魔法少女リリカルなのは~無限転生者の記憶~   作:№78

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Memory28 勝負の行方

 綺麗な夜空の下、桜色と金色の閃光が何回も当たり、弾けている。

 

「やあっ!!」

 

「くっ!・・はあぁっ!!」

 

 見上げる僕の目には、スピードを生かした戦術で接近戦が苦手であるなのはを

追い込むフェイトさんが見えた。

しかし、なのはもただ押されるだけじゃなく、不利と分かった途端に距離をとった。

 

「ディバインシューター!!」

 

 牽制に魔力弾を撃つなのは。

フェイトさんは軽く避けるが、追尾機能を持つ弾になのはとの距離を詰められないでいた。

 

「くっ・・・・・このぉっ!!」

 

 避けても埒が明かないと思ったフェイトさんは、追いかけてくる弾を切り裂いた。

その隙に、なのははデバイスをフェイトさんに向け

 

「ディバインバスター!」

 

 以前、未完成だった技を放った。

以前と違う点は、戦闘継続時間を延ばすため威力を落とし、短い時間で撃てるようにしたところ。

たった数日でここまで進歩できる能力を持つ人を見たのは、久しぶりだし稀だ。

 しかし、フェイトさんはその攻撃を読んでいたらしく、さっきよりも速い高速移動魔法を

使って回避し、反撃してきた

 

「フォトンランサー・・・・ファイア!!」

 

 いくつもの金色の魔力弾がなのはに向かって飛来した

 

「く・・・・・・・・」

 

 とっさにプロテクションで防ぐが、その隙にフェイトさんが再び接近してきた

 

「やあああああっ!!」

 

 何とか、フェイトさんの一撃を防いだなのは。

そのまま、再び一進一退の攻防が続いたが、突然、フェイトさんが距離をとった

 

「はぁっ・・・はぁっ・・流石だねフェイトちゃん・・・」

 

「なのはこそ・・・あの一撃を防ぐなんて・・・・」

 

 どうやら、フェイトさんの予想以上になのはが耐えるので、体力がなくなってきたらしい。

 

 そんな9歳の女の子がする戦いとは思えないものを見守っていると、

 

「へぇ~・・・すごいなあの二人。ここまで出来るなんて」

 

 軽い調子の声が聞こえ、声がしたほうに目を向けると

 

「Ωッ・・・・・・」

 

 Ωが楽しそうに空中であぐらを掻いて座っていた。

 

「やっほ~。こんばんわ、オリジナル」

 

「Ω・・・・手出しする気か?手を出すって言うなら、この場で殺す」

 

 Ωを睨みつけながら銃口を向けると、オーバーにのけぞった

 

「ストップストップ!そんなことしないって。こーんな楽しいゲームをしているんだ、

水差すなんて勿体無い。僕はここで観戦するだけだよ。

それに・・・・今ここで僕と戦ったら、あの二人もこの世界も無事じゃすまないよ?」

 

「ちっ・・・・・・・・・・」

 

 Ωに尤もなことを言われ、僕は大人しく引き下がった

Ωはどこからか取り出したポップコーンを食べながら、二人の戦いを見ていた。

 

 視線を戻すと、どうやら決着が付きそうだった

 二人は、離れた位置に留まり魔力をチャージしていた

 

「ディバインバスター!!」

 

「サンダースマッシャー!!」

 

 お互いに大技を放ち、撃ち合いの状態になった

 

「うぅっ・・・・・・・・・・」

 

「えーーーーーーーい!!」

 

 しかし、威力ではなのはの方が上らしく、徐々にフェイトさんが押されてはじめた

その時、

 

「今!!」

 

「え?」

 

 フェイトさんは砲撃を止め、高速移動魔法を使いなのはの真上に移動した

突然のことになのはは対応できず、棒立ちの状態になっていた

 そして

 

「・・・・・負・・・・・け?」

 

「・・・・・・・・私の勝ち・・・みたいだね」

 

 なのはの首にフェイトさんのデバイスの刃が当てられ、勝負が付いた。

レイジングハートからジュエルシードが出てきて、フェイトさんのデバイスに吸い込まれた。

 

 

「んん~・・・はぁ~~、楽しかった」

 

Ωは大きく伸びをして、その場から立ち去ろうとしていた

 

「珍しいな・・・何もせずに行くなんて」

 

「ん~~?別に~。久々に楽しいものを見せてもらったからさ。でも、いつか二人とも

        

 

     ズタズタに引き裂きたいなぁ~・・」

 

 

 

「クソが!!」

 

 銃口を向けて発射しようとした時、Ωは空間転移で転移寸前だった

 

「実は、もう仕込みは終わっているんだよね~。後は、時間が経てば勝手に始めてくれる」

 

「フェイトさんたちに何をした・・・・!」

 

「ヒヒッ!!さぁ~ねぇ?自分で考えれば?それじゃ、ばいば~い!」

 

 そう言い残して、Ωは転移した。

 

「(手遅れか・・・)」

 

 

 僕の中に、絶望が広がった

でも、

 

「(諦めてたまるか・・・・。なのはだって、フェイトさんの強さを見ても諦めなかったんだ

ずっと長い時間を生きてきた僕が真っ先に諦めてどうする?必ず、Ωを止める・・・・)」

 

 なのはたちの戦いや意思を見てきて、まだ希望が消えたわけではなかった。

 

 


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