寂しがりと賑やかな聖杯戦争   作:錆びた人

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二話目です。よろしくお願いします。


新たなるサーヴァントとその名前

『というわけだ』

 

あの絶叫から数十分、この異常事態の説明をアーチャーのぬいぐるみらしき物からから説明を受けた。その間に、他の2体からの、じゃれ合いという名の妨害を何度も受けたが。

 

ちなみに自分の新しいサーヴァントは、我関せずと言わんばかりに眠っている。というか、この状況でよく寝れるね。

 

『で、理解したかね。マスター』

 

まあ、ある程度はね。

 

『ほう、それでは、要点だけを纏めて、説明してもらおうか』

 

う、相変わらず意地の悪いサーヴァントだな。

 

えーと、ここは月の何処かで、自分らは今、見知らぬ学校の教室の中に居る。それと何故かサーヴァントがぬいぐるみ化している。あと、新しいサーヴァントが居る、くらいかな。

 

『ああ、そうだ』

 

てっ! 全くどういった状況なのか分かって無いじゃん。

 

『あんジュるな、ショウシャよ』

 

いや、あと分かったことが二つ。というより、変わったことが二つあった。

 

一つ目は、何故かセイバーの口調が舌っ足らずになったこと。

 

『ププ~、セイバ~さ~ん、元々子供っぽかった上に、その舌の回らなさのせいで、完全な子供ですね~』

 

そのせいで、キャスターはここぞとばかりに、セイバーをからかう。

 

『そこまでにした方がいいですよ。キャスター』

 

『なんですか。金ピカ』

 

『あまりからかうと、マスターに怒られますよ』

 

『えー、これくらいでですか。ただじゃれ合っているだけですよー。ねー、セイバーさん』

 

いや、キャスターよ。その言い訳は無理があるぞ。

 

『ウウッ~~~!!』

 

今にも、セイバーは泣きそうだし。

 

『今ので泣くとか、どんだけ子供なんですか。でも、どうしましょう。私、子供のあやし方とか知りませんし』

 

『ヨ、ヨは、こデョモではニャイ』

 

その言い方じゃ、火に油を注ぐだけだよキャスター。

 

というか、舌っ足らずなセイバー・・・・・・・・・・・・・・・・・・サィッコオーーーーーーー!!!!!

 

『暴走してますよマスター。あと、現実に目を向けて受け入れた方がいいですよ』

 

うッ! 分かってる、分かってはいるんだ。

 

だけど、受け入れられる自信が無いんだ。だって、そうだろ! どうして、というか、どうやったらあのAUOが、ホント、なんで、なして、なぜに、こんな礼儀正しくて良い子になるんだーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 

『世界最古の七不思議の一つともいわれるくらいですから、気にした方が負けです』

 

えーーーーー。

 

『受け入れがたいでしょうが、これが現実です。あと、ギルでいいですよ』

 

いやだけど、どうやったら、あの金ピカがこんな風になるんだ? ゲートオブバビロンの中身や、英雄なのに料理が上手な紅茶や、あの衣装を男装だと言い張る皇帝や、あんなにも使えない宝具を持っている狐ッ娘の謎より不思議で気になる。

 

『本当ですよね。自分でも理解できませんから』

 

というわけで、二つ目の変化は、ギルの性格が変わったこと。

 

『それより、いつまであのサーヴァントを無視するつもりだ』

 

う! アーチャーの指摘で、今まで放置していたサーヴァントに目を向ける。

 

等のサーヴァントは、自分たちの騒ぎもなんのその、その程度の騒音じゃ俺は起きないぜ、と言わんばかりの幸せそうな寝顔で惰眠を貪っていた。

 

『フニュ!』

 

おもむろにセイバーが剣を取り出す。その愛らしい仕草に思わず心がときめく。

 

あ~も~~、いちいち可愛いな~、セイバーは。

 

『また、暴走しているぞ』

 

ハッ! セイバーのあまりの可愛さに、ついつい。

 

『ときめくのは構わんが、あまりセイバーだけに構うと、もう一人が怖いぞ』

 

ハッ! アーチャーの言葉に思わずキャスターの方を見る。

 

『没滅・・・・・・・・・・・・殺・・・・・・絶・・・・・・暴・・・・・・・・・・・・憎暴・・・・・・減・・・・・・裂・・・・・・・・・・・・殺ッ』

 

おもわず足が竦む。そこに居たのは、悪神のごとき威圧感を放ち、呪詛を唱えるキャスター。

 

全身の皮膚という皮膚から汗が出始める。あのオーラは駄目だ! と本能がそう叫ぶが、悲しいかな、蛇に睨まれた蛙となった自分には、どうする事も出来ない。

 

おもむろにアーチャーの方を見て、目で助けを求める。

 

『・・・・・・』

 

フイッ。

 

無言のまま目を逸らすアーチャー。薄情者ーーー!!!と叫びたがったが、キャスターのオーラがそれを許さない。

 

「ふぎゃっ!!」

 

突然、緊迫した(白野だけが)空間に、間抜けな声が響く。

 

恐る恐る声のした方を向くと、寝ていたサーヴァントの眉間に剣を突き立てる、セイバーの姿があった。

 

「ん~、やめろフェリスー」

 

『ムッ』

 

なにか寝言を言いながら、手でセイバーを払い除けようとするサーヴァント。セイバーはそれを飛んでかわす。そして、空中で体勢を立て直し、そのまま重力に逆らわず、剣を突き立てながら、寝ているサーヴァントの眉間を目掛けて落ちて行く。

 

さすがにそれは不味いんじゃと思ったが、自分に止める術は無く、剣は正確に寝ていたサーヴァントの眉間に突き刺さった。

 

「んぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

あまりの痛さに起きるサーヴァント。

 

ホッ、良かった。今のは、運が良ければ起きるけど運が悪ければ死の二択しか無かったから、起きて良かった良かった。

 

「良くねーよ!!」

 

眉間から血を出しながら反論するサーヴァント。まあ、君の言うことにも一理ある。でもこれだけは言わせてほしい。

 

「なんだ」

 

こんなときに寝ている君が悪い、と。

 

「ぐっ、それはそうかも知れねーけどさ」

 

それより確認したい事がある。君は自分のサーヴァントなのか。

 

「え、あー、まー、俺が召喚されたときに、近くに居たのはアンタ等だけだったし」

 

「それに、ラインとかの確認もしたし、アンタのサーヴァントで間違いないよ」

 

そう、クラスは?

 

「一応、キャスターだ」

 

キャスター、あれ? 被ってね。

 

『そうなんですよー、私と被るとか、殺し合うしかありません。それと、マスターあとでお話があります』

 

物騒なこと言わないの。あと、話し合いは勘弁して下さい。

 

『ちぇ』

 

「さっきから、そればっかり言うんだよこいつ」

 

ん? さっき? もしかして自分以外はあいさつ済んでるの?

 

『ウミュ、ミャスターがニェていリュあいデャにな』

 

なんでだろう? 何か疎外感を感じる。あと、セイバー可愛い。

 

「もう挨拶も済んだし、寝ていぃー」

 

まだ寝る気かこのキャス、いやそれだと被るし、うーん、なんて呼べばいい。

 

「んー、ライナでいいよ。クラス名とか、めんどくせぇし」

 

ライナ、それってもしかして、真名?

 

「ん、そうだけど? なんか不味かった?」

 

いや、真名で呼ぶとかギルやどこぞの太陽の騎士以外、普通やらないから。

 

『そもそも、僕にはクラスがありませんから』

 

うわー、やっぱりこの丁寧なギルは馴れねー。

 

「別にいいんじゃね。真名分かったところで、どうにかなる訳じゃねーし」

 

こっちはこっちでマイペースだな―。

 

『いい加減、先に進んだらどうかね』

 

ん? 先?

 

『校内を散策して、情報収集など、やることなら幾らでもある』

 

まだ散策はしてないの?

 

『ご主人様が、お目覚めになる時に、私がお傍に居なくてどうするんです』

 

『キャスターの言い分は別として、今の私達四人に戦闘能力は無いからな、散策は出来たのは教室を出た所の廊下までだ』

 

え!? 四人とも戦えないの!

 

『ああ、すまないなマスター』

 

『シュまニュ、ショウシャよ』

 

『申し訳ございません』

 

『僕も、ここまで無力な状態は初めての経験ですよ。フフッ』

 

三人とも謝らないで、それと、何でギルは楽しそうなの。

 

『未知の体験とは、大なり小なり、男心を擽るものです』

 

そうなの?

 

『否定はしないが、こんな状態を喜ぶのはギルガメッシュ位なものだ』

 

ふーん、そういえば、ライナは戦えるの。

 

「ん~、むにゃ、ははへふほ~」

 

おい! こんな状況で寝るな!

 

「はいほうふ~」

 

イラッ。

 

やっちゃえ! セイバー!

 

『ニョオ~』

 

ザクッ!

 

「イッッッテェェェェ!!!」

 

セイバーの攻撃、ライナのつむじにクリティカルヒット、ライナは眠りから覚めた。

 

「なに変な解説入れてんだよ。痛てーじゃねーか」

 

あ゛!!

 

「いえ、なんでもないです」

 

うんうん。じゃあ、はきはきと答えてもらおうか。

 

『珍しいな。最初からマスターがサーヴァントを尻に引いている』

 

『確かに、ご主人様はいざというとき以外は、基本、引かれる方ですからね』

 

なにやら、他のサーヴァントが失礼なことを言っているようだが、無視無視。

 

それで、ライナのステータスはどうなってるの。

 

「えーと、こんな感じです」

 

 

 

 

 

クラス:キャスター

 

真名:ライナ・リュート

 

属性:混沌・中庸

 

ステータス

 

筋力:D 魔力:A+

耐久:D 幸運:E

俊敏:B 宝具:EX

 

 

 

クラススキル

 

陣地作成:B

 

魔術師として自らに有利な陣地「工房」を作成可能。Bランクは最高位の工房を作れる。

 

道具作成:-(EX)

 

魔力を帯びた器具を作成可能。本来は忘却欠片や忘却神器などの宝具に近しい物も作れるが、能力制限により、今の状態では礼装一つも作れない。

 

 

 

固有スキル

 

高速詠唱:A

 

魔術の詠唱を高速化するスキル。彼の場合は空中に魔法陣を描くスピードの速さ。

 

真言法:-(A+)

 

一工程でAランク以上の魔術を放つ秘術。能力制限により封印中

 

全ての式:C(EX)

 

この世の全てを解析構築できる虹クラスの魔眼。能力制限により、今の状態では、魔術を解析できる程度の力しかない。

 

 

 

宝具

 

愛しき者を喰らい全てを掃う(ライナ・エリス・リード):-(EX)

 

自身の愛する者を喰らうことで、数千の敵を滅ぼす。対国宝具。サーヴァント状態では、キャスターではなく、マスターの愛する者となる。能力制限により使用不可。

 

 

 

 

 

うわー、制限だらけだね。ステータスは制限受けてないから、他の四人の初期よりマシだけど。あと、この宝具は解禁されても絶対使わないようにしよう。

 

『私の、水天日光並みに使えない宝具ですねー』

 

いや、キャスターの宝具の方が大分マシな気がする。この宝具はリスクが高すぎる。

 

『まあ、戦うことはできる様だし、散策を始めるとしよう』

 

「うえ~、今からやんの。外も暗いし、明日にしようぜ」

 

いや、外は朝日が差し込んでるんだけど。

 

「えーと、ほら、マスターも疲れてるだろうから、少し寝てから行こうぜ」

 

ふむ、一理ある。だけど、このサーヴァントはマスターを気遣うような殊勝な性格はしてない。数十分の付き合いでも、それだけは分かる。どうせ寝たいだけだろーし。

 

まあ、ここはじゃあライナの意見を尊重して、十分だけ休憩しようか。

 

「えーーー、たった十分だけ、もう少し休もうぜ」

 

どれだけ休みたいのライナは。

 

「んーーーーー、四十時間?」

 

殺れ、セイバー

 

『ウミュ』

 

「ワーーーッ!!待った! 待った! 十分でいいです!」

 

うん、初めからそう言えばいいんだよ。ラ・イ・ナ。

 

「はい」

 

ああ、なんだか懐かしいなこの感覚は、少しゾクゾクしちゃう♡

 

『ああいった感じで、リン達を屈伏させたのか』

 

『でしょうね。僕的には、まだまだ攻めが足りないと思いますけど』

 

また失礼な話をして、自分はただライナの為を思っての行動なのに。

 

けど、この中にサクラや生徒会のメンバーも居たら、もっと楽しいんだろうな。

 

『・・・・・・』

 

『それがご主人様が望みなら、このタマモ、精一杯お手伝いしますよ』

 

えっ!

 

『なにを驚く必要がある、マスター。我々を誰だと思っている。その程度の望みを叶えられずして、なにが英霊か!』

 

『それは僕のセリフですよ、フェイカー。そうなると、僕らも急いで力を取り戻さないといけませんね』

 

『ウミュ、ショウデャな』

 

「えっ! なにこの展開」

 

うーーーーッ! 皆、気を使ったくれてありがとう。岸波白野はこんなにも優しい最高のサーヴァントを持つ事が出来てうれしいよ。

 

『まー、一番は私とご主人様のラブラブが、最優先ですけどね』

 

言いセリフが台無しだよ。キャスターァ。




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