―ディウス城・城内―
礼拝堂を通りすぎ、城内に入った。
「薄暗いわね…。火球でも作るか…。『
リエルカは、ランタンを取り、呪文を唱えた。
「さて…、ローズの話では本当のローズの体を眠りから覚まさなきゃならないのよね…。でも、どこにあるのかはわからないのよね…」
食堂に入ると、あるものに気づいた。
それは、粉々になった王の墓標だった。
「これは、ひどい…。後で直してあげましょう」
リエルカは、欠片を集めて、袋にしまった。
「良い行いですね。心の清いあなたなら、『ローズポーション』を作れるかもしれないわ…」
ふと、声がした。
光の粉が現れたかと思うと、一人の若い魔女の姿が浮かんだ。
「私は、ホンファ。今は、魂だけの存在だけど…。あなたがリエルカね。『ローズポーション』の作り方を託すわ」
リエルカは、警戒した。
「あなたは、あの烏ではないの?」
ホンファは、穏やかに言った。
「烏?…あなたも見たのね?邪悪の化身、ロゼルダを…。こうしてはいられない。私の言うことをよく聞いて」
ホンファが指を振った。軌跡がキラキラと光り、リエルカに降り注いだ。光の粉が止んだとき、リエルカの手の中に石でできたディスクがあった。
「それは、ローズの部屋へ行くために必要な『ホワイトローズ』を手に入れるために必要なもの。全部で7つあるわ。礼拝堂の前に祭壇があったでしょう?正しい場所に置くと、『ホワイトローズ』が手に入るわ」
「他の6つは…」
「他の良い魔女が守っているわ。でも、忘れないでほしいことがあるの。ローズの部屋へ行くにはもう一つ『ブラックローズ』が必要なの…残念ながら、私は知らないわ…」
リエルカは、ディスクをしまった。
「あ…なた…なら、ローズ…救え…る…」
ホンファの姿が薄れ、声が途切れてきた。
「待って、『ローズポーション』の作り方を…!」
「も…時間…ないの…最後…魔力…使…きっ…」
言い終わらないうちに、ホンファの姿も声も跡形もなく消えた。
ホンファの立っていた場所に光の球だけが残った。
その光の球も空へ上って、最後にひと輝きして消えていった。
(ローズを助けてあげて…)
「ホン…ファ…。あなたは、命をかけて…」
リエルカは、ディスクを抱きしめ、涙をこらえた。
そんなリエルカをあの
(フフ、ローズの体が手に入りそうだわ…、もう少しあのリエルカやらを泳がせておくか!)
そして、空へと飛んだ。