の子でしたね。」

 

俺がそう話始めると、曹操がまさかと言う顔をし始めた。

 

「……まさかとは、思うのだけど、……もう一人は金髪の長い髪をこれでもかと言う程巻いている馬鹿じゃなかったかしら?」

 

「あ、お知り合いですか?」

 

「……えぇ、まぁ。 知り合いたく無かったのだけどね。」

 

曹操は珍しく歯切れの悪い物言いでそう言う。

 

「まぁ、とにかく、その三人組と麻雀を打つ事になりまして、最初の最初、東一局にその金髪の人が親でして、最初の第一自摸で終了しました。」

 

俺がそう言うと、曹操を含めて三人が、うわぁ、という顔をした。

 

「大四喜、字一色、四暗刻、天和。……麻雀の理論上、最高の役です。 多分、生涯二度と見る事は無いでしょうね。」

 

最早、純正九蓮宝燈や国士無双十三面待ちを見ても驚かないぞ。

 

「しかもその後、『麻雀と言うのはつまらない物ですわね?』って言って、帰って行きましたから。」

 

「……そ、そう、……麗羽なら、やりかねないわね。」

 

ね?

ドン引きでしょ?

 




麗羽の運はチート。
はっきりわかんだね。







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