僕と木下さんともう一つの学園生活   作:ウェスト3世

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 前回の続きです。



学園祭 Ⅻ

「・・何だ?コレ・・」

 

 金色の光に体が包まれる。

 その光には僕の過去が見えた。

 悲しいこと、辛いこと、楽しいこと、嬉しいこと・・。

 今、この光が金色に包まれているから分かる。今までのこの過去は例え辛い物であったとしてもこの過去は「本物」だ。

 ホントはもっとこうなりたいとか人間だから当然ある。幸せを望んで当然だ。

 でも、それが例え不幸なモノであったとしても僕は受け入れる。きっとそう思えるのは皆が一緒に居てくれたたからなんだろう。

 当然、そんなことばかりでなく、幸せなこともいっぱいあった。

 

 ・・そうだ・・。

 

 この光が僕に言いたいこと・・。それは、幸福なことも不幸なことも全部自分の宝だ・・。

 これほどの宝があるのは今まで「幸せ」を願って生きてきたからだ。

 その幸せの為に、僕は皆を助けたい・・。

 竹原に恐怖する生徒を助けたい。

 

 真っ暗闇な世界が金色の光に包まれる。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

「オイ、何だ?明久の体から噴き出るこの金色の光は!?」

「わ、分からない」

 

 一体何が起きてるの・・!? 吉井君・・・!

 

「クソオオオオ」

 

 竹原は銃を構える。

 

「や・・ヤバいッ!」

 

 ドオオオン!

 

 銃弾が私達へ向かう・・。このままじゃ・・当たる・・!私はギュっと目をつむる。

 しかし、私達の体が銃弾を貫くような音はしない。

 先ほどから噴き出てる吉井君の金色の炎の「ゴオオオオッ」という音しかしない。

 ・・一体、どういうことなの・・?

 ゆっくり目を開ける。

 すると、そこには金色の炎に包まれた吉井君が立っていた。

 そして、右手には先程飛んできた銃弾が握られている。

 つまり彼は銃弾を右手の握力だけで防いだ・・と言うことになる。

 ・・あり得ない!

 人間の反射神経では銃弾を握力で握り防ぐのは難しい、というより出来るはずがない。

 それなのに、彼は顔色一つ変えず、一歩ずつ竹原に近づく。

 

「・・竹原・・」

 

 すると、竹原は吉井君の姿に恐怖し、

 

「く、来るなぁアアアアッ!」

 

 と、再び銃を構える。

 

 ドオオオン!ドオオオン!

 

 二発連続で撃つ。が、それを物ともせず、躱していく。それも前進しながら。

 

「なら、これでどうだぁアアアアっ!」

 

 私達の後ろにいた竹原の部下が銃を構える。

 ほぼゼロ距離だ。 今度こそ終わりだ・・! またギュっと目をつむる。

 すると、ドゴッと殴る音がする。 気が付くと、竹原の部下は壁にめり込まれていた。

 そして、また吉井君は金色の炎をなびかせ、私たちの目の前に立っていた。

 どうやって、あの一瞬で竹原の近くにいた吉井君が私達のところまで移動できたのか、私にはまったく理解できなかった。

 金色の炎にしろ、今の高速移動にしても、吉井君が別の人のように見えた。

 

「アナタは吉井君なの・・?」

 

 私は思わず金色の炎を体全身から吹き出すその少年に問う。

 

 

 ☆☆☆

 

「白蘭、死ぬ気丸ってのはただ単に死んだ者に命を与える丸薬・・じゃなかったか?あそこまで身体能力が上がるなんて・・」

「ああ、そういえば話してなかったね。あの丸薬は僕がジェッソファミリーにいた頃に死者を生き返らす方法を探していた時に出来た丸薬でね・・。けど、あの丸薬には今の吉井君みたいなメリットもあれば、デメリットもある。」

「どういうことだ?」

 

 キリトという少年は、白蘭に質問する。

 

「アレは死にかけの者、もしくは死んだ者に命を与えるモノで死者専用の丸薬だ。生きた者が飲んだら・・」

 

 するとキリトは驚いた表情で

 

「おい、まさか・・。」

「ん、そう。死んじゃうんだ。」

「・・・・」

「あの丸薬が完成したときにね、身体能力の強化という欲に走りあの丸薬を飲んだ人がいるけど、皆死んだよ・・。」

「・・・・ッ!」

 

 やはり、この男は他の人間が死んでも何とも思わないのか?

 あいつの目からは「命なんてどうでもいい」そんな表情が浮かんでいる・・。

 

 キリトは白蘭を睨んだ。

 

 

 ☆☆☆

 

「吉井君・・なの!?」

 

 私は恐る恐る金色の炎を灯すその少年に問う。

 すると、彼はニコリと笑い、

 

「うん、そうだよ」

 

 この笑顔・・・

 この笑顔はいつもの吉井君だ・・。

 

「おい、明久。お前のその金ぴかの炎は何だ!?チカチカして目が痛てえ・・。どうしてくれんだ?」

 

 坂本君は金色の炎の光を避けるように目を覆い、話す。

 

「イヤ、何でこうなってんのかは僕も分からないよ。雄二たちがなんかしたんじゃないの?」

 

 そして私達は、一斉に顔を見合わせ、

 

「おい・・ってことはさっきの死ぬ気丸ってヤツが原因か?」

 

 すると代表は、

 

「多分・・」

 

 そして黒雪姫は、

 

「あの丸薬にそんな効果があるなら、ある意味一つの兵器だな」

 

 と言う。

 私も同感だった。

 人間に生命を与えるだけでなく、異常なほどの身体能力・・。

 人間にここまでの力を与えるわけだから、兵器という言い方もおかしくない。

 ・・でも・・

 

「良かった・・。吉井君、無事で」

 

 すると、吉井君はゴメンと言うような表情で

 

「うん、心配かけちゃったね・・。」

 

 そう言った後に

 

「吉井君、やってくれたね」

 

 竹原が腹立たしそうな表情で私達を見る。

 

「教頭先生、アナタはもう終わりです。降参してください。」

 

 と、吉井君は言う。

 確かに吉井君の言う通り、竹原の部下は全員やられている。

 竹原一人で身体能力の強化された吉井君はきっと倒せないハズ・・。

 しかし、そんな思いを裏切るかのように、

 

「降参? 何を言うのかと思えば・・。私は一応君からしたら先生だ。先生が生徒に降参!?バカなことを言うな!

 それに、なにやら勝った気でいるようだが私がこの学校を潰すために何にも用意してないとでも思ったのかね?なら早とちりだ!」

 

 すると、体育館中に試験召喚フィールドが作成される。

 

「召喚獣で勝負するきですか?」

「イヤイヤ。これは召喚獣を召喚できない召喚フィールドだ。つまり召喚獣で戦うのではなく、私と君がこのフィールドで戦うのだよ」

「それならさっき力の差を・・」

「だからこのフィールドなのさ・・。」

「・・・?」

「召喚獣が召喚できない以外は全部同じルールさ。試験の点数がそのまま戦闘力になる。もちろん0点になれば負けだ。つまりルールが違う部分は私達『本人』が戦うこと。」

「成程、卑怯ですね。僕が点数が低いのを良いことに・・。」

「・・賢い・・と言ってもらおうか・・。」

 

 吉井君、どうか無事でいて・・。

 ただその思いだけが込み上げてくる。

 

 

 吉井明久      竹原教頭

 

 総合科目  vs  総合科目

 

 777点      5134点

 

 

 ☆☆☆

 

 コイツは一体何人傷つけた!?

 そこに倒れている、近藤君、土方君、沖田君、鉄人・・。

 4人とも息はしてるからまだ何とかいられる・・。

 だが、身体的に傷ついてなくても、コイツはこの学園の生徒の心を傷つけた。

 それがたまらなく許せない。

 絶対にコイツだけは・・・。

 

「うおおおおおおおおおおおおッ!」

 

 僕は全力で竹原へ向かう。

 金色の炎を右手に集中させ、その右の拳を教頭の顔面にぶち込もうとする。

 ・・行ける・・!

 確実に当たる・・。

 すると、

 

「やっぱり、その炎を纏っていても、成績が良くないからね。こんな軽いパンチで私を倒そうなど・・・」

「・・グッ・・!」

 

 僕の拳は教頭の手の平で防がれてしまう。

 そして、

 

 ドゴオオオオッ!

 

「ぐあああああああああッ」

 

 腹を思い切り蹴り飛ばされる。モロ喰らってしまった。・・直撃だ・・。

 そのダメージが抜けずそのまましゃがみこんでしまう。

 そして、教頭は「ようやくさっきのお返しが出来るな・・。」と悪魔のように笑い、今度はアッパーで殴り掛かる。

 

「ぐ・・・っあああああああッ!」

 

 アッパーで空中に飛ばされ、体制を整えようとする・・が、空中には既に教頭が接近していた。

 

「ハハハァ!」

 

 今度は踵落としで体が地面に向けられる。

 

「ハァ・・ハァ・・。」

 

 息が異様に荒くなる。

 力の差が圧倒的すぎる。

 

「ォラアアアアアア」

 

 再び教頭が僕の方に向かってくる。

 体を動かしたくても思うように動かない。体が言うことを聞いてくれない。

 

 ・・クソッ・・・・!

 

 その瞬間、微かに人影らしきものが見えた。

 次の瞬間・・・

 ドカッ!

 激しい音がする。

 見ると、そこには・・

 

「よう・・吉井、大丈夫か・・?」

「な・・・常村先輩ッ!?」

 

 よく見ると、胸辺りを教頭の手刀で貫通されている。

 

「ど・・どうして・・!?」

 

 常夏コンビは教頭に味方してたハズなのにどうして・・!?

 何が何だか分からなかった。

 

 

 

 

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