童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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第六話~裏切り~

エルドラが声をあげ、“月のエッセンス”を手にした。

 

そして、エルドラは指をならした。

 

 

すると、たちまち黒い霧に包まれ、エルドラの姿が見えなくなった。

 

霧が晴れたとき、そこには狼の女王が立っていた。

 

 

 

「これでこの世界を闇で永遠に閉ざすことができる!」

 

姿は違えど、声はエルドラだった。

 

 

「エルドラ!

私を裏切ったのか!?」

「我ら赤ずきん姉妹団を裏切った罪を償ってもらうわ!」

 

「待て、ルース!」

 

ハインリヒの忠告を聞かず、ルースは短剣を手に狼の女王に向かって走っていく。

 

「あっ………」

 

しかし、霧の狼が女王を守るように立ちふさがり、ルースに攻撃した。

 

 

狼の女王…いやエルドラは、霧の狼をさらに呼び出し、冷たく言い放つ。

 

「殺れ」

 

 

「………そうはさせません」

 

長い髪を持つ赤ずきん姉妹団の一員が現れた。

 

ハインリヒは、彼女に見覚えがあった。

 

「あなたは…確かデータベースに…」

 

 

「リエルカさんに助けられました、ローズです」

 

 

リエルカの調査報告に載っていた女性と全く同じ女性が目の前に立っている。

 

 

「フン……、眠りから覚めた姫か……。

 

まあいい、殺れ」

 

 

エルドラは、ローズを指さした。

 

 

襲いかかろうとする狼。

 

 

「ローズ!」

 

「ご心配なく」

 

ローズは、持っていた杖を地面に突き刺した。

 

すると、地面から茨が何本も伸び、霧の狼を貫く。

 

 

キュン……!

 

 

狼は、黒い霧になって消えた。

 

 

エルドラは、倒れているルースを拐うと、ハインリヒに耳打ちしていった。

 

 

「ルースを生きて返してほしければ、最後のムーンストーンを持ってくるのだ。

 

わかったな!」

 

 

言い終わると、エルドラとルースの姿は消えていた。

 

 

「………エルドラが私を裏切るなんて………」

 

 

ラファエルは、全身の力が抜けたようにがっくりとうなだれた。

 

「ムーンストーンを持っていかなければならないのか…」

 

「ハインリヒさん、これを使ってください」

 

 

ローズが渡したのは、一組の弓矢。

 

 

「これは、“霧の弓”と呼ばれるものです。

これで“月のエッセンス”を破壊してください。

 

“月のエッセンス”を破壊すれば、二度とムーンストーンを悪事に使うことができなくなります。

 

どうか阻止してください!」

 

そして、ローズは仲間に向かって呼び掛けた。

 

「みんな!狼の女王との最終決戦よ!

臨戦態勢を整えるのよ!」

 

 

「「「「「「オー!」」」」」」

 

 

姉妹団は、すぐさま武器のメンテナンスに取りかかった。

 

 

「ラファエル、もう一度霧の王国に向かうぞ!」

 

「ああ!」

(エルドラ・・・、裏切るなんてうそだろ・・・?)

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