童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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―月長石の物語―

昔々、人々は灼熱の太陽の下で働き、夜になるとくたくたになって家に戻るという生活をしていました。

 

「どんなに休んでも、疲れが取れないよ…」

 

 

そんな様子を天上の世界で見ていた一人の女神がおりました。

 

彼女は、月の女神・セレーネ。

 

「まぁ…、かわいそうだわ…。

どうにかできないかしら………」

 

人間たちの苦境に心を痛めた月の女神(セレーネ)は、考えます。

 

「そうだわ!

彼らに魔石を与えましょう!」

 

月の女神(セレーネ)は、自分と同じ力を宿す7つの魔石を作りました。

 

その魔石は、月長石、またの名をムーンストーンといいます。

 

それぞれのムーンストーンは、夜の長さを少しだけ伸ばす力を持っていました。

 

「この魔石を人間に与えに参りましょう…」

 

月から地上に降りてきた女神(セレーネ)は、選ばれた7人の人間にムーンストーンを与えました。

 

「……………これは、ムーンストーンといいます。

これを使えば、夜の長さを少しだけ伸ばすことができます。

これをあなたに与えましょう」

 

「女神様!ありがとうございます!

大切にいたします!」

 

素晴らしい贈り物に感激した人々は、月の女神(セレーネ)のために神殿を建てました。

 

そのため、月の神殿が数多く残っているのです。

全てのムーンストーンを人間に与えた後、女神は、初代赤ずきんの元を訪れます。

 

「イザベラ、あなたに“月のエッセンス”を預けます」

 

「なぜ私が…?」

 

「あなたは、強い戦士だからです。

私は、7つのムーンストーンを作り、人々に与えました。

しかし、ムーンストーンがこの世界に存在すると、世界のバランスが崩れてしまう…。

 

だから、バランスを保つために、“月のエッセンス”を残していかなければならないのです。

 

けれど、“月のエッセンス”も危険なものなのです…」

 

女神の体が透明になっていきます。

空が明るくなってきたのです。

月が沈む前に帰らなければ、女神は神々の父・ゼウスの怒りを買い、稲妻に撃たれて死んでしまいます。

 

セレーネは、急いで天上に戻ろうとします。

 

「女神様、待って!

“月のエッセンス”は、なぜ危険なの!?」

 

 

女神はイザベラにこう告げました。

 

「“月のエッセンス”は、ムーンストーンを結びつけたり、破壊したりできる力を持っています。

………7つのムーンストーンが結ばれるとき、あなたたちの世界は、永遠の満月の夜に閉じ込められるでしょう………」

 

 

 

そう言い残すと、女神の姿は消えました。

 

 

イザベラは、隠れ家の近くに地下神殿を作り、“月のエッセンス”を隠しました。

 

そして、その神殿には代々のリーダー以外入れないように存在を隠しました。

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