知らない方は知らないで構わないのですが、
知っている方、
死ぬ気丸の効果が多少変更されているかもしれませんので注意してください。
「おいっ!明久、明久!」
「吉井君、しっかりして!吉井君!」
私と坂本君は必死に彼の名前を呼ぶ。しかし、彼は目を開けることはなかった。
「・・吉井・・君・・」
彼が死ななければいけない理由がどこにある!?・・どうして・・!?
「うわああああああああああああ!」
「きゃあああああああああああ!」
周りは混乱している。
「竹原、アンタ何が目的だい!?」
「当然、『召喚システム』を我が物にすることですよ。学園長。そのためにはその『召喚システム』を所有するこの文月学園という存在そのものを消さなければなりません。そう、生徒、教師、一人残らずね・・!」
「この外道・・・!」
「そうですね、そう呼ばれるのが私には相応しい。」
そんな竹原と学園長の会話を邪魔するかのように、
「竹原アアアアアアッ!」
土方君が竹刀を持って竹原に襲いかかる。ゴリラ(近藤君)、沖田君が撃たれ、おそらく彼の怒りは頂点に達している。
でも、そんなことをしたら・・・!
ドオオオオン!
「ぐ・・・っ・・あっあああああ!」
「土方君、残念だよ。君は頭のいい子かと思っていたけど、君はすぐ感情的になる。そこが欠点というべきかな。」
土方君まで撃たれる。
「坂本君、このままじゃ・・!」
「ああ、間違いなく全滅だ・・!だが、下手に警察を呼ぼうとしても、俺らの後ろには竹原の部下がいる。」
「・・・・!」
このままやられるしかないの・・!?
そんなときだった・・。
ドゴオオオオオオオオオオンッ!
体育館中に響きわたる大きな音がした。何かと思い、振り向くと、
「に・・西村先生・・!」
驚いた。彼の登場と共に、竹原の部下が三人ほど吹っ飛ばされていたからだ。
「学園長、ここは私にお任せください。なので、生徒の避難の優先を、あと救急車を・・。」
「しかし、アイツラは銃を持ってんだよ。いくらアンタの強靱な身体とはいえ、コレばかりは・・」
「ええ、確かにおっしゃる通りです。でも、今奴らをぶちのめす可能性を持つのはオレだけです。それに、教師の役目は生徒を守ること・・。生徒の為ならオレは鬼にもなる覚悟です。」
「・・西村・・」
「さあ、早く生徒の避難を・・!」
「あ、ああ。 それじゃガキども、私についてきな!」
すると、竹原が
「お前ら、一人残らず撃て!」
「させるかああああああああああっ!」
ドゴオオオオッ!
西村先生は銃を持った竹原の部下を次々と殴り飛ばす。
「まったく、厄介な人が来たものだ。西村先生」
「フン、安心しろ。竹原、貴様は病院送りだ。」
そう言い、次々と竹原の部下は倒れる。
そして、気が付くと、ほとんどの生徒は避難して、竹原の部下も残り一人だ。しかし、その残りの一人が私たちの後ろにいた。
そのため、私と代表、坂本君と玉野さんと黒雪姫はその場を動くことが出来なかった。
「さすが・・と言うべきですかね・・。西村先生。しかし、まだ一人だけ残っていますよ。それも生徒の後ろにね・・。」
「クソッ・・!」
私達を助けようと西村先生が動く。すると、
ドオオオオォン!
「グアアアアアアアアアア!」
竹原が撃った。
「アナタは手ごわい相手だったが、無闇に動いたのが間違いでしたね・・。
さて、君たち生徒の方は西村先生という希望が失われたわけだ。これで君たちは絶望という恐怖にとらわれるわけだ。」
あざ笑うかのように言う。
この男だけは絶対許せない!と思いつつも私たちはこの場を乗り切る方法が一つもなかった。
召喚戦争でクラス全員を指示する坂本君も、この状況ではどうすることもできなかった。
「さようならだ・・・・。」
竹原は銃を構える。そして、後ろに立つ竹原の部下も銃を構える。
・・終わりだ・・・。
ドオオオオン!
「・・・・?」
撃たれた・・。そう思った。しかし、痛みはなかった。
私たちは撃たれていない・・・?
すると、目の前に白髪の男が立っていた。
「やあ、竹原クン。久しぶりだね。」
「き、貴様! 白蘭!」
「何のお祭りかと思ってきてみれば、お祭りどころか血祭だね。」
「貴様、死んだハズじゃ・・・!」
「じゃあ、何で僕はここにいるんだい?」
「・・・・!?」
「まあ、いいや。君たち吉井君にコレ飲ませなよ。」
「何だコリャ? てか、お前誰?」
坂本君はその「白蘭」と言う男を警戒する。
「それは『死ぬ気丸』・・。死んだ者にも生命を与える丸薬さ。」
「お前、一体・・」
「ん、それは秘密。ま、じゃあねー。」
白髪の男は白い羽をまき散らし、去る。
「なんだったんだ?あの男・・」
「さ、さあ?」
すると、黒雪姫が、
「おい、どうするんだ?あの男の言うことを信用して、コレ飲ませるか?」
「でも、飲ませて、アキちゃんは・・?」
私たちは不安を抱える。
「なんだかよく分からないが、今度こそ君たちは殺す」
竹原の言葉に焦ったのか坂本君は、
「クソッ! 迷っている暇はねえ! 飲ますぞ。」
すると、私も含め、みんなコクリと頷く。
そして、『死ぬ気丸』と呼ばれる丸薬を飲ます。
「・・・・・っ・・・」
吉井君はその丸薬を苦しそうに飲み込む・・。
その次の瞬間・・
ゴオオオオオオオオォッ!
「こ・・金色の炎・・!?」
☆☆☆
「オイ、あんな奴に何であんな丸薬を、そのまま殺しとけばよかったじゃないか」
「物騒なこと言うなよ、キリト君。彼はこれから必要なコマになるしね。こんなとこで死んでもらっちゃ、困るよ。それに・・・」
「それに・・?」
「吉井君がどんな色の炎を灯すか楽しみじゃん。」
「炎なんてどう灯そうが炎だろ」
「いやいや。死ぬ気丸は人によって灯す炎の色が違うんだってば!」
「・・そんなこと言われてもな・・。・・っておい、アレ。」
「お、ついに炎を灯し・・・ってアレ!? この色・・」
白蘭は明久が灯す炎の色に驚いた。
「金色の・・炎・・」
その炎の輝きは体育館の外にまで輝きを放っていた。
☆☆☆
まただ。またこの暗い世界に来てしまった・・。
何もない。真っ暗な世界。
希望もなければ、絶望もない。無・・というべきか
以前も、木下さんをかばい、トラックに轢かれてこの世界に来たことがある。
しかしそのときは白蘭とかいう男が僕に命を与えてくれたから何とか生き延びた。
でも、今度こそ本当に終わり、本当の死を迎えるのだろう。
ああ、なんて残酷だ・・。
「・・・・・・・・・・・・」
このまま僕は一人・・
皆はどうしているだろうか・・?
皆は無事なのだろうか!?皆は怪我・・してないだろうか?
急に不安が込み上げる。
そうだ、木下さんは・・・!
そして、気が付く。
「僕は・・何をやっているんだ!?」
死んでいる場合じゃなあい・・。あそこには大切な人がいる。
竹原のことだ。きっと、何人も傷つけて・・。
「クソッ!」
死んでいられるか・・・ッ! 僕は、生きたい! 生きて、皆とまた笑いあえる、そんな明日が欲しい!
すると、僕の体は金色の光に包まれる。
「な・・なんだ・・!? コレ」