なぜか最近、同じ夢を見る。手紙で呼び出された俺は、ホイホイ指定の場所に赴き、そこで謎のコスプレ女に光の槍で貫かれる夢。その夢を見るようになってから、ただでさえ弱い朝が更に弱くなっていた、なんというか調子が上がらず全身がダルいのだが、日が傾くにつれてダルさが薄れ調子が良くなる。さらに言えば夜、街灯のない真っ暗な道のはずなのに、まるで暗さを感じない。
変化といえばもう一つ、イッセーが天野さんの話を松田と元浜にしていた時、あの二人には確かに天野さんの紹介をしていた、もちろん俺は覚えている。しかし彼らは紹介されてない、お前に彼女? 無い無い天地が引っ繰り返ってもありえない、と断固否定していた。あれほど血の涙を流さんばかりの表情で、フリーズしていた彼らから、そんなセリフを聞くとは思いもよらなかった。人の記憶は、ショックな出来事や恐怖に関する記憶はかなり長い間保持されるという話らしいし。俺は、覚えているぞと言ったが、松田と元浜がおいおいお前まで幻想彼女を持ったか、と憐みの目を向けられた。ちくしょう。
その後、松田元浜とともにお宝上映会やら紳士の映像鑑賞をするとか言っていた。その時通りかかった女子に罵られた、もしかして俺も含まれてたりしないよな、大丈夫だ、きっと、おそらく、メイビー。
今回は、調べてきた。旧校舎のあるのは一つの部活のみ、その名もオカルト研究部。最近見るおかしな夢も、何かオカルトチックな出来事が関係しているに違いない、そう思いたい、と思い立った結果である。前回は、玄関の前で戸惑っていたから木場くんに見つかってしまった、だが今回こそはそうはいか―――――。
「……」
残念、俺の一人旧校舎探検(仮)はここで終ってしまった!! や、そうじゃあない。なぜ、待ち構えるかのように、正面玄関にたたずんでいるんだ、この白髪の小柄な女の子は。
「すまない、オカルト研究部に相談のようなことがあってだな……」
「……ボサボサの白髪に、目つきの悪さ。……部長から話は聞いています、来てください」
部長から聞いている? どういうことだろう、オカ研の部長が誰だかは知らないが、面識はないはずだし、そもそも、アポなしで来ているわけだから、いつ来るかなんてわからないはず……。これがオカルト研究部の実力か、いまさらだが恐ろしくなってきた。
「……」
無言ではよう入れと催促している、彼女自身も部室に入りたいのだろう。仕方ないと覚悟を決めドアノブに手をかけると、かすかにだが水の流れる音が聞こえる。
「なぁ、お嬢さん。ここの部室って金魚か何かでも飼っているのかい?」
「……?」
何言ってんだこいつ、って顔された仕方ないじゃあないか、かすかに聞こえるんだもの流れる水の音がさ。
「質問が悪かった。水の流れる音が聞こえるんだけど、なにかあるのかい?」
「待っていてください」
ああ、そういうことかと理解したお嬢さんは俺を待たせて、先に部室に入って行く。そして待つこと30分、ようやく扉が開きどうぞと言われオカルト研究部に足を踏み入れた。部室の中にいたのは、さっきのお嬢さんと見覚えのある鮮やかな赤色の髪の女性だけ。
「ようこそ、オカルト研究部へ歓迎するわ、大禍時悪くん」
と言ってきたのは、この前ちらりと見えた赤髪の主であるリアス・グレモリ―さん。しかしさっきも思ったが、なぜ俺の名前を知っているんだろうか、俺の個人情報は大丈夫か? 大した価値はないが。
「歓迎というのは何でしょうか? 俺は、単純に、最近変な夢を見るから相談に来ただけなんですが」
しどろもどろに返答した俺を見てグレモリ―先輩はクスリと笑う。
「知っているわ、そしてその変な夢を見なくなる方法も……でもまずはどんな夢か教えてもらえる?」
グレモリ―先輩の対面の、ソファーに座り大雑把に思い出す。いや、思い出さなくても、何度も同じ映像を見ていれば勝手に状況が説明できる。
「あぁ、はい。手紙を見て夕方、公園に向かうとこから始まるんですが、その場所に着くと、急に周りが真っ暗になるんです。そのあと、黒い羽根の生えたコスプレ女に、光の槍? みたいなものを投げつけられて、それが心臓に刺さって死ぬ夢です」
しかし話すどころか、思い出すだけでも肌が粟立ってしまうが、それをこらえて話し終えひとつ大きくため息をつく。
「そう、でもそれは夢じゃないの」
今この人なんつった? 夢じゃあない、つまり何かこれは、全部俺の妄想でそんなこと、起こりうるわけないとか言われてるのか。なにか反論しようと思ったが、次のグレモリ―先輩の一言で度肝を抜かれる。
「だって、それは、実際に起きたことなんだから」
「……は? ごめん。俺、あなたが何を言ってるか理解できない。実際に起きた? 両掌と心臓を槍みたいなもんで貫かれて、死にましたってか? 有り得ねぇ!! じゃあなぜ俺はこの場にいる!? なんで生きてるんだよ! それに、黒い羽根の生えた人間が、この現実世界にいる訳が無い、ファンタジーやメルヘンじゃあねぇんだからよォ!」
グレモリー先輩たちと、俺の間にあるテーブルに両手をたたきつけて立ち上がる、それほどに激昂していた。
「落ち着きなさい、信じられないし、信じたくないかもしれないけれど、これは事実なの、順を追って説明するわ」
「落ち着けるか! 順を追って説明して、納得できるなんて到底思えないね。だいたい……オグェッ!」
「……落ち着きましたか」
対面のグレモリ―先輩の隣にいたお嬢さんに、ボディブロー食らった、腹をぶち抜かれるかと思えるぐらいの衝撃だった。いや実際に、ぶち抜かれたかもしれない、大丈夫だろうか俺のモツは。
「……あぁ、落ち着いた、超落ち着いた。だからもう勘弁してくれ。全てを信じることを大前提で話をしましょう」
痛いのはもうごめんだ、つか、次食らったら今度こそぶち抜かれる。主にモツを。
「ええ、それじゃあ、まずあなたが、なぜ生きているかについて。とある子が私を呼んだ、瀕死で今にも死にそうな子が」
夢の中にもいた、おそらくイッセーのことだろう。
「その子の近くに、あなたもいた夢の通り両掌と心臓に大穴を開けてね、そして同じだと察して命を救った。……悪魔として、私、リアス・グレモリ―の眷属として生まれ変わった。私の下僕として」
言いたい、さっき言ったことを、もう一度言いたい。悪魔なんて、いるはずがないファンタジーやメルヘンじゃあないんだから、と。だが信じる前提で話すと言ってしまったからその言葉を飲み込む。てか下僕か、命があるのはいいが、奴隷みたいに扱われたりするんだろうか?
「眷属って
「次に、あなたを殺した存在は、堕天使。元は神につかえていた天使なのだけれど、邪な感情を持っていたため、地獄に落ちてしまった存在。そして私たち悪魔の敵でもある」
スル―された、泣きたい。
「堕天使ってあれか? アザゼルとかシェムハザとかか」
「あら、よく知ってるわね」
「えぇ、まぁ」
そりゃ、中学の時とかに、そういうのを調べたくなる時期が、あったのですよ。
「でも、よりにもよってなんで俺なんです? お世辞にも名前以外は、特殊なところは欠片もないと自負してますが」
「堕天使があなたを殺した時、何か、言ってたりしなかった?」
「危険……
「神器は、特定の人間に宿る、規格外の力。でもほとんどは人間社会規模でしか機能しないの。でも中には悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器がある。手を上にかざしてちょうだい」
黙って手を挙げる。
「目を閉じ、あなたの中で最も強いと感じる何かを心の中で想像して」
「最も強い……邪神ライダー・ワンの邪神ライダー・イタカかな」
「じゃあ、それを想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるの」
邪神立ちをしたイタカを思い浮かべる相変わらず難易度高いなこのポーズ。
「腕を下げて、その場に立ちあがって、そしてその人物の一番強く見える姿を強く真似るの。強く、軽くじゃあいけない」
そう言われたら、本気でやるしかない。たとえどん引きされても。俺は腕を下げ立ち上がる。両足の間隔を肩幅くらいに縦に開け、左足を前に、右足を後ろに下げ踵を上げる。上半身を限界までそらし左手のこぶしを握り胸の前におく、そして右手をだらりと下げる。
ピロリン♪
「エルダァァァサイン!!!」
そらした上半身を勢いよくまっすぐにし、同時に、肩幅に縦に開いていた足を、また肩幅くらいに横に開け、左の膝を軽く曲げて体重を乗せる。だらりと下げた右手を、掌が上に向くように手首を直角に曲げ上に突きだし左手を握り拳から手刀にかえ右に伸ばして声を思い切り張り上げる。……決まった、これが邪神ライダー・イタカの変身ポーズだ。おいちょっと待て、今シャッター音がしたぞ。
「さ、さあ目を開けて。この空間なら神器も発現するはず」
目を開けると、やはりどん引き下きしたグレモリ―先輩と、携帯のカメラを構えたお嬢さんがいた、まぁ、当然だよね、わかってたよ。つかやっぱり写真の音か、後で消してもらわないと。すると後ろから何かが光る、そして光がなくなると、首筋に半分に切った、首輪のようなものが、ぴったりとくっ付いている。ちょうど最上部には、何か丸い物体が着いているようだ。細かいことはわからない、だからこそ気になる。そう思っていたらお嬢さんが、首についた神器の写真を、撮って見せてくれた。なるほど首輪というよりカチューシャに近いかもしれない、最上部の丸い物体は黒い宝玉で銀色の光が渦を巻いている。正直な感想を言うと、物理的攻撃力が皆無なんですが、そこんとこどうなんでしょう。
「それが神器。一度ちゃんとした発現ができれば、あとはあなたの意志でどこにいても発動可能になるわ。そしてそれを危険視されて、堕天使に殺されたの」
え? 俺ついでとか言われたんですけど。言わないほうがいいかもしれない、可哀そうな目で見られそうだから。
「じゃあ、俺はこれで。紹介とかは後日グレモリー先輩の言う、とある子が来たら改めてでいいですよね?」
グレモリ―先輩は短く返事をしてくれたので、オカ研部室を後にする。はぁ……しっかし悪魔とか神器とか到底信じらんないけど、神器に至っては出てきちゃったし、もう全部信用したほうが無難かもしれない、まだ自分が死んだなんて実感は無いのだけれども。まぁ、いいか平和に暮らせれば。そういえば夕飯の買い物に行かな、今日は新しい料理に挑戦せねば料理スキルは上達しないしな。
「いやー、チラシ見てなかったが卵の特売やってたなんて知らなんだわ、ラッキーラッキー」
卵の特売に見事勝利し、ちょっとウキウキしながら家に向かう。なんか目の前の道路の真ん中でスーツのおっさんがこっち睨んでんですけど、何この人変質者? なんかいやな予感しかしないんですけど。家までの距離はおおよそ500メートルくらい全力で走ればなんとかなるかな、むしろなんとかなってほしい。でもあれだ、人をみためで判断してはいけませんと母さんも言っていたきっと仕事帰りのおっさんなんだよきっと。と思いながら歩き続ける。
「これは珍しいこんな片田舎で貴様のような存在に会うとは」
アウトです、全力で。グッバイ、俺の平和。つか何このおっさん中二病患ってるよ、俺を見て特別な存在だとか言ってんの? だたの一般小市民の人間……じゃなかった俺悪魔だった。てことはこの中二病患ったおっさんは、俺様チャンが悪魔だって気づいてんの? ともなれば、やることはただ一つ!
「きさま、主は――――」
「戦略的撤退だァー!」
走る、全力で走る。残念ながら武器はない、あるのは卵と野菜や肉の入ったレジ袋、あとは物理的攻撃力皆無の神器だけ。どうする?
① 戦利品を無駄にして投げつけて頑張って逃げる。
② 突如神器が覚醒、撃退できる。
③ 逃げられない現実は非情である。
うん、しかたない。
流石の中さんでも、人の家に勝手に入ることはしてこないだろう、むしろそう信じたい。つか、なんであの体勢で追ってきたんだ? 殺しに来たんなら、上から光の槍を投げつけてこなかったんだろうか? まぁ、中さんの考えてることは全くわからんけど。そのあとは、特に何もなく中さんの仲間が襲ってくるわけでもなく、一日を終えた。ただし卵は全部割れていた、チクショウ。
いつも通りの少しだるい朝、いつも通りの登校風景だと思ったら何故かイッセーが、グレモリ―先輩と登校していた。少し気になったが悪魔がらみのことだろうし、後でもいいだろうと思いスルーした。放課後、とりあえず、オカ研に顔を出そうと席を立ったらイッセーに引きとめられた。いわく、グレモリ―先輩の使いが来るから、俺も連れて来いとのことらしい。急に女子達から黄色い声が聞こえた、耳痛い。入口を見やると木場君がいた、この教室に何の用だろう? イッセーは荒んだ眼をしてイケメン王子が何の用だ。と怨嗟の声を発している、何というか敵視しすぎじゃないか? そんなことを思って、生温かい目でイッセーを見ていると、木場君がこちらに近づいてきた。
「リアス・グレモリ―先輩の使いできた」
あぁ、つまり彼も悪魔なんですね。そう思いオカ研に行くんだろうと思って立ち上がる。
「僕についてきてほしい」
木場君は、イッセーだけを見て言った。あっ、私はお呼びでないですかそうですか。じゃあ教室から出たら別れましょうか、お呼びでないようですし。イッセー達と逆方向に曲がったら、木場君に腕を掴まれた、いつものニコニコ顔で。しぶしぶ従った、怖いから。その時に後ろの方から、B&Lめいた会話が聞こえたけど、聞こえなかったことにしよう、木場くん×大禍……誰徳だよそれ。
昨日も来た旧校舎、一度来ただけなのになんだろうこの安心感、不思議だ。まあ、多分気のせいだと思うけど。なんか、三人縦に並んで歩いていると、ワイバーン・クエストを思い出す、悪魔に会いに行くシチュエーションとか特に。まあ、だからなんだって話なんだけどね。
オカルト研究部と書かれたプレートの付いたドアの前にたどりつく、まただ、また水の音がする。昔はこんなに物音に敏感じゃなかったはずだが? う~んわからん、なんでだろう?
悩んでいると、確認をとりドアを開いて中に入ろうとする木場君とイッセーが怪訝そうな顔でこっちを見ていた。
「入らないのかい?」
「少し待ってから入るよ、逃げたり帰ったりしないから、ほら超安心」
おどけながら、木場君に言ったらイッセーに引っ張られ部屋に入れられた。解せぬ。
相変わらず名前に負けてない部屋だ、オカルト感が出ている。その理由は、前回気づかなかったが足元に巨大な魔法陣が描かれてること。イッセーは珍しいのか、きょろきょろと周りを見渡している。そして羊羹を食ってる白髪のお嬢さんに気づいたようだ。
「こっ! この子は!」
「知っているのかイッセー!」
ごめん、ノリでやった。でも後悔はしていない。
「彼女は一年の塔城小猫さんだよ。こちらは兵藤一誠くんと、大禍時悪くん」
だけど答えてくれたのは木場君だった、この子の名前は塔城さんというのか覚えておこう。
「あ、どうも」
「やほ」
塔城さんは軽く頭を下げてくれた。とりあえず挨拶は返してくれるようだ、前回きついのを一発もらったけど。
水の音はやはりシャワーの音か、音のしない方に体を向けておこう、なんというかじろじろ見るものじゃないだろう。
「部長、お召し物です」
シャワーの音が消えてどこかから声が聞こえた、最初に部屋を見たときには塔城さんだけだったので、おそらくシャワールーム? のカーテンの向こう側にもう一人、グレモリー先輩とは別の人がいるのだろう。
「……いやらしい顔」
塔城さんがぼそりと言った、振り返り塔城さんを見るが、羊羹を丸かじりしているだけ。その代わり隣のイッセーがしょんぼりしてる。しかし羊羹を丸かじりなんてよくできるな、俺には出来っこない。もったいない的な意味で。
「ごめんなさいね、昨夜、イッセーの家にお泊まりして、シャワーを浴びてなかったから、いま汗を流していたの」
シャワールームのカーテンの前には、いつの間にか黒髪でポニーテールの和服が似合いそうな女性と、シャワーからあがったグレモリ―先輩がいた。昨夜イッセーの家に泊ったと言っていたけど……まあ、どうでもいいか。
「あらあら、はじめまして、私、姫島朱乃と申します。以後、お見知りおきを」
ニコニコした顔で、ポニーテールの人が丁寧にあいさつしてくれた。なんというか、すごくおしとやかなお人だ。イッセーがあいさつしていたので、ついでに俺もしておこう。
「どうも、はじめまして大禍時悪ですよろしくお願いします」
グレモリ―先輩は俺たちが、あいさつし終わるのを見ると満足そうに頷く。
「これで全員そろったわね。兵藤一誠くん。いえ、イッセー」
「は、はい」
「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ。悪魔としてね」
イッセー、茫然と立ち尽くす。わかるぞ、その気持ち。そしてみんなソファーに座る。俺はとりあえずイッセーの隣に。
そのあとの話は、おおよそ俺の聞いた話と同じだった。違った点といえば、あのコスプレ女がイッセーの彼女であった女だってことと、冥界やら覇権やらの解説だった。要約すれば冥界では昔っから二種族が冥界を手に入れるために喧嘩してて、悪魔は人と契約して、堕天使は人を使って、そんで天使はじゃあ両方消そうぜってことで、三すくみができているらしい。伝わるかは、わからんけど多分こんな感じ。
神器が原因で殺されたことと、神器の説明、これも俺が聞いたのとほぼ遜色はない。ただ、歴史上の人物や世界で活躍している人たちも、神器を持っているってのは初耳だった。グレモリ―先輩は、俺に指示したのと同じように指示をする。
あのポーズは確か転校初日の時に、邪神ライダーの話から飛躍して、イッセーが熱く語っていたドラグ・ソボールの主人公、空孫悟のドラゴン波のポーズだったか? ハハハお前もせいぜい恥ずかしがるがいいさ、あの時の俺は恥を捨てていたし。そういえば写真消してもらってなかった、どうしよう。
余計なことを考えていると、イッセーの左手が光り輝く。俺の時もこんなに光ってたんだな、としみじみ思った。光が次第に止んでいくとそこには、真っ赤な籠手が装着されている。これでイッセーも立派なコスプレイヤーだな、しかし俺のよりもはるかに物理的攻撃力がありそうだ、ちょっとうらやましい。
「アクは、神器を持ってるのか?」
「一応な。俺のは、これ」
首元が一瞬光り、薄い光沢を放つ銀色の首輪が出現する、それを指先でトントンと叩いて、こいつとジェスチャーをする。ポーズ取らなくても、すぐに出せるのなこれ。
「改めて紹介するわね。祐斗」
グレモリ―先輩は木場君に目くばせする、それに応じて。
「木場祐斗です。君たちと同じに二年生ってことはわかっているよね。えっと、僕も悪魔です。よろしく」
「……一年生。……塔城小猫です。よろしくお願いします。……悪魔です」
「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、研究部の副部長も兼任しております今後もよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ」
「二年生、大禍時悪。最近悪魔になったばかりで、まだ右も左もわからないが、頑張ってみる。よろしく」
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー、アク」
どうやらグレモリー先輩も俺の呼び名はアクで確定したらしい、気にしないけど、だが、今言いたいことはただ一つ。せーの。
俺は人間をやめていたぞ! イッセェェェェェェェ!!