童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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第四話~女王と伝説の子供~

シグルズは、かすかに聴こえる鼻歌を頼りに階段を昇る。

 

 

 

(フフ…フン……♪)

 

 

 

「どこまで続くんだ…?」

 

 

少しずつはっきり聴こえるようになっているが、まだたどり着かない。

 

 

 

「誰…?」

 

 

少女が柱の影から現れた。

 

「俺は、シグルズ。

君は…?」

 

「私は、ゲルダ。

皆でかくれんぼしていたら、ビーストが現れて、友達をさらっていったの。

 

私は、木の影に隠れていて、見つからなかったわ。

 

それで、ビーストの後を追ってここまで来たの。

 

 

………嫌な予感がするの。

シグルズさん、私も連れていって」

 

「危険なのは…「それはわかっているわ。けれど、とらわれている友達を助けたいの!」

 

ゲルダの瞳は、強い光を放っていた。

 

 

「………そうか。

わかった、はぐれないようにな………」

 

 

二人は、階段を昇り続けた。

 

 

 

 

無限に続くと思うくらい長い階段も終わりが見えてきた。

 

 

何か黄金に輝くものが見える。

 

 

 

「アルティス、お前は何日も食べていないね。

このおいしいりんごを一口お食べ……」

 

 

雪の女王がアルティスに黄金に輝くりんごを差し出していた。

 

 

「だめっ!彼から離れて!」

 

「ゲルダ!待つんだ!」

 

 

シグルズの制止を振り切って、ゲルダは、走った。

 

 

そのまま黄金のりんごを払い落とした。

 

 

「!?」

 

りんごから黄金の輝きが失われ、ゲルダの体が輝き出した。

 

 

 

「アルティス!

こっちに来るんだ!」

 

 

シグルズの呼び掛けにアルティスは答えた。

 

 

雪の女王は、ゆっくりとゲルダに近づいていった。

 

「……こっちに………こっ…来ないで…」

 

「………黄金の子供(ゴールデン・チャイルド)………私は、何世紀もの間お前を探していた………。

………ん、お前たちはどこから入ってきた?

 

お父様、彼らを排除して…」

 

 

 

ドスン…!

 

 

 

「…私とスノーの計画を止めることはできない。

お前たちの命も終わりだ!」

 

 

ビーストがシグルズたちをめがけて、走ってくる。

 

 

「あなたは?」

 

 

「俺は、シグルズ。

アルティス、逃げるぞ!」

 

「待って、あそこにポータルがある。

それなら、村に帰れるんだ!」

 

「案内してくれ!」

 

 

 

氷の階段をかけ降りていく。

 

 

しかし、ビーストは、ひとっ飛びして、踊り場に先回りしていた。

 

 

「探偵よ、警告したであろう…」

 

「俺は、依頼を受けて来たんだ!

任務成功するまで、死ぬわけにはいかない!」

 

「ならば、私がお前を殺すのみ!」

 

 

ビーストは、クローを付け、シグルズに襲いかかった。

 

 

「アルティス、ポータルの近くにいろ!」

 

 

シグルズは、剣を引き抜いて応戦。

 

 

「フン、抵抗しても無駄だ。

お前の死は、確実に迫ってる…」

 

「あいにくだが、俺は剣術を心得てるんだ!」

 

 

 

カーン!

 

 

シグルズの剣がビーストの体に刺さった……いや、ネックレスを破壊した。

 

 

すると、ビーストの体が黒い靄に包まれた。

 

「なん……だ?」

 

 

 

靄が晴れると、そこにはビーストのかわりに若い男が立っていた。

 

「…あれ…?

……私は…いったい……?」

 

 

シグルズは、剣を突きつけた。

 

「何をするんだ?」

「俺たちを殺そうとしただろ!?」

「すまない…。

スノーは!?

スノーが黄金の子供(ゴールデン・チャイルド)を探していた理由…!」

「お前は!?

他の子供たちは?」

「私は、ウェルキン、レオーテ王だ。

子供たちは地下室だ。

これがその鍵だ」

「アルティス、この鍵を持って行ってこい」

 

 

「…探偵よ、急がなければ…。

付いてこい!」

 

「ああ!」

 

 

 

――――――――

 

 

《スノー、ようやく見つけたか…。

感じる、感じるぞ…。

黄金の子供(ゴールデン・チャイルド)』の魔力(ちから)を…》

 

偽りの鏡が喜びにふるえていた。

 

 

カツッカツッカツッ……

「離してよ!」

「………………」

 

《スノーが来る…。

私の復讐がとうとう果たされるのだ…!》

 

部屋の中央には、ガラスの棺が置かれている。

 

《復活を果たしたならば、手始めにあの者を殺そう》

棺の中には、少年が横たわっている。

 

《絶望の淵に立たされたスノーの精神(こころ)を食らいつくし、世界を氷で閉ざすのだ!》

 

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