どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い
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さて、十四歳編の始まりです。

そしてー!
二人目のオリキャラ登場です!


水鏡先生の呼び出し

-蒼夜 十四歳-

 

ある日の事、水鏡塾の司馬徽から俺宛に手紙が届いた。

 

『お久しぶりです、元倹君。 今回手紙を送らせて貰った理由は、私の塾で使う教科書を一新したいからなの。 出来れば前回買った量と同じだけの書物をお願い出来ないかしら? 珍しい書物もあれば、それもお願いしたいわ。 無論、お金は払います。 司馬 徳操』

 

……ふむ、考えてみれば、もうあれから八年の月日が経つのか。

そりゃあ教科書も一新しなきゃならんよなぁ。

って言うか、寧ろ今まで良く保っていたな?

 

俺はそう思い、了解の旨を書いた手紙を返信し、様々な書物を選別し始めてから、一週間後に水鏡塾へと向かって旅立った。

 

 

_____

 

 

んぁー!

……流石に疲れた。

 

何だってこんな山奥に塾を作ったんだよ。

不便以外の何物でもねぇよ。

 

俺は大量の書物を押し車に乗せ、山道を登ったり降りたりを繰り返し、水鏡塾こと水鏡女学院に到着した。

 

……これ勝手に入ったら不味いよなぁ。

こんなん女子校に男が入るみたいなもんだかんなぁ。

 

「おーい、すみませーん!」

 

…………。

 

誰も来やしねぇ。

 

……どうしようか、変態の謗りを受ける覚悟を持って突入しようか?

……いや流石にそんな勇気は出ないな。

そう、そんなの只の蛮勇だ。

男子が女子トイレに入るのと対して変わらん。

 

身体は死ななくても、社会的な死が訪れるのは避けたい。

下手したら心まで死ぬからな。

 

うーむ、どうしようか。

 

俺がそう思って悩んでいたら、門の向こうからトテトテと聞こえそうな程可愛い足取りで幼女がやって来た。

 

「は、はわわ~! お、お待たせしましたぁ!」

 

「う、うん、いや大丈夫、そんなに待ってないよ?」

 

なんかシャオちゃんとそんなに変わらない幼女がやって来たなぁ。

この子も塾生だよな?

……なんかすっごいはわはわしてるけど、この子も将来有望なのだろうか?

まぁ、司馬徽に認められたなら少なくとも俺よりは才能が有るんだろうなぁ。

 

「私は襄陽から来た、廖 元倹。 水鏡先生に呼ばれて、本を売りに来たんだけど、……先生はいらっしゃるかい?」

 

俺がそう言うと、はわはわ幼女は更にはわはわし始めた。

 

「は、はわぁー! りょ、りょ、廖 元倹しゃん!?」

 

かみかーみ。

何か呂布が現れたみたいになってんじゃねぇか。

 

「はわぁ! はわぁ! ひ、雛里ちゃーん! 元倹さんが、廖 元倹さんが来ちゃったよぉー!」

 

何をそんなに驚いたのか、はわはわ幼女は走って何処かに行ってしまった。

 

……いや、誰だよ雛里ちゃん。

司馬徽を出せって。

 

 

_____

 

 

「大変、失礼致しました」

 

「う、うん。 まぁあんまり気にしないで?」

 

結局俺はあの後半刻程待たされ、たまたま通りかかった別の幼女に事情を話したのだった。

 

「いえ、朱里ちゃんは普段はとても優秀な方なんですが、たまにポカをやらかす所が玉に瑕なんです。 これを機に治した方が良いと思います」

 

すっごいしっかりした子だなぁ。

……もしや、この子が諸葛亮か?

 

……いや、それはないか。

流石にこの子は見た目だけで、名前が解る。

 

真っ白な髪、真っ白な肌、瞳は軽く赤みがかっていて、恐らくアルビノ症だと言うのが予想される。

……実際常に日傘差してるしね。

 

だが、そんな事より遥かに予想が立つ理由がある。

……眉毛まで、真っ白なのだ。

三國志で白い眉毛と言えば、……

 

「あっ、自己紹介がまだでしたね。 私の姓は()、名を(りょう)と申します。 字が季常(きじょう)です。 どうぞ気軽に、季常とお呼び下さい」

 

やっぱりな。

 

「あぁ、よろしく季常ちゃん。 俺は……って、さっき自己紹介したから大丈夫か」

 

「はい。 よろしくお願い致します、元倹様」

 

元倹様!?

 

「いや、様付けはちょっと……。 普通に元倹で良いんだけど?」

 

「そうですか? 先生には目上の方には敬意を払う様にお教えを受けているのですが。……でしたら、元倹さんとお呼びさせて頂きます。……もしくは、……」

 

もしくは?

 

「元倹お兄ちゃんで」

 

な、なんと!?

 

「おにい、……ケフンケフン! げ、元倹さんで! 元倹さんでお願い!」

 

いかん、いかん。

何かに目覚めてしまう所だった。

 

……何て、危険な子なんだ。

 

「解りました、元倹さんですね? これからはそう呼ばせて頂きます」

 

……何か凄く勿体無い事をした気が……。

いや、気のせいだ。

 

「所で季常ちゃん、水鏡先生はいらっしゃるかい? 出来れば取り次いで欲しいんだけど?」

 

「はい。 でしたら、もう暫くここでお待ち下さい。 先生に伺って参ります」

 

「よろしく頼むよ」

 

季常ちゃんはそう言って、司馬徽に伺いをたてに建物の中へと入って行った。

 

 

_____

 

 

「あらあら、大分待たせてしまった様で申し訳ないわ。 遠い所からわざわざありがとう、元倹君」

 

「いえ、先生の頼みなら断る理由はありませんよ」

 

待つ事数分、司馬徽は直ぐに俺の元へとやって来た。

隣には、司馬徽を呼びに行った季常ちゃんも居た。

 

「では先生、私はこれで。 ちょっと朱里ちゃんを説教してきます」

 

「ふふふっ、あまり怒らないであげてね霊里(れいり)

 

季常ちゃんは、その言葉を聞くと頭を下げて去って行った。

 

……どんまい、朱里ちゃんとやら。

 

「……普段あんまり感情を表さないあの子があそこまでウキウキしてるのは珍しいわね。……やっぱり憧れの元倹君が来たからかしら?」

 

はっ?

あれで感情を表していたの!?

すっごい冷静そのものだったけど!?

 

いや、それよりも……

 

「あの、憧れって何ですか?」

 

「あら、言わなかったかしら? ここの子達は皆貴方の事を尊敬しているのよ? 最初に会ったと言う朱里もその一人ね。 多分不意に貴方と出会ってしまったので、慌ててしまったのでしょう」

 

……マジかよ。

俺って実は凄い奴なのか?

 

“皆”って事は、諸葛亮やら鳳統もだよな?

やっべぇ、知力百に尊敬されるとか、俺ヤバすぎだろ。

こりゃあ華琳さんの勧誘も待った無しですわ。

……うん、まぁ実際勧誘されてるからね。

 

「は、ははっ、……光栄です」

 

乾いた笑いしか出ねえよ。

 

 

_____

 

 

その後俺は客室に通され、今は司馬徽と一緒に書物のチェックをしながら雑談をしていた。

 

「あら、孟徳新書。 こんな貴重な物まで持って来てくれるなんて」

 

まぁこの本は売り切れしまくっているからな。

この内容なら売れるのも良く解るってもんだ。

 

「私の写本ですけどね? 何冊か用意したので、お好きな数だけどうぞ」

 

「ありがとう。……うーん、そうね、三冊くらい頂こうかしら」

 

毎度ー。

 

と、こんなやり取りをしながら、俺は少し気になっていた季常ちゃんの事を聞いてみた。

 

「先生、季常ちゃんの事ですけど、……あの子、珍しい体質をしていますよね?」

 

「えぇ、そうね。 別に白髪や赤い目が珍しい訳ではないけれど、どうやらあの子は先天的に日の光に弱いみたいなの」

 

……やっぱりアルビノだったか。

確か寿命は長くないんだよな。

 

……あんな可愛い子が短命なんて、……ちょっと切ないな。

 

「……体調とかは、大丈夫なんですか?」

 

「えぇ、今は凄い元気よ」

 

今は、っか。

後どのくらい保つのだろうか。

 

「それも、これも、撈と華佗さんのおかげなの」

 

……は?

 

「……どういう事ですか?」

 

「三年前だったかしら? ある時急に撈が華佗さんを連れて私の所に訪れてね? これから旅に出るって、報告しに来た事があったのよ」

 

……流れが読めて来たぞ。

 

「その時に華佗さんが霊里を見つけてね? 後は解ると思うけど、鍼で一刺ししてあっと言う間に治療して下さったわ」

 

流石華佗の兄貴!

俺に出来ない事を平然とやってのける!

そこに痺れる憧れるぅー!

 

「後は長時間日の光を浴びなければ、健常な人と同じ様に過ごせる様になったんですって」

 

「姉さんの時も思いましたけど、本当に華佗さんは凄いなぁ」

 

「あら、貴方だって凄いわよ? 『神農本草経』この本は学術書としては最高と言える出来よ? 私はこの本が貴方の最高傑作だと思うんですもの」

 

「ありがとうございます」

 

流石は司馬徽。

全く以て、同意見だ。

 





さーて、言い訳タイムです。

馬良の真名、霊里について
最初水鏡塾の弟子ですので、○里にしようと考えました。
そして、応竜、鳳凰と来たので、麒麟か霊亀を使いたいなぁ、と思い、麒麟はなんとなく徐庶っぽいので、霊亀から使う事にしたんです。
けど、亀の字は可愛くないので、霊の字を使い霊里になりました。

しかし読み方が、リンリになる。
既にリンリンが存在するのにそれは不味い。
と言う事でれいりになりました。

納得行かない方も居るでしょうが、ご了承下さい。







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