「あの機械に四大元素のオーブとムーンストーンを乗せると、ムーンストーンに
今、オーブを取ってくるわ。
フリアンナ・エドラン!」
ルースは、呪文を唱えると、姿を消した。
「おっ…おい…!」
ハインリヒは、しばらくルースのいた場所を見つめていた。
「……お待たせっ!」
「わっ!」
ルースが背後に現れた。
「驚かさないでおくれよ…」
「そんなに驚かないでよ…。
まっ、何はともあれ、オーブを持ってきたわ。
機械を起動させましょう」
ルースは、オーブをステージの上に乗せ、中央の台座にムーンストーンを置いた。
「…じゃあ、始めるわよ」
「ああ、頼む」
「炎よ」
ルースの言葉に呼応するかのようにルビーのオーブに光が灯った。
「水よ」
サファイアのオーブが一際光った。
「風よ」
エメラルドのオーブに命が宿るかのように光が胎動している。
「大地よ」
最後にトパーズのオーブが光輝いた。
まるでステンドグラスを通ったような光が部屋に溢れる。
「月の女神・セレーネよ、夜をもたらしたまえ!」
ルースの力強い声に呼応して、オーブの中央からムーンストーンに向かって、光が放たれた。
四色の光は、ムーンストーンの中で混じりあい、一色の光となった。
オーブからの光が止むと、天にまっすぐ伸びる光の柱が現れた。
すると、たちまち辺りは暗くなり、空には満月が昇る。
遠くに見える湖のちょうど真上に月が来た瞬間、
ゴゴゴ………
「なっ…なんだ…一体…!?」
見ると、湖の
水中から尖塔が姿を現した。
どんどん建物が姿を現す。
湖上に宮殿の姿が現れた。
それは、あのミニチュアと同じもの。
「霧の………王国……」
「そうよ…。
あれが霧の王国の宮殿…、満月の夜だけに現れる伝説の宮殿よ…」
ルースは、ハインリヒに赤いローブを差し出した。
「…探偵さん、霧の王国はとても危険なところよ。
宮殿の中に入った人は、生きて帰って来れないと言われているの。
この赤ずきん姉妹のローブを持って行って。
ローブには霧の狼ににおいを察知されない魔法の力があるの。
きっと役に立つわ」
「ありがとう、ルース」
ハインリヒは、ローブを受け取った。
「私は、ここに残って、他に手がかりはないか探してみるわ。
探偵さん、幸運を……」
「ああ、必ず仲間を連れ戻してくるよ。
それまで待っていてくれ」
「もちろんよ!
こう見えても、私、強いんだから!!!」
ハインリヒは、霧の王国が現れた湖に向かった。