もう1人の天才   作:イカクン

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イカの燻製をこよなく愛するイカクンです。 はじめまして。 駄文ですができれば楽しんでてください。


天才たちの出会い

その少年は、賢すぎた。

1を聞き100を理解し、0を察する。

 

「化け物。」

 

突出しすぎた才能や個性は得てして孤立をもたらす。

もはやその頭脳は常識の範疇を超えていた。 だからこそ彼は間違いなく異常であり、常人に理解されない存在であった。

 

「あっそ。」

 

が、彼は気にしない。 彼は弱冠10歳にして周りの言葉を全て動物の鳴き声のように捉えていた。

 

動物園で猿がいくら喚いたとしても怒りを覚えることはない。 柵越しに虎やライオンがいくら唸ろうが本物の恐怖は感じない。

彼にとってまさしく人間は下等生物であり、自分が間違いなく特別な存在であると信仰していた。

 

「化け物でイイよ、僕は君たちとは違うカラさ。」

 

彼にとって自分に与えられる異常や化け物といった言葉は、自らと人間をさらに引き離す言葉であり、むしろそれは褒め言葉であった。

 

「ジャアね? ボクも暇じゃない… まあやることなんてないケドも、面倒ごとは嫌いだから。」

 

小学生の喧嘩といえば生ぬるく優しいものだが、彼は間違いなく同年代、年上、女子、構わずに叩きのめす。

 

公園の林の中から肩をもみながら出てくる彼の姿は普通の10歳児であるが、その林の中を見たものは絶句することになるだろう。

 

中学生ほどの男子4人が、少なくとも骨折レベルの怪我を負って倒れているのだから。

 

完全にして冷酷。 それがまさしく彼であるが、1つだけ弱点がある。

 

「また喧嘩をしたのか、千春…」

 

「ゲ… アハハ、見てたノ? 千冬姉ちゃん。」

 

「ああバッチリと。」

 

「…アディオス!!」

 

「あっ! 待て!」

 

それは姉の存在であった。

 

彼の姉の名は織村千冬。 剣道の全国優勝者であり、彼が恐れる唯一の人物である。

 

 

【千春side】

 

電気を落とした暗い部屋の中、僕は拳骨の後をさすりながら無言でパソコンに向かっていた。

 

ーカタカタカター

 

僕は今ある機械の開発をしている。目的は… 宇宙!

空の上のさらに上にある、人知の及ばぬただただ黒い世界。 僕はこの世界を隅から隅まで探求したい。

 

「千春、すまないが少し一夏に届け物を持って行ってくれないか?」

 

「ボクが行くと思うかい? 千冬姉ちゃん。 悪いが自分でいってクレ。」

 

さて、どうするか… この時間なら剣道場、つまり篠ノ之神社か? 行ったことなかったやそういえば。

 

「まあイイや。 ホラ、届け物よこしなヨ? 機嫌がイイから行ってアゲル。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

一夏… 僕の双子の兄で、まあ普通よりかは頭はいいんだろうが間違いなく愚図1人だ。 僕の人生ただ1つの恥といえばあいつの弟ってことか?

 

「ヘイヘイ、ジャアまあいってくるヨ。」

 

僕は忘れて行ったアイツの水筒を持って、サンダルを履いて家を出た。

 

少し歩き、篠ノ之神社の石段を上りきると、縁側で高校生ほどの女子がパソコンに向かっているのが見えた。

 

「ドーモ、ここの神社の人かい? 一夏に水筒を届けに来たんだケド。」

 

「誰、お前。」

 

おおう… 僕と同じタイプの方か。

 

「一夏の弟の千春。 まあよろしくヨ? でお姉さん名前ハ?」

 

「ああなんだちーちゃんの言ってたちーくんか! はじめまして、ちーちゃんの親友の束さんだよ!」

 

「ソウ… うん? 束さん、そのパソコンは?」

 

「いい質問だね!! これは宇宙へ羽ばたくための翼、インフィニット・ストラトスだよ!!」

 

僕は感動したね。 ここまで同じ思想を持つ人間がいるとは!

 

なんだ、世界も悪くないじゃあないか?

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