童話の闇~Dark Parables~   作:アリス・リリス

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第二話~目覚めの鍵~

―ディウス城・城内―

 

礼拝堂を通りすぎ、城内に入った。

 

「薄暗いわね…。火球でも作るか…。『火球燐砂(ファルザード)!』」

 

リエルカは、ランタンを取り、呪文を唱えた。

 

「さて…、ローズの話では本当のローズの体を眠りから覚まさなきゃならないのよね…。でも、どこにあるのかはわからないのよね…」

 

食堂に入ると、あるものに気づいた。

それは、粉々になった王の墓標だった。

 

「これは、ひどい…。後で直してあげましょう」

 

リエルカは、欠片を集めて、袋にしまった。

 

「良い行いですね。心の清いあなたなら、『ローズポーション』を作れるかもしれないわ…」

 

ふと、声がした。

光の粉が現れたかと思うと、一人の若い魔女の姿が浮かんだ。

 

「私は、ホンファ。今は、魂だけの存在だけど…。あなたがリエルカね。『ローズポーション』の作り方を託すわ」

 

リエルカは、警戒した。

「あなたは、あの烏ではないの?」

 

ホンファは、穏やかに言った。

 

「烏?…あなたも見たのね?邪悪の化身、ロゼルダを…。こうしてはいられない。私の言うことをよく聞いて」

 

ホンファが指を振った。軌跡がキラキラと光り、リエルカに降り注いだ。光の粉が止んだとき、リエルカの手の中に石でできたディスクがあった。

 

「それは、ローズの部屋へ行くために必要な『ホワイトローズ』を手に入れるために必要なもの。全部で7つあるわ。礼拝堂の前に祭壇があったでしょう?正しい場所に置くと、『ホワイトローズ』が手に入るわ」

 

「他の6つは…」

 

「他の良い魔女が守っているわ。でも、忘れないでほしいことがあるの。ローズの部屋へ行くにはもう一つ『ブラックローズ』が必要なの…残念ながら、私は知らないわ…」

 

リエルカは、ディスクをしまった。

 

「あ…なた…なら、ローズ…救え…る…」

 

ホンファの姿が薄れ、声が途切れてきた。

 

「待って、『ローズポーション』の作り方を…!」

 

「も…時間…ないの…最後…魔力…使…きっ…」

 

言い終わらないうちに、ホンファの姿も声も跡形もなく消えた。

ホンファの立っていた場所に光の球だけが残った。

その光の球も空へ上って、最後にひと輝きして消えていった。

 

(ローズを助けてあげて…)

 

「ホン…ファ…。あなたは、命をかけて…」

 

リエルカは、ディスクを抱きしめ、涙をこらえた。

そんなリエルカをあの(ロゼルダ)が見ていた。

 

(フフ、ローズの体が手に入りそうだわ…、もう少しあのリエルカやらを泳がせておくか!)

 

そして、空へと飛んだ。

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