艦娘になった少女のお話   作:金色狼

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とある日常の会話

作「小説をね、書き始めた訳ですよ。2作品目。」

友「うん。で?」

作「読んでもらおうかなぁって。」

友「めんどくさいからやだ。それと、頼みがある。」

作「なに?」

友「書け。新しいの書け。」

作「でもまだ前の作品終わってn」

友「うるせぇ、書け(威圧)」

てな感じの会話で生まれたこの作品。
文才、語彙力皆無ですが、読んでいただけると嬉しいです。
文字数9650です。すいません、駄文が多くなってしまいました。


深海棲艦、侵攻

――悪夢は必ず、甦る。地獄の底から幾度となく這い上がってくる。邪神は、甦る

 

他愛ない会話を交わしながら夕食を終えた後の自室

私の好きなミステリー番組がやっていて、テレビをつけて番組を見ていたが、その中で私の気を引くコーナーがあった。

今やっている番組のコーナー、それは占い、予言に関する物だった。その前までは幽霊やらUMAなどの特集だ。

幽霊など実際見たこと無いのだから信用できないし、UMAだってどうせ人間が作り出した着ぐるみ、合成を用いて現実にいるように思わせているのだろう。

つまらなく考えていたが、このコーナーは先程も言ったが、予言や占いだ。

過去にあったことがまた起きる、これから私達の知らないことが起きるなど、信憑性の高い話ばかりが聞ける。

テレビ画面の右上にはそのコーナーの詳細が表示されていた。

 

『70年前の悪夢!深海棲艦が復活?!』

 

――『深海棲艦』。

70年前に、突如として海に出現した化け物。

最初に確認された深海棲艦の外見は、体が黒く、魚の様だったと言われている。

その深海棲艦は口の中から砲塔を伸ばし、日本の本土を攻撃してきたらしい。

国のお偉いさんさん達はこの深海棲艦を「駆逐イ級」と名付けた。

捕獲して検査をしようと考えていたが、抵抗が激しく捕獲は不可能だった。

そこで海上自衛隊に駆除を依頼、イージス艦を数隻出撃させ、現場に向かった。

海自は駆逐イ級を圧倒した。イ級は手も足も出ず、駆除された。(私的には数隻の船が一匹の化物を攻撃、ただリンチだと思っている)

 

これが人類が深海棲艦に勝利した瞬間だった。

たった一匹に対して、日本全土が歓喜した。

だが、駆逐イ級出現を境に、数多くの深海棲艦が太平洋で確認されるようになった。

中には、艦載機を飛ばしてくるのも居たらしい。

驚く事に、深海棲艦達が使用している武器は、魚雷、爆弾、大口径主砲だった。

その中に、大口径主砲を沢山積んだ深海棲艦が居た。

それを見た人達は大艦巨砲主義を思い出したと口を揃えて言っている。

まるで、太平洋戦争だ。と言っていた人もいるらしい。

 

日本はこの発言を聞いたのか、極秘に対深海棲艦用の兵器を作り出した。

兵器の開発メンバーには、深海棲艦出現と共に現れた、“妖精”と名乗る生命体も加わっていた。

妖精の技術力は非常に高く、日本が予想していないものを作り出した。

それが“艤装”だった。そして妖精は少女を1人寄越してくれないかと―――

 

「こら、留奈!こんなのばっかり見てないで、少しは勉強したらどうなの?受験生なんだから」

 

「もぅ...良い所だったのにぃ...」

 

母親が部屋に入って来てテレビの電源を消したらしい。

先程母親が述べた通り、私は中学3年生、世間では受験生と呼ばれる学年だ。

学校でのテスト成績は学年140人中42位と、そこそこの結果だ。

だが前回の期末テストで予習や復習をしていなかったせいか、62位とかなり順位が下がってしまっていた。

母親はこの結果をみて驚愕し、隙あらば勉強と言ってくるようになった。実際そうなのだが。

 

「そんなことはいいから、さっさと勉強!」

 

「はいはい、分かりました~。勉強します~」

 

「返事は一回!」

 

「は~い」

 

「伸ばさないの!...もういいわ。留奈が勉強しないなら、この本捨てちゃうわよ?」

 

「!!」

 

母が手に取ったのは、艦娘の歴史と書かれた本だった。

私が一番大切にしている本だ。

 

ここで、艦娘について説明しよう。

 

艦娘とは、妖精が開発した艤装、そして少女にその艤装を装着することで生まれる、太平洋戦役で活躍した艦船の名、魂を受け継ぐ少女。それが艦娘だ。

唯一深海棲艦に対抗できる勢力として、彼女達は日本に貢献した。

艦娘が誕生して数十年、今から35年前、艦娘と深海棲艦の総力戦が発生した。

日本からありったけの艦娘、海からは大量の深海棲艦。

両者は長きに渡り激突した。

結果としては艦娘側か勝ったのだが、甚大な被害を被った。

出撃した艦娘は全て轟沈したそうだ。

だが、全艦撃沈という結果に見会うような戦果も得られた。

――深海棲艦からの制海権の奪取。

つまり、平和な海に戻ったのだ。深海棲艦が出現する前の穏やかな海。

今度こそ本当に人類は深海棲艦に勝ったのだ。

沈んだ艦娘は神として崇められた。

 

そして、今に至る。

穏やかで平和な海。勉強しなければ本を捨てると言われてる私。

私は嫌々勉強を始めた。母はうんうんと力強く頷いて、部屋を出ていった。

母のいた場所を見ると本が置かれている。どうやら捨てられないで済んだようだ。

 

「はぁ~...良かった~...」

 

と、机に突っ伏した。

時計を見ると9時を回っている。

そろそろ就寝時間だ。

 

「勉強...忘れて寝よう。明日起きられなくなるのも嫌だし」

 

――――――――――――――――――

 

―――翌日

 

「留奈ー!朝ー!!」

 

「ん...」

 

母に声を掛けられて体を起こす。

カーテンを開けて、外を見ると雲一つない青い、青い空が広がっている。

軽く伸びをしてベッドから降りる。パジャマから制服に着替えて一階に続く階段を下る。

 

いつものように朝食を食べ、家を出て学校へ向かう、なんの変化もない普段の月曜日。

そんな穏やかな月曜日は途中までしか続かなかった...。

 

いつも通りの通学路、いつも通りの風景、とぼとぼと歩く男子生徒、ゴミ出しをする近所の住民、聞き慣れたすずめの鳴き声。それらが一瞬にして非現実に変わる。

 

目の前の家が爆散する。急な出来事だった。何気ない月曜日。いつもと変わらない通学路を歩いて急にだ。港の方から轟音が聞こえる。空気が揺れたと思うと今度はとぼとぼ歩いていた男子生徒の目の前で爆発が起きた。

 

爆発した瞬間、男子生徒の肉体は飛び散り、臓物が焼け、存在自体を無に返した。

残ったのは大きく抉れた地面と火薬の匂いだけだった。

 

「うっ...おぇ...」

 

朝食で食べた物が食道を駆け抜け戻ってくるのを必死に堪える。

以前港の方からは轟音が聞こえる。

 

「っは...はぁ...はぁ...な、なに...?」

 

テロだの過激派だの騒がしい時代だが、留奈の住んでいる地域では犯罪は起こるが回数は少ない。テロなんてものも身近に感じられない物だった。

そんな平和な地域での爆発。勿論、消防や警察が動く一大事だ。

 

「と...とりあえず、警察...!」

 

携帯を取り出し、110と番号を打つ。

プルルル...プルルル...

 

「すいません!警察ですか!?いきなり爆発...が...」

 

『現在回線が大変混み合っております。後程お掛け直し下さい』

 

無情にもかけ直しを要求されてしまった。

この事態に住民もさぞ驚いているんだろう。

 

「や、やば...どうしよ...」

 

足が震え始める。次第に立っているのも難しくなってきた。

留奈は遂にその場に座り込んでしまった。ふと空を見上げると、黒点がちらほら飛んでいた。

 

ヒュゥゥゥゥ...と何かが落下してくる音が聞こえる。

これは動画で聞いたことがある音だ。

 

学校の授業、社会の歴史分野だ。歴史では縄文~現代を学ぶ。そこで艦娘についても学ぶのだが、先生が言っていた事がある。「艦娘と深海棲艦の大戦、及び太平洋戦争でも使用された、艦載機という飛行機がある。日本で有名なのは零戦か。それに艦爆、艦攻、艦戦という種類がある。零戦は艦上戦闘機だから艦戦な。そこで、艦爆、艦攻がするのはなんだと思う?」そこである生徒が「爆弾を落とす...?」とボソッと言ったのが先生の耳には入っていたんだろう。「誰が言ったかは分からんが、そう!爆弾を落とすんだ。250kg爆弾とか魚雷とかも落とすぞ。まぁ、良いか。そういうのに興味があるやつ、動画があるそうだから爆弾を落とす時の音を聞いてみたらどうだ?」

 

私は意外とそういうのに興味がある。

私はすぐに帰宅して某動画サイトでその動画を視聴した。

ヒュゥゥゥゥ...とアニメやマンガでしか聞かないような、そんな音だった。

 

そして今。私の頭上からそんな音がする。

爆弾は誰でも知ってる。爆発して容易く生物の命を奪う殺戮兵器。

それが頭上から落ちてきている。

 

「は...はは...私...、こんな所で死んじゃうんだぁ....」

 

徐々に近づく落下音。

もうすぐそこまで来たと思ったら...

 

「ねぇ、死んじゃうよ?君、良いの?」

 

声を掛けられる。

その瞬間、上空で爆発が起きる。上を向くとシールドの様な物が張られている。

そして、一番気になった声の主の方を向くと...

そこには二頭身の小人がいた。

 

「だ...だれ...?」

 

「う~ん...名前は無いし...、妖精って呼んでよ!」

 

「妖精...?あれ...どっかで聞いたような...もしかして...艦娘の...」

 

「そんなことは良いから!こっち!こっちに来て!早くしないと君も死んじゃうよ?」

 

ハッと我に返り、辺りを見回す。

火災の発生する建物、叫びながら逃げ惑う人々、瓦礫に挟まれる人、血を流しながら倒れる人、阿鼻叫喚、まさに地獄絵図だった。

 

「家...、お母さんがまだいる!」

 

「...分かった。私はここにいるから、早く、お母さんを...」

 

「え、あ...ありがとう!」

 

そして私は家に向かって走っていった...。

 

―――――――――――――――――――――――

 

「お母さん!!」

 

家のドアを思いっきり開け、母親を呼ぶが、返事がない。

まさかと思い家の中に入ったが、母親の姿は無く、既に避難したようだ。

 

「避難した後かな...うん、そう信じよう...妖精さんの所に急ごう...!」

 

――――――――――――――――――

 

「やぁ...遅かったね」

 

「そこまで...遅くはないと思うんだけど...?」

 

妖精の元まで帰ってきたは良いが、状況は先程とほとんど変わっていない。

悪化する一方だ。轟音は以前続いており、破壊活動は終わらない。

 

「さっきこっちに来て!とか言ってたけど...どこに行けば良いの?」

 

「あ...、えっと、こっち!」

 

妖精はとてとてと歩き出した。私はその後ろについていった。

 

―――――――――――――――――

 

「ここだよ!ここ!」

 

「なにここ...」

 

雑居ビルの前に辿り着いた。

回りを見ると人が1人もいない為か、しんと静まり返っている。

 

「ちょっと待ってね...今開けるから...」

 

といって妖精は雑居ビルの地下に続く階段の鎖の鍵を開けている。

ガチャンと重い音がして鎖が外された。

 

「着いてきて!」

 

妖精の後を追い、階段を降りて行くと、そこには、今の時代見ないような大きな機械が設置されていた。

地下空洞に、クレーンの様な機械が沢山付いており、その奥に進むと、テレビで見たような人間を冷凍保存する為に作られたポッドが設置されていた。

 

「うわぁ...すごい...」

 

「あ、そうだ...君、名前は?」

 

「私?飛山留奈...」

 

「飛山....留奈......良い名前だね!」

 

「それで...なんで私をここに連れてきたの?」

 

「えっと、単刀直入に聞くよ?」

 

「うん...」

 

()()()()()()()()()()?」

 

「...は?」

 

あまりの衝撃にすっとんきょうな声を出してしまった。

 

「い、今...なんて?艦娘になりたい?って...?」

 

「うん。君には艦娘になる資格がある」

 

「なんでそう思ったの?」

 

「う~ん...、勘かな?」

 

勘で艦娘になる、ならないを見分ける妖精も凄い。

 

「艦娘は好きだけど...人間が艦娘になることなんて...可能なの?」

 

「簡単だよ!君に艦船の『記憶』と『魂』を入れて、艤装を装着すれば君も立派な艦娘だよ!」

 

「それで?君は艦娘になりたいの?なりたくないの?」

 

「でも...お父さんとかお母さんに心配掛けそうで...」

 

「じゃあ、ならない?」

 

心境は、なる6割ならない4割で艦娘になりたいという思いの方が強いのだが、両親のことを考えると、複雑な気持ちになる。

 

「私は...いいや...」

 

「じゃあ、ならないんだね?」

 

「うん...」

 

「分かった、これで君とはバイバイだね。さよなら」

 

妖精はヒラヒラと手を振って遠ざかっていった。

 

「やっぱり....待って!」

 

「まだなにかあるの?」

 

「やっぱり私...艦娘になる...!」

 

私の好きな艦娘。その艦娘になれる。この絶好の機会を逃したくはない。

親には心配を掛けるかもしれない。学校にも迷惑を掛けるかもしれない。

だけど、憧れの存在に“なりたい”ということは誰もが一度は思うことだ。

その憧れの存在に今“なろう”としているのだ。こんなに素晴らしいことはない。

 

「...そう言うと思ってたよ!よしきた!君を艦娘にしてあげる!それと一緒に、今...外で起こっていることを教えてあげる」

 

妖精はありのままを話した。

外で破壊活動を行っているのは“深海棲艦”だということ。

70年の時を経て復活し、この街を破壊していた。

昨夜テレビでやっていた番組。あの予言は本当だったのだ。

まさか次の日に起こるとは誰もが思っていなかっただろう。

 

深海棲艦撃滅の為にイージス艦を出撃させたが、全艦撃沈、為す統べなく海上自衛隊は撤退。航空自衛隊に事を任せているらしいが、深海棲艦の撃沈は確認できていない。

そして、最大の疑問。なぜ私が艦娘になるか聞かれたのか。

妖精が見える事。たったこれだけの理由で艦娘になれるらしい。

案外世界は簡単だった。

 

妖精は私になんの船の魂と記憶を埋め込むかもう決めていたようだ。

それは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――航空母艦『飛龍』の魂と記憶だった。

 

なぜなのかと聞いてみたところ、名前が近かったらしい。あとは性格だそうだ。

飛山 留奈。飛は分かるんだけど、龍は?と聞くと、留奈の留の部分。だそう。

よくわからなかった。

 

「じゃあ、このカプセルの中に入って~」

 

「う...うん」

 

「君が艦娘になったらもう二度と人間には戻れない。そして、艦娘になった以上、深海棲艦と戦う道からは逃げられない。外にいる深海棲艦とも戦うことになる。良いね?覚悟はできてる?」

 

「自信とか...覚悟なんてない...だけど、自分の家、友達がいるこの街を破壊されたくない...!」

 

「分かった...じゃあ、始めるね」

 

ポッドの蓋がしまり、ガコンという音と共に強烈な目眩が襲ってきて、気を失った。

 

――――――――――――――――

 

(あれ...ここは...)

 

目の前には広大な海、足元には木で作られた床、後ろを向くと沢山の飛行機が並んでいた。

周りを見ると、空母が3隻航行していた。その空母の飛行甲板にも航空機が多数並んでいた。

では、自分のいる所も空母の甲板上なのだろうか。

 

(どの空母なんだろう...やっぱり、飛龍なのかな...)

 

するとどこからか声が聞こえてきた。

 

『敵機直上!急ー降ー下ァー!!』

 

途端に1隻の空母が爆発、炎上した。

すると次々に空母が爆発していった。

 

(あれ...これって...もしかして...)

 

(ミッドウェー海戦...?)

 

――ミッドウェー海戦

大日本帝国海軍の主力空母4隻が撃沈し、戦局の転換点となった海戦である。

赤城、加賀、蒼龍、そして...飛龍。

 

赤城、加賀、蒼龍が沈みかけているとき、空母飛龍から無線が入る。

 

「我ガ飛龍ハ健在ナリ!反撃ヲ開始ス!」

 

飛龍の甲板上に待機していた航空機は順に発艦、反撃を開始したが、反撃も空しく飛龍は轟沈してしまった。

 

突然自分の中に入ってくる感情。

 

―嫌だ。沈みたくない。嫌だ。嫌だ。嫌だ。

 

(う...うぁ...あ...)

 

胸が締め付けられるように痛んだ。

これまでに感じたことのない痛み。

 

(う...ァ...)

 

ここで意識は途切れた。

 

――――――――――――――――――――

 

目を覚ますと椅子に座らされていた。

 

「やぁ、気分はどうだい?」

 

妖精が話しかけてくる。

 

「そこまで悪くはないけど?」

 

「そ~そ~良かった良かった。じゃあ聞くけど、どこが変わったと思う?」

 

妖精はスッと鏡を差し出した。

その中を覗くとこちらを覗く艦娘、飛龍の顔があった。

 

「うわ、すごい!ちゃんと飛龍になってる!」

 

「それと、一つ、質問していいかな?」

 

「なに?」

 

「ミッドウェーって分かる?」

 

それを聞いた途端、私の体は小刻みに震えた。

―嫌だ。沈みたくない。

 

「え...え?な...なんのこと?ミッドウェー?ナニソレ?美味しいの?」

 

「やっぱりかぁ...現実見なきゃダメだよ?まぁいいや。治ると思うし。じゃあ、早速、深海棲艦を倒しに行こうか!」

 

「え!?今から!?」

 

「うん。悪い?」

 

艦娘になって数分、ろくに説明もされずに深海棲艦と戦えと言われても無理である。

 

「説明も何も受けてないし...どうすればいいの?」

 

「説明なんていらない。外に人はいないから普通に出歩けるよ。それで港まで向かおう!」

 

「な...なんか強引すぎるけど...まぁ...とりあえず、れっつごー!」

 

―――移動中

 

――

――

 

「こりゃまた...酷くやられたねぇ~...」

 

港は最早全域が廃墟と化していた。

移動中に聞いた話によると、深海棲艦は何人かの民間人を人質にしているらしい。

 

「深海棲艦が人質を取る...今までに無いケースだ...」

 

妖精が珍しく難しい顔をして悩んでいる。

 

「それは後で考えるとして...。これから飛龍さんって呼ぶけど、良い?」

 

「さ...さん付け!?明らかに私より妖精さんの方が地位高いって!」

 

「スルーするけど、これから艤装の説明をするね。艤装出ろ!って念じれば出るから。頑張って。」

 

「そ...そうなの?」

 

試しに艤装出ろ!と頭の中で念じた。すると、手に弓、腕に飛行甲板、機関部を模しているのだろうか、それに似たブーツも出現した。

 

「海に出てみれば?」

 

ゆっくりと前に進んで海面に足を着けた。すると、地面と同じように立っていることが出来た。

 

「うわ!すごい、すごい!」

 

「私がナビゲートするから、飛龍さんは指示通りに進んでくださ~い」

 

「どうやって進むの?」

 

「進め!って頭の中で考えてみて」

 

妖精に言われた通り、頭の中で、進め。と自分に言い聞かせると、自然に進み始めた。

その姿はさながら、海の上をスケートの様に滑っているようだった。

 

「じゃあ次は...攻撃方法だね。え~っと...」

 

妖精さんは攻撃について説明した。

順番通りに行くと、まず矢筒から矢を取り出して、弓に掛ける。後はそれを打ち出すだけだそうだ。

弓道とほとんど同じだ。学校で所属している部活は弓道部でこういうのは得意だった。

妖精が艦娘になりたい?って聞いたときに、弓道部と見抜いていたのかもしれない。

 

(それにしても...私、どうやって着替えたんだろ...)

 

と、他愛もないことを考えていると

 

「水上に反応あり!数は3!戦艦が1駆逐が2!...でもさっき艦載機が飛んでいた...空母もどこかにいるはずなのに...」

 

妖精が敵の反応を捉えたらしい。

戦艦が1隻、駆逐艦が2隻の編成だった。

妖精は後にこう付け足した。「空母もいるかもしれないから、気をつけて...」と。

妖精に助けられる時に落ちてきた爆弾。爆弾は艦載機しか落とせない。

ならばどこかにいるはず。ついでに探してみようという考えを頭の隅に置いておいた。

 

「第一次攻撃隊、全機発艦!」

 

妖精に言われた通りの掛け声と、弓道の動作で矢を打ち出す。

すると打ち出した矢が形を変え、航空機に変わっていった。

 

(妖精さん...たしか友永隊の艦攻がどうとか言ってたような...)

 

そんなことを考えていると、攻撃隊から通信が入る。

 

『我レ敵艦隊ヲ発見!攻撃ヲ開始ス!』

 

どこかで爆発音が聞こえる。攻撃に成功したらしい。

 

「あ、そうそう、伝えるの忘れてた。航空機を発艦させてるときに目を瞑ってごらん?面白いものが見れるよ?」

 

と言われたので目を瞑ってみる。すると、視界に空を飛んでいる飛行機の姿が映る。

先程出撃した攻撃隊だろう。下を見ると、黒く染まった海にいくつかの点が見える。

あれが深海棲艦、戦艦ル級と駆逐イ級の艦隊だ。

 

その戦艦ル級の隣にある岩礁、そこに人が一人倒れている。

 

「お...お母さん...?」

 

家を見に行った時に居なかった母親。避難所に逃げたと思って安心していたが、まさか人質としてこんなところにいるとは...でも、なぜ捕まってしまったのだろう。

避難するときに港を通ったから捕まったのだろうか。

 

そんなことはどうでも良い。早く母親を助けなければ。

この思いが飛龍(留奈)を突き動かした。

 

「それ以上近づいたらダメ!危ない!」

 

妖精が何か言っているがそんなことは気にしない。

今、頭の中にあるのは母親を助ける事だけだ。

 

気がつくと深海棲艦のすぐ目の前に私は立っていた。

自分の母親を拐っていった犯人はすぐ目と鼻の先だ。

先程発艦させた航空機が飛んでいない。撃墜されたのだろうか。

だが、そんなことは知らない。

 

「お母さんを...返して...!」

 

怒りを込めた眼差しを相手に向ける。

ル級は冷たい眼をしていた。そして、岩礁に倒れている自分の母親を見下げた。

母親が顔を上げた。そしてこちらを見て、

 

「留奈...?留奈なの?」

 

外見もかなり変わってしまった筈だが、親というのはすぐに自分の娘と分かってしまうらしい。

 

「お母さん、今助けるからね...」

 

と言った瞬間だった。ル級の砲塔が母親に向いた。

ル級は口元を歪めてニヤリと笑った。

直後に爆音。砲弾は母親に命中、血肉を燃やし、母親という1つのかけがえのない存在を無情にも深海棲艦は消し去った。

 

「あ...え...お母さ...」

 

岩礁を見る。だがそこには母の姿は無く、あるのは無惨にも破壊された岩だけだった。

最期に母親がか細い声で言っていた言葉がある。

 

「怪我するんじゃないよ...?それと、ありがとね...」

 

助けてくれると思っていたんだろう。だが、深海棲艦の方が決断は早かった。

最愛の存在が目の前で消されると、感情は悲しみで支配されるのかと思っていたが、そうではなかったようだ。怒り、憎しみ、恨み...この様な感情に支配された。

すると、どこからか声が聞こえてきた...

 

――――――――――――――――――――――

 

『アナタニ...チカラガアレバタスケラレタ...』

 

――そうだ...私にもっと力があれば...

 

『ダカラダメナノ。チカラヲホシガラナキャ』

 

――じゃあ、力を...くれるの...?

 

『アナタガソレヲ...ノゾムナラ、ネ...』

 

――力が...欲しい...もう、誰も死なせたくない...

 

『フフッ...ソウイウトオモッタ...』

 

―――――――――――――――――――――――

 

身体中から、怒りや憎しみといった感情が溢れ出てくる。

母親を殺された、殺した深海棲艦への恨み、憎しみ。

自分の無力さへの怒り。

 

飛龍は眼を開ける。

その眼は憎しみに支配され、まるで奴ら(深海棲艦)と同じような、深紅の色に染まっている。

 

「沈めテやル...!跡形もナク....消しテ...ヤル!」

 

こちらに砲を向けてきた駆逐イ級を掴み、口に手を突っ込んで砲塔ごと引き抜く。

そして、海面に思い切り叩きつけたあと、先程引き抜いた砲塔をイ級の体に突き刺す。

 

青紫色の体液を吹き出した。飛龍はその体液を直に浴び、ゆっくりと残りのイ級に近づく。

 

「アハ...♪...タノシイ....♪」

 

イ級は砲を向けるが、次の瞬間向けた筈の砲塔が折れ曲がっていた。

気づけば、天と地が逆転している。そこでイ級の意識が途切れた。

 

飛龍はイ級の体を真っ二つに裂いた。

直後イ級は爆発、飛龍は爆発に巻き込まれた。

 

「........」

 

ル級は驚異が去ったか確認するべく砲を向ける。

だが、驚異は恐怖としてまた現れた。

 

煙の中から青紫色の体液を身体中に浴び、狂気に満ちた笑みを浮かべながら近寄ってくる飛龍の姿があった。

 

「殺シテアゲルヨ...?サァ...」

 

飛龍は一気にル級に近づき、心臓部分を手で貫いた。

ル級は一瞬の出来事で戸惑ったが、破壊対象に向けて砲を向ける。

だが、次の瞬間見えたのは自分の体だった。

飛龍はル級の心臓部分を貫いたあと、頭目掛けて手刀を繰り出したのだ。

ル級の首は玩具の様に簡単に外れて、海に沈んでいった。

 

「アハッ...♪アレ...モウオワリ...?マダ...楽しメテ...ナいノニ....」

 

飛龍は海面に膝をつき、岩礁に寄りかかる形で倒れ、意識を失った......




どうでしたでしょうか。
文才皆無、駄文、無駄に長くなった文章。
戦闘描写もうちょっと頑張ります。
感想、評価待ってます!

友人の意見次第で2話目を書こうかと思います。
2話目はもうちょっと短くなるように心掛けます(あったら)
更新がなかったら「あ...」って思ってて下さい。

後ですね、ネタを少し挟んでみました。
SCPとガンダムです。時間があったら探してみてください。
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