【IS】 転生したので普通に働こうかと思う   作:伝説の類人猿

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あぁーーー………。(なんかもう何にも言えない)


フラグ?

「はぁ…」

 

織斑一夏はため息を吐きながら荷物を運んでいた。

彼は今文化祭の準備をしているのだ。

 

「持ってきたぞぉ~」

 

「あ、はーい。そっちにおいといてもらえるかな」

 

「おいしょっと」

 

今年の文化祭で一年一組が出すのは喫茶店である。

そしてその喫茶店こそが彼のため息の原因となっていた。

 

「なんでメニューに俺の名前が入っているんだよ…」

 

そう。なぜかは知らないがいつの間にか喫茶店で出すメニューの中に自分の名前が入っていたのだ。

それも『織斑一夏のXX』といった具合の。

 

しかもそれらの内容がなかなかに恥ずかしい。正直言ってこんなのをやっている所を友人にでも見られたら恥ずかしすぎて死にそうだ。

 

「まぁ俺だけじゃないんだけどさ」

 

実はこれらのメニューになっているのは一夏だけではない。その他の男子生徒全員がもれなくその餌食となっている。

 

その話を聞いてほっとしてしまったのはしょうがないと思う。

 

それで彼らの反応であるが…。

 

ハレオは「ふざけんな!?なんで俺がそんなことをしないといけないんだよっ!!」

 

ルイシストは「…ワカッタ」

 

バルクホルンは「さぁ妹よ!!今すぐ共にメイド服に着替えるぞ!!」「気が早いですよエメリッヒ君!?」

 

青磁は「……(絶対束来るなぁ)」

 

とそれぞれの反応を見せていた。

なお彼らの中には抵抗を見せたものもいたがそれらはすべてクラスの女子によって鎮圧されている。

 

「てか俺には他にも心配なことがあるんだよなぁ…」

 

もちろん文化祭のことも重要な案件なのだがそれ以外にも一夏の頭を悩ませていることがあった。

 

「それで、お前は結局部活を選ぶことはできないのか?」

 

一夏が少し休憩を取っていると箒が話しかけてきた。

 

「ああ。やっぱり俺の扱いは景品なんだと。おまけにあの日以来楯無さんとの鍛錬も始まってるしなぁ…。おまけに文化祭の準備もしないといけないから結構しんどい」

 

「それはまた…大変だな」

 

あの日というのは二学期の始業式のことで、その時に文化祭の優勝賞品として一夏が発表されたのだ。

もともとIS学園の文化祭には優勝というものがあってやって来たお客さんからアンケートを取りもっとも票の多かった部活には何かしらの景品が支給されるのである。

 

そして今回はまだどこの部活にも所属していない一夏が、優勝した部活に配属されるというわけである。

 

なおこのアンケートにはクラスの出し物は含まれていない。

 

「しかしこのままではお前が剣道部に来ないではないか……」

 

「ん?なんか言ったか箒?」

 

「な!?なんでもない!!良いからお前はとっとと準備をしろ!!」

 

そのまま箒は顔を赤くしながらどこかへと去ってしまった。

 

「何怒ってんだあいつ…?」

 

その時の一夏の表情は何とも言えないものだった。

鈍感もここまで来るとそれはもう相手の怒りを買う原因にしかならない。

 

*****

 

「はぁ…」

 

「大丈夫ですか会長?」

 

ここ生徒会室でも一人ため息を吐く者がいた。

もっともその理由は先ほどの彼とは比べ物にもならないが。

 

「大丈夫じゃないわよ嘘ちゃん…」

 

「お嬢様、字が違います。私の名前は虚です」

 

「変換が出来ないのよ!」

 

「『うろ』とか『きょ』とかで出てきますよ」

 

「あ、ほんとだ…」

 

オホンと赤くなった顔を扇子で隠しているのはこの学園の生徒会長である更識楯無である。

その横でまったくもうという顔をしているのは布仏 虚(のほとけ うつほ)である。

彼女もまた生徒会のメンバーで会計をやっている。

 

さてそれでなぜ楯無がため息を吐いているのかだが。

 

「虚ちゃん…私は非常に一夏君の将来が不安なの」

 

「彼の将来ですか?」

 

「そうよ」と言って楯無は真剣な表情をする。

 

「彼はいわば正義の味方よ。それも一か十かのどちらかを助けろって言ったら迷まず両方を助けようとするタイプ」

 

確かに両方とも助けられるのならそれに越したことはない。

だがそんなことが出来るのはアニメや漫画の中だけだ。

 

あ、そういえば…簪ちゃんの持ってるアニメでもそんなことを言っていた気がするわね。

 

ともかくとして、現実的に言って何かを助けるには何かを捨てる必要があるのだ。

もちろん精いっぱい努力して両方を助けようとするその意志は重要だ。

 

だが、そんなにうまく努力が実るとは限らない。

努力は実を結ぶというが実らない努力だってあるのだ。

 

「このままだといつか…いえ、必ず彼は大事な人を失う羽目になるわ…」

 

「確かに彼はまだ自分の立場をよく理解していない節がありますしね…」

 

これには虚を同意する。

 

はたして彼は分かっているのだろうか。

『男がISを動かせる事の重要性』を。

 

「ですが彼は去年までは中学生だったわけですしそのような知識は私たちのような先輩が教えるべきかと」

 

もちろん彼自身が自分でその意味を理解してくれればそれに越したことはないのだが。

 

そこまで虚が言うとその言葉に楯無は勢いよく飛びついた。

 

「そう、それよ!!その通りよ!私たち先輩が率先して教えていくべきなのよ!!」

 

さ、虚ちゃんの言質も取れた「ですが」…あ。

 

「だからと言って今すぐというわけではありませんよ。お・じょ・お・さ・ま」

 

「あ…あぁ。ちょ、ちょっと怖いわよ虚ちゃん。そ、そりゃぁ確かにここ一週間あなたに仕事を全部丸投げしていたのは事実だけど…」

 

「事実だけど?」

 

「う…………ごめんなさい」

 

こうして楯無は大量の書類をさばくのであった。

次の日にIS学園七不思議に生徒会室から聞こえるうめき声というのが追加されたそうな。

 

*****

 

「ところでお嬢様」

 

ニコッと綺麗な笑顔を見せながら虚は楯無に声をかける。

 

「な、何かしら虚ちゃん…」

 

その顔を見て楯無は内心焦りまくりだった。

大体にしてこんな表情をする時の彼女はやばいのだ。

 

「一か十かではなく一か九かではございませんか盾無さん?」

 

「うぐぅ……ええ、そうですよそうでしょうよ。確かにその通りですよーだ!一と九ですよ!!言い間違いましたそれが何か!?」

 

「うふふ…。すごくまじめに言っておられましたね盾無さん」

 

「うわーん虚ちゃんが私をいじめるぅ…。というかあなたさっきからわざと私の名前を間違えているでしょ!!?」

 

「なんのことでしょうか盾無さん?」

 

「そのきょとんとした表情が溜まらなくかわいい……じゃなかったわ。妬ましい!!私の名前は楯無よ!楯無!!」

 

「はい盾無さん♪」

 

「アアアアアアアアァァァァァァァァァモウゥゥゥゥゥぅ!!!!!」

 

いつもお仕事を丸投げされているんですしたまには楽しまないと♪

そんなことを思いながら虚は楯無をいじるのであった。

 

 




遅くなってすいません。お詫びにいつもよりもちょっと長めのお話にしました。
はたしてこのフラグが回収される日は来るのでしょうか。いや来ない(反語)
…ちゃんと完結はさせる予定です。

追記 誤字報告をしてくださった皆さん本当にありがとうございます。皆様のおかげでこの物語はなりたっています。これからも誤字があるでしょうがその都度教えてくだされば幸いです…。本当にありがとうございます…。
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