『ふぅ~。にしても凄いな、学園都市ってのは。見た事ないモノばっかだ』
「見た事なさすぎてよく分からないかも」
あの後、結局電動使い魔(掃除ロボ)に逃げられた神槍たちはイギリス政教の教会を探すのと並行に学園都市見物をしていた。
時間は大体お昼ぐらい。
上条の話では夏休みらしいので、飲食店は学生によってほぼ占拠されていた。老人がまったくと言っていいほどいないところを見ると、本当にここは『学生の街』なんだなぁと思い知らされる。
と、インデックスがポツリと呟いた。
「おなかへった」
『……お前、どんだけ腹減るんだよ』
とか言いながらどこかのポケットにお金が入っていないか探す神槍。中ポケット――なし。横ポケット――なし。後ろポケット――なし。……見事に無一文だった。
『あ、もしかしてローブのポケットに――――ってアレ?』
「どうしたの、としき?」
『ローブがない……。あ、もしかして当麻の家に忘れてきたかも……!ってインデックス、お前フード被って無かったっけ?』
確か最初出会った時は被っていた筈だけど、と神槍は露わになっているインデックスの銀髪を見て言った。
インデックスも自分の頭に手を置いて、やっとなくなっている事に気が付いたらしい。
「……ホントかも、忘れて来ちゃったんだよ」
忘れてくるとすれば上条の部屋しかない。インデックスに一言「一回戻るか」と言って、来た道を戻ろうとした時、“ある事”に気がついた。
神槍はインデックスに、緊迫した顔で確認を取る。
『なぁ、インデックス。お前さっき魔術師の連中は『歩く教会の魔力を元に探知してる』って言ったよな?』
「うん。言ったけど?」
『だとしたらヤバいぞ。当麻はフードには触ってない。つまり“魔力が残ってる”。その魔力を探知して魔術師があの部屋に行くかもしれない……!』
「え!?じゃ、じゃあ今すぐ戻らないと……!」
インデックスが早くも駆け足で戻ろうとするが、神槍は“違和感”に気づいて彼女を引きとめる。
『待てインデックス!何か変だ……』
「え、変って……何が?」
神槍は周囲を見渡す。さっき見た時は学生が山ほど溢れかえっていたのだが、今は“誰もいない”。
あり得ない、と彼は思う。このお昼時に、あれだけの人が一瞬でいなくなるなんて。
「人払い」
は?と神槍は首を傾げる。それを無視し、インデックスは淡々と滑らかに唇を動かす。
「人払い。人の意識に働きかける“魔術”の一種で、『何故かここには近づこうとは思わない』ように注意を逸らしてるの。しかもこの魔力の流れと術式は、ルーンの刻印だね」
魔術の事を淡々と話す彼女を見ていると、やはり違和感を感じる。いつもの彼女とはどこか違う気がしてしまうのだ。
(それにしても、『魔術』っつー事は……)
「彼女を渡して頂けますか」
ゾン、と。いきなり顔の真ん中に日本刀でも突き刺されたような、女の声。
その声は、不気味なほど静かな大通りに響き渡った。
その女は一〇メートルぐらい先の、滑走路のように広い大通りの真ん中に立っていた。
真昼間で明るい筈なのに、女がいる場所だけ暗いような気がした。
無意識に、女から視線は外さずにインデックスを傍によせる。前世で養われた経験が、目の前の女は“ヤバい”と告げていた。
女はTシャツに片脚だけ大胆にバッサリ切ったジーンズという、まぁ普通の範囲の服装ではあった。
ただし、腰から拳銃のようにぶら下げた長さニメートル以上もの日本刀が凍える敵意を振りまいていた。刀身は鞘に収まっていて見えないが、まるで古い武家屋敷の柱みたいな歴史を刻んだ漆黒の鞘が、すでに『本物』を裏付けていた。
『……テメェは』
「神裂火織(かんざきかおり)、と申します。……できれば、もう一つの名は語りたくないのですが」
『もう一つ?』
「魔法名、ですよ」
今度こそガッシリとインデックスを自分に密着させる。きゃっ、と小さな悲鳴を彼女が上げたのは分かったが無視した。
そんな余裕はない。
魔法名――確かインデックスも名乗っていた。そこから分かる事はただ一つ、
(魔術師、か……)
『――て事はアレか。テメェがインデックスの言う魔術結社とかいう連中なんだな』
「……?」神裂は一瞬だけ不審そうに眉をひそめ、
「ああ、禁書目録に聞いたのですね?」
魔術結社。一〇万三〇〇〇冊を欲して、インデックスを追いまわす『組織』。
『組織』という事は、『
女以外にも気配がないか探るが、それらしいモノは感じられなかった。
「率直に言って」神裂は片目を閉じて、
「魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが」
『保護?捕獲の間違いだろ?保護っつーのは本人に対してYESかどうか確認を取ってからするもんなんだよバーカ。日本人ならそれぐらい知ってろよ』
神槍の安い挑発に耳は貸さず、神裂は淡々と、
「仕方がありません」もう片方の目も閉じて、
「名乗ってから、彼女を保護するまで」
ハッ、と神槍は吐き捨てるように呟く。
『やっぱ戦うしかねーのかよ。――――そんじゃ始めようぜ、“魔術師”』
言葉と同時。
神槍の纏う雰囲気が、一般人のソレから『魔法使い』としてのソレに変わった。表情も、遂さっきまで軽口を叩いていたとは到底思えない真剣なモノに変わっていく。
「ッ!」
今まで神裂の存在感が支配していた大通りが、一瞬にして神槍の主導権に切り変わった。
無表情を貫き通していた彼女も、気圧されたのが分かったのか一瞬だけ驚愕に染まった。
(まさか、魔術師……?だとしたら少々厄介な事になったかもしれません、ステイル)
人払いのルーンを刻むために、今この場にはいない相棒の名を心の中で呼ぶ神裂。
インデックスの持つ魔術知識は、一種の爆弾と思えばいい。少しでも
神槍が『戦いの歌』で脚力を底上げした直後、
神裂火織の斬撃が襲いかかって来た。
神槍たちと神裂の間には十メートルもの距離があった。加えて、神裂の持つ刀は二メートル以上の長さがあり、女の細腕では振り回すのも不可能に見えた。
――――“はずだった”。
なのに、神槍が何かを感じて頭を下げた次の瞬間、巨大なレーザーでも振り回したように神槍の頭上スレスレの空気が切り裂かれた。位置的に頭を下げなくても直撃はしなかったらしいが、それだけで服越しにインデックスがビクビク震えているのが分かった。
安心させるように彼女の頭をぽんぽんと軽く掌で叩く。彼女にだけ聞こえるような小さな声で神槍は呟く。
『“逃げる”ぞ、インデックス』
コクン、と彼女は小さくうなずいた。彼女の手を取って逃げようとするが、
「やめてください」一〇メートル先で、声。
「この私から逃げられるとでも?それに生半可な覚悟で彼女の『中身』を覗き見るつもりなら、やめる事をお勧めします」
フッ、と神槍は失笑した。
『テメェはナニ勘違いしてんだ?俺はコイツの頭の中身なんて興味ないし、魔道書なんつー古本なんかどうでも良い。俺はただ――――インデックスと一緒に居たいだけだ』
神槍は即座に彼女をお姫様抱っこの要領で抱き抱えると、魔力で強化された脚力をフルに使って路地裏に逃げ込んだ。
当然、路地裏に入る前に何度もあの正体不明な斬撃が飛んできたが、軽く体勢を変えるだけで避ける事ができた。
神槍の回避能力だけではない。斬撃の飛んでくるとこが全部甘かった。
(?何で急所を狙わない……?)
疑問に感じながらも全力で走り、迷路のような路地裏を縫うようにして神裂の視界から消える二人。
「……………」
神裂はやはり無表情と無言で、薄暗い路地裏へと飛び込んだ。
薄汚れたポリバケツを蹴飛ばすようにして、凄まじい逃げ脚で走る神槍に抱き抱えられているインデックスが聞いてきた。
「どうして……ここまでしてくれるの?」
『はぁ。何回聞けば気が済むんだお前は。『約束』しただろ、お前と一緒にいるって』
「で、でも!」インデックスは声を張り上げて言う。
「約束したとしても、やっぱり私みたいな他人の為に命を張ってまで助けるなんておかしいんだよ!」
『はぁ。もうどんだけため息つけばいいんだ俺は?――いいか、これだけは理解しろよインデックス!』
裏路地を抜け、さきほどとは違う大通りに飛びだす。が、やはり人はいない。
神槍は歯を食いしばり、また路地裏に入り込みながら言う。
『俺の人助けに理由なんつーめんどくせぇモンは存在しねえ!俺が助けたいと思うから助けるんだ!少なくとも俺はずっとそうやって生きてきたっ!』
え……、とインデックスの吐息が停止する。
おそらく自分は、目の前の少年が言っている事の半分も理解できていないだろう。
でも、これだけは胸を張って言える。
この少年は本当にそうやって生きてきたのだ。
自分の抱えている、世界にとって爆弾とも言える知識を古本扱いしたり、彼にとって何の利益もないのに魔術師に喧嘩を売ったり、ホントに信じられない事ばかりするけど。
神槍トシキは、聖人だとか実力だとかとは別の意味で――強い。
「とし――ッ!」
インデックスが何かを言おうとした直後、ズドン!と神槍のすぐ横の壁に亀裂が走った。
また、正体不明の斬撃。
足を止めずに振りかえると、神裂が猛然と追いかけてきているのが見えた。相変わらず手は鞘に添えられてるだけ。なのに、斬撃は次々に襲いかかってくる。
あまりの切れ味に神槍は思わず奥歯を噛み締める。
と、ここで路地裏が終わってしまった。
舞台裏から登場する役者のように、日光に照らされている大通りに飛びだしてしまう神槍。
すぐさままた路地裏に入ろうとするが、
「もう鬼ごっごはお終いです」
また無機質な、神裂の声。その音が神槍とインデックスの耳に届いた直後、ゴガン!と神槍が踏み出そうとしていた場所を斬撃が通り過ぎた。
『ッ!』
慌てて足を戻し、次の逃げ場所を探す。
「幾度でも、問います」
瞬、とほんの一瞬だけ、何かのバグみたいに神裂の右手がブレて、消える。
轟!という風の唸りと共に、恐るべき速度で何かが襲いかかって来た。
『!?』「!?」
神槍が咄嗟に、離れた地面にインデックスを放り投げた直後、まるで四方八方から巨大なレーザー銃を振り回されてるような錯覚。
それは、例えるなら不可視の斬撃で作り上げた巨大な竜巻。
神槍トシキを台風の目にして、アスファルトも街灯も、一定の間隔で並ぶ街路樹までもが、まとめて工事用の水圧カッターで切断されるように切り裂かれた。
宙を舞った握り拳ほどもある地面の欠片が、神槍が直前に展開した魔法障壁に阻まれ、ガツン!という鈍い音を立てた。
神槍は歯を食いしばりながら、首ではなく視線だけで辺りを見渡す。
一本。二本、三本四本五本六本七本――――都合七つもの直線的な『刀傷』が平たい地面の上を何十メートルに渡って走り回っていた。様々な角度からランダムに襲う『刀傷』は、まるで鋼鉄の扉に生爪を剥がす勢いで傷をつけているようにも見える。
チン、という刀が鞘に収まる音。
「私は、魔法名を名乗る前に彼女を保護したいのですが」
右手を刀の柄に触れたまま、神裂は憎悪も怒りもなく、本当にただの『声』を出した。
「私の七天七刀が織り成す『七閃』の斬撃速度は、一瞬と呼ばれる時間に七度殺すレベルです。人はこれを瞬殺と呼びます。あるいは必殺でも間違いではありませんが」
『……………』
神槍は無言で、5メートルほど先でこちらを心配そうに見ている少女――インデックスを見る。
さきほどの取り囲むような斬撃で分断された彼女と合流するには、神裂の斬撃より早く動かなければならない。そんなものは不可能だ。
となるともう、道は一つしか残されていない。神槍は早口……と言われるレベルを遥かに超える速度で、日本語でも英語でもない……古代ギリシャ語を紡ぐ。
『
「っ――!」
神裂の表情に一瞬だけ驚愕が混じった。彼女を蜂の巣にするように、神槍が向けた掌から光り輝く矢が発射された。人間の手足より数十倍多い魔矢が彼女に襲いかかる。
だが神裂は驚いたが、硬直はしなかった。冷静に魔矢の軌道を読みとると、正体不明の瞬殺斬撃を用いて次々と魔矢を撃ち落としていく。撃ち落としきれなかったものは回避、そしてまた迎撃。
これを繰り返して、神裂は一〇〇本もの魔矢を相手に無傷で立ちまわって行く。
このままではすぐに全てを無力化されてしまうだろう。
『インデックス!!』
だが神槍はその様子を見てすらいなかった。彼の視線の先には、一人の少女。魔力で底上げされた脚力を存分に用いて合流しようと――――、
(――させません!)
チン、という金属音。
瞬間。白い少女に向かって一本の斬撃が地面を破壊しながら襲いかかる。
斬撃を放った直後、神裂の脇腹に一本の魔矢が直撃した。
「くっ!」
捨て身の一撃。彼女の放った斬撃は無情にも白い少女を切り裂――。
『うぉぉぁああああああああああッ!!』
“かなかった”。
少女の前に割り込むようにして、神槍が彼女を斬撃から守ったからだ。
まさしく、『約束』の意味そのままに。
インデックスを抱くように割り込んだ少年の背中に、斬撃が激突する。それは魔法障壁を絹のように切り裂くと、神槍の背中を横に、一閃。
『――――ッッ!!』
声にならない悲鳴が上がる。
神槍の背中から、噴水のように血が飛び出す。直後に襲うのは痛みというより、熱さだった。
灼熱のマグマをぶっ掛けられているように背中が熱い。……熱い筈なのに、肌寒くなってきた。
あまりの痛み――熱さに前へ、インデックスによりかかるように倒れる。
「とし、き……?」
インデックスは訳が分からず、そのまま神槍を受け止めた。が、彼女の華奢な体には少々重過ぎたらしい。支えきれずに、立ち膝のような体勢になってやっと彼の体は止まった。
と、ここでようやく彼女は神槍の背中に視線がいった。そこにあったのは赤、赤、赤。ドス黒い、赤。
それが血だと理解するのに、彼女はたっぷり5年かかると思った。
「とし、…き?」
返事はない。顔ならすぐ横にあるのに。こんなにも、近くにいるのに。
『……ぅ……ぁ…』
代わりに返って来たのは、低いうめき声。耳元のすぐ近くで出されたその弱々しい声は、鼓膜に張り付くように小さい尾を引いた。
ベチャっ、と神槍の背中に回していた手に何かがこびりついた。インデックスは“恐る恐る”そこに視線を持っていく。
彼女の小さくて綺麗な手には、生温かくて真っ赤な液体がついていた。まるで、赤い絵の具を塗りたくられたみたいに。
「としきィィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
彼女の絶叫は、不気味なほど静かな大通りに響き渡った。
攻撃した張本人である神裂火織は、その様子を呆然と見ていた。
既に魔矢は全てさばき切った。唯一食らった脇腹はズキズキと痛むが、行動不能になるほどではない。そもそもこの程度の傷、わざわざ回復術式を組まなくても『聖人』の彼女からすれば、特殊な呼吸法を使えば3秒もかからずに完治出来る。
間違いなく、彼女が勝った。勝者だ。
なのに、彼女はただ呆然と。インデックスの絶叫を聞いていた。
(な、ぜ?彼女には『歩く教会』という絶対防御があるんですよ?なのに何故、彼は身をていしてこんな事を……?)
いくら考えても、答えは分からない。
インデックスには『歩く教会』がある……筈だ。物理・魔術問わず受け流し、無力化する絶対防御が。
それが分かっているから攻撃したのに。それがあるから彼女に攻撃“できた”のに。
斬撃をいくら放とうが、法王級の防御結界が発動して受け流される筈だ。彼女には傷一つ付かない筈だ。
さっきの場面だってそうだ。
わざわざ命賭けで彼女を守らなくたって、彼女は大丈夫なのに。
(何故?こんな事に……?)
神裂は答えを求めて、今も泣き叫びながら彼の名前を呼ぶインデックスを見る。
そして――――、
「な!?」
――見つけた。
神裂は“それ”を見て、何の比喩もなしに本当に心臓が止まったかと思った。気のせいか足元がぐわんぐわんする。
(修道服に!『歩く教会』に血が染み込んで……ッッッ!!)
“それ”とはまさに、彼女の純白の修道服に真っ赤な液体が染み込んでいく光景だった。
それはあり得ない光景だった。あってはならない、光景だった。
当然、『歩く教会』には液体を弾く効果も備わっている。だからこその“絶対”防御なのだから。(逃亡生活の筈なのに歩く教会が綺麗だったのはこの為)。
だからおかしいのだ。彼の血が修道服に染み込む訳がない。『歩く教会』はそれすらも拒絶し、装着者を守りぬく筈なのだから。
目まぐるしい勢いで、神裂の頭の中が否定の言葉で埋め尽くされていく。
でも、だって、そんな訳ない。『歩く教会』があるのだから。
(ッ!まさ、か……)
そうしてやっと、答えに辿り着いた。
(――『歩く教会』は既に、“死んでいた”……?彼女はもう、絶対防御を持っていなかった?)
ゾクッ。
(もし、あのまま、斬撃が彼女に当たっていたら……)
ゾクッ。ゾクッ。
(彼が代わりに斬撃を受けていなかったら、彼女は…。インデックスは……!!)
ゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッゾクッ!!!
無数の虫に全身を走り回られているような悪寒が、神裂の全身に伝わる。
「ぁ、……あぁ―――インっ」
カラン、と甲高い音を立ててニメートル以上ある七天七刀が地面へ転がった。
目の前の現実から少しでも離れようと、勝手に足が後ずさる。
その時、背中を切り裂かれ、ダラリと力が抜けている神槍の一本の指から、光の矢が一本だけ放たれた。
「ッ!」
そのおかげで神裂は我に返った。常人を遥かに超える速度で刀を拾うと、迎撃しようと身構える。
だが予想に反して魔矢は、神裂の遥か手前で地面に着弾。辺りに黒い煙と粉塵を巻きあげた。
それが丁度神槍とインデックス、神裂を隔てるように視界を覆い尽くす。さしずめ、即席のカーテンのように。
(煙幕!?くっ――)
すぐさま狙いに気づき、神裂は粉塵のカーテンを突っ切りさっきまで少年が倒れていた位置を見るが、そこには大量の血痕が残っているだけだった。
(完全に、私のミスですね……)
脇腹の傷が、やけに痛む気がした。
どうすれば戦闘描写って上手くなれるんだろう……?