童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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第四話~狼の女王といにしえの民・ファリアン~

湖のほとりには、霧の王国へと向かう橋がかかっていた。

 

(ここを渡れば、霧の王国…か)

 

 

ハインリヒは、ゆっくりと霧の王国に向かって歩き始めた。

 

 

 

 

数分で霧の王国の広場にたどり着いた。

 

(この国の掲示板だ…。

日付は、約500年前のもの…。

何があったんだ…?)

 

 

 

 

宮殿の入口に目をやった。

 

 

かろうじて何かが見える。

 

 

(赤ずきん姉妹団の姿だ!)

 

 

姉妹団を乗せた荷車を追っていった。

 

荷車が宮殿に入ると、城門は固く閉ざされた。

 

 

(はっ!誰かの視線!)

 

 

見上げると、塔の上に立つ女性がこちらを見ている。

 

 

女性は、薄笑いすると、たちまち黒い霧に包まれ消えてしまった。

 

 

(あれが“狼の女王”か?

だが、宮殿に入らねば…)

 

ハインリヒは、城下町に向かった。

 

 

城下町の広場には、住民だろうか、いくつもの人骨があった。

 

ハインリヒは、まず酒場に入った。

 

 

もちろん、中には人骨が。

 

テーブルには、メモが置かれていた。

 

《黒い霧が街を襲ってくる。

人々は、次々と倒れていく…。

私も死を覚悟している…》

 

 

(霧の王国の最期か…。

いったい何があったのだろう?)

 

カウンターを見ると、何かが書かれている紙切れが置かれている。

 

 

(この古代文字には、見覚えがある…。

ファリアン語だ…。

何か鍵になるかもしれない)

 

ハインリヒは、その紙切れをしまった。

 

 

外に出てると、酒場の上の部屋から灯りが漏れているのが見えた。

 

 

(誰かいるのか…?)

 

 

部屋に入ると、男が短剣を持って、襲いかかってきた。

 

 

ハインリヒは、とっさにローブを見せた。

 

 

「待て!

赤ずきん姉妹団のローブを持っているが、姉妹団の者じゃないな」

 

「私は、ハインリヒ・フォン・ディアナ。

童話探偵連合より派遣された探偵だ!

そなたの名は?」

 

「私は、ラファエル、ファリアン族の狩人だ。

かつてファリアン族は、この王国の支配者を守護してきたのだが、王国が滅びたとき、私の祖先のほとんどが運命を共にしてしまった。

私は、その生き残りの一人だ」

 

「ラファエル、なぜここに?」

 

「私の幼なじみのエルドラを探しているんだ。

彼女は、若くして“赤ずきん姉妹団”に入団して、戦士となる訓練を受けていた。

 

しかし、入団してから彼女の姿を見た者はほとんどいない…。

 

狼の女王に囚われていると聞き、ここまで来たのだ」

 

「ならば、目的は一緒だな…。

私の任務は、狼の女王の確保と赤ずきん姉妹団の救出なんだ。

協力してくれないか?」

 

「もちろんだ」

 

「先ほど、赤ずきん姉妹団が宮殿に運ばれていくのをみたのだが…。

突入できそうもなくて…」

 

「よし、付いてこい。

ファリアン族だけが知る入口があるんだ」

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