シグルズは、かすかに聴こえる鼻歌を頼りに階段を昇る。
(フフ…フン……♪)
「どこまで続くんだ…?」
少しずつはっきり聴こえるようになっているが、まだたどり着かない。
「誰…?」
少女が柱の影から現れた。
「俺は、シグルズ。
君は…?」
「私は、ゲルダ。
皆でかくれんぼしていたら、ビーストが現れて、友達をさらっていったの。
私は、木の影に隠れていて、見つからなかったわ。
それで、ビーストの後を追ってここまで来たの。
………嫌な予感がするの。
シグルズさん、私も連れていって」
「危険なのは…「それはわかっているわ。けれど、とらわれている友達を助けたいの!」
ゲルダの瞳は、強い光を放っていた。
「………そうか。
わかった、はぐれないようにな………」
二人は、階段を昇り続けた。
無限に続くと思うくらい長い階段も終わりが見えてきた。
何か黄金に輝くものが見える。
「アルティス、お前は何日も食べていないね。
このおいしいりんごを一口お食べ……」
雪の女王がアルティスに黄金に輝くりんごを差し出していた。
「だめっ!彼から離れて!」
「ゲルダ!待つんだ!」
シグルズの制止を振り切って、ゲルダは、走った。
そのまま黄金のりんごを払い落とした。
「!?」
りんごから黄金の輝きが失われ、ゲルダの体が輝き出した。
「アルティス!
こっちに来るんだ!」
シグルズの呼び掛けにアルティスは答えた。
雪の女王は、ゆっくりとゲルダに近づいていった。
「……こっちに………こっ…来ないで…」
「………
………ん、お前たちはどこから入ってきた?
お父様、彼らを排除して…」
ドスン…!
「…私とスノーの計画を止めることはできない。
お前たちの命も終わりだ!」
ビーストがシグルズたちをめがけて、走ってくる。
「あなたは?」
「俺は、シグルズ。
アルティス、逃げるぞ!」
「待って、あそこにポータルがある。
それなら、村に帰れるんだ!」
「案内してくれ!」
氷の階段をかけ降りていく。
しかし、ビーストは、ひとっ飛びして、踊り場に先回りしていた。
「探偵よ、警告したであろう…」
「俺は、依頼を受けて来たんだ!
任務成功するまで、死ぬわけにはいかない!」
「ならば、私がお前を殺すのみ!」
ビーストは、クローを付け、シグルズに襲いかかった。
「アルティス、ポータルの近くにいろ!」
シグルズは、剣を引き抜いて応戦。
「フン、抵抗しても無駄だ。
お前の死は、確実に迫ってる…」
「あいにくだが、俺は剣術を心得てるんだ!」
カーン!
シグルズの剣がビーストの体に刺さった……いや、ネックレスを破壊した。
すると、ビーストの体が黒い靄に包まれた。
「なん……だ?」
靄が晴れると、そこにはビーストのかわりに若い男が立っていた。
「…あれ…?
……私は…いったい……?」
シグルズは、剣を突きつけた。
「何をするんだ?」
「俺たちを殺そうとしただろ!?」
「すまない…。
スノーは!?
スノーが
「お前は!?
他の子供たちは?」
「私は、ウェルキン、レオーテ王だ。
子供たちは地下室だ。
これがその鍵だ」
「アルティス、この鍵を持って行ってこい」
「…探偵よ、急がなければ…。
付いてこい!」
「ああ!」
――――――――
《スノー、ようやく見つけたか…。
感じる、感じるぞ…。
『
偽りの鏡が喜びにふるえていた。
カツッカツッカツッ……
「離してよ!」
「………………」
《スノーが来る…。
私の復讐がとうとう果たされるのだ…!》
部屋の中央には、ガラスの棺が置かれている。
《復活を果たしたならば、手始めにあの者を殺そう》
棺の中には、少年が横たわっている。
《絶望の淵に立たされたスノーの