どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い
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今回も麻雀の話です。
作者が麻雀好きな理由のせいですが、麻雀マンガのネタがありますので、解らない方も居ると思いますが、ご了承下さい。

能力麻雀は麻雀じゃない?
あれは女の子がキャッキャウフフしてるのを楽しむマンガです。


閑話 カン! リンシャンカイホー!

-蒼夜 十四歳-

 

……さて、霊里を妹として迎える事になった訳だが、……挨拶とか、行った方が良いのかな?

 

姉さんの時は、姉さんが家出していて楊家との関係が悪かったからそんな事しなかったけど、霊里の場合は違うからなぁ。

 

……うわぁ、嫌だなぁ。

名家に挨拶とか超めんどくさそう。

 

特に俺ってば庶民だから、色々言われたりしねぇかなぁ?

 

「……なぁ霊里、……親御さんに挨拶とか行った方が良いかな?」

 

「特に必要無いと思います」

 

え、本当?

 

「良いのか?」

 

「はい。 前にも話した通り、私は四女ですので家を継ぐ必要もなく、わりかし自由な立場です。 私が元倹さんと言う方に仕えようと思う、と言う旨を伝えた時も、じゃあ頑張ってね、の一言で終わりましたので」

 

……ちょっと薄情過ぎねぇか?

 

「勘違いされない様に言っておきますが、私の意思を尊重してくれる、良い家族ですよ?」

 

……そんなもんか?

まぁ、名家の在り方ってのはよう解らん。

 

「なら良いんだけどさ」

 

「……でも、水鏡女学院にはもう一度挨拶しに行きたいです。……先生にもそうですが、朱里ちゃんや雛里ちゃんにも会いたいです」

 

「あー、……それもそっか。 よし、ならもう一回水鏡女学院に行くか。 俺も水鏡先生に霊里をしっかり預かる事を伝えたいし」

 

……まっ、友達に急に会えなくなるのは寂しいしな。

……そういや俺も、そろそろ二ヶ月近く雪蓮と冥琳に会ってねぇなぁ。

今度霊里を連れて孫家に行くか。

 

「でしたら兄さんに頼みがあるのですが……」

 

霊里が頼みとは珍しいな。

滅多に自分の意見を主張しないし、わがままなんて言った事ないのに。

 

「おー、俺に出来る事なら何でも言いな?」

 

「はい。 出来れば、友人にお土産として、将棋と麻雀を贈りたいのです。 どちらも珍しい遊戯ですし、きっと皆好きだと思いますので」

 

あー、成る程。

うん、確かに好きそうだなぁ。

頭の良い人達はこの手の遊び好きだよねぇ。

 

……冥琳とか冥琳とか冥琳とか。

後、秋蘭さん。

 

「了解。 じゃあお土産を用意してから、そうだな……十日後くらいに出発しようか」

 

「はい。 ありがとうございます兄さん」

 

いやいや、可愛い妹のたまのお願いくらいは兄として聞いてやらねばね?

 

 

_____

 

 

と、格好つけたのは良いが……

 

「お、重い」

 

山道に雀卓は死ぬ程キツかった。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「お、おぅ、任せろ」

 

霊里の前だから何とか耐えているが、霊里がいなかったらキレて壊している所だぞ。

 

……くっそ、下手な本の束より重い。

分厚過ぎてライトじゃないライトノベルの全巻セットより重いんじゃない、これ?

 

将棋盤は軽いから良いのだが、流石に雀卓はキツい。

最初、本当はマットと牌と点棒とサイコロだけ渡そうかと考えた。

……だけど妹の初めてのお願いだぞ?

そりゃ完璧な状態で渡すべきだろ。

 

と言う事で、俺は雀卓を二台作って押し車に乗せたのだが、そのせいで瀕死になっている。

 

……妹に格好いい所を見せるのも楽じゃないぜ。

今なら多少は雪蓮の気持ちが解る。

 

こんなん下手な修行よりも良い鍛練になるわ。

 

「……私のわがままで、……すみません兄さん」

 

「ばっか、お前! こんなん余裕だっつうの! 妹はお兄ちゃんにわがままを言うもんだぞ、気にすんな!」

 

そうだ、頑張れ俺!

負けるな俺!

 

 

_____

 

 

「つ、着いた、な」

 

ぶはぁ、ぶはぁ。

こりゃ明日筋肉痛確定だわ。

 

「はい。 ありがとうございます兄さん。 格好良かったです」

 

おぅ、その為に頑張ったんだ。

 

そして、一呼吸ついてから俺と霊里は水鏡女学院の門を潜った。

 

「まずは先生に挨拶しなきゃな。……この時間は、授業でもしてるかな?」

 

「そうですね。……そろそろ終わる時間かと」

 

「だったら教室の近くで待ってようか」

 

そう言って、俺と霊里は教室の近くで水鏡先生を待った。

 

 

______

 

 

「あら? 霊里に元倹君。 まぁ、急にどうしたの?」

 

「この間振りです先生。 今日は霊里を預かる事にした挨拶を先生にしようと思いまして」

 

「先生、私は正式に蒼夜兄さんに仕える事になりました。 先生から学んだ事を良く生かせる様に努力して仕えます」

 

授業が終わり、教室から出てきた司馬徽は俺と霊里に気付いて、嬉しそうに近づいて来た。

 

「あらまぁ、それでわざわざ挨拶に来てくれたの? 手紙を一つ寄越すだけでも良かったのに。……相変わらず律儀ね、元倹君」

 

いやー、こう言うのは大事でしょ。

……とか言っときながら結局家族には挨拶に行かなかったっていうね。

 

「それにしても、“兄さん”ねぇ。……元倹君、まさかとは思うのだけど……」

 

「誓ってやましい事はありません!」

 

いや、本当! マジで!

俺はどちらかと言うと、清楚なお姉さんタイプが好きなんだよ!

 

「うふふ、冗談よ?」

 

いや、本当止めろよ。

こんな幼女ばっかの所でロリコン疑惑とか、洒落になってねぇよ。

 

「私は別に兄さんだったら構わないのですが……」

 

ちょっ!?

俺が構うよ!?

 

「あら~……」

 

「……いや、あのね霊里、気持ちは嬉しいけど、人前で言ってはいけない事もあるからね?」

 

俺は断じてロリコンじゃない!

 

 

_____

 

 

俺のロリコン疑惑は置いておき、……いやまぁ、置いておきたくないけども、ともかく置いておき、司馬徽に一通り挨拶した俺と霊里はお土産を塾生達に渡すべく、大きめな広間へとやって来た。

 

「おー、ここなら雀卓も二台設置出来るな」

 

「はい。 ここは皆で雑談等をする為の部屋ですので、かなり広めに出来ています。 それに、盤戯等も基本的にはここにありますので」

 

成る程。

 

「じゃあ俺は早速ここに雀卓を設置しておくから、霊里は友人達を呼びに行ったらどうだ? 時間をかけて話したい友人も居るだろ?」

 

「そう、ですね。……では兄さんのお言葉に甘えさせて頂きます。」

 

うぃうぃ。

 

俺は霊里に片手を振って応え、雀卓の設置に取りかかった。

だがまぁそれ程時間はかからなかっただろう。

俺は半刻も経たずに設置を終えて、暇だったので、一人ツモの練習をしていた。

 

……なんか、こう、サイクロンなツモとか出来ないだろうか?

徐々に点数アップとか絶望的過ぎて格好いいんだけどなぁ。

 

「あっ、元倹せんせ……何を、なされているのですか?」

 

俺が雀卓をガシッと掴み、今からサイクロンなツモを練習しようとした所で、後ろから塾生に声をかけられた。

 

……死にたい。

 

 

_____

 

 

「……これが麻雀で、これが将棋です。 決まり事は私が教えますので、皆さんでやってみませんか?」

 

あの後すぐに霊里が諸葛亮等と戻って来たので事なきを得たが、俺のメンタルはズタボロだったりする。

 

……あの時の幼女の困惑気味な不審者を見る目はトラウマになりそうだ。

君はいつもあんな恥辱に耐えてたんだね、俺には真似出来そうにないよテルー。

 

そう思いながら、俺は部屋の隅っこで幼女達が楽しそうに遊んでいるのを眺めていた。

 

……なんか心が洗われる光景だな。

……これもこれで変態臭いな。

 

さて、ここは部屋を出るべきかと悩んだ所で、霊里から声をかけられた。

 

「兄さん、そんな隅に居ないで一緒に遊んで下さい。 一通り皆さんには決まり事を教えたので、兄さんは麻雀を皆さんと一緒に遊んであげて下さい」

 

ふっ、おいおい、俺が麻雀しちゃったら幼女達の心が折れちゃうよ?

全く仕方無いなぁ。

 

「よっしゃ、誰でもかかって来い」

 

サイクロンツモは出来ないけど、疑似的な御無礼を見せてやんよ!

 

 

_____

 

 

それから一刻程経っただろうか?

俺は御無礼の嵐で幼女達を倒しまくった。

無論、心が折れない程度にね?

 

「げ、元倹しゃん、次は私とお願いしましゅ」

 

お、来たな鳳統。

 

「わ、私も参加させて下さい」

 

諸葛亮まで参加か。

 

「なら最後の席は私が座ります」

 

霊里ね。

……ふむ、この中だったら最強の面子だな。

 

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、三人纏めてかかって来なさい」

 

それでもなお負けんわ。

俺に勝ちたきゃ、あの金髪ドリルおっぱいでも連れて来るんだな。

 

「いえ、そうしたいのは山々なのですが、私は雛里ちゃんに将棋で負けてしまいましたので、ここは雛里ちゃんに勝つのを目標にやらせて頂きます」

 

お、おぅ。

珍しく霊里がムキになってるな。

 

「あわわ~、ぐ、偶然だよぉ」

 

「いえ、麻雀ならともかく、将棋に偶然はありません。……私の生涯の宿敵と判断しました」

 

「あわ!? しゅ、朱里ちゃ~ん」

 

「あはは、が、頑張って雛里ちゃん。……霊里ちゃんもあんまりムキにならないで?」

 

う、うーむ。

霊里に将棋で勝ったのか、凄いな。

……少なくとも俺よりも強いって事だよな?

……まぁ解りきっていた事か。

 

ちょっとギスギスした中、麻雀は始まった。

 

 

_____

 

 

「ツモりましたぁ。 三千・六千です」

 

お、やるな諸葛亮。

 

「あ、あわ、それロンです。 三千九百です」

 

ふむ、鳳統も中々。

 

「ツモ。 四千全」

 

うむ、俺と打つ事が多いから霊里が少し抜けているかな?

 

……さて、そろそろ、

 

「御無礼、ツモりました。 三千・六千です」

 

「御無礼、六千全です」

 

「御無礼、八千全です」

 

あっ、マジで仕上がちゃった。

 

「御無礼、ツモりました。 一万六千全です。 全員トビ終了ですね?」

 

……あー、ミスった。

ここまでするつもり無かったのに。

 

「あわわ~、朱里ちゃ~ん、グスン」

 

「ひ、雛里ちゃ~ん、グスン」

 

「……鬼」

 

お、鬼じゃありません、お兄ちゃんです。

 

「いや、本当ごめん」

 

……これが諸葛亮と鳳統のトラウマにならなきゃ良いけど……。

麻雀は楽しいゲームなんだけどなぁ。

 

……俺はその日、幼女達にちょっとしたトラウマを与えて、襄陽に帰った。

 

後日霊里から聞いた話だと、諸葛亮も鳳統もいずれ俺を倒すのを目標に麻雀を再び始めたらしい。

 

……良かった。

 




後一回程閑話を挟んで、十五歳編の予定です。

-追記-
サイクロンなツモ
宮永 照の通称コークスクリューツモ。

画像をアップしましたが、規約違反っぽいので消しました。





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