どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い
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待たせたなぁ(蛇声)

いや、ほんと、長い間放置してすみません
リハビリ回です

本編よりのifです


if あったかもしれない一幕

それは、ある日の午後の出来事

 

「……どうしたんです?」

 

仕事の報告の書簡を華琳さんに渡しに来た時の事だった

 

「む、蒼夜か」

 

何やら不機嫌そうで難しい顔をしながら、華琳さんと秋蘭さんが話込んでいた

 

……本当は正直、関わりたくないのだが

 

「何か問題でもあったんですか?」

 

聞きたくないなぁ、仕事増やしたくないし

ってか、この二人が難しい顔してる時点で大事確定じゃん

 

「う、む……問題があった、と言うか、慢性的な問題があると言うか、……解決するのが困難な問題があるのだ」

 

「……そうね、解決しなくてはならない問題ではあるのだけど……」

 

うわぁ、二人が言い澱んでる

絶対面倒臭い奴だ

 

「そうですか、頑張って下さい」

 

俺は華琳さんの机に報告用の書簡を置いて、直ぐ様ターンを決め部屋から逃げようとした

ってか逃げる、逃がせ、逃がしてくれぇ!

 

だが俺の奮闘虚しく、秋蘭さんに肩を強く捕まれ、逃げるに逃げ切れなかった

やはり大魔王からは逃げられないのか……

 

「まぁ待て、お前も仕事の休憩がてら話だけでも聞いて行け、な?」

 

久方降りに見る、秋蘭さんの眩しい笑顔

……なんでだろ、全然嬉しくない

 

「そうね、えぇ、秋蘭の言う通り、話だけでも聞きなさい」

 

久方降りに見る、華琳さんの眩しい笑顔

……なんでだろ、精神がやられそう

 

「いや、もう、本当、忙しいんで勘弁して下さい」

 

「「聞け」」

 

……椅子に座りました

 

 

 

−−−−−

 

 

 

「あんの腐れ豪族! よりにもよって私に婚姻を要請して来るとは、どういう了見なのかしら!」

 

「全くです、私や姉者にまで婚約者の紹介をしようとは……こちらにすり寄る気が見え見えですね」

 

……二人が問題と言った事は……つまり、まぁ、そういう事だ

 

「婚姻うんぬんはまだしも、時期が最低ですね」

 

今から世が乱れると言うのに、よりにもよって今結婚とは、頭が悪いとしか思えん

もし、今この陣営の女性陣が妊娠でもしたら、戦力低下じゃ済まず、一気に崩壊一歩手前の大問題になりかねんぞ

 

「しかしまぁ、普通に考えれば華琳さんは立場上、そういう相手がいても不思議じゃない、ってか居るのが普通ですもんね」

 

州牧様だからなぁ、世継ぎの事もあるし、結婚の一つや二つはしていても不思議じゃない

 

「……はぁ、それなのよね……全く同じ事を言われたわ」

 

華琳さんはどうやら自分でも自覚があるらしく、右手で額を押さえながら、面倒臭そうに溜め息を吐いていた

 

「……結婚自体が嫌な訳ではないのよ、勿論今すぐするつもりは無いけど」

 

そらそうだ、そこは前提だよね

 

「将来的に考えれば、それが必要な事は理解出来るわ……けど!」

 

またもや怒りが湧いて来たのか、華琳さんがプルプル震えながら、語気が荒くなって来た

 

「あんな醜いブ男が、私と結婚ですって! ふざけるのも大概にして欲しいわね!」

 

「に、人間見た目じゃないですよ?」

 

正直、この人の美醜基準は高過ぎるから、大概の男は駄目な気がする

 

「それでも限度があるわよ! 私に豚と結婚させるつもりかしらね!」

 

「……そんなに酷かったんですか?」

 

「うむ、控えめに言っても、アレは豚以外の何者でもない」

 

秋蘭さんがそこまで言うとは……その人は鏡を見ないのかな?

華琳さんレベルの容姿をしてる人相手に、豚が来るのは不味いでしょ

 

「……はぁ、当然今回の話は断ったけど……実はこの手の話は既に数十回は出てるのよ」

 

「あぁー、うん、そりゃ華琳さんの容姿的にも、権力的にも、能力的にも、独身だったらその手の話は来るでしょうねぇ」

 

寧ろ来ない方がおかしいんだよなぁ

 

「そうなのよね、これからも来る事を考えれば、その度にわざわざ時間を取られるのが面倒でしょうがないのよ」

 

「そこで、どうにか出来ないかと私と相談してた訳だ」

 

やぁー、これは流石に解決するのは無理じゃないかなー?

 

「なんか、こう……適当に形だけでも婚約者作って虫避けするしかないんじゃないですか?」

 

左手の薬指に指輪を着けるとか

……あぁ、これ前世の知識だわ、この時代じゃ意味ねぇや

 

「それは私も華琳様と考えたが、……それも難しいのだ」

 

秋蘭さんと華琳さんが、苦虫を潰したような顔をしてそう告げた

 

「……残念ながら、形だけの相手すらいないのよ」

 

え、何故?

 

「先程、お前自身が言った様に、華琳様は容姿も権力も能力も高い、それが却って足枷になっているのだ」

 

「形だけとは言え、私の婚約者にするのなら、それなりに相手にも権力や家格が必要になってくるのよ」

 

あー、そっか

 

「権力や家格があるのに、形だけの名前を貸す様な婚約を相手側がする訳ないですね」

 

そもそも華琳さんと婚約出来るレベルなら、形だけじゃなく本当に婚約したいだろなぁ

 

「……くっ! いっその事蒼夜と婚約でもしようかしら」

 

おい、どうしてそうなる

 

「勘弁して下さいよ、俺までその面倒な家やら権力やらの問題に巻き込まないで下さいよ」

 

大体、俺には権力や家格がないから婚約すら出来ないぞ

 

「ほぅ、冗談とは言え、華琳様との婚約話をそこまで簡単に無下にするとは、流石だな」

 

は?

 

「いや、ただの軽口に普通に返しただけじゃないですか?」

 

「どうかな? 世の一般男性が、華琳様との婚約の話を普通に否定するとは、私は思えないが?」

 

「ふっ、そうね、これでも容姿には自信があるのだし簡単に断られると傷付くわね」

 

……なんか二人がニヤニヤし出したぞ、これはあれだな、俺をからかってストレス発散しようってパターンだ

 

「いやはや、華琳様からの誘いを断り、華琳様のお心を傷付けるとは、斬首ものだぞ、蒼夜?」

 

「えぇ、そうね、私凄く傷付いたわ」

 

……酷い話だ

真面目に働いてた俺が、何をしたと言うのだ

 

「……はぁ、俺にどうしろってんですか?」

 

俺が観念したかの様にそう言うと、二人は満足そうな笑顔をした

 

「そうね、ふむ、私との婚約を断るくらいなのだし、貴方はさぞ結婚相手には拘るのでしょうね?」

 

いや、全然そんな事ないんですが

普通で良いんだよ、普通で

 

「……ありきたりな、臭い言い方をするなら、愛ある家庭を築ける人と結婚したいですかね」

 

「ほぅ、華琳様とは愛ある家庭が築けないと?」

 

誰もそんな事言ってねぇよ

 

「いや、そうではなくてですね? 華琳さんが俺を妥協で選ぶ時点で、幸せな家庭は無理でしょう?」

 

夢見がちと言われかねんが、生涯の相手を妥協で選ぶのはどうかと思うよ?

 

「ふむ、まぁ私の事はもう良いでしょう……けど、そうね、もし私達の陣営の中から選ぶなら、誰を伴侶としたいかしら?」

 

えぇー?

 

「……言わなきゃ駄目ですか?」

 

「ふふっ、駄目よ」

 

「私も是非聞かせて貰いたいものだな」

 

ぐっ、ニヤニヤとまぁ、楽しそうだなぁおい!

 

「……はぁ、じゃ、まぁ、消去法ですけど、とりあえず姉さんと霊里と季衣は無いです」

 

姉さんは姉さんだし、霊里は妹、季衣も似た様なもんだし、そもそも倫理的にアウト

これっぽっちも欲情しないし、まぁこの三人は無い

 

「ふむ」

 

「まぁここは普通ね」

 

そして相性の悪さから……

 

「まぁ文若さんも無いですね、そもそもあの人男が嫌いですし」

 

「あぁ、まぁ、桂花はな……」

 

「そうね、桂花は仕方ないわね」

 

あぁ、やっぱ他の人から見ても文若さんはそう言う扱いか

 

「それから、……そうですね、春蘭さんは仕事の同僚的な側面が強過ぎて、あまりそういう目線では見れないので、無しですかね」

 

正直言い方に苦労するな、ぶっちゃけ春蘭さんに女を感じないのだが、それをそのままこの二人に伝えれば、怖い事になりそうなので本音は言えん

 

この二人春蘭さんの事好きだからなぁ

……特に秋蘭さん

 

「ふむ、まぁそんなものか、姉者はあれで女らしい所があるので、悪くはないのだがな? 蒼夜が娶ってくれるなら、私も安心したのだがなぁ」

 

「そうね、蒼夜なら春蘭を任せるのも悪くないわ」

 

それは俺が困るんですが

 

「となると残りは……」

 

「秋蘭と地理ね」

 

……うーん、ここは少しからかい返すか

 

「地理は部下ですので、やはりそういう目ではあまり見ませんね」

 

……まぁ、あまり、なのだがな

 

「ですので、まぁ、秋蘭さんが相手には望ましいですよ」

 

俺はニッコリと笑って、本人に言ってやった

 

……あれ?

よく考えたら、これ俺が恥ずかしくないか?

 

……深く考えるのは止めよう

 

「ほぅ、私か……ん? わ、私か?」

 

「成る程ね、確かに貴方達は相性良いものね」

 

まぁ、俺と秋蘭さんの仲は結構良いな

 

「それで? 消去法と言っても、理由くらいはあるでしょう? 決め手は何かしら?」

 

「決め手……そうですね、距離感、ですかね?」

 

「距離感?」

 

「なんと言うか、程良いのですよ、近過ぎず遠過ぎず、同じ職場の同僚でありながら、つい女性を意識してしまうような……って、本人を目の前に恥ずかしいので、そろそろ勘弁して貰って良いですか?」

 

やべぇ、顔が赤くなる

 

「う、うむ、その、なんだ、……あ、ありがとう? コホン! わ、私も吝かではないぞ?」

 

「え、あ、あー、……はい」

 

秋蘭さんが頬を染めながら、そう言うもんだから、俺も意識して恥ずかしかった

 

……そして、華琳さんのニヤニヤがウザかった




出来るだけ、また投稿して行きたいと思います
週に一度だけでも投稿出来るように努力します





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