童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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第七話~新たなる時代~

ポータルの開かれた玉座の前に集合した。

 

「みんな、突入するわよ!」

 

次々と、ポータルに飛び込んでいく。

 

(最終決戦だ!)

 

 

ポータルの先に広がっていたのは、満月が輝く世界だった。

 

「ルースを見つけたわ!」

 

赤ずきん姉妹団の一人が声を発した。

 

「ルース!

くそっ、檻が邪魔だ…!」

 

「私に任せて!」

 

ジェシカが斧を振りかざした。

 

檻は、粉々に砕け散った。

 

「ルース、無事か?」

 

「……ええ……ありがとう……」

 

ルースの無事を確認したとき、

 

「……フフフ……!

やっと最後の月長石(ムーンストーン)を手に入れたわ!

 

あとは、“月のエッセンス”を使って、7つの石を融合させれば…!

 

……ゾクゾクするわ……!」

 

霧の女王・エルドラが不敵な笑みを浮かべていた。

 

その手には、『満月のムーンストーン』が握られている。

 

「エルドラ!

バカな真似はよせ!」

 

ラファエルが説得を試みる。

 

「バカな真似?

フン、これのどこが“バカな真似”というのかしら!?

霧の狼(しもべ)たちよ、やっておしまい!」

 

グルル……!

 

次々と狼が現れる。

 

赤ずきん姉妹団は、狼に応戦する。

 

「探偵さん!

“霧の弓矢”でエッセンスを破壊してください!」

 

ローズが叫ぶ。

 

 

すでに、エルドラは結合の魔方陣を展開させていた。

 

「エルドラが“月のエッセンス”に触れる前に!」

 

ハインリヒが的を定めようとしたとき!

 

グルルッ!

 

一匹の狼がハインリヒめがけて、攻撃を仕掛けた。

 

 

 

「……………!」

 

ハインリヒが目を開けたとき、霧の弓矢はラファエルの手の中にあった。

 

「こうなって残念だよ、エルドラ…」

 

ラファエルから放たれた矢は、まっすぐ飛んでいき、“月のエッセンス”を粉々に砕いた。

 

と同時に、凄まじい魔力を放出した。

 

 

「この世界が崩壊しつつあるわ!

早く脱出しましょう!」

 

ルースが呼び掛ける。

 

 

「ラファエル!

逃げよう!」

 

 

ラファエルは、一人エルドラの元にいた。

 

エルドラは、放出された魔力を直に浴びたがゆえに弱っていた。

 

「………本当は、力が欲しかっただけなの………。

長姉(リーダー)になりたくて…」

 

「お前がしたことは、許されない。

きっとこれがお前に課された天罰だろう。

 

……だが、お前のいない世界にはいたくない……。

 

エルドラ、最期まで一緒にいるよ…」

 

「ラファエル…あなたが最期にいてくれて嬉しいわ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハインリヒ達がもとの世界に戻って、すぐにポータルを閉じた。

そして、すべての元凶とも言える“狼のオーブ”を破壊した。

 

 

「ルース、みんなで話し合ったの。

勇敢なあなたが新しい長姉(リーダー)になるのよ!」

 

長姉(リーダー)に選ばれて、光栄です。

名に恥じぬように鍛練を続けます」

 

「狼の赤ちゃんを見つけたわ。

ねぇ、今度は仲間として育ててみましょうよ」

 

「そうね。

赤ずきん姉妹団と狼の新しい時代が始めましょう!」

 

ルースは、ハインリヒに顔を向けた。

 

「探偵さん、“月のエッセンス”と月長石(ムーンストーン)を封印してくれてありがとう。

 

霧の女王の正体は、エルドラだったのがショックだったけれど…。

でも、新しい長姉(リーダー)として、姉妹団を導いていくわ」

 

「ルース、君なら素晴らしい長姉(リーダー)になれるさ」

 

「えっ…」

 

「僕も領民を束ねる者だ。

 

よき領主の条件とよきリーダーの条件は、同じだよ」

 

「あなた、領主なの!?」

 

「ハインリヒ・フォン・ディアナ、伯爵としての僕の名前さ。

 

さて、僕は領地に戻るよ。

公務が待ってる」

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