サウザリア大陸・サラデナの森を進むサヤン。
「こんなに整備された森の中で行方不明になるって、信じられないわ…」
奥に進むにつれて、木がうっそうと茂り、薄暗くなっていく。
「……お願い……」
「ギャッ……!
ゆっ、幽霊………!」
実はサヤンは、童話探偵連合本部の職員の中で最も幽霊が苦手なのだ。
「……待って……」
若い女性が現れた。
身構えるサヤン。
「…恐れないで…。
…お願い…が…あるの…」
「…あ…あなたは…?」
「…私は、ナディア…。
…あの人を…助けて…。
彼は…呪いで…永遠に…」
ナディアの言葉の意味が全くわからない。
「あの人って………?」
「フィリップ様…私の愛する人…。
あの人は、さ迷い続けてる…。
お願い、あの人を救って…」
「……わかったわ。
どうすればいい?」
「ついてきて…」
ナディアは、薄暗い森の奥へ進んだ。
(……怖いけど……行かなきゃ……)
--------------------------------------------------------------------
「ナディア、どこに向かっているの?」
「あの人が作った、地下宮殿…。
…魔法の杖が隠されているの。
それがあの人の苦しみを終わらせられるの…」
「………それはどういうことなの………?」
「着いたら…話すわ。
ここから洞窟に入るの。
狭いから、気をつけて…」
「痛っ…!」
「…フフっ…。
だから、気をつけてって言ったのよ。
……ここからは、更に狭くなるわ。
あと、少しで着くから…」
ナディアとサヤンは、洞窟の奥へ奥へと進んでいく。
「ウッ……!
…ま…眩しい……!」
突然、昼のような明るさに目が眩んだ。
「…着いたわ。
ここがあの人の
そして、……私の霊廟……」
そこは、円形の大広間だった。
大広間には、出入口以外に四つの別の部屋の入口があった。
入口の脇にはそれぞれ違った石像が立っていた。
「ナディア、スノー、リリア………。
あなたのいうフィリップという人は一体…?」
「約束通り、話しましょう。
あの人は、『カエルの王子』なのです」
「カ…カエルの…お……王子…?」
「ええ、フィリップ様があの王子なのです…」
「でも、あの物語はハッピーエンドで終わっているはず…」
「いいえ、続きがあるの…。
今から話すのは、本当の『カエルの王子』の物語…。
哀しき王子・フィリップ様の物語…」
-----昔々、サウザリアのトルニア王国にフィリップという美しい王子がおりました。-----