ご了承の程よろしくお願いいたします
今回は皆大好きかゆうまさんが登場します
恋姫原作は、かゆうまって感じですが、アニメ版では華雄さん!って感じのかゆうまさん
この作品ではアニメ版を準拠として華雄さん!な感じのキャラで行けたらと思います
黄巾党の反乱がついに中央政府も無視出来ないくらいに勢いを増し、各地で大規模な反乱が勃発し始めた。
今では黄巾党の総数は三十万をも超えると言われ、重い腰を上げた政府は各地を平定すべく官軍の派遣へと踏み切った。
しかし戦慣れしてない官軍は弱卒もいいところだ。
皇甫嵩、朱儁、盧植といった、名将と称えられる程の人物が軍を率いてると言うのに、戦果はあまり芳しくない。
昔から思ってたけど官軍マジ無能。
ちなみに俺の三国志知識では、最強の将は呂布だけど、最高の将は張遼となっている。
知勇兼備で仁にも厚いという、なんだあのチート?
三國志演義とかの創作物より史実の方がヤベェって頭おかしいわ。
特に対孫呉戦がヤバい、リアル三国無双だわ。
その張遼が華雄と共に、我等が陳留の隣州隣郡である豫州潁川郡の州境に現れた黄巾党二万の賊討伐に遠征しに来たのだ。
遼来来!遼来来!
三国志のチート武将来たで!
是非とも一目見てみたい!
それにうちの陣営に来る可能性も濃厚だしね!
先程も述べたが官軍は弱過ぎるので、各地の統治者達には政府から官軍へ協力するようにと要請が出てる。
じゃあうちの陣営からは誰が官軍の援護に行くのか?そうなった時に俺は真っ先に援軍への志願をした。
俺がそんな風に張り切って志願したら、またもや守護鬼が守護を放棄して鬼になるつもりだ。なんて囁かれた。
……一体何の事だ。
とにかくまぁ結論から言うと、俺と春蘭さんが主将で、地理と季衣が副将として官軍の援護をしに行く事が決まった。
待ってろ張遼。
いま、会いにゆきます。
─────
「……どうだ霞?」
「あかんな。完全に押されとるわ。」
都の命令で華雄と一緒に三万の兵を引き連れて黄巾党の討伐に来たのはえぇけど、戦慣れしとらん兵共は黄巾の賊に完全に萎縮して使い物にならへん。
こっちの方が多いっちゅーねん!ビビんなや!
そう一喝した所であんま効果は無いねんけどな。
「そうか、やはり新兵ばかりというのは厳しいものだな。……せめて直属の部下千人でも居てくれたらどうにかしようもあるのだがな。」
華雄の言う通り、今回の遠征でウチらに与えられたのは最近招集されたばかりの新兵三万。
ちょっとだけ使える軍隊は他の激戦区に飛ばされた将軍達に取られてしもぅてどうしようもない。
直属の部隊も月の為に残して来なあかんかったし、……あかんな、詰んどるわ。
ちゅーか、烏林の騎馬隊を出せっちゅーねん!
何が洛陽の防衛の為に烏林の精兵は残さないと行けない、や!
騎馬隊なんぞが防衛に役立つか!
大体、そこには恋もおるやろが!
そんな事もわからん、戦術の“せ”の字すら知らんような腐れ宦官共め!
月や詠を散々困らせよってからに!
あー、腹立ってしゃーない。
「ってか華雄、直属千人がおったとして、どないすんねん?相手は二万やぞ?」
「突撃する。私と私の部下が道を切り開き賊を蹂躙すれば、いかに新兵と言えど奮い立ちついて来るだろうよ。……残念ながら、私一人ではそうもいかんがな。……恋であればあるいは可能だったかもしれんな。」
……新兵の士気がそれで上がるかいな。
とは言いきれんが───
「アホか、自殺志願なら別の所でしぃや。そんな突撃しても囲まれるだけやで。……お前は生き残るかもしらんが、お前の部下は全滅するわ。」
……まぁ恋やったら単騎でも行けるかもしれへんが。
「私の兵はそんな柔に鍛えてないぞ。」
頭が痛い。
けどこの猪は今までもこんなやり方で戦果を上げてきとるからタチが悪い。
「……お前、そんなん繰り返してたらいつか簡単に死ぬで?」
「ふっ、いつも言ってるだろ?私は長生きするタチだ。」
確かにいつもそう言っとるし死んどらん。
しかしなんやこいつ、後光が射しとる気がするんやが。
ホンマこいつだけは、目を放したらポックリ逝ってまうんじゃないかと心配なんのは、気のせいやろか?
「……まぁえぇわ。ウチは左翼纏めて撤退の準備して来るわ。あんたもはよ撤退の準備しぃや。」
「ふむ。……撤退の準備をするのは良いのだが、別に倒してしまっても構わんのだろ?あれ。」
……やっぱこいつ死ぬんとちゃうか?
おもっくそ死相が出とる気がするんやけど。
「あそこを見てみろ霞、曹 孟徳からの援軍だ。旗は夏候に廖、どちらも強者として名高い将だ。……この戦い、我々の勝利だ。今から奴らと協力して攻勢に出よう。」
援軍か、ありがたいわ。
「それでもあかん。ウチらの軍はとうにボロボロやし連携もろくに取れんやろ。あいつらの邪魔をしてまうだけやで。後はあちらさんに任せてウチらは撤退するで。」
まぁ黄巾党の奴らには散々やられたから、一回位はぶちかましたい華雄の気持ちもわかんねんけどな。
「……そうか。……わかった。お前がそう言うならそうしよう。」
すまんな。
せやからそないショボくれんといてーな。
─────
俺達が援軍として到着した頃には、既に官軍は敗走気味で、賊が濁流の様に勢いよく攻勢に出ていた。
……でも左翼は比較的に良く纏まっているな。
だがまぁ時間の問題だろう。
その為俺達は急いで陣を敷き、春蘭さんは救援に駆けつけるべく突撃準備をしていた。
そんな最中に官軍から書簡を携えた伝令が来た。
「春蘭さん、官軍から伝令が来ましたよ。」
「お前に任せる。何が書いてあるかわかったもんじゃない。私は煩わしいのはごめんだ。」
はいよ。そう言うとは思ってました。
春蘭さんに任せられて、俺が伝令の相手をしている間に俺達の軍は突撃の準備を完了してしまったらしい。
……俺以外は。
「よし!今から敵に突撃して蹂躙するぞ!」
ちょい待てーい、まだ官軍との打ち合わせ終わってねぇよ!
まだはえーんだよ!行くな!待て!
「あっ!待っ___くそっ、地理!春蘭さんに付いて行け!くれぐれも深追いしないようにな!」
「はっ!了解しました!………我等も行くぞ、付いて来い!」
……行ってしまわれた。
俺だけこんな役回りかよ。
別に戦場が好きな訳じゃないから良いんだけどさ。
俺はため息を吐いて伝令と一緒に官軍の本陣へと向かい、華雄と対面した。
……あれ?張遼いないの?
「貴殿が廖 元倹か。援軍大義である。」
「はっ、遅参になりまして申し訳ありません。」
これでも急いで来たんだけどね?
「いや、我等が性急に仕掛け過ぎた。貴殿等をもう少し待つべきだったのだろうな。……それに、こんなにもこちらの兵が速く瓦解するとは予想出来なかった。……窮地を助けて頂き、曹 孟徳殿には感謝しよう。」
「勿体無いお言葉です。我が主君に確とお伝え致します。」
……なんだ、華雄って関羽の引き立て役のイメージしかないが、どことなく優秀そうだぞ?
「本来ならここで協力して共に賊を討ちたい所だが、……すまんな。うちの兵は新兵ばかりだからそちらとろくに連携も出来ずに邪魔になるだろう。何よりボロボロだしな。……悪いが私達は撤退させて貰う。」
そんな事まで頭が回るのか、充分良将じゃないか。
「了解しました。お任せ下さい、後は我等が引き継ぎます。」
「うむ、よろしく頼む。………よし、我等は撤退するぞ!霞にも報告を出せ!」
霞?……その人が張遼かな?わくわく!
「文遠様は既に撤退を始めてます!」
「ふっ、流石に神速の張 文遠と言われてるだけの事はあるな。………よし、なら全軍撤退だ!」
「「「はっ!」」」
……えっ。
えぇっ!?
張遼帰っちゃったの!?
……遼来ない、遼来ない。
ちっくしょぉぉぉお!!!
「霞、私の所に廖 元倹が挨拶しに来たのだが、どうもお前に会いたがっていたぞ?」
「ほーん。何でやろ?別に知り合いでもないんやけどなぁ?」
今回華雄と会話しただけで何もしてない主人公でした。