借りモノの英雄譚   作:とらまる@

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第五次聖杯戦争扁
プロローグ︰


 

 

  ーー闇の中に居た。

 

 何かの比喩等ではなく、気が付くと俺は辺り一面暗闇しか見えない場所にいた。

 更にはおかしなことに当たり前とも思える重力がそこには存在せず、俺はその闇の中をフワフワと浮いていた。

 

 始めは夢かと思ったが、何か違和感がある。夢にしては感覚がヤケにリアルだ。試しに頬をつねってみるとやはり痛かった。

 ...ではこれはアレか。俗に言う転生モノのテンプレってやつで、神様が誤って俺を殺してしまって別の世界に転生させる為に登場するやつなのか。

 転生出来る世界って選べるのだろうか?それなら特典貰ってリリカルな魔法少女の世界で俺TUEEEEがいいかな。それともここ最近ハマってる戦車道な世界に行くのもいいなぁ。うーーん、だけど普通に可愛い女の子達と平和な学生生活を送る日常系でもいいなー。

 

 ......それにしては少し妙だな。俺の覚えている範囲での最後の記憶は、確か自分の部屋でポテチ片手にアニメ鑑賞していた筈だ。仮に神様の手違いでも死ぬ要素があるだろうか?1番有り得るのは心臓発作等の急死か。だけどそんな死に方の転生モノあまり見た事ないなぁ...。

 あと思いつくとしたら、ポテチを喉に詰まらせたとか..?嫌だなぁそれは。それだけは嫌だなぁ...。

 

 それにしても神様、登場遅くね?

 

 そんな事を考えていると再び意識が薄れいくのを感じた。全身がゆっくり蕩けていく様な感覚だ。なんだ、やっぱり夢だったのか...。そう思いながら俺の意識は更に深い闇の中へと溶け墜ちていった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 次に目覚めた時、始めに感じたのは重力だった。先程までのフワフワした空間から一転、安心さえ感じるこの重み。そしてその直後に来たのは落下の感覚と身体への鈍い痛みだった。

 

「ぐわばっ!!」

 

 ッッ~~!!腰痛いっ!尻痛いっ!

 落下先にあったのだろう、木製のテーブルや椅子がクッションの代わりに自分の体の下で潰れている。いや、むしろ木片達の中に俺も一緒に埋もれている、というのが正しい喩えだろう。

 此処は...?どうやら何処かの家の一室の様だ。周りの家具や部屋の雰囲気からしてかなりの豪邸と予想できる。壊したテーブルとかの料金請求されたらどうしよう...。

 

 などと考えていると扉の向こう側から誰かがコチラに向かって走ってくる音が聞こえてきた。その足音が扉の前で止まると今度はドアノブを何度も回して扉をこじ開けようとしている。

 先程の衝撃で扉が歪んだのか?それとも普段使わない部屋の為、以前から開きにくくなっていたこか?後者の方が俺のせいにならなくていいなぁ。

 

「開かない!壊れてる!」

 

 扉の反対側から聞こえたのは女性の声だった。この声は...何処かで聞いたことのある声だな。さて、誰だったか?

 

 

 

 おや...?扉をこじ開けようとする音が消え、静かになったな。諦めたかーー

 

「どぅおりゃあぁぁぁぁ!!!!」

 

 ってうおぉぉぉ!びっくりしたぁぁ!!扉が開かないからって蹴り破ってきやがった!思わず声に出そうになったじゃねーか...。

 蹴り飛ばされた扉。それが元あった場所に1人の少女が立っていた。

 

 あぁ..そうか、あの声は彼女であったか。通りで聞き覚えのある声だと思った。

 それならば、この俺の状況は神様転生モノや異世界転生モノではなく異世界召喚モノになるのだろう。異世界といってもよく見知っている場所であった。

 

 何年も前から、俺はこの場所を..この状況を知っていた。

 

 何故俺が喚ばれたのかは未だ全く分からないが、とりあえず今はこのセリフの出番なのだろう。むしろここで言わなければ、今後一生使う機会はないかもしれない。

 

 

   「問おう、キミが俺のマスターかい?」

 

 

 

  ーーこれが俺、佐久間 武月(サクマ ムツキ)と遠坂 凛とのファーストコンタクトであった。

 

 




 Fateシリーズが、TYPE-MOON作品が好きだから書いた。
 ただそれだけの事です。
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