どこにでもあるようなガハマさんとヒッキーのお話   作:凍傷(ぜろくろ)

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つくづく、人と人との縁は不思議である②

 ……じっくりと考えてみて一言。

 やべぇ。オネエ枠なんて用意してなかった……!!

 一色に引き続き、どうしてあんな喋っていたのか、その理由が解った……!

 

「……んじゃ、その。オネエ枠っつーことで」

「あら素直じゃない。それに枠ってことは…………なるほど、そういうぼっちなのね? ますます気に入ったわアータ。線引きで割り切れる男の子、嫌いじゃないし。ちなみにあちしはカマぼっちだったわネ。女より女を目指した男。それがあちし」

「う、うす」

「尊敬する人はスカロンさんね。ゼロの使い魔っていうラノベに出てくるんだけど、見ず知らずの男女を事情も聞かずに抱き寄せるあの包容力……惚れたわ。あ、ところでアータ、名前は?」

「比企谷八幡。……結衣はどうする?」

「あ、あたしも。由比ヶ浜結衣です」

「あら~、結衣ちゃ」

「おい《ギロリ》」

「あらやだ、あらやぁだぁ! しっかり恋人してるじゃなぁ~~いぃ!」

「あの。あたし、ヒッキー以外には名前で呼ばれたくなくて……ごめんなさい」

「いーわよいーわよぉ! それでこそってカンジじゃない! こっちこそごめんなさいね、ガハマちゃん? でいいかしら」

「あ、はい」

 

 え? いいの? 俺もそれならそりゃあ安心だけど。

 

「あちしもブルー将軍に似てる所為でいろいろあったけど、ブルー将軍呼ばわりしなきゃ無茶しない性格だから。そ・れ・と、あちしのことはオネエでも後光寺でも浩二でも、好きに呼びなさい。あちしたちは協力体制にあるんだから」

「じゃあオネエで」

「オネエで、いいですか?」

「ヤバイわノリがメッチャ素直! こんなの久しぶり! あ、じゃあ友達価格でこんなもんでどうよ」

 

 電卓がカタタッと叩かれ、値段がンバッと表示される。

 幾分下がったが、さすがにいい値段───と思ったら、結衣が次々に化粧品やらなにやらを持たされていた。

 ……え? なんか高そうなのばっかなんですが? よく知らんけど。女のああいうのって高いもんってイメージだからちょっと……。

 

「これだけお付けしてこのお値段よー! んふふふふ! 一度やってみたかったのよこれ! 夢のジャパネェットGOKOU~~ッ!! Fuu~~ッ!!」

 

 やめてくださいいろいろまずいです。

 

「あの。なんかヤケッパチになったとかそんなんじゃないっすよね?」

「なぁああに言ってんのぉおお! むしろやる気に満ち溢れて困っちゃうくらいだわよ! あ、でもきちんとレポート頂戴? それ試供品ってゆーか、こう、アレよアレ。モニター? 試用品みたいなもんだから。あちしの美容のコンセプトは“恋する男女の成長”なのよ。だから、ダーリンやガハマちゃんに会えたのはほんとにね、ラッキーなの。渡したそれらはほんとに使ってもらっちゃって構わないから、一週間毎にレポートをくれる? 世間は人の感情、好いた惚れたなんて肌や成長に関係ないなんて言うけれど、あちしは人の感情ってものを信じてるのよ。だから、ね?」

「オネエさん……は、はいっ! 頑張りますっ! ね、ヒッキー!」

「お、おう。……おう」

 

 たぶん、この人のぼっち属性は真っ直ぐすぎた“愛への信頼”。愛だ恋だ、人の感情を信じすぎてウザがられて孤独になったタイプだ。

 となると、奥さんはそんな愛を信じてくれた人、ってことだろう。

 そんなことを考えていると、オネエ氏が俺の目を見て、どこか自虐と懐かしさを混ぜたような顔で苦笑する。

 

「お互い、いい人に巡り合えたわね。……大切にしなさいよ? 一生モノよ、ほんと」

「……うす。こいつを幸せにすることだけは、他の誰にも譲るつもりはねっす」

「ヒッキー!? え、な、なに言ってんのいきなり! キモい! ヒッキーマジキモいし!」

「ぷっははははは……!! ほんと可愛いわねぇ~~……! あちしにもこんな時代があったわぁ~……!」

「ヒッキー!?《がーーーん!》」

「おい待てやめろ。俺はべつにオネエになるつもりはねぇよ気持ち悪ぃ」

「なによ! オネエが気持ち悪いっていうの!? ナメんじゃないわよ!」

 

 目指してみればなかなか遠い場所。

 たまたま立ち寄った場所で、不思議な出会いがあった。

 ……そしてまさかのオネエ枠が埋まった瞬間であった。どうすんのこれ。

 男の娘枠に戸塚、中二枠に材木座。友達枠に雪乃に……母親枠にママさん、教師枠に平塚先生。そして、幼馴染、恋人、婚約者枠に結衣。

 それ以外の全ても結衣に捧げ、父親だの妹だのの枠は、黒く塗り潰されたままだ。

 これからどうなっていくのか、なんてのは知らんが、まあ……楽しけりゃいい。面倒ごともなく、こいつと二人で、枠に歩みこんだ他の人達とともに。

 

(……妹枠、ね)

 

 ふと頭の中に思い浮かべ、ずっと昔から決めていることを思い出してみる。

 それをされたことはまだ一度だってない。ないから、現在もこんな関係が続いている。

 計算され計画された謝罪に価値はなく、許されるまで相手を逃がさない謝罪もまた、謝罪とは言わない。

 残された方法なんてひどく単純である筈なのに───妹は、小町は一人で踏み出すことをしなかった。

 これ以上関係が悪化するのを恐れているのか。それとも今の方がいいからなのか。

 どちらにせよ、俺は───

 

「なぁオネエさん。悪いことをした時ってどうします?」

「そりゃ謝るでしょ」

「ですよねぇ」

 

 ニヤッと笑って、オネエさんも笑う。

 答えはとても簡単だ。悪いことをした。悪いと本当に思ったなら計算も打算も、相手の移動を塞ぐ意味もない。ただ謝ればいいのだ。

 それすら嫌だと言われたなら、俺からしてやれることはなんにもない。それすら出来ないやつには興味もない。興味がないから教えないし、教えたから謝られるのは違う。

 俺はずっと前から、“お兄ちゃんごめんなさい”が耳に届くのを待っているのに。

 

「んじゃ、行くか」

「うん。あ、オネエさん、今日は本当にありがとうございましたっ」

「試用は任せてくだっせい。請け負ったからにはきちんと努めますんで」

「期待してるわよ。あ、それとひとつ下世話なお話があるんだけど」

「ほえ? なんですか?」

 

 ほえってなんだよ。返事? 可愛いなちくしょう。

 

「アータたちがもし、アンアンギシギシやってる関係なんだとしたら、言っておくわ。本番するのは多くて一週間にいっぺんにしときなさい。それ以外の日はじゃれ合う程度でね。特に男の子はホルモンバランスにいろいろ影響出ちゃうから、たっぷり間を空けること。行ってもせいぜいキスくらいに留めときなさい。いーわね?」

「っす」

「え!? ……え、えー……? ひっきぃ……」

「いや、言われなくてもそうするつもりだったからね? やめて? 買ったばっかの服引っ張らないで?」

「性的じゃなければ、抱き合ってキスくらいならたぶん平気よ。それで我慢しなさい、ガハマちゃん」

「うぅう……はい……」

「あぁ、解るわぁガハマちゃん。女の子って男より性欲強いからねぇ、我慢するとか大変でしょう?」

「うひゃわぁああっ!? いぃいいいきなりなに言い出すんですかゴコーコさん! 性欲強いとかっ! 信じらんないし、まじありえないですっ!」

「あら。ゴコーコさんってあちし? あだ名なんて久しぶりだわぁ」

「ひゃあっ!? ごめんなさいっ、ついっ……!」

 

 いーのよおぅ、なんて返事をするオネエさんを前に、性欲強いとかどうやって知ったんだ……? とか、俺は男性として当然の疑問を抱いていた。

 ……賑やかになったよな、ほんと。

 

……。

 

 美容院を出てからは実に……デートだった。荷物をコインロッカーに預けてからは余計に。

 腕を組んでくだらない話題を語り合い、小腹が空けば言っていた店でハニトー……ハニートーストとやらを食べて、いや、うん、なかなか美味かったんじゃねぇの? 結衣がクリーム部分ばっか食わなけりゃ。

 ハニトーってことでパセラにしない? と言われれば素直に乗り、歌ったり食べたり。

 

「ヒッキー、あーん《んちゅっ》ぷあうっ!? ヒ、ヒッキー! 違う!」

「あ? キスじゃねぇの? じゃあなに」

「あーんって言ったじゃん! なななんでキスになんの!?」

「あーんって…………お前、こんな店の中で恥ずかしくねぇの?」

「ヒッキーに言われたくないし! えっ……ほんと言われたくないよ!? ななななんっ…………や、そりゃ、いやじゃ……ないけど……あう、あぅうう……!!」

 

 あーんか……高等テクニックだな。

 ハニトーを切り分けるのはいい。男の俺の口のサイズならこれでもいけるだろう。だが結衣の口に合う大きさに切り分ける……なんか地味に切りづらいよね、ハニトー。

 

「ほれ、その……あ、あーん」

「ふえっ!? あ、あぁー……うぅう……あーん……んっ、むっ……んくんく……はぁ、えへへぇ~……♪ じゃあヒッキーお返しね? はい、あ~ん《ぱこっ》もごっ!? …………んくんく……ヒッキー違う!」

「いや、あーんって言っただろ……」

「次はあたしの番! ……はい、ヒッキー、あーん」

「………」

「ヒッキー?」

「い、や……じじ自分で食えるし? だからそんな必要は《がぼしっ!》ほぶむっ!?」

 

 突っ込まれた。口内に広がるハニーな風味と、いい感じに焼けているトーストのサクサク感が、なんというか素敵だ。

 

「おいしい?」

「あ、お、おー……まぁ、悪くねぇんじゃねぇの……?」

「ヒッキーキョドりすぎ」

「ぐうっ……! ……慣れるまで、待ってくれ。……っと、結衣、頬にクリームが───」

「え? あ───…………《ちら? ちらちら……?》……え、と。ヒ、ヒッキー、取ってもらっていい? あ、ほらー、あたしんとこ今拭くものがないし、手にもちょっとクリームついちゃって、えとー……にじさいがい? が起こるかも《はむ、ちゅっ》ひゃあっ!?」

 

 結衣の口の傍についていたクリームを舐め取る。キ、キスの延長。キスの延長だから、恥ずかしいことじゃない。受け入れるんだ比企谷八幡……!

 ああ甘いなくそ、なんだこれ甘い。マッカンより甘いんじゃないかこのクリーム。

 

「……ありがと」

「お、おう」

 

 結衣が何かを言って、俺がお、おうと返す。パターンみたいなものが出来つつあった。よろしくない。

 同じことを繰り返すことは楽でいいが、それではただの作業であり義務である。俺は結衣との関係にそんなものは望んでいない。なのでどうすればいいのかを考えてみるのだが、生憎そんなものが思い浮かぶほど人との接点はなかった。接点つーか、人付き合いの経験な。だめじゃん。

 困った時は知っている人に意見を仰ぐ。それがいいらしい。なので。

 

「どうすればいいと思う?」

「それをあたしに訊いちゃうんだ!?」

 

 相談したら驚かれてしまった。そりゃそうだ。

 だが知って欲しいし言わせてほしい。自分の知らないところでアレコレ相談があって、いきなり結果だけをズバーンと出されて“さあ喜べ”とか言われたってワケが解らんのが普通だ。サプライズ誕生日会とかそれなほんとそれマジそれそれ超あるそれしかないまである。当日までそっけなくする? 寂しさを蓄積させて一気にドカン? ただの嫌がらせで実行者の自己満足じゃねぇかよ。

 喜ぶ人は普通に喜ぶんだろうが、少なくとも俺は引く。いやまじで引く。引きまくる。

 そりゃな、そういうものは過程を楽しむものだとどこかで聞いた覚えがある。準備をする者は準備を楽しみ、サプライズされる者は急によそよそしくなった友達に不安を覚えるばかり。で、いきなり俺らもう楽しんだから結果受け取れよさあ喜べ! って。そんで盛り上がらなけりゃされた方が悪い空気になるだろ? なに? 無理して笑って「わ、わー、ありがとー」とか言えっての? 拷問じゃねぇか。泣いていんじゃね?

 なので報告連絡相談のほうれんそう云々は大事と言われているが、案外言い出したやつこそ守れてなかったりするから気をつけよう。

 報告はしなきゃ意味ないし、連絡は待ってるだけじゃ仕方ない、相談は一方的な意見を押し付けてはい終了では纏まらないし、そもそもそれは相談とは言わない。オチ的には、自己中心的な人物のほうれんそうほど迷惑なものはないという話だ。

 

「解らんことは解らんって言うことにした。見栄張っても出来ること限られてるしな」

 

 分際を知ること、とっても大事。

 

「ほへぇ~……なんか、やっぱり変わったのかなぁヒッキー。前までだったら絶対、他人に頼ったりなんかしなかったのに」

「視界が広くなりゃ見えてくるものもあるだろ」

 

 むしろ自分がなにに手を伸ばせばいいのか、が見えてきたと言っていい。

 なんでもかんでもに手を伸ばして傷つく時期はやがて終わる。

 そのあとに残ったものにこそ手を伸ばし続け、散々と傷ついて、最後に残ったそれがあれば……自分はきっと、傷ついても生きていける、といいな、とは思っている。

 

(本物、ね)

 

 やっぱり解らん。

 小さく呟いて、残りの行き当たりばったりなデートプランを楽しんだ。開き直れば、案外二人で考えながらのデートも楽しいもんだ。

 行く場所を決めて、決めたなら絶対に行ってみる、とかな。今まで行ったこともなかった、または行く気自体がなかった場所にも行ってみて、意外にも想像していた場所とは違うなんてことは結構あった。

 そうした調子で散々遊んで散々楽しんで、ロッカーに荷物を取りに戻って、家路を歩む。

 今日あったことを振り返り、ただなんでもない話をするのが楽しい。

 時折、こんなに幸せでいいのだろうかと考える時がある。

 “それは本当に幸せか?”と自問。

 “ああ、これは間違いなく幸せで、俺は楽しんでいるよ”と自答。

 “妹は輪に入れないで、他人は入れるくせに?”と自問。

 “最低限の当然もしてくれない人を受け入れるのは、謝罪を受け入れるのとは違うだろ”と自答。

 よかったじゃねぇか、今頃家族と楽しく旅行中だろ?

 普通だったら友人同士の旅行にお邪魔がつくような状況なんだろうが、妹は両親に愛されている。

 だったら構われっぱなしだろう。なにも心配はいらない。

 今頃楽しそうに燥いでるだろうさ。…………友達も誰も居ない、大人たちの世界に挟まれながら。

 

「ヒッキー?」

「ん……あ、悪い」

 

 話ながらの帰宅途中。ふと気づけば会話は途切れ、俺は軽く俯きながら歩いていた。

 「どうかしたの?」と聞いてくる結衣に、どうしたものかと軽く悩んでから、結局は相談することにした。こいつは小町寄りだから、なによりもまず決着が着く方を優先させる───と思っていたのだが。

 

「そっか……そういうことだったんだ。ん、解ったよヒッキー。それは確かに、きちんと言わなきゃいけないことだし。……あたしとしては小町ちゃんに教えたげたいけど……それじゃだめなんだよね?」

「───」

 

 意外にも、結衣はなにも言わずに頷いてくれた。

 それどころか事情を知った上で笑ってくれて、「小町ちゃんが謝ってきたら、仲直りパーティーしようね!」と張り切っていた。

 あの、解ってる? 自主的に謝ってこなきゃ意味ないんだからね? 教えるのはアウトだからね?

 

「でもそれって、ヒッキーの嫌いな“あれはあいつが自分で気づかなきゃ意味がない”と同じじゃない?」

「同じは同じでも常識範囲内でだろ……恋愛事で鈍感な主人公のそれとはレベルが違いすぎる」

「あぁそだねー……」

「たぶんだけどな、あいつは俺に対して言った言葉を、自分が悪かったなんて微塵も思ってないんだと思う。俺が結衣と距離を取っていたから悪い、つまり俺はごみぃちゃんである、ってな」

「え? んー……それはないかなぁ。言ったじゃん、小町ちゃん、謝りたがってるって。そしたらヒッキー、土下座の話始めたし」

「あれは謝り方にもよるって話だったんだけどな。どの道、協力者が傍に居る内は謝罪なんて受け取れねぇよ。誰々が謝れっていうから謝った、誰々に怒られたから謝るね、なんてのは謝罪とすら呼べない」

「うーん……」

「結衣?」

「あ、ううん、なんでも」

 

 胸の前でパタパタと手を振って、なんでもないアピール。

 次いで、ぽしょりと「それでもヒッキーは許しちゃうと思うな」なんて言っていた。

 ……聞こえてますからね、結衣さん。ぼっちの聴覚をなめたらいけない。ぼっちとは人の悪口を敏感に拾うことに関してはそれこそプロ。なので大きな声よりも、小声になるほどよっぽど耳に届くのだ。なにそれ怖い。でも事実だし。

 

「んじゃ、戻ったらどうする? 読書? 勉強?」

「休みの日くらい勉強から離れようよ! ほら、もっと遊ぶとか、い、いちゃいちゃする……とか」

「隣り合って勉強するだけでも十分にいちゃいちゃだよ……レベル高けーよ……」

「あ、じゃあ勉強は勉強でもファッションの勉強しよ!」

「えー……? いいだろもう、今日は……。オネエの匠が光ってるんだし……」

「だめ。ヒッキーのそれってずるずるとやらなくなる絶頂だから」

「ぜっ…………あー……ぜ、前兆のことか?」

 

 やらなくなる絶頂ってなんだよ。なんか怖ぇよ。

 ともあれ、ゆったりと歩きながら家へと帰った。手と腕を組ながら。道ゆくおばさまにムホホホホって微笑ましく笑われたけど、気にしたら負けだろう。

 ……あ? 勉強? ……ああ、やったよ。普通に学校の勉強とファッションの勉強な。

 “ファッションの道の第一歩は他人の目を意識すること”ってなんだよ……こちとら日々を目立たないように生息してきたから、そんな世界知らないよ……。

 


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