「アリア!
そんな体で……無茶よ!」
「でも…これしかない…!
犠牲を少しでも減らすには!」
アリアは、傷だらけの体に鞭打って、剣を握った。
「ハアァァァッ!」
「「「「アリア!!!」」」」
戦いが終わったあと、ぼろぼろになった赤いローブが残された。
赤ずきん姉妹団のリーダー・アリアは、自らの命と引き換えに、ファビウス森を侵略しようとした霜の巨人族との戦いを終わらせたのです。
14年ぶりにリーダーの座が空席となりました。
「私たちは、
彼女は、恐れを知らない戦士でした。
彼女のために祈りを捧げましょう」
赤ずきん姉妹団の団員は、歴代の
「………アリアの指名した後継者の候補は、二人。
テレサとエルドラ、あなたたちのどちらかが次の
私たちは、二人の行動を観察し、話し合いの結果新しい
テレサとエルドラは、幼なじみであり、ライバルでもありました。
「エルドラ、負けないわよ」
「私だって、テレサには負けないわ」
それから1ヵ月…。
エルドラは、焦っていました。
姉妹たちが冷静沈着なテレサを
(あと7日で新しい
私の方が
そんなとき、ある話を耳にします。
―満月の夜だけに現れる霧の王国。
その奥には“狼のオーブ”によって開かれた、異次元に繋がるポータルがあるという。
その異次元は、霧の狼と狼の王が支配する世界…。―
(狼…、私たちにとって因縁の敵だわ。
もし倒すことができたら、私が
エルドラは、“狼のオーブ”を破壊するために霧の王国に侵入しました。
そして、狼の王と対峙します。
「娘、この世界に何のために来た」
「あなたを倒すためよ、狼の王・ザガード」
「面白い。
では、倒してみるがよい、娘。
だが、そう簡単には倒されまい」
壮絶な戦いでした。
エルドラは、狼の王に致命傷を与えます。
「…………娘…………」
狼の王は、玉座に座ったまま息絶えました。
(“狼のオーブ”……これを破壊すれば、私は……)
オーブが突然光瞬きます。
『エルドラ……』
「えっ………?」
『私だ、お前の手の中の…』
「“狼のオーブ”!
私は、お前を破壊するのよ!」
『お前…力を欲しているな…』
「ほっ……欲してなんてないわ!」
『素直になれ、エルドラ。
指導者になりたいのだろう?』
「………」
『私を受け入れろ。
そうすれば、霧の狼を従わせることができる』
「そ…そんな誘惑、効かないわ!」
『動揺しているな…。
拒絶するでない、受け入れろ…。
リーダーになりたいのだろう?』
「わ…私は…………」
“狼のオーブ”に心を汚されたエルドラは、誘惑に負けてしまいます。
(狼を従わせることができる…!
変身もできる…!
力を…ようやく手にいれたわ!)
しかし、
「私たちは、テレサを
「選ばれて光栄です。
良き姉となれるよう、これからも精進します」
エルドラが
それは、霧の狼が現れたとき、エルドラの姿がなかったからです。
(………悔しい!
私がなるはずなのに!)
その時、ムーンストーンの話を耳にします。
(………ならば、この世界を闇で閉ざしてしまえばいい………)
かつてのエルドラならば、こんなことは考えなかっただろう。
しかし、彼女の心は汚されており、善悪の区別がつかなくなっていたのです。