「艦隊これくしょん」(通称艦これ)というブラウザゲームを知っているだろうか。巷で話題となっている第二次世界大戦で活躍した軍艦などを、擬人化させたゲームだ。
俺自身このゲームに興味こそあったが、まだプレイできていない。一応、大学生なので単位のために講義にも出なければいけないし、ジャンルを問わず様々なゲーム、漫画、アニメに手を出しているので時間がないのである。
そんなある日、ついに金が尽きた。こんな生活をしているのだ、当たり前である。泣く泣く売れそうなゲームや漫画を売り、生活費の足しにする。漫画やアニメグッズの購入も自重した。
そうすると新たな問題がでてくる。暇なのだ。チョー暇なのだ。バイトでも増やそうと思ったが、これは新しいことに挑戦してみるいい機会だ。というわけで、これを機に俺は「艦これ」をプレイしてみようとおもう。
波の音と鳥の鳴き声が聞こえる。意識がはっきりしない。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
目を開けると、そこは砂浜だった。上体を起こし、周りを確認する。目の前には密林と低めの山があり、右側には岩場、左側には桟橋、後ろは海だ。どこだここは。というか、
「暑過ぎるだろ」
日光から逃げるように日陰に行く。
確かに俺は自室で艦これをはじめようとしていたはずだ。そこまでは覚えている。途中で寝てしまったのだろうか。
自分の頬を叩いてみる。痛い。夢ではないようだ。
ならば、なぜ俺はここにいるのだろう。
現状わかることは、おそらくここは日本ではないということだけだ。植生している草木が日本のそれとは違うし、さすがに気温が高すぎる。・・・今気づいたけど服が変わってんじゃん。なんで軍服なんて着てんだよ。そりゃ暑いわ。
とりあえずこのような状況から推測すると、今の俺はこの中のどれかに当てはまるはずだ。
1 手の込んだドッキリ
2 艦これがいつの間にかフルダイブ化していた
3 流行りの異世界転生
まず1だが、わざわざ海外まで人を運ばないだろうから可能性は低い。2はないな。そんなの発明されたなんて聞いたことねーもん。3は・・・ラノベやアニメの見すぎか。
ひとまずここは周囲の散策でもしてみよう。桟橋があるから人がいるかもしれないしな。装備が軍服と軍帽だけなので密林を進むのは気が引ける。一応砂浜に目印をつけ、海沿いを歩いてみることにした。
ここは島だ。ぐるっと一周したようで、目の前に自分でつけた印がある。
わかったことは、一周するのにそれなりに時間がかかったので小さい島ではないことと、周りに他の島はなく所謂孤島ということだ。また、この島の海沿いは半分が岩場になっており、特に島の裏側は山もあるせいか崖に近い。通れるが少々危険だ。
そして、建築物があった。場所は桟橋付近の密林の手前。木造二階建てで結構デカい。今いるところからはちょうど見えないので気づかなかった。
兎に角、その家を訪ねるしかなさそうである。
さて、家の前まで来たみたはいいが、果たして言葉は通じるのだろうか。いや、たとえ通じなくてもジェスチャーでどうにかするしかない。ちなみに英語はしゃべれないゾ。
とりあえず、ノックをしてみる。
「・・・」
返事はない。もう一度ノックする。
「すいませーん!誰かいませんかー!」
やはり返事はない。留守か、誰も島に住んでいないのか。鍵の類はないようなので戸を開けてみると、開いた。
勝手に入るのは如何なものかと思ったが、あとで謝ればいいだろう。
中に入ると、部屋は右に一つと左に二つしかない。奥には階段が見える。まず、一番大きな右の部屋に行ってみる。この部屋にはキッチンと机や椅子があることから、おそらく食堂だ。
一方、左の二つの部屋には特に何もなかったので階段を上り二階に行く。
二階には、二部屋しかないようだ。近いほうの部屋には何もなかった。あとはあの奥のへやだけだな。ドアに近づきゆっくりとドアをあける。
そこには、上等な机と椅子、一枚の紙、そして『白銀の髪の美少女』がいた。
この少女と共に戦火に身を投じることになるとは、このときの俺は思いもしなかった。
はじめまして。最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
書き終わってから艦これ要素が微塵もないことに気付ました。次話以降は要素モリモリでいく予定(汗)
次がいつになるかわかりませんが、生温かい目で見てくれると嬉しいです。
ヒロインは駆逐艦娘